このゲームの読者の評価
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和製Xファイルあらわる!! 80 - 投稿者:semipop(男性/30代)
- 投稿日:2012/09/22
- 良い点
- ・マテリアルチェックやプログラムディレクションと呼ばれるゲームパート部分が上手く自然にシナリオに絡んでいて、それでいて面白い
・渋いシナリオ。特に人間ドラマが上手い
・清原紘によるキャラデザが素晴らしい
・声優たちの名演。主要キャラの声優は予想通り素晴らしいが、脇キャラには変わった性格の持ち主が多く、それを声で上手く(むしろ大げさ?)に表現しているのが良い
・多彩なBGMがどれも良い。ファミコン時代の探偵アドベンチャーを彷彿とさせる曲も面白い
・UIは優れている。シーンスキップや高速スキップなど使いやすい - 悪い点
- ・キャラデザの清原紘がCG原画を担当せず、ゲーム中のCGイラストは別の人が複数人で担当。彼らも下手ではないが、パッケージの清原紘の絵と比べると雲泥の差
・シナリオが万人向けに偏り過ぎ。もっとホラー成分強めで良いし、1話分くらいはもっと重いテーマ(報道の善悪など)を書いてくれれば良かった
・肉体的にも精神的にも味方が強すぎて、敵が弱すぎる。全く負ける気がしないので、ハラハラしにくい。
・もっと推理パートが多ければ良かった
・マニアックなオカルト用語も多かったのでTIPSは欲しかった
・EDテーマ曲が合わない - 総評
- トンデモ系オカルトを追う報道マンという極めて珍しいタイプに挑んだ姿勢は素晴らしい。
しかもゲームそのもののクオリティが高いのだから驚きだ。
プレイして1話終了時点でこのゲームのファンになった。夢中でプレイした。
このゲームが大好きだし、もう一度初めからプレイしたいと思っている。
買った時の期待を上回る作品だった。
しかしクリア後には不満点がいくつか残った。
まず、絵だ。
清原紘のキャラデザはホラーに合っているし、ギャルゲーでも乙女ゲーでもトップクラスを狙える魅力的な美男美女が描かれている。ゲーム中のCG原画は違う人だが、それでもかなり似せようと頑張っていると思うし、彩色もグラデーションを使ったvitaに相応しい綺麗なものだ。
しかし、やはり原画も清原紘に頼むべきだった。いくら似せようとしても所詮、他人の描いた絵では清原紘自身の絵には遠く及ばない。全点と言わなくても、ここぞ、という場面でのCGに清原紘本人の絵が使われていたなら、、、ガストのアトリエシリーズも岸田メル原画だから売れたんだろうに・・・。
せめてせめて、清原紘監修であれば。。。
次にシナリオについて。
文章力はかなり高く読みやすいし、常に先が気になる展開だった。
オカルトの扱いも上手かったが、このライターの妙技は人間ドラマにあったと思う。
第1話での楓とその友人の関係や、第6話の未亡人の夫への愛情など、かなり深いものがあった。しかしゲーム中に人間ドラマが展開する割合が少なすぎる。
主人公が報道を目指した理由など、かなりしっかりした設定があるのに、ゲーム中で語られるのはほんの数行でまとめられてしまうので、軽い人物に見えてしまう。
また主要キャラには性格の裏表というものが全く無い(もしくは書かれていない)。脇キャラも単純な性格な人ばかりだ。
「報道は必要悪」「報道をしても被害者は救われるわけではない、それでも報道しなければならない」「無茶をしないから今のテレビはつまらない」といった興味深い言葉が語られるのに、結局は毎話、勧善懲悪の結末になってしまうのは芸が無い。
この辺りはライターがあえて狙って、読みやすさやテンポを重視するため、小難しい会話や重い話を入れなかったのだろう。
この作品がスーパーファミコン時代なら名作シナリオと呼ばれたかもしれないが、今の時代でアドベンチャーゲームとして出す以上、難しい課題をテーマに正面から挑むべきだった。まして名古屋のテレビ局メーテレと共同制作をしているのだからなおさらだ。
そういった難しい話が、エンタメ重視のトンデモオカルト話とは両立するのが難しいというのなら、「オカルトを真面目なドキュメンタリーとして放送する意義と価値」といったテーマに真剣に向き合うという方法もあったはずだ。そもそも主人公はそのことに悩んでいたはずなのにいつのまにかうやむやになっているし。
うだうだ長文を書いたが、それくらいこのゲームにハマってしまったから。
本当にいまどき珍しいゲームだった。
同じスタッフの次回作に期待してます。 - プレイ時間
- 20〜40時間
グラフィックス サウンド 快適さ/運営 熱中度/ストーリー ボリューム 4 4 4 4 4
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