「龍が如く 維新！」×「すしざんまい」コラボメニューの「幕末屋台寿司」は2月15日に提供開始。3倍サイズの漬けマグロ握りはたっぷりの食べごたえ

　セガから2014年2月22日に発売予定のPS4/PS3用ソフト「龍が如く 維新！」では，実在するさまざまな企業とのコラボレーション企画を多方面に展開している。
　今回は寿司チェーン店「つきじ喜代村 すしざんまい」とのコラボレーション企画が，2月15日から4月20日までの期間限定で実施されることが，本日（2月13日）開催された記者発表会で明らかになった。
　本稿では，「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏と，すしざんまいを運営している喜代村の代表 木村 清氏が出席した発表会の模様をレポートしよう。

「龍が如く 維新！」公式サイト

「龍が如く」シリーズ総合監督の名越稔洋氏（写真左），喜代村代表 木村 清氏（写真右）

　すしざんまいと「龍が如く」シリーズのコラボ企画は今回で2回めとなる（関連記事）。前回の「龍が如く5　夢、叶えし者」では，ゲーム内の「福岡・永洲街」と「札幌・月見野」に「すしざんまい」の店舗が登場していたので，名前を知っている読者もいるだろう。

　ちなみにすしざんまいは，築地の初競りで大間産の本マグロを3年連続の最高額で落札していることでも知られている。とくに，2013年は1億5540万円という破格の“ご祝儀相場”となったことが多くのメディアに取り上げられたため，ニュースで同チェーンの名前を見たことがある人も多いのではないだろうか。

幕末屋台寿司とあさり椀

　今回のコラボで提供されるオリジナルメニューは，「幕末屋台寿司」というもの。価格は税別1500円で，全国53店舗の「すしざんまい」で販売される。
　その内容は，「漬けマグロ」「ヒラメの昆布締め」「コハダ」「アナゴ」「エビそぼろ」「煮イカ」の六貫にあさりの味噌汁が付くというもの。とくに漬けマグロは，タネもシャリも通常の3倍サイズという巨大さが目を引く。

　今回の発表会では，「龍が如く 維新！」の舞台が幕末ということで，寿司の内容も江戸時代末期の寿司をモチーフに開発したと，メニューの開発経緯が説明された。
　当時は現代のような冷蔵/冷凍技術がなかったため，醤油漬けであったり，酢締めであったり，火を通したりと，タネに「下仕事」を加えるのが一般的だった。また，当時は一貫あたりのサイズも，現在よりもかなり大きかったとのこと。
　そこで，今回提供する「幕末屋台寿司」では，生鮮魚介類をそのまま握る現代風の握り寿司ではなく，マグロを「漬け」にしたり，イカを「煮詰め」にしたり，エビをそぼろであえたりと，当時の技法をベースにした握り寿司になっているのだ。もちろん，味は現代風に食べやすくアレンジされている。
　なお，中には通常メニューには存在しないものもあるので，普段とはちょっと違う寿司を食べたい人も注目だ。

写真では分かりづらいが，漬けマグロは一口では食べきれないほど巨大だ。漬けマグロ一貫が3貫分のタネとシャリを使っているので，合計八貫分のボリュームに相当する。味噌汁に入っているあさりもかなり大きめ

メニューを試食した名越氏は，漬けマグロや煮イカなど，通常にない握り寿司に舌鼓を打っていた。ちなみに，お気に入りのタネは光ものやイカとのこと

　名越氏は，「龍が如く 維新！」で舞台が現代劇から時代劇に変わっても，寿司という食事は通用するものであり，すしざんまいとのコラボを「龍が如く5」に引き続き実現できたことは非常に嬉しく，感慨もひとしおだとコメント。
　今回のオリジナルメニューは，ゲームの時代設定に合わせた技法を採り入れてもらったことで，コラボで「今度は何をやるんだろう」と考えているファンの期待に応えられるものになっただろうと話していた。
　木村氏は，江戸時代の寿司は，漬けマグロ，カレイの昆布締め，車エビなどが主なタネだったと説明。今回は当時そのままの寿司ではないが，ぜひお店でこだわりの寿司を味わってほしいと述べていた。

木村氏は「龍が如く5」第1章のサブストーリーに出演していたが，今回は残念ながら出演していないそうだ。その代わり（？）に，「龍が如く 維新！」のゲーム内に登場する，“幕末風”にアレンジされた「すしざんまい」の店舗には，木村氏の似顔絵が飾られている

「龍が如く5　夢、叶えし者」より

　「龍が如く5」とのコラボは，年間で延べ600万人以上が利用するという，すしざんまいの利用客には好評だったそうだ。
　なお，「龍が如く 維新！」には，予約特典として「あぶりとろ一貫無料」のクーポン券が封入される（関連記事）。人気シリーズの最新作だけに，クーポン券の利用で数万貫から数十万貫分が無料提供になることが見込まれるわけだが，そのことについて木村氏は，「お客様に喜んでいただければ」と太っ腹なところを見せていた。

　ちなみにすしざんまいでは，3月からハマグリがオススメとのこと。3月に店舗を利用するときは，ぜひお勧めメニューも試してみてほしい。

　発表会のレポートは以上となる。名越氏と木村氏から寄せられたメッセージを，本稿の締めとして掲載しておこう。


名越氏：
　「龍が如く」シリーズでは，数えきれないといっていいほどのお店の方々とお会いして，コラボを実現してくることができました。
　もともとゲームは，バーチャルな体験をするものです。シリーズがスタートしたときは，バーチャルを飛び越えてリアルな店舗に行くというように，ゲームと実際の商品で相互に興味が行ったり来たりすればいいなと，おぼろげながらに考えていましたが，今やそれが定着してきました。
　ユーザーの皆さんが期待を持って見てくれるようになりましたから，「こんなものか」と思われるようなものではいけません。
　一緒に組んでいただける方々は，緊張感を持って挑戦をされていると思いますし，それが作品のほうにもちゃんと反映されています。
　このような形で仕事をしていただいて，ただのコラボレーションという以上に，お互いがいい仕事をして盛り上がっていこう，という熱意が伝わってきて嬉しいです。

木村氏：
　「幕末屋台寿司」は，すしざんまいの職人が技を込めた，今のすしざんまいにないメニューです。今までは職人の技を表立って見せる機会はあまりなかったのですが，今回，引っ張り出してもらって売名行為ができました（笑）。おいしいですから，ぜひ食べにきてください。