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MMORPG「幻想神域」PC版とスマホ版それぞれの開発者にインタビュー。同作はこれからどんな作品になっていくのか
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印刷2017/04/19 11:00

インタビュー

MMORPG「幻想神域」PC版とスマホ版それぞれの開発者にインタビュー。同作はこれからどんな作品になっていくのか

 X-LEGEND ENTERTAINMENT JAPANが今春に配信予定のスマートフォン向けMMORPG「幻想神域 -Link of Hearts-」iOS / Android)の開発版を遊ばせてもらいつつ,同作のプロデューサーと,そのオリジナルであるPC向けMMORPG「幻想神域 -Cross to Fate-」のプロデューサーの両名にインタビューをする機会を得た。

 本稿では,スマホ版の簡単なインプレッションと共に,今後の展望などが聞けたインタビューの内容をお伝えしよう。

「幻想神域 -Cross to Fate-」公式サイト

「幻想神域 -Link of Hearts-」公式サイト



スマホ版はPC版の内容をほぼ再現

幻神にボイスが収録され,おさわりも可能に


 スマホ版の中身は,PC版の内容をほぼ再現した形となっている。幻想神域を語るうえで欠かせないのが「幻神」の存在だが,スマホ版ではボイスが収録され,さらに“おさわり”の機能も搭載されていた。幻神にタッチすることで絆が深まり,「親密度」の上昇に応じてさまざまなボーナス効果が得られる。

 スマホ版においては,PC版に存在しない女神の幻神「ガイア」が物語上の重要キャラクターとなり,もちろん彼女も連れて歩ける。ガイア専用のストーリーやダンジョンも大きな見どころとなるだろう。

幻神はそれぞれ,容姿はもちろん性格や能力,スキルが異なっている。幻想神域は幻神を集めるゲームといっても過言ではない
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攻撃や支援,回復など,幻神によって得意とするスタイルはさまざま
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スマホ版限定の幻神であるガイアは,幻想神域における世界の創造主たる女神だ。能力値も非常に高く設定されている
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PC版にはない「幻神の部屋」。幻神にタッチして絆を深められる
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おなじみのミニゲームも搭載

スマホゲームとして最適化


 豊富なミニゲームも幻想神域でおなじみの注目ポイントだが,スマホ版でも端末に最適化された形で実装されており,「釣り」「採掘」「料理」「カードバトル」などをスマホ版ならではのプレイフィールで楽しめる。

・釣り
釣り場で魚釣りを楽しめるミニゲーム
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・採掘
採掘では,クリスタルを掘るミニゲームに挑戦することになる。画面の表示にしたがって制限時間内に鉱石をタップしていくという形式だ
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・料理
ゲーム内世界各地の名産料理を生み出せるミニゲーム,料理。上から落ちてくる不要な食材のみタッチして,料理を完成させることが目的だ
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・カードバトル
5枚からなるデッキでプレイヤー同士のカードバトルを楽しめる。相手のライフをゼロにすれば勝利というシンプルなルールだが,駆け引きがアツい
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 なお,スマホ版のプレイフィールについては,追って記事にする予定なので,詳しくはそちらを楽しみにしてほしい。ここからは幻想神域のPC版とスマホ版それぞれの開発者に話を聞いたインタビューの内容をお届けしよう。


スマホ版ならではの要素も盛り込まれた「幻想神域 -Link of Hearts-」


4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。まずはスマホ版「幻想神域 -Link of Hearts-」の開発に至った経緯からお聞かせください。

張 子辰氏(Louis Chang:以下,張氏):
張 子辰氏
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 2015年頃からスマホゲームが増加し,多くの人がスマホでゲームをプレイするようになってきました。そうした流れの中で,弊社の看板タイトルでもあるPC版の「幻想神域 -Cross to Fate-」をもっと多くの方に知っていただき,触れてもらうために,モバイルという新たなプラットフォームで開発をスタートしました。

4Gamer:
 「幻想神域 -Link of Hearts-」はすでに台湾や香港ではリリースされていますが,プレイヤーの反応はいかがでしょうか。

張氏:
 PC版を3年半以上運営してきているので,台湾・香港ではPC版で遊んだことがあるプレイヤーからは懐かしいという声がありました。また,現在PC版で遊んでいるプレイヤーからは,ストーリーやシステムなどがPC版とほぼ同じということもあり,入りやすかったという声や,スマホ版になって嬉しいという喜びの声もいただきました。

4Gamer:
 こういったMMORPGがスマホゲームとしてリリースされることは,台湾や香港でも比較的新しい流れなのでしょうか?

張氏:
 市場的にMMORPGは多く存在しますので,それほど新しいということはなく,ダウンロードランキングにも多くのMMORPGがランクインしています。ですが,これまでは武侠をテーマとした作品が多く,グラフィックスなども含めて“中国っぽい”んですよね。
 そこが「幻想神域」をスマホゲームにしようと思ったきっかけの1つでもあり,日本のアニメ調グラフィックスを採用している「幻想神域」は,そうしたゲームと差別化ができると思ったんです。

4Gamer:
 なるほど。すでにスマホ版を遊べる台湾では,プレイヤーからどういった要望が出ているのかも教えてください。

張氏:
 PC版を遊んでいたプレイヤーから新職業を希望する声が届くケースが多いですね。これは,スマホ版で選択できる職業が,PC版の初期職業である8種類のためです。
 また,ストーリー進行の部分で,メインストーリーを早く進めたいという意見もありました。あとは幻神関連ですね。現状,PC版の幻神がすべてスマホ版に登場しているわけではありませんので。

4Gamer:
 反対に,PC版にはないスマホ版限定の要素はどういったところになるんでしょうか。

張氏:
 スマホ版には,特別な幻神として「ガイア」が登場します。彼女は,すべての幻神の上位に当たる神様のような立ち位置になっています。
 ガイアのストーリーやそれに関連する特別なダンジョンなども用意していまして,それらもPC版にはないスマホ版限定の要素です。

4Gamer:
 台湾におけるスマホ版プレイヤーの皆さんは当たり前のようにガイアを連れているそうですが,入手方法はどういった形になりますか。

張氏:
 既存の幻神はドロップやガチャを通じて獲得できますが,ガイアはVIPシステムで利用額が一定を超えると手に入る仕組みになっています。

4Gamer:
 なるほど。ガイアの性能や特徴についてもお聞かせください。

張氏:
 幻神にはC級〜SS級があり,ガイアはSS級幻神です。そして幻神の中でも☆4と☆5の個体は特別な強化ラピスというものがあり,さまざまな恩恵を得られます。SS級のガイアラピスはより強い能力があります。

4Gamer:
 ほかにもスマホ版限定の要素はありますか?

張氏:
 「幻神なでなで」(仮称)もスマホ版ならではの機能です。これは幻神を指でタッチして仲良くなれるシステムで,幻神をより身近な存在として感じてもらえる遊びになっています。
 PC版プレイヤーの皆さんが幻神をとても大切にされており,スマホ版を作るならもっと幻神と交流できるコンテンツを盛り込みたいという思いから実装に至りました。


MMORPG長期運営する秘訣とは?


4Gamer:
 PC版のサービスは日本でも3年以上続いていますが,スマートフォンが台頭しているこの時代にPC向けMMORPGの長期運営を続けられる理由とは,どういったところだとお考えでしょうか。

顔 至敏氏(Charon Yen氏:以下,顔氏):
顔 至敏氏
画像集 No.017のサムネイル画像 / MMORPG「幻想神域」PC版とスマホ版それぞれの開発者にインタビュー。同作はこれからどんな作品になっていくのか
 大きなポイントはグラフィックスだと思いますね。ご存じのとおり7等身のアニメ調デザインを採用し,日本のアニメを参考にして制作しています。台湾では日本のアニメ人気が非常に高いので,興味を引きやすいんです。
 ゲームの内容もただダンジョンをクリアするだけでなく,きちんと関連するストーリーを用意し,人間味があふれるテイストを意識しているので,そこに親近感を抱いてもらえるという部分も大きいと思います。
 他作品とのコラボも積極的に展開していますし,開発と運営をすべて台湾で行っているので,プレイヤーからの意見や要望にすばやく対応できるサポート体制も整っており,そういった点も長く支持される要因だと思います。
 日本での運営に関しても,イベントの開催や,コミュニティを重視した生放送による情報発信,プレイヤーの考えたアバターや幻神を導入するデザインコンテストなど,プレイヤーがやってほしいこと,やりたいことを常に意識しながら,皆さんの興味を維持し続ける努力がポイントだと感じています。

4Gamer:
 サービス当初から3年半が経過した今までを振り返ると,PCゲーム市場が著しく変化した時期にあったと思いますが,開発者サイドからはどう見えていたのでしょうか。

顔氏:
 以前よりも,PCゲームをするために時間を確保するという人は少なくなってきたと思います。今はスマホでいつでも手軽に遊べますし,PCゲームにまったく触らなくなったり,時間をかけなくなったりといった方々が多くなってきました。
 PC版の幻想神域でもそういった部分を考慮し,プレイヤーへの負担を抑えたコンテンツの導入を増やしました。UIに関しても初期の複雑なバージョンからシンプルな形に変えていき,ゲームデザインに手を加えてレベル上げをラクにしたり,操作もより簡単にしたりしています。

4Gamer:
 ちなみに,台湾のプレイヤーからPC版とスマホ版のデータ連動に関する要望は出ていますか?

張氏:
 現状のところとくにありませんね。会社としても,スマホゲームを開発したのは初の試みでしたので,改善と改良に集中したいと考えており,連動は予定していません。

4Gamer:
 スマホ版限定のガイアをPC版にも実装してほしいといった意見はいかがでしょうか?

顔氏:
 ガイアはスマホ版限定幻神で,独特な存在ですので,PC版に実装する予定はないですね。

4Gamer:
 MMORPGの男女比と言うと,どうしても男性のほうが割合的に多くなると思うのですが,女性のプレイヤーもかなりいらっしゃるんでしょうか。

顔氏:
 プロデューサーである私も女性ですが,台湾では女性も日本のアニメやマンガなどに興味を持っており,幻想神域を遊ぶ女性プレイヤーは多いです。そのため男幻神の人気が高く,男性の幻神は需要が高いんです。
 私自身も男性の幻神を実装したいという想いが強いので,イケメンや美少年の幻神も増やしていきたいと考えています。

4Gamer:
 もしかしてフィードバックの大半は女性プレイヤーだったりするんでしょうか。

顔氏:
 そういえば,以前に日本で幻神コンテストを開催したとき,トップに輝いた幻神は男女1体ずつでしたが,台湾の女性プレイヤーの多くから「男性のほうの幻神はいつ実装されますか」と聞かれることが多いんです。女性のほうがリアクションやフィードバックに積極的かもしれません。
 そういった要望を受けて,これまで1年に1体は男性の幻神を実装してきましたが,今年は特別に2体を出す予定です。女性プレイヤーにはぜひご期待いただきたいです。

4Gamer:
 ちなみに,男性プレイヤーと女性プレイヤーそれぞれから人気を得ているのは,どういった幻神なんでしょうか。

顔氏:
 男性プレイヤーに人気なのは台湾だとアルテミスです。見た目も可愛らしく,天真爛漫という性格のキャラクターなので多くの人からモテます。
 一方の女性プレイヤーにはダントツでバハムートが人気ですね。彼は初めて人型として作った男幻神です。イケメンで背が高く,強いというドラゴン化身の幻神で,そういったキャラクターは女性にモテています。

4Gamer:
 好みの傾向は日本と似ている気がしますね。

張氏:
 台湾の人は日本のアニメが好きなので,そこは共通するのかもしれません。

4Gamer:
 そんな幻神と“結婚できる”システムを実装予定という噂も聞いているんですが,これは本当なんでしょうか。

顔氏:
 結婚というよりは「誓約」と表現したほうが意味的には近いと思います。台湾では来週のアップデートで実装予定ですね(編注:現在は実装済み)。
 条件を満たした幻神に専用アイテムを使うと誓約を交わすことができ,誓約を交わした幻神は特別なセリフを発したり,一部UIが変わったりします。

張氏:
 誓約は,PC版の反応を見てからスマホ版でも実装を検討したいと考えています。

4Gamer:
 スマホ版でこのシステムを実装するとしたら,ガイアも攻略対象になるんでしょうか?

張氏:
 ガイアは特別な幻神ですので,まだ分かりません(笑)。

顔氏:
 現状,PC版に登場している幻神とは誓約できます。

4Gamer:
 複数の幻神との誓約は可能ですか?

顔氏:
 可能です!

4Gamer:
 誓約のほかに,開発中のコンテンツでお話できるものがあれば,ぜひお聞かせください。

顔氏:
 台湾では4月に大型アップデートを実施し,新たなメインストーリーやマップ,ボスを始めとした多彩なキャラが登場します。ストーリーの回想機能も搭載する予定です。

張氏:
 スマホ版のほうではギルド戦や背中強化システム(仮称)のほか,新たなミニゲーム,アバターをしまってその効果だけを得られるといった新コンテンツを予定しています。

4Gamer:
 分かりました。それでは最後に,それぞれからPC版の幻想神域を楽しんでいるプレイヤーと,スマホ版の幻想神域を楽しみにしている人に向けて,メッセージをいただきたいです。

顔氏:
 日本におけるスマホ版は事前登録を受付中で,まさにこれからというところです。日本の運営とも連携していきますので,ご期待ください。スマホ版を遊びながらPC版にも興味を持っていただけると嬉しいです。

張氏:
 幻想神域を知らない人にもぜひスマホ版を遊んでもらい,幻想神域の冒険でゆっくりと楽しんでいただきたいです。すでにPC版を経験済みの方には,懐かしさを感じながらもう一度スマホ版で,幻想神域に帰ってきてもらえると嬉しく思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

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  • 関連タイトル:

    幻想神域 -Another Fate-

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