プレイレポート
[プレイレポ]「黒い砂漠」27番目のクラス“スカラー”は,重力を操るハンマー使い。作りこまれたストーリーや設定も魅力のキャラだ
「黒い砂漠」の新クラス“スカラー”が発表された「2023カルフェオン宴会」日本パブリックビューイング会場をレポート
Pearl Abyss JPは12月16日,PC版「黒い砂漠」におけるイベント「2023カルフェオン宴会」のパブリックビューイングをRed Bull Gaming Sphere Tokyoで開催した。本稿では,イベントで発表された情報とパブリックビューイング会場の模様をお届けしよう。
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- ライター:F5/菊地将平
今回はそんなスカラーについて,背景やビジュアル,操作の上でどのような特色があるのかなどを詳しく紹介していきたい。
黒い砂漠の世界と深く関わるスカラーのストーリー
スカラーの背景となるストーリーは,かなり凝ったものになっている。そこで,多少ネタバレにはなるが,スカラーのストーリーから紹介したい。ゲームの内容とカルフェオン宴会での発表,そしてストーリーを合わせると,以下のような話になる。
●「黒い死」を克服する旅
スカラーのストーリーは,ゲーム中の謎である「黒い死」と深く関わっている。黒い死は,人の肉を黒く腐らせて死に至らしめる伝染病だ。
黒い死が西方に広がり始めたエリアン歴235年。若き錬金術師エイブリン・オ・セルベリルも「黒い死」に罹患してしまう。エイブリンは病に身体を蝕まれながらも,黒い死を克服する方法を探し続けた。錬金術の賢者からも救いを得られなかったエイブリンは,自らの才能に賭け,日に日に衰弱しながらも生きるために錬金術に専念した。そして,古代遺跡の秘密を解き明かし,それらを模倣した「門」を作り,その向こうへと進む。
スカラーの紹介動画は,その「門」の向こうの世界から元の世界へ戻る際の一風景を描いているようだ。
古代兵器の上空から突如,ハンマーと共に現れたエイブリンは,そのまま降下して敵を粉砕。そして,相対性理論「エネルギーは質量と光速の二乗」のセリフと共に,ハンマーを野球ボールの用にかっ飛ばし,残りの敵を簡単に倒してしまう。黒い砂漠はいわゆる中世ファンタジーだが,軽快なドラムンベース風のBGMに乗って自律型兵器を破壊しまくる表現は,スピード感にあふれている。普段用いないBGMジャンルからも「いつもの黒い砂漠の世界ではない」という演出なのかもしれない。
なお,紹介動画は英語だが,ゲーム内のスカラーはきちんと日本語でローカライズされている。また,戦闘時には「エネルギーは質量と光速の二乗!」「圧縮!」など,日本語でスキルボイスを発する始めてのキャラクターとなった。細かい改善ではあるが,これまでの「エイ!ヤー!」の掛け声だけのクラスよりも個性が出て,親しみを感じられる。
●重力と時間を扱うSF要素
エイブリンはエリアン歴210年頃の生まれということがカルフェオン宴会時に発表されている。エリアン歴235年時点ではエイブリンはおよそ25歳だ。しかし,黒い砂漠の「今」はそれより何十年も経っている設定(286年頃?)のはず。
黒い砂漠プロデューサーのキム・ジェヒ氏も,スカラー発表時には「(ベリア村の村長の)イゴール・バルタリなどより年上になりますね」としつつ,スカラーについては「自らの時間を閉じ込めることで病の進行を止め,故郷に帰ります」と説明している。
一般相対性理論では,「重力が低い惑星にいると,時間が遅くなる」とされている。重力が時間と関係するという「リアル」をひとつまみ加えたSF的なアプローチだと感じた。
ルネサンス時代の学者をイメージした衣装
スカラーの衣装は,ルネサンス時代の学者をイメージしてデザインされたとのことだ。現代的なオシャレさも兼ね備えたディテールにも注目したい。
●アルス・マグナ衣装
衣装の名は錬金術の思想の1つ,ラテン語で「大いなる術」を意味する「Ars Magna」から取られている。
丈の長いマントは布の質感がたっぷりと感じられる。浮遊感を表現するうえでも重要な役割を担っていると言えるだろう |
黒い砂漠の女性クラスはスカートが多い中,スカラーはショートパンツスタイルが採用されている。ブーツのスタイリングもオシャレ |
「重力を操るハンマー使い」で新しい魅力を体現
スカラーの武器である両手のハンマーは,スカラーが錬金術に利用していたものを武器として使っているという。そして,優れた錬金術と物理学の知識を持っているスカラーは当然「腕力」だけでハンマーを振るうわけではない。重力を操ることができる「グラビティコア」をハンマーに装着して戦う,いわば「理系」のキャラクターなのだ。
●グラビティコア
スカラーが大きなハンマーを豪快に振るい,跳躍できる理由が補助武器として装着する「グラビティコア」だ。重力コントロールの装置であり,これを活性化すれば体重を軽くし,跳躍することもできる。ハンマーとともに前方に投げて自分を引き寄せることで高速移動したり,ハンマーに装着して質量を変化させることまでできる。
●ハンマーとスレッジハンマー
スカラーはメイン武器となる「ハンマー」を両手に持って戦う。移動中は常にハンマーを装備した状態となり,覚醒武器のコンボもハンマー攻撃から始まることが多い。
錬金術で「黄金」を生み出すド派手な攻撃
スカラーでスキルを繰り出すと,金色の鉱石のようなものが画面中に現れる。これは「錬金術」によって,ハンマーの先から黄金を錬成しているのだそうだ。グラビティコアにより重力や速度,質量を変化させつつ,錬金術と組み合わせて大地の金属を変化させているのだという。
初心者にやさしい,分かりやすい操作系
クラスシステムとしてはシンプルな仕様にまとまっている。
メイン武器のハンマーと覚醒武器のスレッジハンマーを持つものの,既存の「伝承/覚醒」のように武器の使い分けを意識することはあまりない。メイン武器のハンマーから攻撃を開始し,覚醒武器のスレッジハンマー攻撃までのコンボがワンキー押しっぱなしで出せるからだ。また,ハンマーとスレッジハンマーで重複するキーコマンドがない点もいい。ゲーム初心者でもすぐに扱えるようになるのではないだろうか。
以下は公式のスキル解説動画だが,ここでも「Hold(長押し)」で多くのスキルがコンボにできることが伝わると思う。
序盤のスキルのポイント
スカラーのスキルは,キャラクターのレベルアップと共に開放されていく。以下にゲーム序盤の主なスキルコマンドの開放タイミングを記載しよう。とはいえ,現状の黒い砂漠ではあっという間にレベルが上がるので,1つひとつ意識している暇はないくらいだろう。ゲーム序盤は「右クリック・F・Eキーと前後キー(W/S)を長押しすると,何かしらの技が出る」くらいの認識で十分やっていけるはずだ。
LV5:Shift回避
LV6:↑+E / 右クリック長押し(覚醒コンボ)
LV7:↓+F / E長押し(覚醒コンボ)
LV8:F長押し(覚醒コンボ)
LV9:↑+右クリック(移動技)
LV10:↓+右クリック
LV11:↓+左クリック
LV13:↑+右クリック長押し(覚醒コンボ)
LV14:↑+E長押し(覚醒コンボ)
LV15:↑+F(移動技)
LV16:↓+F長押し(覚醒コンボ)
LV17:Shift+Q(覚醒)> 空中Q(覚醒)> 何かのスキル後or空中 > Space / ↓+右クリック長押し(覚醒コンボ)
LV20:グラビティプレス(スキルスロット) > 左クリック
LV25:↓+E(怒り100%スキル)
移動スキルはこれを使う!
スカラーを使ううえで欠かせない,移動関連の主なスキルを紹介していこう。
●グラビティコア設置 (Q)> 引力生成 (Q)
●ハンマーステップ (↑+F)
●ジャンプドハンマー (↑+右クリック)
「解放」でスレッジハンマーを振り回せるように
LV56で闇の精霊から受けられる「解放」依頼後は,スレッジハンマーの単体スキルを利用できる。「これぞ大ハンマークラス!」という王道の動きで,パワフルさを感じられるようになっている。
●加速突進 (↑+C)
●限界突破 (Shift+左クリック)
●抑えきれない力 (Shift+右クリック)
●スウィープアウェイ (Shift+C)
●戦慄の錬成陣 (Shift+F)
●エールアット (Shift+E)
「スカラー」のテーマ音楽「GRAVITY」に籠められたメッセージ
スカラーには新クラスとして始めてテーマソングが用意されている。
彼女は黒い砂漠のストーリーの根幹である「黒い死」に負けず,自分の才覚を賭けて挑戦し続けた,根気強いチャレンジャーだ。歌詞の「向き合うのが怖かった古い悪夢」にある“悪夢”は,長い時間が経過した今もなお,故郷にあるのかもしれない。それでも理想を追い求め,元の生活へ戻っていくことを決意することを歌っている。
さまざまな波乱が巻き起こる現代における,プレイヤー自身に対しての応援歌と受け取ることもできるだろう。誰もが持つようなトラウマや内なる恐怖に打ち勝ちつつ,新たな「門」を超えることをテーマにした歌のように筆者は感じた。
「私のハンマーがあれば,怖いものなし!」
スカラーの冒険の行く末をプレイヤー自身の手で見届けてほしい。
「黒い砂漠」公式サイト
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