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あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた
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印刷2014/09/20 00:00

インタビュー

あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた

任天堂からのオファーがなければ「2」は存在しなかった


 ここからは上記以外の気になるポイントを中心に,プラチナゲームズの橋本氏と黒田氏へのインタビューの模様をお届けしよう。

4Gamer:
 こうやって見せていただくと,ベヨネッタ2はかなり高い完成度の作品に仕上がっているように感じられました。

画像集#018のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた
橋本祐介氏(以下,橋本氏):
 ありがとうございます。僕らとしてもやれることはすべてやりましたので,悔いはありません。

4Gamer:
 そこであらためてお聞きしますが,今回なぜWii Uというプラットフォームを選ばれたのですか?

橋本氏:
 それはすごく単純な話で,任天堂さんから制作のオファーをいただいたから実現した……というのが,一番大きい理由だと思います。オファーがなければ,きっとベヨネッタ2は存在していなかったんじゃないでしょうか。

黒田晶子氏(以下,黒田氏):
 もともと弊社と任天堂さんとは,「The Wonderful 101」でご縁もあったんですが,プレイヤーの方に満足していただけるタイトルがもっとWii Uにほしいというご相談をいただいて,今回,ベヨネッタ2を作ることになったんです。

4Gamer:
 Wii Uのプレイヤー層を広げるという目的があるとはいえ,お仕置きやベヨネッタの肌の露出など,前作から引き続いてかなり過激な要素もありますが,そのあたりで任天堂さんから“待った”的な声はかかりませんでしたか?

黒田氏:
 そこについては一切ありませんでしたね。私達としては非常に作りやすかったです。

橋本氏:
 こちらでやりたいことをとりあえず全部やってみて,NGが出たら止めようと思っていたぐらいだったんですが(笑)。結果的には何一つNGにはなりませんでした。

4Gamer:
 おお,良かった(笑)。

橋本氏:
 本作の過激さという部分は,女性主人公ならではの魅力だと思うんですよ。現代の魔女という設定を最大限に活かすために,今回もけれん味という部分にはとくにこだわりました。ドSな魔女が残酷に天使を倒すという基本コンセプトは変わっていませんので,ご安心ください。

画像集#023のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた

4Gamer:
 Wii Uというハードで開発するにおいて,今回タッチ操作という新要素が用意されて,それがかなり興味深い仕組みに感じられたんですが,あれはどのようにして生まれたものなんでしょう?

橋本氏:
 あれは本作でバトルを組んでいるプログラマーが,ちょっと空いた時間に作ったのがきっかけだったんです。

4Gamer:
 そんな単純なものなんですか!? その割には凄く操作性の良いものに仕上がっているという印象を受けましたが。

橋本氏:
 もちろん,調整にはかなり時間をかけました。いかに直感的に操作できるかというところで,反応が良すぎても分かりにくくなりますから,そのバランスは詰めていますね。
 最終的には触り心地の良さという操作のハードルもしっかりクリアしていて,“さすが現場や”と思った次第です。

4Gamer:
 逆に今回実現できなかったことなどはありますか?

橋本氏:
 実現できなかったのは2画面を別々に使ったプレイですね。協力プレイなどでメイン画面とWii U GamePadの画面で別のものを出したかったんですが,両画面で秒間60フレームを出すとなると,今の密度を維持するのが難しく,そこは早いタイミングでバッサリと切りました。

4Gamer:
 なるほど。一方,ベヨネッタ2には,前作をまるごと収録されていて,ずいぶん思い切った仕様だと思ったんですが,これはどういう経緯だったんでしょうか。

橋本氏:
 2を作っているときに,このWii Uで1を作りたいという話が出てきて,それを任天堂さんに相談したところ,ぜひやりましょうということになったんです。

4Gamer:
 別売でも良いのでは……? と思ってしまったんですが。

画像集#019のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた
黒田氏:
 ファンの皆さんがベヨネッタ2を買うにあたって,もし特典があるとしたら何が嬉しいのかな? と考えたんです。そこで,前作を入れてしまうこと以上に嬉しいことはないのかな,というのが我々の出した結論でした。

橋本氏:
 ストーリーが前作とガッチリつながっているということもあるんです。もちろん2から始めて1に戻っても楽しめるんですが,今回に関しては両方を収録したことで,ベヨネッタの世界観を思う存分楽しめる内容となりました。

4Gamer:
 となると,やっぱり前作を遊んでいない人は,1から遊んだほうがいいということでしょうか?

橋本氏:
 どちらから遊んでいただいても構いませんが,ストーリーのことなどを考えると,前作未経験の方は1から遊んだほうが理解しやすいかもしれません。

黒田氏:
 今回収録した1は,単なる移植ではなくて,日本語音声や任天堂さんとのコラボコスチュームも新たに追加収録しました。タッチ操作にも対応していますので,以前プレイされた方にもあらためて楽しんでいただけるのではないかと思います。

4Gamer:
 考えてみると前作のリリースから5年も経ってるんですよね。かつて遊んだ人も,新鮮な気持ちで楽しめそうな気がします。

橋本氏:
 きっと1も2も楽しんでいただけると思います。

Wii U移植版「ベヨネッタ」
画像集#024のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた


「ベヨネッタ2」はやり残したことのない作品として完成


4Gamer:
 プラチナゲームズにとって,いわゆる続編を手がけるのは初めてのことだと思うんですが,その点での苦労などはありましたか?

画像集#020のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた
橋本氏:
 そうですね。これまではどちらかといえばオリジナルタイトルをお届けすることに重きを置いてきた会社なので,前作がある状態からゲームを作るということに対して,初めての経験はたくさんありました。とくに難しかったのは,新しいシステムを構築しつつ,前作から継承する部分をどう残すかという点です。ここはかなり悩みましたね。

4Gamer:
 プレイヤーとしては,同じタイトルを持つ作品としての安心感と,続編ならではの新しさの両方を求めたくなるものですし。

橋本氏:
 そうなんですよ。僕は今回ディレクターと並行して天使や悪魔などの敵のデザインもやっているんですが,前作の敵のデザインを少し変えて出しても「前と同じ」と思われてしまうので,すべてデザインし直すぐらいじゃないと,新しいものには見えないんですよね。

4Gamer:
 ゲームの続編が,何をもってして続編たり得るかというのは,作品ごとにまちまちだと思うんですが,ベヨネッタ2ではどのあたりだと考えていますか?

橋本氏:
 基本的には世界観やキャラクターだと思います。前作のディレクターだった神谷(神谷英樹氏)が引き続きシナリオを書いていますし,世界観やキャラクター設定の監修にも携わっているので,“色は同じだけど違った見え方をする”という形に仕上がったと思っています。
 もし彼の役割を別の人間がやったなら,別物になっていたでしょうし,プレイヤーさんもきっと気付くと思うんですよね。

4Gamer:
 とくに今回は,1と2の両方が遊べてしまえる分,比べやすいかもしれません。

橋本氏:
 ええ。比較対象がすぐ近くにあって,前作では神谷ならではのけれん味を押し出して作っていたところもあるので,もしそこをほかの誰かがやったとすれば,ちょっと遊ぶだけで分かってしまうでしょうからね。

4Gamer:
 今回,その神谷さんに替わって橋本さんがディレクターを担当されたわけですが,何か苦労した点などはありますか?

橋本氏:
 ディレクターをやりながらデザインもしていましたから,物理的なところでかなり苦労しましたね。前作でもプロデューサー兼デザイナーという立場ではありましたが,プロデューサーとして動き出したときにはデザインが8割以上終わっていましたからね。今回は完全に同時進行だったので,兼任の仕事はもうやりたくないです(笑)。

4Gamer:
 切り替えがたいへんそうです。

橋本氏:
 実際,デザインをすごく楽しみながら進めていると,全体の進行が遅れるので,企画から「いつまで描いてんねん!」って言われるんですよ。ディレクターという役職は今回初めての経験だったので,デザインと兼任することはそんなに難しくないかなと思っていたんですが……我ながら,未経験者特有の甘さとは恐ろしいものだなと実感しました(笑)。

4Gamer:
 デザイン的な部分でお聞きしますが,今回ベヨネッタの髪の毛が短くなりましたよね。あれはどういう理由があったんでしょうか?

橋本氏:
 ベヨネッタのいろいろなデザイン案を出していて,前作と明確に差別化するためにわかりやすいのはどこかということを模索していた中で,ファッションとして髪の毛を思い切り短くしてしまうのはどうかということになったんです。
 ベヨネッタのデザインは前作同様,島崎さん(麻里氏)にお願いしているんですが,彼女と神谷も交えて相談して,このぐらい振り切らないと,前作からのイメージチェンジはできないと考えたんですよね。

4Gamer:
 前作で記憶を取り戻して,心機一転というイメージでしょうか。

橋本氏:
 そういうことですね。記憶を取り戻して,前作よりも陽気で前向きな彼女が描かれていますし,そもそも彼女は髪の毛を自在に操る魔女なわけですから,決して“切った”わけではないんですよ(笑)。だからアンブラン・クライマックスを使うときは,よく見るとロングヘアになっていたりします。

4Gamer:
 そういえばそうでした! ちなみにあの髪型になった顛末は,ベヨネッタ2の中で語られていたりするんでしょうか。

橋本氏:
 いえ,そこはないですね。逆に“1と2の間で何かあったのでは!?”と思わせるような,想像の余地を残してる感じです。あまり事細かに説明してしまうと,キャラクターの魅力はどんどん減ってしまいますからね。

画像集#021のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた
黒田氏:
 私は女性キャラクターだからこそのおしゃれだと解釈しています。髪型ばかりに目が行ってしまいますが,実はトレードマークであるメガネのデザインなども変わっているんです。

4Gamer:
 おおっ。それは気付きませんでした。

橋本氏:
 前作の初期コンセプトが“おしゃれ”でしたからね。我々現場の人間は男が多いので,おしゃれと聞いてもあまりピンときていなかったんですが,先ほどお話したようにキャラクターデザインを女性が手掛けているということもあって,とくにベヨネッタのファッションについては男性では思いつかない女性目線でのこだわりが細かくちりばめられているんです。

画像集#025のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた

4Gamer:
 そういった細かな部分も見ながらプレイすると,さらに楽しめそうですね。さて,間もなく発売となるわけですが,今のお気持ちはいかがですか?

橋本氏:
 難しいな……すべてやり切ったぶん,何を言われてもいいという覚悟はあるので,今は「ああ,発売かぁ」という気分で,ある意味少し客観視していますね。このインタビューが掲載される頃にはもう少しソワソワしているかもしれませんけど(笑)。

4Gamer:
 あとは発売を待つだけだ,と。

黒田氏:
 今の気持ちは本当にそれだけなんですよ。

橋本氏:
 繰り返しになるんですけど,ベヨネッタ2としてやり残したことはありませんからね。

4Gamer:
 その言葉を信じて楽しみにしております。本日はありがとうございました。

画像集#022のサムネイル/あの魔女がついに帰ってきた! 「ベヨネッタ2」の魅力をまとめて紹介&本作が生まれた背景などを開発陣に聞いた

 橋本氏,黒田氏を含むプラチナゲームズの開発陣が,「やりたいことをすべてやり切った」と明言する本作。開発陣が徹底して追求した“触り心地のいいアクション”,そして∞(ノンストップ)・クライマックス・アクションを演出する秒間60フレームのグラフィックスなどが,Wii Uでどのように楽しめるのか。本作を手にして,そのあたりを実際に体験してみてほしい。

「ベヨネッタ2」公式サイト

 
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