プレイレポート
ついに「エルダー・スクロールズ・オンライン」日本語版発売,一足お先に試してみて分かったことあれこれ
今回は,一足お先に日本語版のゲームクライアントでテストプレイをする機会があったので,簡単なプレイレポートと序盤の注意点などをまとめてみたいと思う。
すでにゲームを開始している人もいるだろうが,これから始めるという人は参考にしてみてほしい。
さて,最初に軽くゲームの紹介をしておこう。ESOは,The Elder Scrolls(以下,TES)シリーズの命脈を受け継ぐMMORPGだ。ゲームを起動してキャラクターを作成すると,プレイヤー達はタムリエルの地で生きていくことになる。
日本版が始まると聞いてまず心配したのは,本作の対人戦のエリアが広すぎることだった。生半可な人数では日本サーバーができても対戦は盛り上がらないのではないかと危惧していたのだが,サーバーは北米ということで,海外版のプレイヤー勢と同じサーバーで戦うのであればなんの問題もない(活動時間帯は違うかもしれないが)。
TESの世界観による重厚なストーリー,自由度の高さ,アクション戦闘,そして大規模対人戦が本作のウリであると言ってよいだろう。「World of Warcraft」以降,世界規模で大きな盛り上がりを見せるMMORPGというのはほとんどなかったのだが,本作はかなりいい位置につけている。どっぷりハマれるMMORPGを求める人にはぜひ試してもらいたい作品だ。
ゲームを始める前に
インストール時の注意だが,ストレージの空き容量には注意しよう。インストール完了時のフォルダサイズはほぼ50GBとなる。ダウンロード版だと先ほどの40GBがプラスされるのは当然として,今後のパッチインストールなどを考えると,それなりのストレージ空き容量を確保してから始めたほうがいいだろう。
ついでにグラフィックス負荷についても話しておこう。このゲームは,史上最高というわけではないにしても,MMORPGとしてはかなり高クオリティの描画まで可能となっている。大勢のキャラクターが入り乱れる大規模対人戦がウリなので,シングル版RPGのような死ぬほど重い設定にはできないが,その分,大人数の場面でもどうということもなく動いてくれる。
今回のテストプレイはスクリーンショット撮影を行うので,グラフィックスオプションは「普通はここまで上げないよな」というくらいの全部最高値にしてあるのだが,あまり人のいない場所でのフレームレートは,GeForce GTX 970搭載PCで47〜50fpsの間を推移している。画面はフルHDだ。普通に「最高」の設定を使う人ならもうちょっとだけ上がるだろうし,普通にプレイするのであれば,少し設定を落とすくらいのほうがいいこともあるだろう。
なお,これは「ウィンドウ表示(フルスクリーン)」という表示モードでのものだが,「フルスクリーン」に切り替えることで,50〜52fpsに向上する。ただし,マルチディスプレイ使用時には,マウスカーソルがディスプレイの外に出なくなってしまう。それをメリットと考える人もいるだろうが,横でWebブラウザを開いていたり,別のゲームを立ち上げていたりという使い方をする人には適していない。
まず,ゲームを始めるまでの注意点を挙げておく。
●名前を用意しておこう
新規サービスではなく先行してサービスされているサーバーに合流することになるということで,まずぶち当たるのは「名前がなかなか通らない」ということではないだろうか。
キャラクター作成などはある程度はじっくり作り込みたいものの,さっさとゲーム本体に進みたいと思うのも人情であろう。しかし,一般的な固有名詞はほぼ弾かれる。日本人もプレイしているのでローマ字名前もわりと弾かれる。
こういったところで詰まっていてはもったいないので,名前候補は事前にいくつか用意しておこう。いろいろと制約はあるが,名前にはスペースやハイフンも使用可能だ。おすすめは,名前の最後に“-j”などを付けるというものだが,それだとまずぶつかることはないのと,見ただけで日本人と分かればいろいろ捗りそうな気がする。
●陣営にも注意
キャラ作成の時点で,本作には3つの陣営があり,陣営によって作成できるキャラクターの種族が限定されることを覚えておこう(パッケージの特典などにもよるかもしれないが)。
砂漠の町,緑の島,北の大地と陣営によってスタート地点も異なる。序盤のクエストも別物だ。すでにプレイヤーコミュニティができているので,どの陣営を選んでも人が足りなくて云々ということはほぼないと思うが,友達とプレイするときには陣営をあわせるようにしたほうがいいだろう。日本語ベースのコミュニティとしては,なんとなく日本ではエルフスキーな人が多そうな気がするので多少偏りは出るかもしれない。
冒険の心得
最初はチュートリアルエリアで操作の基本などを教わることになる。このチュートリアルエリアは,タムリエルではない異次元ぽい特殊な場所から始まる。プレイヤーは,いけにえにされた犠牲者の魂の残滓であり,閉じ込められた牢獄から助け出され,再び肉体を得て預言者とともにタムリエルに帰還するまでの過程が描かれている。
さて,本作の最大の特徴は,日本語版だというところである。ゲーム自体はすでにサービスされており,日本からプレイすることも可能ではあったのだ。
TESシリーズの重厚なストーリーはオンライン版であっても生かされている。英語版をテストプレイしたときには,英語では難しい言い回しなどが結構つらいときもあったというか,ほとんどスキップしていたので,ウリの一つであるストーリーを楽しめずにいたのだが,日本語版ではちゃんとストーリーが分かる。
とくにクエストでのNPCとのやり取りでは,ちゃんと日本語のセリフで吹き替えがされているのが凄い。このゲームのクエストテキストはもう膨大な量があるのだが,すべて日本語吹き替え化されているようだ。
本作のクエストでは,どちらかというと複雑で分かりにくい事実関係がどさどさと出てくるわけだが,明らかに音声で聞いたほうが分かりやすいと感じる。もちろん,本棚の本や手紙の中身も日本語になっている。ゲーム世界の背景を知るうえでの重要な知識が日本語で参照できるというのは嬉しい。
せっかく日本語化されたこともあり,ゲームを進めるうえでもテキストはなるべく読むようにすることをお勧めする。チュートリアルでは,ゲームの目的などがしっかり語られるのでここは押さえておきたい。自分が何をやっているのか理解しているのといないのとでは,ゲームの楽しさがまったく違うのだ。
●操作の基本
W/A/S/Dキーで移動,Eキーで操作,Rキーで回収,ALTキーでOK,スペースキーでジャンプと,カスタマイズは可能だが,デフォルトでのキー操作はこのようになっている。ある程度FPSなどもやったことがある人には無理はないキー配置だと思う。
移動時の特殊操作としては,シフトキーでダッシュ,Ctrlキーで隠密行動を取れる(見つからないわけでもないが)ので覚えておこう。
攻撃はマウスの左クリックで行い,長押しで溜めて重攻撃ができる。右クリックは長押しで防御だ。あまり長く押す必要はないが,1秒程度は押しておかないと防御の盾マークが出てこない。
敵が呪文や重攻撃などのモーションに入ったら,妨害,防御,回避のいずれかで対応しよう。妨害は左右ボタンを同時押しすると発生する。盾持ちだとシールドバッシュで分かりやすいのだが,盾がなくてもどんなクラスでも発動可能なものである。ただし,距離が開いていると届かないので注意しよう。回避は,移動キーの二度押しで,その方向への回避行動を行える。
回避やダッシュでは,スタミナを消費する。動き回って翻弄するようなプレイスタイルや敵から逃げるときなどには,スタミナは重要なパラメータとなる。
●クラスと装備
一般的なMMORPGしかやったことがない人には理解しにくいかもしれないのだが,このゲームではクラスによる装備の制限というものはない。「魔法使いだからローブだろ?」といったことはまったくなく,魔法使いは重装鎧の上下に軽装鎧を組み合わせるといった,見た目には「どこが魔法使い?」的なものが定番となっている。クラス問わず盾も問題なく使えるのだが,武器との兼ね合いもあるので,盾職以外はあまり使わないかもしれない。
逆に,盾職でも杖を装備すればバンバン魔法が打てる。
●スキルはどうする
ということで,装備ではクラスの差はつかないのがこのゲームだ。クラスの差は,取得できるスキルにある。
各クラスとも,3系統のスキルラインを持っているので,スキルポイントが3つ入ったら,それぞれの最初のスキルを開放してしまおう。どれかに特化する手もあるのだろうが,1ポイント分でも開放してあれば,あとはとくに何もしなくてもそれぞれのスキルラインが成長していくので,とりあえず早めにアクティブにしておくのがおすすめだ。チュートリアルの初期段階でスキルポイントは手に入るのだ。
このようにスキルは,ポイントを使って管理するのだが,新しいスキルを増やす方向と,ある程度成長したスキルを次の段階に進化させる方向の2種類で調整可能だが,それは追々と好みで検討していけばよいだろう。
●あちこち回ってみよう
メインクエストを最短距離でクリアしていくのも悪くないのだが,かなり作り込まれた世界なのであちこち探索してみるのもおすすめだ。素材となる鉱石や植物などをはじめ,特殊な強化素材となるルーンや宝箱,スキルポイントがもらえるスカイシャードを発見できることもある。そのほか,サブクエストを見つけることもあるので探してみよう。
●カバンがあふれる
初期カバンは60スロットと,決して小さいわけではないのだが素材などを集めているとあっという間に埋まってしまうのも確かである。初期装備などの売値ゼロな余剰装備は真っ先に壊す,レシピなどを持っている場合はダブルクリックで覚える,1個しかない食糧は食べるといった対応から始めて,なんとか商人がいる場所までたどり着こう。
銀行に素材を預けるなどもよいのだが,すぐに増えていくので一時しのぎにしかならないかもしれない。町にはバックパック商人というものも存在するので,お金が溜まったら利用してみよう。
●盗んでいいの?
海外版βテストをやっていたときにはあちこちから「取る」の盗み放題でやっていたのだが,事情は変わっているらしい。他人の持ち物については赤文字で「盗む」という項目に変わっているのだ。やるとなにか悪いことがありそうな気もしてくるのだが,ぶっちゃけて言えば,盗むときに見つからなければOKぽい雰囲気だ。盗品の処理はそれなりに面倒そうではあるが(盗品用の買取店を見つけないとダメ)。
いろいろやっていると「ならず者」になったり,盗んでいるところが見つかると住人が襲ってきてそれを倒してしまうともれなく「殺人者」になったりするので注意が必要だ。なお,犯罪を犯しても,ある程度の時間が経つと一般人に戻れる。犯罪の度がすぎるとガードにぶっ殺されるようになるのだが,まあそれはそれ。逆に犯罪者だとシーフギルドに入れるとか,いろいろとおいしいこともあるようだ。
もちろん,そういうことをするのがイヤな人もいるだろうから,自分の好きなようにすればよい。清く正しく生きるのもよし,悪党として生きるのもよし。このゲームではどちらかでないといけないというわけではない。
序盤に関していえば,買取先を確保していないと,ガードに全部没収されるほか,ムダにインベントリを食うので,カバンと買い取り先を確保してからにしたほうがよいような気はする。
なお,街中はダメだが,荒野にあるキャンプやダンジョン内などは取り放題なので遠慮は無用だ。また,街中でも本棚については必ず目を通すようにしよう。本によっては,読むだけでスキルが上がるものが結構あるのだ。
以上,初めてこのゲームに触れる人が戸惑いそうな部分を中心に注意点を挙げてみた。すでに掲載されている英語版での記事など(内容が変更されている可能性もあるが)も参考にしつつ,日本語版に取り組んでみてほしい。
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