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  • セガ
  • 発売日:2014/02/26
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メダルを軍資金に三国志の世界を生き抜け。高い戦術性を持った新作メダルゲーム「THE WORLD of THREE KINGDOMS」ロケテレポート
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印刷2013/07/04 00:00

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メダルを軍資金に三国志の世界を生き抜け。高い戦術性を持った新作メダルゲーム「THE WORLD of THREE KINGDOMS」ロケテレポート

 2013年6月21日から24日までの4日間,セガの新作“ハイブリッドビデオメダル”ゲーム「THE WORLD of THREE KINGDOMS」ロケテストが,東京都内の3か所のアミューズメント施設にて開催された。本作は,2013年2月に開催された「ジャパンアミューズメントエキスポ2013」にて,タイトルのみが明らかとなっていたタイトルで(関連記事),実機が公開されるのは今回が初となる。

 そこで4Gamerでは,新宿のロケテスト会場にお邪魔し,本作を実際に体験してみたので,まずは本作が“いかなるゲームなのか”をお伝えしていこう。また,開発スタッフへのインタビューも合わせて掲載しているので,こちらも合わせてご確認を。

都内3店舗で実施されたロケテスト。筆者がお邪魔したのは,新宿スポーツランド本館で行われたもの
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「THE WORLD of THREE KINGDOMS」公式サイト



「THE WORLD of THREE KINGDOMS」とは


 タイトル名から想像がつくとおり,本作は三国志を題材にしたタイトルだ。プレイヤーは三国志時代の武将となって,群雄達が繰り広げる勢力争いに参戦し,戦いを勝利に導くことがゲームの目的となる。
 メダルゲームなので,プレイにはもちろんメダルが必要となるわけだが,本作においてはメダルがゲーム内の“軍資金”として扱われるというのがちょっと面白い。メダルはプレイヤーが操作する部隊の編成や強化,合戦の参加費として消費されるのだ。
 また,自身が参戦した合戦で勝利できれば,事前に決められた掛け率に合わせたメダルが払い出されるというのが,本作のおおまかな仕組みとなっている。

4つのサテライトが用意された大型筐体。筐体上部にある回転式の大型モニターは,通常は勢力図を表示しているが,ジャックポット(大当たり)時はプレイヤーの方を向く演出があるとのこと
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最初にすることは,自分の分身となる武将の作成。名前はもちろん,豊富なパーツで容姿も自由に決められる。100合戦をプレイすると,その武将は一生を終えるという
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操作はタッチパネル+レバー+3ボタンで行う。今回のロケテストでは,右端の「特」ボタンは使用できなかった
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当然ながらメダルの投入口が用意されている。ここに軍資金となるメダルをザラザラと流しこんでプレイする。ちなみに製品版では100円でのプレイも可能とのこと

 もう少し詳しくゲームの流れを見ていこう。
 1度のプレイは,大きく自宅(合戦前)と合戦の2パートに分かれている。自宅パートでは,在野の武将やアイテムを探す「探索」,配下の武将の忠誠度を高める「交流」,入手した戦法や装備を変更する「身支度」が行える。探索と交流は,それぞれメダルの消費が必要な行動だ。

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配下の武将に命じて「探索」を実行。在野の武将やアイテムを探しだしてきてくれる。運が良ければ,高名な武将や,嫁候補を連れてきてくれることも
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配下の武将との「交流」では,酒宴(メダル消費)や贈り物で部下の忠誠度を高められる。忠誠度が上がれば,合戦で役立つ「戦法」を教えてもらえる

 続いて行うのが合戦に向けての準備「出陣」だ。ここでは主に部隊の編成を行えるが,ポイントはメダルの枚数で兵士の人数が決まるということ。つまり,(上限はあるが)メダルを投じれば投じるほどに,強力な部隊を編成できるのだ。また,どの合戦のどの軍に手を貸すかで,勝利したときの報奨金(メダルの払い出し)にも変化が生じる。

どの合戦のどの軍に手を貸すかが,最初の運命の分かれ目だ
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出撃準備画面では,投じたメダルの枚数に応じて兵士の数が増減する。兵士にはランクがあり,高いほど多くのメダルを消費する。また,さらにメダルを投じて鍛錬(合戦中の能力アップ)をすることも可能
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準備が整ったらいざ合戦へ。オンラインでマッチングされた複数のプレイヤーが,CPUが操作する総大将の部下として参加する

 リアルタイムで展開される合戦の目的は,敵の総大将の捕縛,または敵総大将部隊を全滅させること。マップ画面の情報を頼りに敵を見つけ出し,部隊を移動させて戦闘を行う。戦闘中は両軍の士気が徐々に低下し,ゼロになると敗走状態となる。戦闘での攻撃力は,武将や部隊の能力・数によって変化するが,レバーを左右に動かすことで攻撃の成功率を変化させたり,武将から得た戦法を使って,より敵の士気を減らしたりすることが可能だ。

合戦が始まった直後の様子。右下の全体マップを頼りに敵を探し出し,攻撃をしかけていく。弓や計略などで,相手の兵士数を減らすこともできる
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戦闘中の場面。互いに攻撃を行い,画面上部の士気ゲージを減らしていく。複数の部隊が入り乱れて戦うこともある
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 そして相手の士気をゼロにすると,捕縛チャンスが発生。ここで相手武将を捕縛できれば,褒章としてメダルが払い出される。捕縛中に特殊な演出が始まり,捕縛の確率が増大するという仕組みもあり,このあたりはいかにもメダルゲームらしい。そのほか,陣(兵士数の回復が可能)を占領することなどでも功績を立てられる。

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相手の士気がゼロになり逃走を始めたら捕縛チャンス。追撃を仕掛けて敵の兵士を減らしていこう
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追撃中に特殊演出「武勇伝」が発生したら捕縛確率が大幅アップ。熱の入る瞬間だ

 こうして戦闘を繰り返し,どちらかの総大将が捕縛されれば(もしくは時間切れで引き分けになれば),合戦は終了。戦での活躍に応じて,報奨金や装備,アイテムなどが与えられる。さらに,活躍の度合いによって武将としての官位が昇格し,自身の能力が上昇したり,より高ランクの兵士を率いることができるようになる。ここまでで,1プレイは終了だ。

合戦後の論功行賞。報奨金の支払いや,名声・能力アップなどが行われる
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ビデオゲーム感覚の新機軸メダルゲーム


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 実際にプレイしてみて強調しておきたいのは,本作はメダルゲームであるというより,戦術&育成型の対戦アクションゲームであるということだ。実際,メダルを握ってBET(賭け)を楽しむ時間よりも,タッチパネルを操作している時間のほうがずっと長い。
 合戦にしても,基本的には兵士数の多い方が勝つという前提がありながら,プレイヤーの立ち回り次第では,小さな軍勢で活躍することもでき,味方軍勢との連携が問われるなど,駆け引きの要素がかなり強い。今回のプレイでは,ルールに慣れない部分もあり,時間切れの引き分けを連発してしまったが,決して運頼みのゲームではなさそうである。

小規模の部隊でも,仲間と共に行動したり,敵のいない陣を奪ったりなどで功績を建てられる。運の要素が強いメダルゲームというわけではなさそうだ
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 さらに育成要素にもかなり重きがおかれているようで,その部分もかなり対戦ゲーム的と言える。プレイを重ねて自身の能力を鍛えることはもちろん,「探索」で強い在野の武将を引き当て,「交流」で仲良くなることは,部隊の編成に大きく関わってくる。探索で高ランクの武将(黄忠や陸遜)が登場したり,嫁候補が姿をみせたときには,筆者もかなり色めき立ってしまった。

配下の武将が探索で見つけてきた嫁候補。後世に子孫を残す要素もあるのだとか
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繰り返しプレイすれば,キャラクターを成長させられる。なおデータの保存にはAimeカードを使用するとのこと
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 今回はあくまでロケテストだったので,細かなバランスは今後調整が入ると思われるが,ゲームセンターでじっくり楽しむ対戦ゲームとして,期待できそうなタイトルと感じられた。格闘ゲームほど慌ただしい操作が必要というわけでもないので,そちらの方面が苦手な人にもオススメできる。ジャンルがメダルゲームということでチェックから漏れていた人もいるはずなので,そういう人にこそ,ぜひ一度体験してほしいタイトルだ。

合戦中には「運気」なる要素もあり,これが高まると捕縛確率が増大する。こうした目に見えるチャンスにどれだけBETするか,という駆け引きはメダルゲーム的といえる
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 最後に,ロケテスト会場に居合わせたプロデューサー新井健二氏とディレクター前山芳孝氏に話を聞いてみたので,下に掲載しよう。


プロデューサー新井氏&ディレクター前山氏ミニインタビュー


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。本作はお二人の11年ぶりの新作となるとのことですが,開発がスタートしたのはいつ頃だったのでしょうか。

前山芳孝氏:(以下,前山氏)
 2006年です。元となるアイデアを僕が会議で披露して,それを新井さんが「イイね!」といってくれたのがスタートでした。その時はペライチの企画書でしたが,メダルを軍資金にして部隊を編成するところは,すでに決まっていました。

新井健二氏:(以下,新井氏)
 ただ,当時は二人とも「WCCF」「頭文字D ARCADE STAGE」の開発で忙しかったので,実際に取りかかれたのはもう少し後になります。その間,アイデアを少しづつ練りあげていきました。

「頭文字D」シリーズのプロデューサーとして知られる新井健二氏(右)と,「WCCF」シリーズのディレクターとして知られる前山芳孝氏(左)
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4Gamer:
 プレイしてみて感じたのですが,本作はメダルこそ使いますが,遊びの中身はかなりビデオゲーム寄りですよね?

前山氏:
 ええ,その点は意識して作りました。あくまで100円を投じる代わりに,メダルを使うという感覚です。それに,活躍したら褒美(メダル)がジャラジャラとペイアウトされて,それによって強くなるというのが,三国志の世界観にもマッチしているんじゃないかと。ただ,前例がないタイトルなので,形になるまでにはたくさんの壁がありました。

新井氏:
 長くメダルゲームに携わってきたスタッフには,なかなか伝わらないみたいで。「それってプレイヤースキルが関わる余地があるの?」とか言われたりね。なので,先行してひな形を作ったりもしました。

4Gamer:
 正直,自分も実際にプレイするまでは,いったいどんなゲームなんだろうと思っていました。メダルゲームとビデオゲームの両方を手がけているセガだからこそのタイトル,という気がします。

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前山氏:
 それはあるかもしれませんね。ちょうど開発中に組織改編があり,これまで分かれていたビデオとメダルのチームが,同じ部署になったんです。最終的にはビデオとメダル,双方のいいところを融合できたらいいなと思っています。

新井氏:
 タイミングが良かったですね。僕らも当初,メダルのことはさっぱり分からなかったですし。「ペイアウト(払い出し)」って単語さえ,当初はよく知らなかったくらいで(笑)。でも,知らなかったがゆえに生まれたプロジェクトでもあります。

4Gamer:
 ロケテストということで,まだまだ未完成な部分もあるかと思うのですが,本作はどういう遊びを目指しているのでしょうか?

前山氏:
 今回のロケテストでは実装できていませんが,継続的に遊んでもらうことで,その人が三国志の世界で“どんな生き方をしたか”が記されるような仕掛けを用意する予定です。

新井氏:
 「馬超が曹操に戦いを挑まなければ」とか「劉備の息子の出来がもう少し良ければ……」とか,そういう歴史の“if”を表現できたらと思っています。現時点では,あくまで理想の話ですけどね(笑)。まずは僕らみたいなおじさんが,缶コーヒーを飲みながら,ゲームセンターで真剣に,かつ長い時間遊べるゲームとして確立させたいです。

前山氏:
 今のゲームセンターって,メダルゲームをプレイする人とビデオゲームを遊ぶ人が,お互いを意識することがほとんどないじゃないですか。そこを少し変えたいなと。それにメダルゲームのいいところって,メダルでいろんなゲームが遊べるところだと思うんです。仮にこのゲームで大負けしても,店内のプッシャーで取り戻して再挑戦してもらうとか(笑)。

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4Gamer:
 ゲームセンター内で,プレイヤーが循環していくような仕組みですね。本作が想定しているプレイ料金とプレイ時間はどれぐらいなんですか?

新井氏:
 うーん,WCCFや三国志大戦のように,一口で「1000円で1時間!」とは言い難い構造なのですが……。

前山氏:
 メダルゲームって,自分でメダルを投じる枚数(=プレイ料金)を決められるじゃないですか。そこがいいところだとも思っていて,少ないベット数で気軽に遊んでもらってもいいし,「ここぞ!」というときに大量のメダルを突っ込んでもらってもいい。そこはプレイヤーに委ねたいと思っています。

4Gamer:
 ペースを自分で決められるわけですね。ここぞというときは,ジャックポット狙いでメダルを突っ込んだりとか。では最後に,読者へのメッセージをお願いします。

前山氏:
 このタイトルを公表してからは,内容を見ずに「メダルならいいや」なんて意見をネットで目にしたりするですが,そういう人にこそ,ぜひ一度プレイしてもらいたいです。バランスや見栄えの部分などは,まだまだ調整していきます。WCCFのときもそうでしたが,プレイヤーの皆さんと一緒に育てていくゲームにしたいと思っていますので,どしどしご意見をお寄せください。

新井氏:
 この後もロケテストやショーで皆さんにプレイしていただく機会を設ける予定ですので,ぜひ一度プレイしてみてください。僕の好きなゲームって,基本的に“ごっこ遊び”なんですよ。「俺が三国志の世界に生きていたら,こんな武将でこんな活躍をしたのに!」という,究極の三国志ごっこができるゲームを目指しますので,ぜひご期待ください!

4Gamer:
 稼働を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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「THE WORLD of THREE KINGDOMS」公式サイト

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