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[TGS 2013]Xbox One向けに進化した「Crimson Dragon」を,ディレクター・二木幸生氏自らがプレゼンテーション。ドラゴンの成長要素の詳細も明らかに
再びその姿を現したE3 2013では,なんとCrimson DragonはXbox One用ソフトとして登場(関連記事)。東京ゲームショウ2013初日の2013年9月19日,ディレクターの二木幸生氏によって行われたCrimson Dragonのプレゼンテーションでは,そのあたりの事情も聞くことができた。本稿では,同プレゼンの内容をお伝えしよう。
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Xbox One向けとなった「Crimson Dragon」はパッドでのプレイが前提
まず前提としてお伝えしておきたいのは,Xbox 360向けに開発されていた本作は,Xbox One向けとなるに当たって,ほとんど別のゲームとして制作し直されているという点だ。Xbox 360向けKinect専用のタイトルとして制作されていたのに対し,Xbox Oneでの登場となった「Crimson Dragon」は,ゲームパッドを始めとしたコントローラで,すべての操作を行える。Kinectでの操作にも対応はしているが,それは補助的なものに限られているのだ。
二木氏によれば,Xbox 360ではリリースされなかったものの,作品に期待するファンから本作に対して「なぜパッドでプレイできないのか」という声が非常に多く寄せられたらしい。それが,操作仕様を変更する理由の一つになったそうだ。前提となる環境がKinectからコントローラへ変わったことは,単に操作方法が変わっただけではなく,内容にも大きな影響を与えたという。
ちなみに,Xbox One向けとなった今作においてKinectで可能な操作は,左右への回避アクションと,パートナードラゴン(いわゆる僚機のようなもの)への指示出しなどである。
筆者は今回,会場で本作を試遊してみたのだが,「パンツァードラグーン」シリーズにあったスピード感や空中戦を盛り上げる演出などは,本作にも受け継がれているように感じられた。BGMが醸しだす雰囲気もしかりだ。
シューティングパートは,決められたコースを飛びながら敵を撃つレールシューティングだけでなく,3D空間を自由に飛べるフライトシューティングのような場面も楽しむことができる。二木氏はこういった場面について「Kinectオンリーの操作では実現が難しかったが,コントローラ操作に変わったことで実現できた要素」と語る。
なお,ゲームショウで試遊できるのはストーリーモードとボス戦の2種類。ストーリーモードではレールシューティング要素を,ボス戦ではフライトシューティング要素を楽しめる。どちらを遊ぶかはプレイスタート時に選択できるが,一般公開日の21日,22日は混雑が予想されるので,両方をプレイできるとは限らない。どちらを体験しておくか,慎重に選択することをお勧めしたい。
「ドラゴンの成長要素」がもう一本の柱
“シューティング”であることの面白さが本作の柱だとしたら,一本の柱は「ドラゴンを成長させる要素」であると二木氏。
プレイヤーが操るドラゴンは,バランスタイプ,厚い装甲を持つタイプ,攻撃には弱いがサブスキルに特化したタイプなど,いくつかの系統がある。これら複数のドラゴンを使い分けつつ,育てることもできるという。
ドラゴンには,メインスキル,サブスキル,2つのスキル(ショット)を選んでセットする。これでプレイヤーが操る“自機”が完成するというわけである。スキルはミッション内容に合わせてセットし直すことも可能だ。
ちなみに,筆者が試遊したバージョンのドラゴンには,敵をロックオンして発射すると目標を追尾してくれるホーミングレーザーと,敵の弱点を狙い撃ちできるバルカンがセットされていた。敵の発する光の色に注目しつつ,有効なスキルを選択して攻撃する。この点は本作の基本要素となりそうだ。
また本作には,フレンドのドラゴンや,リーダーボードで上位にいるプレイヤーのドラゴンを雇って,パートナードラゴンにするという要素もある。パートナードラゴンと一緒にフォーメーションを組んで戦うことが可能で,自機と相性の悪い敵が出てきたときなどは,パートナードラゴンを前衛に出して自分は後方から援護するなど,戦い方に変化をつけられるという。パートナーとの「協力攻撃」が,いわゆるボムのような形で使えるとのことだ。
敵との相性を考えてパートナードラゴンを駆使する。こういった要素を意識して,各ステージでスコアを効率よく稼ぐことでドラゴンを成長させたり,新たなスキルを入手していくというのが本作の大枠の楽しみ方となる。ときおり登場するレアな敵を倒すと,強力なスキルやアイテムを入手できることもあるそうだ。二木氏は「非同期での協力プレイを行える,ソーシャルゲーム的楽しさを意識している」と語っていた。
なお,ドラゴンを成長させていくと“シークレットな形態”に進化することもあるそうだ。このあたりも「パンツァードラグーン」シリーズを思い出させるポイントである。条件を満たすのは難しいものの,能力はかなり高いらしい。そのドラゴンを手にしたプレイヤーには,ほかのプレイヤーからパートナードラゴンの申し込みが殺到することになるのだろう。このあたりも,ソーシャル要素として注目したいポイントである。
また,パートナードラゴンの雇用とは別に,最大で3人のプレイヤーによるオンライン協力プレイも可能になるとのこと。レールシューティングではフォーメーションを組んで戦い,フライトシューティングではそれぞれ自由に飛び回って戦える。協力プレイには各プレイヤーのパートナードラゴンは参加せず,プレイヤーが操るドラゴンのみで戦うことになるという。
本作はダウンロード専売タイトルになる予定で,日本では2000円程度の価格になる見込み。正式な価格やリリース日などは追って発表される。海外ではXbox Oneのローンチタイトルとなっているので,日本のファンも,国内での本体発売からそれほど長く待たされずに済むのではないだろうか。
製品版には25ステージ以上が収録される予定で,ロケーションは湖,地下,森,溶岩地帯,都市など,6つ以上になるとのこと。ロケーションが同じでも,ステージが異なれば飛行する区域が違うほか,夕方や夜景など,時間帯によって別の姿を見せるそうだ。
さらに,ダウンロードコンテンツとして追加ステージなどを配信する計画もあるという。配信形態や料金などについては現時点では未定。こちらも正式な発表が待たれるところだ。
本作は従来作品との直接的なつながりこそないものの,「致死率の高い奇病・竜鱗病にかかって生き残びた者だけがドラゴンライダーになれる」「開拓地の人々は竜鱗病を恐れ,ドラゴンライダーを疎んじながらも,ドラゴンライダーに頼ることで危険な生物から身を守っている」など,いかにも二木氏の作品らしい世界設定となっている。二木氏がこれまで手がけた作品の世界に惚れ込んだファン(筆者もその一人)にとっても,期待を上回るゲームに仕上がりそうな予感がしたプレゼンであった。
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