インタビュー
“アイカツおじさん”はなぜ生まれたのか。大型アップデート目前の「アイカツ!」開発陣に聞く,次期シリーズの新要素から大人気の理由まで
今回4Gamerでは,その本作の大型アップデートが2014年10月に行われるということで,バンダイで本作のプロデューサーを務める廣瀬 剛氏と,初代プロデューサーでありプロジェクトマネージャーでもある原田真史氏に話を聞いてみた。
1タイトルで80万人のアクティブユーザーを擁し,関連商品を含めて159億という売り上げを生み出した大ヒットは,いかにして生まれたか。またネット上でまことしやかにささやかれる“アイカツおじさん”――メインターゲットとは異なる,成人男性のプレイヤー層は,果たしてどれくらい存在するのか。などなど,興味深い話が数多く飛び出す内容となっているので,興味のある方はぜひご一読いただきたい。
もちろんアップデートの詳細についても色々聞いているので,我こそはアイカツおじさんという人もお見逃しなく。
「データカードダス アイカツ!」公式サイト
「データカードダス アイカツ!」とは
4Gamer:
まず,アイカツというタイトルの概要からお聞きかせいただけますか。
はい。アイカツは,小学校1年生から3年生の女児をメインターゲットとした「国民的アイドルオーディションゲーム」です。ショッピングモールなどに置かれるキッズ向けアーケードゲームとして2012年10月に稼働を開始し,概ね2か月に1度のペースでアップデートを行ってきました。現在稼働しているものは2014シリーズ(第2シーズン)の第5弾――通算でいえば第11弾ということになります。
4Gamer:
ということは,もう2年近く続いているタイトルになるわけですね。アイカツといえば,アニメも放映されて人気を呼んでいますが,これはこのゲームを原作としたものなんですか?
廣瀬氏:
いえ,本作は原案ではありますが,ゲームとアニメ,それから玩具などの周辺グッズを含めたプロジェクトとして同時期にスタートしています。ゲームでは本作のほかニンテンドー3DS版もあり,小学館の女児向け漫画誌「ちゃお」と連携しながら,メディアミックスを前提に展開しています。
4Gamer:
なるほど。とはいえ,アイドルを題材としたコンテンツという意味では,アイカツは比較的後発のタイトルという印象があります。先行するタイトルとの差別化などを,意識されたことはあったのでしょうか。
廣瀬氏:
そうですね。自分で自分をプロデュースするアイドル像――我々はセルフプロデュースと呼んでいるんですが,これが基本コンセプトになっています。つまり集めたカードを使って,自分自身を着飾っていく。
アイドルを題材にした作品って,プロデューサーの立場からアイドルを成功に導くというものが多いですよね。しかし本作のプレイヤーは小学生ですから,それはちょっと違うんじゃないかと。そこで,プレイヤー自身がアイドルになって,ステップアップを目指す形になっています。
4Gamer:
具体的にいうと,本作のどんな部分にそれが表れているのでしょうか。
原田氏:
プレイデータを保存する学生証(ICカード)があるんですが,それに名前を登録すると,マイキャラという自分の分身,いわゆるアバターが作れるんです。もちろんアニメに登場するキャラクターを選ぶこともできますが,本作の場合,このマイキャラを使って遊ぶ人が多いようです。
廣瀬氏:
今でこそアーケードでも当たり前に使われるアバター機能ですが,女児向けでこれを実装したタイトルというのは,当時はかなり新しかったんですよ。ですから,そこはかなりチャレンジだったと思っています。
4Gamer:
つまり,その部分がほかのアイドルものとの大きな違いというわけですね。
廣瀬氏:
ええ。ただ一方で,女児向けのタイトルとしては,かなりリアルさを追求しているというのも,差別化の一つだと思っています。これまでの女児向けタイトルでは,現実にはないもの――例えば魔女っ子ものであるとか,変身ヒロインを扱うものが多かった。
4Gamer:
「セーラームーン」や「プリキュア」などですね。
廣瀬氏:
ああいうのが子供に人気なのは,小さい子供の変身願望があるからなんですね。アイカツが目指したのは,そういう「なりきり」ではなく,リアルな職業としてのアイドル体験。つまり,アイカツはもう少し年長向けのコンテンツなんです。ただ一つ,女児向けのキラキラ感を演出するために,オーディションの舞台となるイリュージョンシステムだけは,ファンタジーな世界にしていますけど。
原田氏:
変身などのファンタジー要素を前面に出してしまうと,未就学児向けになってしまうんです。ですから,本作は職業としてのアイドルを,できるだけリアルに再現するようにしています。オーディションやライブ,ファッションショーといったお仕事は,すべてリアルに存在するものですから。
4Gamer:
対象年齢が上がってくると,そういったリアル寄りの設定が求められると。
廣瀬氏:
女の子達は,とくにリアルさに敏感です。ファッションにだって,小学校低学年くらいから興味を持ち始めますし,そういう現実とリンクしている感覚は,欠かせないものなんです。
4Gamer:
ちなみに,男の子の場合は違うんでしょうか?
廣瀬氏:
男の子は……大きくなっても,変身とかずっと好きですから(笑)。女の子のほうが,ずっと現実的なんですよ。その辺りの描き方は,アニメチームとも常に意識を共有するようにしています。
4Gamer:
なんとなく,分かる気がします(笑)。
しかし,これって結構難しいゲームじゃないですか? 先ほど少し遊ばせていただきましたが……単なるリズムゲームというだけでなく,カードの組み合わせや,ステージのタイプなんかもあって,考えるべきことが結構ありますよね。
廣瀬氏:
そうでしょう? 女児向けだからといって,ゲームはおまけでいいとか,そういう考えは一切していないんです。男児向けでも女児向けでも,本当に面白いものの根っこは一緒のはずですから。
4Gamer:
本当に面白いものを突き詰めた結果だと?
廣瀬氏:
ええ。だからゲームとしても当然,男性でも楽しめるものになっているんです。実際のプレイフィールだけでなく,Webとの連動要素なんかもそうですね。遊べば遊ぶほど難度が上がり,カードの組み合わせが重要になってきます。
4Gamer:
強いカードを集めて使えばそれでいい,というわけではないんですね。
廣瀬氏:
ステージに合っていることがまず大事ですね。あと,強力なカードを使った場合には,リズムゲームがうまくないと,アピールが出せなくなります。
原田氏:
強いカードは,ちゃんとハイリスクハイリターンになっているんです。リズムマークが増えることで難度が上がるので,スコアを稼ぎやすい半面,失敗もしやすくなります。
4Gamer:
おお,なるほど。
原田氏:
ただ,それはごく当たり前のことなんですよ。本作がスタートするとき,まず最初に考えたのは,サービスを作ろうということでした。ただゲームをポンと置くのではなく,ランキングやイベントなどを含めた,ナンバーワンアイドルを目指すこのシステムの総体を,アイカツと呼ぶんだと。
4Gamer:
ああ,よく分かるお話です。それができるのは,さすがバンダイという感じですね。
原田氏:
ええ。面白いものを作るのは当たり前で,でも今の時代,それだけではダメなんです。遊び場の提供や大会など,運営までを含めたサービスでなくてはならない。我々は「ガンダムウォー」や「バトルスピリッツ」といったアナログのカードゲームもやっていますから,そこはアドバンテージだと思っています。今後もここだけはブレないように,続けていきたいですね。
■アイカツってどんなゲームなの?
本文中でも説明しているように,本作はトップアイドルを目指す少女達が,オーディションを繰り返すことでアイドルとしての仕事を獲得し,ファンを増やしていくというゲームだ。このオーディションがゲームのステージとなっており,リズムゲームで規定の点数を獲得することで合格となる。ここでは実際のゲーム流れを,2015シリーズ(第3シーズン)の内容に沿って紹介していこう。
ゲームを開始すると,まずカードが1枚筐体からが排出される。そのままコインを追加投入すれば,9枚まで連続で購入することも可能だ。これらのカードを使ってゲームを進めていくことになる
カードにはトップス,ボトムス,シューズ,アクセサリーの4つのカテゴリーがあり,オーディションの開始時にこれらを読み込ませることで衣装をコーディネイトできる。画像は2015シリーズで登場する新カード「オデットスワン」シリーズだ(※カード画像は開発中のものです)
ステージを選択したのち,先ほどのカードを読み込ませてオーディションで使う衣装に着替える。ステージには,キュート/クール/ポップ/セクシーというタイプがあるので,この傾向に衣装を合わせるのがポイントだとか。また衣装の組み合わせによっても,ボーナスが得られる(※ゲーム画面は開発中のものです)
一緒にオーディションを受けるアイドルを選択する。アニメのキャラクターのほか,全国のプレイヤーの中から,パートナーとなるアイドルをスカウトできる。同様に自分のマイキャラがほかのプレイヤーに選ばれたときには,ボーナスとして経験値やファンの数が増えるとのこと(※ゲーム画面は開発中のものです)
マイキャラがアイドルに変身してゲームスタート。ちなみに各ステージには,衣装の傾向のほかに難度もあり,プレイを進めることでより上級のステージが開放されるようになっている(※ゲーム画面は開発中のものです)
基本はリズムゲームなので,画面に表示されるリズムマークが,サークルと重なるタイミングに合せて,マークと同じ色のボタンを押していく。うまくいけば,スペシャルアピールが発生して高得点を狙うことも(※ゲーム画面は開発中のものです)
画面右側に表示されている合格ライン以上のスコアを達成すると見事クリア。オーディションに合格したことになり,ファン数や経験値など,さまざまなご褒美がもらえる。これを繰り返すことでより多くのカードを集め,より高いランクのアイドルを目指していくのが本作の楽しみ方だ(※ゲーム画面は開発中のものです)
ネットワーク機能が大幅強化される2015シリーズ
4Gamer:
2014年10月からスタートする2015シリーズでは,大きなアップデートを予定されているとのこと。この詳細について教えてください。一番大きな要素は,ネットワーク面の強化とのことですが……。
廣瀬氏:
はい。これまでもランキングやマイルームなど,ネットワークを利用した要素はありましたが,これらは基本的にWebと連動するだけのものでした。今回のアップデートでは,筐体の見た目こそ変わりませんが,内部に新しい通信ユニットを追加することで,この部分が大きく強化されるんです。例えば,ほかのプレイヤーのマイキャラを,ゲーム中に登場させたりとか。
4Gamer:
ほかのプレイヤーのマイキャラとユニットが組めるようになるわけですね。友達のマイキャラを登録しておき,一緒に遊ぶというようなこともできるんですか?
廣瀬氏:
チームメイトという機能があって,一緒にオーディションを受けたキャラクターを,ユニットメンバーとしてスカウトできるんです。お気に入りに登録するような形で,いつでも呼び出せます。2人プレイで遊んだ場合は,その子を登録することもできますね。
それとスカウト機能というのもあって,例えば北海道と沖縄のプレイヤーがユニットを組むこともできます。Webでお友達の学生証(ICカード)の番号を入力することで,チームメイトとしてスカウトする機能も実装予定です。
4Gamer:
ランキングは分かりますが,マイルームというのはどういった機能なのでしょうか。アップデートの内容からは離れてしまいますが。
廣瀬氏:
マイルームは,本作の公式サイトの中に用意された,マイキャラのお部屋です。ゲームの進行に応じて模様替え用のパーツが入手でき,それを使って部屋をカスタマイズできます。本作の世界設定でいえば,学園の寮の中に自分の部屋が持てるという感じですね。
原田氏:
アニメ版は,アイドルにあこがれている女の子がアイドル養成学校に入って,ルームメイトと一緒にレッスンを繰り返していくというストーリーなんです。ICカードが学生証なのもそれが理由で,そうしたリンクも大事にしています。
4Gamer:
(マイルームの画面を見ながら)自分のプレイ状況なんかも,ここから確認できるわけですね。でも実際,小学生がこうしたWebとの連動要素を利用するものなのでしょうか。
廣瀬氏:
データを見ると,しっかり利用していただけているみたいです。登録されているプレイヤーの属性も,実際のプレイの実態と概ね一致しています。iPadも多いですが,PCで親御さんと一緒に見ているお子さんも多いみたいです。
4Gamer:
うーん,なるほど。僕等が子供だった頃には,想像もできなかった世界ですね(笑)。アップデートのポイントは,ほかにもあるでしょうか。
廣瀬氏:
細かいところでは,ドレスのテーマなんかも新しい要素です。ドレスには毎回テーマを設けていまして,2014シリーズでは12星座がモチーフになっていました。2015シリーズでは,ロマンドレスという名前で,古今東西の物語をモチーフにしたドレスを展開していきます。
4Gamer:
ああ,白鳥の湖とか,白雪姫とか。
廣瀬氏:
ええ。例えばユニット全員でこのドレスを揃えてコーディネイトすると,白鳥の湖のアピールが出せる,といった感じですね。2015シリーズからは,セルフプロデュースに加え,ユニットプロデュースも可能になるわけです。
4Gamer:
ちなみに本作では,各シーズンごとにイメージキャラクターとして実在のアイドルとコラボをしていますよね。第1シーズンでは板野友美さん,第2シーズンでは島崎遥香さんときて,次はどなたになるのでしょう。
原田氏:
実はですね……橋本環奈さんです!
4Gamer:
えっ。それはまた……意外なところをついてきましたね。橋本さんが選ばれた理由をお聞きしてもいいでしょうか。
原田氏:
2013年に知名度がぐんとアップした彼女ですが,彼女もまたこれからトップを目指していくアイドルの一人。アイカツは全国ナンバーワンアイドルを目指すゲームですから,世界観的にピッタリだと思ったんです。
廣瀬氏:
板野友美さんや島崎遥香さんもそうでしたが,本作におけるコラボパートナーは単なる広告塔ではなく,ちゃんとゲームに登場することになります。今まではライバルとしての登場でしたが,今回は一緒にオーディションを受ける仲間になってくれます。
原田氏:
あとコラボカードもありますんで,そちらも期待していただければと。
4Gamer:
おお,それは楽しみです。そもそもなんですが,実在のアイドルとコラボするというアイデアには,どういった狙いがあるのでしょうか。
原田氏:
最初にリアルさという話をしましたが,女の子にとっては,やはり現実と地続きであるという感覚は大事なんですよ。いくら面白いゲームでも,子供ってふとした瞬間に「ああ,これは私のじゃない」って線引きをして,遊ばなくなってしまうことがありますから。
4Gamer:
それはちょっと分かる気がしますね。
原田氏:
そうならないよう,イケてる感というか,憧れの気持ちを持ってもらいたくて,実在のアイドルとのコラボをしているところはあります。このゲームを「自分達が遊んでいいゲーム」と感じてもらい,安心してハマってもらうために。
4Gamer:
最近の女の子って,やっぱりアイドルになりたいって願望を普通に持っているものなのでしょうか。
廣瀬氏:
なりたい職業の上位に入るくらいには,憧れはあるみたいですね。僕等が知っている昔のアイドル像と今のアイドル像って,結構違うんじゃないかと思うんですよ。こう,今はもっと地に足のついた感があるというか……。
原田氏:
昔のアイドルって,トップオブトップがいるだけで,とても手の届かない存在だったよね。
廣瀬氏:
ええ。そういう状況だと,自分もなりたいとはちょっと言いだしにくい。でも今は,アイドルってもっと身近な存在なんです。だからそれを目指して頑張るストーリーが受け入れられている気がします。むしろ7,8年後とかに,アイカツから本物のアイドルを目指しましたって人が出てきてくれたら,うれしいですね。
原田氏:
個人的には,アイカツを作ったことで,はじめてアイドルってものが分かった気がしているんです。「アイドルは人に元気を与える職業」って聞いても,昔はただ「そうだね」としか思いませんでしたけど,今はその意味がよく分かる。皆さん,ものすごく一生懸命で,努力しているのを知ってしまいましたから(笑)。
“アイカツおじさん”を開発陣はどう思っているのか
4Gamer:
先ほど,本作は性別に関係なく楽しめるゲームを目指して制作されているとの話がありましたが,ネット上では女児に混じって遊ぶ成人男性のプレイヤー,いわゆる“アイカツおじさん”が話題になることが多いですよね。実際のところ,メーカーとしてはこういった現象をどのように考えているのでしょうか。
あれはですね……皆さん面白がって言ってる部分はあると思うんですけど,大人の男性プレイヤーって,実際はそんなには多くないんですよ。大人のプレイヤーという意味では,むしろ女性の方がずっと多いんです。毎年夏休みシーズンに「LIVE☆イリュージョン」というイベントがあるんですが,それに応募されるのって,親子層に次いで多いのが大人の女性ですから。
4Gamer:
えっ,そうなんですか? お母さんだけでなく?
原田氏:
娘さんと一緒にプレイしているお母さんはもちろん多いですが,単に好きでプレイしている“アイカツお姉さん”が,実は結構多いんですよ。10年くらい前にキッズ向けアーケードを遊んだ世代が,成長して今はアイカツを遊んでくれているという。
廣瀬氏:
まあでも,先にも言ったように,面白いと感じるものの根っこは誰しも一緒ですから。大人が遊んでも楽しめるにように作っていますし,そういうプレイヤーが生まれてくることは,ある意味必然だと思っています。それに,幅広い層に受け入れられていることは,僕等としても嬉しいですしね。
原田氏:
そりゃあ,色んな人に楽しんでもらった方ほうがいいに決まってます。メインターゲットである小学生の女の子がガッカリしてしまわない限りは,大歓迎ですよ。
4Gamer:
ちなみに,そのメインターゲット“以外”のプレイヤーというのは,全体から見るとどのくらいの割合なんでしょうか。
廣瀬氏:
ICカードの登録年齢で見ると,8割が小学生女児ですね。だからの残りの2割がそれ以外ということになります。その中で一番多いのは,恐らくお母さんです。親子で一緒にプレイしている方が多くて,2台の筐体で遊んでいる風景もよく目にします。親子でカードを交換して遊んだりとか。
原田氏:
親子2世代で楽しんでもらえるというのは,実はすごく大事です。例えば「ドラゴンボール」でベジータのカードが出たら,お父さんだって「おお,ベジータ!」ってなるじゃないですか(笑)。カードの価値を親と共有できることは,子供にとってはすごく嬉しいことなんですよ。
廣瀬氏:
そういう意味では,ネットで言われているような男性プレイヤーというのは,本当に少ないですね。
4Gamer:
実際,現場でトラブルになったような例はないのでしょうか。
廣瀬氏:
ありません(笑)。
4Gamer:
例えば,ランキング上位をアイカツおじさんが独占してしまうようなことは?
廣瀬氏:
今は稼働からかなり時間が経っているので,確かにラインキング上位は大人の方が多いですね。ただ,次のシーズンが始まると,一部のランキングはリセットして再スタートになるので,そういう意味でもこのタイミングで幅広いプレイヤーが遊んでくれることを期待しています。
原田氏:
でも僕は,それでいいとも思っていて。だって腕に覚えのある大人が,売り場で女児と競ったって仕方ないじゃないですか。そういうトッププレイヤー達にはランキングでしのぎを削ってもらって,子供達は売り場の大会で1位を目指すってのがいいんじゃないかな。
廣瀬氏:
子供はただランキングに名前が載るだけで嬉しいんですよ。だから1000位まで表示するようにしていますし,デイリー集計にすることでチャンスを増やしている。実際いい点数が取れたら,翌日ランクインする可能性は高いです。
4Gamer:
分かりました。ではそろそろ締めのメッセージをいただければと思うのですが……。
原田氏:
実はですね,このために用意してきたものがありまして……ジャンと。
4Gamer:
!?
廣瀬氏:
やっぱり常にプレイヤーの想像を超えて行きたいと思っていますから。これ,いつも原田に言われてることなんですけど(笑)。
原田氏:
普通は罪なんで。斜め上を行けと(笑)。
4Gamer:
いやあ,こんな用意周到なインタビューは自分も初めてです(笑)。では,もう言い残したこととか,ありませんか?
原田氏:
あ,そうだ。カードゲームって,どうしてもカードがインフレしていって,どうせ新しいカードが強いんでしょって,なりがちじゃないですか。その螺旋から逃れられることって,やっぱり難しいんですが,皆さんが集めてきたカードの歴史だけは,大事にすることをここに誓います。なぜなら私もコレクターだから(笑)。
廣瀬氏:
今後,第1弾のカードを持っているといいことがある,みたいなキャンペーンはやりたいですよね。新作ボーナスとは逆に,昔のカードを持っているとボーナスがある,みたいな。
4Gamer:
それはそれで面白いですね。
原田氏:
ずっと先に,孫に「お婆ちゃんの時代のアイカツカードってこういうのなんだ」と言われたりとか,それくらい続けられたらって思います。使っていたカードを,子供や孫の世代が受け継いでいくような。だってファッションって,一番時代を感じるものじゃないですか。あくまで理想の話ですけど。
廣瀬氏:
3世代にわたるコンテンツも今は少なくないので,夢物語じゃないですよね。その前に,まずは2世代を目指さないとですけど。
4Gamer:
そのための第一歩が,この2015シリーズなんですね。
原田氏:
そうです。アイカツは10月から3年目,第3シーズンです。皆さん,よろしくお願いします!
4Gamer:
本日はありがとうございました!
ともあれ,そんなアイカツも,はや3年目を迎え,大型アップデートでまた新しい遊びが加わることになる。トレーディングカード要素と筐体型ゲームの組み合わせ自体が一般的になって久しいが,今後はいわゆるSNS的な要素やゴーストデータの活用といった遊びも,よりいっそう一般的なものになっていくのかもしれない。
一度プレイみたいんだけど……と思っている読者がいたら,あまり偏見を持つことなく,このアップデートを機にぜひ(節度を守って)楽しんでみてはいかがだろうか。
「データカードダス アイカツ!」公式サイト
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