連載
傑作が18年の時を経て蘇る。iOS向け弁当屋経営シミュレーション「あの素晴らしい弁当を2度3度」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第193回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」で紹介する「あの素晴らしい弁当を2度3度」は,今を遡ること18年前にリリースされたMac用ソフトのリニューアル版だ。オリジナル版は「ボコスカウォーズ」の制作者,ラショウ氏が設立したiTA-choco systems.が開発し,前衛的な手描きグラフィックスや摩訶不思議な世界観で当時のMacユーザーを唸らせた伝説的なシミュレーションゲームである。
「あの素晴らしい弁当を2度3度」ダウンロードページ(App Store)
潰れそうな弁当屋「注文の少ない料理店」を立て直し,ライバル店舗のシェア拡大を阻止することが本作の目的。大まかなゲームの流れは,「弁当を開発する」→「店頭に並べて売る」→「販売戦略を立てる」といった3つのパートに分かれている。なお,街画面に表示された「空箱ゲージ」がなくなった時点でゲームオーバーになるので,売れる弁当を開発してドンドン売りさばいていこう。
弁当の開発は「弁当開発室」か,雇ったアルバイトのメニューで選べる「弁当開発」で行う。
店舗には「A」「B」「C」の3種類まで開発した弁当が登録できるようになっており,登録した弁当の見本品がショーケースに陳列される。見本品をタップすれば弁当がそのまま積み上がり,これがそのまま弁当の在庫になるという仕組みだ。
ただし,弁当にはそれぞれ材料費となる「原価」が設定されており,1個作るごとに看板下に表示されている「所持金」が減っていく。このため,あまり弁当の売れ行きが伸びないゲーム序盤などは,少し作って売れたら補充,という手堅い経営がおすすめだ。
弁当開発室にある炊飯ジャーをタップすれば,「保管容器」が使用できるのだが,この保管容器は何のために使う物なのか,今回のプレイでは最後まで分からなかった。このあたりの謎っぷりが本作の魅力だったりする |
所持金が増えれば作り置きも可能だが,販売が軌道に乗るまでは少数在庫で回すのが基本。こまめに弁当を補充し,在庫を切らさないように気をつけよう |
ただ弁当を作っただけでは売れないので,お客を呼び込むための販売戦略も必要となる。アルバイトの店員をタップすれば,「立て看板」や「キャンペーン」など,さまざまな戦略が表示されるので,これだと思うものをチョイスしていこう。ただし,一概に正解と呼べるコマンドは存在しないため,状況に合わせて有効だと思える販売戦略をタップして実行するのがいいだろう。
なお,「弁当開発」をはじめとしたコマンドは,1回実行するごとにアルバイトのパワーを消費する。これがゼロになってしまうと,お店を辞めてしまうので,メニューから「まかなう」を選び,店にある「A」弁当を食べさせて回復させよう。
筆者はオリジナル版をプレイしていないので,今回のiOS版が初プレイだった。正直なところ,ゲームの域を超えたユーザーインタフェースに戸惑いもあったが,仕組みを理解するごとに,独特な世界観に引き込まれた感じだ。
最近は「チュートリアルがあって当然」というような親切設計のゲームに慣れきってしまっていたが,久しぶりに「遊び方を発見する楽しさ」もゲームの一部だと思い出させてもらった。
ただ,かなり運が絡むゲーム性なので,そういった部分も含めて楽しめるかどうかはプレイヤー次第。どこか懐かしさに満ちたゲーム観が,心の琴線に触れた諸氏は,ぜひ本作の不思議な魅力を体験してみていただきたい。
著者紹介:トリスター&戸塚彩
美少女ゲームからアーケードゲームまで,興味があれば何でも手を出してみる雑食系フリーライター。長年フィーチャーフォンを愛用していたが……,必要に迫られスマートフォンを購入。最近は仕事と称して,端末片手にゲームアプリのチェックに余念がない。
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キーワード
(C) iTA-choco systems.