ゲームエンジン「CRYENGINE」で知られるCrytekは,北米時間2019年3月15日,
特別なハードウェアなしにリアルタイムレイトレーシングをゲームへ実装できる機能をCRYENGINEで採用予定であることを発表。合わせて,当該機能を活用した技術デモ「
Neon Noir」(ネオンノアール)の動画を公開した。
Neon Noirデモより
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2019年中にもCRYENGINEにリアルタイムリアルトレーシング技術を実装予定
AMDもしくはNVIDIA製の,現行エントリー市場向けGPUであればNeon Noirを実行できるという
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ゲームにおけるリアルタイムレイトレーシング技術というと,NVIDIAのハードウェアアクセラレーション技術「RTX」と,現時点ではRTX対応GPUでのみ利用できる「DirectX Raytracing」が話題だが,Crytekが開発した今回の技術はRTX対応GPUを必要としない。実際,デモは「
Radeon RX Vega 56」搭載PC上で動作しており,2019年のメインストリームGPU――日本のゲーマーに分かりやすく言い換えるとエントリー市場向けGPU――があれば動作させることができるという。要するに,
GeForce GTX 10シリーズ以前のGPUやRadeon GPUから利用できるということである。
ちなみにCrytekのニュースリリースによると,DirectX 12やVulkanに対応する,新しい世代のGPUであればあるほど高い性能が得られるように設計してあるそうだ。おそらく,レイトレーシング処理の一部にDirectX 12あるいはVulkanベースのGPGPU的演算を活用しているのだろう。
このリアルタイムリアルトレーシング技術は,現行バージョンの「CRYENGINE 5.5」へ2019年中に追加するべく開発中だそうだ。CRYENGINE 5.5にはボクセルベースの大域照明をサポートする「Total Illumination」(トータルイルミネーション)という機能があるので,リアルタイムレイトレーシング技術はTotal Illuminationの新要素として実装されることになるようである。
実績あるCRYENGINEが実装する以上は,今後に期待してもいいのではなかろうか。
なお,リリースでCrytekはそれ以上を何も語っていないが,GDC 2019開催直前のタイミングにおける発表となった以上,GDC 2019で追加情報が出てくる可能性はありそうだ。続報を期待したい。