連載
滑らかなボールアクションに注目のiOS向け「Pinball Crystal Caliburn II」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第15回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
突然だが,皆さんはピンボールをご存じだろうか。傾斜の付いた盤面上を金属製のボールが所狭しと暴れ回るアレだ。昔はゲームセンターでもその姿をよく見かけたのだが,いつからか見かけなくなってしまったゲームである。
そんなわけで,今回取り上げるのは「Pinball Crystal Caliburn II」。1990年からピンボールゲームを専門的に開発/販売してきた老舗メーカーであるリトルウイングのiOS向けタイトルだ。スマートフォンで手軽に遊べるピンボールながら,専門メーカーのこだわりが詰まったすばらしい作品なので,紹介してみたい。
「Pinball Crystal Caliburn II」ダウンロードページ
Pinball Crystal Caliburn IIには,ファンタジーの世界観が取り入れており,盤面の各所に剣や魔法,ドラゴンなどをあしらったギミック(得点要素)が盛り込まれている。特定の場所にボールを放り込むとロックがかかり,3か所をロックできれば,マルチボール(同時に複数のボールが盤面上に出現)でプレイできるようになるのが特徴だ。
各種ギミックが絶妙なバランスで盤面にレイアウトされているので,ボールのアクションを見ているだけでもかなり爽快である。
ちなみに,ボールの動きは,物理演算を使ってシミュレートされているので,実機のピンボールで使えるテクニックがほぼすべて利用できるという。
実際プレイしてみて驚いたのは,ボールの動きがかなり滑らかであること。「いくら物理演算を謳い文句にしていても」と高を括っていたのだが,どんなにプレイしてみてもボールが不自然な挙動を見せることが一切ないのだ。盤面に3つのボールが出現したときも,その滑らかさは同様で,ボールとボールがぶつかったときの挙動はまるで実機のようである。
手始めにiPhone 4(Sではない)でプレイしたが,ゲームをレジュームさせると,直後に若干処理がもたつくぐらいで,それ以外はコマ落ちすることなく快適にプレイすることができていた。
面白いのは,ボールに寄った視点でプレイできる「ズームディスプレイ」機能である。通常は盤面全体を画面に収めたアングルとなっているが,ズームディスプレイ機能をオンにすると,ボールにズームした状態で画面がスクロールするようになるのだ。
画面の小さいiPhoneでもこの機能をオンにすると十分な迫力で楽しめる。画面スクロールの追従性も申し分なく,この機能をオンにしたからといってミスにつながったり,ストレスを感じたりすることは一切ないだろう。
本連載で紹介してきたスマートフォンゲームの中では,350円(税込)と比較的高めなタイトルだが,スマートフォンで遊べるピンボールとしては,抜群の完成度である。失われつつある古き良きゲーム文化を体験する価格としては決して高くないのではなかろうか。
オプションのクエストログでは,前回のプレイ内容を物語調で確認できる |
フリッパーを使ったボールコントロールテクニックを学べるピンボールテクニック |
「Pinball Crystal Caliburn II」ダウンロードページ
著者紹介:トリスター/牛澤庸二
ゲームやアニメなどの書籍や解説書,広告制作を行うプロダクション「トリスター」の代表取締役。「ゲーメスト」のライターから「ザ プレイステーション」の編集者を経て現在に至る。インターネット番組「2.5次元てれび」にて,トレーディングカードゲーム「ご当地大戦」の商品化プロデューサーとしても活動中だ。
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