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[TGS 2012]「大激突!!ガーディアンブレイク」およびDeNAとの海外事業包括契約締結が発表されたgloopsの記者発表会をレポート
「大激突!!ガーディアンブレイク」が標榜するカードバトルゲームの最終進化型とは?
さらに,同タイトルのコンセプトキャッチは“ぬるいバトルゲーは卒業だ!”という,少し刺激的な表現となっている。これについて加藤氏は,座標概念のあるマップを導入したことにより,プレイヤーがチェスの駒のように状況に合わせて自由に行動し,戦略性に富んだチームバトルを実現できるからだと説明。氏いわく,従来のカードバトルゲームとは異なり,「強いからといって絶対的な勝利が確約されないモデル」になっているとのことだ。
ゲームの進行は基本的に,従来のカードバトルゲームと同じものだが,本作では新たな要素として「攻城戦」が加わるという。これについてはあまり詳しく説明されなかったのだが,ここでいう攻城戦とは,おそらくMMORPGなどで一般的な,一定の権利をめぐってチーム同士で競いあうようなコンテンツのことだと思われる。
こうしたコンテンツがカードバトルに加わることにより,例えば,戦力や資金の収集およびコミュニティの場としての機能を有していたミッションに,「攻城戦練習の場」という新たな役割が加わる。さらに上記の座標概念の導入による,迷路のように入り組んだマップや,一定条件を満たさないと進行しないエリアなど,攻略要素も加わるという。
またカードの強化も,従来の合成に加え,デッキの組み合わせによってボーナス効果が発生したり,強さに関わる武器/防具が有料ガチャでは入手できなかったりと,従来ではあまり見られなかった要素が加わっている。
さらにチーム内には「マスター」「役職」「精鋭」「一般」といった階級を用意。これはプレイヤーに向上心や使命感を与え,能動的にチームへと寄与させるための仕組みだ。また特定の階級には,攻城戦で発動可能な特殊スキルも与えられる。
そして最も大きな特徴は,座標マップを導入したバトルシステムである。バトルは1対1のチーム戦で,舞台となるのは5×5のマスで構成されたマップだ。各プレイヤーはマップ上のどこを攻め,どこを守るか自チームの戦略にのっとりながら戦い,最終的に敵プレイヤーを倒すことで溜まるポイント「RP」の,より高いチームが勝利となる。なお,このバトルには,各チームの陣地に配置された「キング」を討伐すると大量のRPが入るという,逆転要素も用意されており,たとえ優位に立っていても最後まで気を抜けないのである。
続いて加藤氏は,同タイトルのワールドコンセプト(世界観)について,多くのゲームファンが好む“剣と魔法のファンタジー”であると紹介。またイラストは,昨今主流となっている美麗さをウリとした路線ではなく,あえてデフォルメしているという。その一方では,影の表現などに独自の手法を用い,美麗さとは異なるこだわりも忘れていない。
最後に加藤氏は,同タイトルのプランニングコンセプトについて「Virtual Graph × Real Graph」を掲げたことを明かす。すなわち,リアルの仲間が一堂に会してチームを結成し,まるでスポーツを観戦するかのように,ああでもないこうでもないとワイワイ言いながら,日本のどこかにいる同じようなチームと対戦している光景を想定して企画されたとのことだ。加藤氏は「ソーシャルゲームの新たな試みとして,ぜひ実現させたい」と強い意気込みを見せていた。
gloopsとDeNAが海外包括契約を締結。強力タッグで世界を攻略
川方氏は,現在,gloopsが提供するソーシャルゲームタイトルの総会員数が延べ1800万人以上を達成していることや,売り上げが2012年6月期は前期比で約6倍と大きな成長を見せていることを挙げ,現在の同社が非常に好調であることをアピールした。
こうした成果の理由には,プレイヤーの支持が欠かせない一方で,gloopsならではの二つの強みがあったと川方氏は語る。強みの一つは,事業の“選択と集中”で,同社では主に男性向けバトル系コンテンツに注力することで,多くの運営開発ノウハウを蓄積してきたとのことである。
そしてもう一つの強みが,自前のデータ分析専門部署だ。この部署があることで,リアルタイムの大規模データ解析が可能となり,“爆速”のコンテンツチューニングが可能になっていると川方氏は説明する。
川方氏は,こうして日本でソーシャルゲームを開発してきた強みを生かし,「今後は“世界で勝つ”をスローガンに海外に展開していく」と強い意気込みを見せ,新たにディー・エヌ・エーと海外事業における包括契約を締結したことを発表。
この海外包括契約において,ディー・エヌ・エーは「gloopsが提供するコンテンツへの集客サポート」と「ソーシャルゲームの海外事業展開におけるノウハウ等の提供」を行う。
一方,gloopsは「『Mobage West』(北米/欧州)向けに2012年内に5タイトル,2013年度中にさらに5タイトルをリリース」「『Mobage China』(中国)および『Daum Mobage』(韓国)向け,それぞれに2012年内に1タイトルをリリース」「米国で人気を誇るIPパートナーと提携したコンテンツの提供」を目指すという。
なお,2013年12月末までに海外展開するタイトルは全10本。このうち会場では「大連携!!オーディンバトル」「大進撃!!ドラゴン騎士団」「APOC WARS」の3本が紹介された。
さらに川方氏は,現在,北米のソーシャルゲーム市場が,2013年度には約1億2000万人規模まで成長する見込みであることを紹介。その巨大な市場で事業展開するにあたり,gloopsは日本で培った運営力と,強力なIPを使ったソーシャルゲームで会員数を獲得,かつ海外事業展開におけるノウハウ吸収を行うと,川方氏は語る。
最後に,川方氏はgloopsを“エンターテイメント集団”と表現。今後はさらに“ソーシャルエンターテンメントプロバイダー”を目指し,エンターテイメントの可能性を追求していくと意気込みを見せた。
守安氏は,まずソーシャルゲームの海外進出について,国内で短期間の成長を遂げたノウハウが海外でどこまで通用し,どのように市場を広げていけるのか,大きなチャレンジであると,自身の見解を述べる。
またgloopsとの海外包括契約締結に至った経緯については,mobageがオープン化して以降,ずっとパートナーとして国内ソーシャルゲーム市場を築いてきたと守安氏。さらに約1年前に両社が結んだ包括提携がきっかけとなって,より密接な関係を築いたことから,両社合意のうえで海外でも一緒に組むことに決めたという。
一方,川方氏は,ディー・エヌ・エーのマーケティング力と,gloopsが持っているコンテンツの運営開発能力を融合すれば必ず成功すると考えていると語る。また海外市場は大きい半面,1社単独では攻略が難しいと川方氏は語り,国内以上にディー・エヌ・エーとの関係を密にし,日本発の海外ソーシャルゲーム市場を作っていきたいと展望を述べた。
海外進出の動向を尋ねられた守安氏は,現状を「1〜2年前から取り組んできた成果が見え始めた時期」と表現。さらに氏は,Google Playの北米売上ランキングトップ10に,mobageのタイトルが3本入っていることを指摘し,「日本のコンテンツは海外でもシェアを取れる」と自信を持てるようになったと話す。また守安氏は,今回の包括契約により,gloopsのタイトルが海外に受け入れられるのを見るのも楽しみだとも語っていた。
一方,川方氏は“エンターテイメント集団”として,誰もが楽しめるコンテンツを作っていく中で,ゆくゆくは世界の多くの人から「このコンテンツは,gloopsが作ったんだ」と認識してもらえるサービスを提供していきたいという自身の夢を述べ,トークセッションを締めくくった。
gloops公式サイト
- 関連タイトル:
大激突!!ガーディアンブレイク
- 関連タイトル:
大連携!!オーディンバトル
- 関連タイトル:
大進撃!!ドラゴン騎士団
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