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豪華声優陣が駆けつけ,PS3「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」の情報も公開された「キングダム ハーツ リミテッド ステージ」をレポート
「キングダム ハーツ」は,2002年に第1作がリリースされたスクウェア・エニックスのアクションRPGシリーズだ。ディズニーとスクウェア・エニックスがコラボレーションした作品で,伝説の武器“キーブレード”の持ち主とその仲間が,ディズニーキャラクター達と力を合わせ,ディズニー作品をモチーフにしたワールドを冒険していくという内容だ。
ステージのオープニングでは,シリーズの象徴であり物語の“鍵”となるキーブレードが上空から降臨し,会場に集まったファンから大きな歓声が上がった。
プレザンツ氏は「『キングダム ハーツ』のファンの一人として,これから一時間のステージを楽しみにしています」と前置きし,「『キングダム ハーツ』シリーズは,ディズニーの歴史の中で,最も成功しているゲームです。何より誇りに思うのは,スクウェア・エニックスの皆さんとディズニーの日本チームが協力して,このゲームを生み出したという事実です。この後,スクウェア・エニックスの橋本さん,野村さんから『キングダム ハーツ』の今後についてワクワクするようなお話をしていただきます」と開会の言葉を述べた。
これを受けて,スクウェア・エニックスの専務執行役員であり「キングダム ハーツ」のエグゼクティブプロデューサーである橋本真司氏と,シリーズの生みの親でありディレクターを務める野村哲也氏が登場し,「キングダム ハーツ」の歴史を振り返るコーナーがスタートした。
野村氏は,企画当初のスケッチや,ソラの服装の色が完成版と異なる開発中の画面写真などを示しつつ,「当初,(ディズニーの)既存キャラクターでゲームを作るというオーダーもあったんですが,自分にしか作れないものでないと意味がないと思い,1年ほどかけて新規キャラクターやストーリーを作りました。当時,ウチの会社はアクションゲームをあまり作っていなかったので,自分達が得意とする“演出”を盛り込んでいこうと考えました」と,開発当時の状況を明かした。
なお,シリーズ最新作となる「KINGDOM HEARTS III」(PS4 / Xbox One)は,今年6月に行われたE3 2013で制作発表が行われたばかりだ。発売時期は現時点では未定だが,野村氏は「発売までのおさらい」となるタイトルとして,PlayStation 3用ソフト「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」の情報を公開した。
同作には,2007年にPlayStation 2用ソフトとして発売された「キングダム ハーツII ファイナル ミックス+」および,2011年のPSP用ソフト「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep FINAL MIX」のHD版に加え,2010年にニンテンドーDS用に発売された「KINGDOM HEARTS Re:coded」のストーリー部分をHD映像化した作品が収録されている。2本のゲームと1本の映像作品が楽しめる,「KINGDOM HEARTS -HD 1.5 ReMIX-」と同様のコンセプトの作品で,2014年発売とのこと。
橋本氏は「『1.5』と『2.5』をプレイして『キングダム ハーツ』の物語を深く味わっていただき,さらに『KINGDOM HEARTS χ[chi]』もプレイしていただきつつ,『III』へとつなげてもらえればと思います」とアピールし,コーナーを締めくくった。
橋本氏 |
野村氏 |
続いて,ステージ上にソラ役の入野自由さん,リク役の宮野真守さん,ロクサス,ヴェントゥス役の内山昂輝さんら声優陣が登場し,野村氏を加えた4人でのトークショーがスタートした。事前に公式サイトで募集された質問に対し,声優陣が答えていくという形でコーナーが進められたので,以下にその内容をまとめておこう。
Q:それぞれの役どころで,演じていて好きな部分は?
入野さん:
ソラには突き抜けた明るさとポジティブさがあります。明るさや真っ直ぐさといったところを意識しながら演じていました。
宮野さん:
声優を始めて間もないころにやらせていただいたのがリクです。リクを見てまず思ったのは“見た目がカッコ良すぎるだろう!”ということでした。最初はこんな素敵なキャラクターをちゃんと演じられるかどうかドキドキしていました。当時は右も左も分からない状況でアフレコに臨んだんですが,収録はソラ,リク,カイリの3人と一緒に行えたので,いろいろなことを話し合いながら楽しい時間を共に過ごしました。
内山さん:
台本を読みながら,ロクサスが体験する出来事や悩みについて“自分だったらどう思うだろうか”と考えていました。
Q:最初の作品から10年が経ちましたが,入野さんがソラを演じるうえで,変わったことや変わらないことはありますか?
入野さん:
何かを変えようとして意識的に変化させるのではなく,ソラと共に変わっていったという感覚があります。ソラのポジティブさや明るさは変わりませんね。作品から作品までの期間が空いているので,“久しぶりに演るソラにどうやったら近づけるか”という作業が大変なんですが,一度掴んでからは早いですね。
Q:宮野さんは,シリーズを通してのリクの成長をどう認識して演じていますか?
宮野さん:
好奇心が旺盛だったり,外の世界に憧れていたり,人と違うものを欲しがったり,という誰もが持っている人間らしい部分,シリーズで言うところの“闇”につけ込まれて,ソラの邪魔をしたり,違う自分になったりする……といったシーンが多かったんです。そうしたシーンでは,暗い思いをストレートに表現していますね。ソラに救われたあとは贖罪の思いが強く,リクにとっても苦しい戦いだったと感じています。
Q:内山さんがロクサスとヴェントゥスを演じ分けるうえで気を使っていることはありますか?
内山さん:
ヴェントゥスは「ソラのような明るい子」という指示を受けたので,ソラにオマージュを捧げるような感じで演じています。ロクサスとは方向性が違うので,演じ分けるのが難しいとは感じませんでしたね。「KINGDOM HEARTS 3D」では「すばらしきこのせかい」の主人公であるネクが登場するんですが,そのときは一人三役になって大変でした。
Q:「KINGDOM HEARTS II」ではアトランティカで歌うシーンがありますが,ソラというキャラクターとして歌ううえで苦労した点はありますか?
入野さん:
「リトル・マーメイド」の主題歌である「アンダー・ザ・シー」を歌えるということでテンションが上がりました。ソラというキャラクターで歌うので,曲のキーがなかなか合わずに苦労しましたが,自分でも繰り返しプレイして見返す,お気に入りのシーンになりましたね。
熱心な「キングダム ハーツ」ファンにとって貴重な時間となった質問コーナーが終わったところでステージ終了の時間となり,最後は声優陣からの挨拶でイベントが締めくくられた。
今回は「キングダム ハーツ」としては初のステージイベントですが,キャスト一同,まだまだ語るべきこと,語りたいことがあるかと思いますので,またこういう場があればいいなと思っています。
宮野さん:
デビューして間もないころに出会った「キングダム ハーツ」が今もずっと続いていて,作品が大好きだという方達と,顔を合わせて思い出話をしたり笑ったりできたことが本当に幸せです。シリーズで初めてこういうイベントができたことは,かなりの財産だと思いますし,これからずっと続いていってほしいです。
入野さん:
「キングダム ハーツ」という作品の大きさと,自分自身が「キングダム ハーツ」を大好きだということをあらためて感じることができました。また,こういう形で「『キングダム ハーツ』が大好きだ!」と叫べるといいなと思いました。今日は本当にありがとうございました。
「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」公式サイト
- 関連タイトル:
KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-
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