プレイレポート
明日発売の動物園経営シム「Zoo Tycoon」プレイレポートをお届け。こんなご時世だからこそ動物達に癒やされたい!
2002年にはマイクロソフト(当時)より1作めのPC向け日本語版(「マイクロソフト ズー タイクーン」)が発売されており,その後は2004年にPC向け「マイクロソフト ズー タイクーン 2」,2008年にニンテンドーDS向け「ズータイクーン2」(発売元:THQジャパン)が登場している。
筆者は,「マイクロソフト ズー タイクーン」発売当時,攻略本の仕事のために本作を相当やり込んでいて,なかなかに歯ごたえがあるゲームだったと記憶している。動物の幸福度は上がらないわ,動物のオリがすぐに老朽化するわ壊れるわ……。
しかし,その難しさもあってか,シナリオをクリアしたときの達成感は格別だった。「オカピ」なんて珍しい動物が存在することを知ったのも,このゲームのおかげである。
というわけで,個人的には約12年ぶりに挑戦することになったシリーズ最新作だが,いったいどんなゲームに仕上がっているのか。さっそくプレイレポートをお届けしよう。
3Dグラフィックスで描かれるXbox 360版「Zoo Tycoon」。2Dのクォータービューだった1作めの面影は,ほとんど残っていない |
プレイヤーの分身となるアバターは,ゲームスタート後に外見を細かくカスタマイズすることが可能だ |
「Zoo Tycoon」公式サイト
動物だって幸せに暮らしたい!
本作には,4つのゲームモードが用意されている。それぞれの概要は以下のとおりだ。
- チュートリアル モード……ゲームの基礎を学べる
- フリー モード……資金の心配をせず,自由に動物園を作れる
- チャレンジ モード……最初に与えられた資金で動物園を発展させていく
- キャンペーン モード……シナリオごとに設定された目標の達成を目指す
まずは,全モードに共通する基本的なゲームの進め方を解説しよう。
プレイヤーが運営する動物園は,入り口となる「メイン ゲート」のみ設定されている。そこで,敷地内に動物の生活スペースやスタッフが働く施設,来園者を喜ばせるためのショップ,岩や樹木といったデコレーションを自由に配置し,自分だけの動物園を作り上げていくのだ。
動物達を飼育するためには,最初に「展示場」を設置する必要がある。展示場にはサバンナ,ツンドラ,山岳などの全6タイプがあり,動物によって適した環境が異なっている。例えば,インド ライオンが最も適した環境は熱帯。つまり,熱帯の展示場に配置することが望ましいというわけだ。
動物達の住処となる展示場のサイズは,大/中/小の3種類から選べる |
展示場や施設などを園内に設置すると,それぞれをつなぐ道路が自動で作成される |
展示場にカーソルを合わせて,飼育する動物を選択する。このとき,それぞれの動物が適した環境を確認できる |
展示場と動物の配置が決まったら,次は飼育環境だ。動物達には,それぞれ空腹度や清潔度,社交欲求といったパラメータがあり,こうした欲求を満たすためにアイテムを設置していく。エサ置き場と水浴び場はどんな動物にも欠かせないアイテムだが,そのうえで動物の好みに合わせて遊具や小屋を選ぶのがセオリーとなる。
画面左下に表示されているのが,動物のパラメータ。社交欲求は,同じ展示場に仲間を増やすと満たされる |
動物の好みに合ったアイテムを選ぼう。展示場のサイズが大きいほど,多くのアイテムを設置できる |
動物達の欲求が満たされると,「幸福度」が上昇する。来園者は幸せに暮らす動物を見て喜び,その結果として動物園の運営も順調になるのだ。しかし,なかなか欲求が満たされないと動物達は病気がちになり,最終的にはいなくなってしまう。したがって,動物達が幸せに生活できる環境を作ることが,プレイヤーに課せられた“仕事”と言えるだろう。
動物達のエサや水の補充もプレイヤーの仕事。飼育員を雇うと自動的に補充されるため,大いに手間が省けるのだ |
来園者を増やして,動物園を発展させよう
動物園を円滑に運営するには,やはり来園者を増やすことが重要。そのためには,幸せな動物を見たい,エンターテイメントを楽しみたい,きれいなトイレを,おいしい食事をといった,さまざまな来園者のニーズに応えるしかない。
飼育環境を整備したり,施設を設置したりすることで来場者を満足させれば,動物園の評価が上昇。すると客足も伸びて,儲けもガッポガッポというWin-Winの関係になれるというわけだ。
カーソルをアトラクション以外の場所に合わせて左トリガーを引くと,動物園の情報を確認できる。どうやら動物の種類や食事面などに,来園者は不満を持っているようだ |
こうして動物園を順調に発展させていくと,「格付け」が上がって,新しい動物や施設,アイテムがアンロックされる。このサイクルをくり返し,さらにバラエティ豊かな動物園を作っていくことになる。
なお,施設やアイテムには耐久度が設定されており,徐々に老朽化していく。そのため,寿命を迎える前にプレイヤーが気づいて修理しなくてはならない。動物のエサや水とは異なり,スタッフに任せられない(自動化できない)ので注意が必要だ。
動物園の格付けが上がると,選択可能な動物や施設,アイテムが増えていく |
アンロックされた動物を買い付けたり,施設を設置したりするには,まず研究が必要。資金だけでなく,時間もかかる |
動物園全体に効果を及ぼす研究も可能だ。動物の買い付けにかかる費用や管理費が下がるなど,その効果は非常に大きい |
動物達の繁殖を考えるのもプレイヤーの仕事の一つ。「繁殖センター」にスタッフを配置して,動物をつがいで飼育すると,一定確率で赤ちゃんを出産する。
“動物の赤ちゃん”は来場者の人気も高く,動物園の評価もうなぎ上りになるのだ。また,確率は低いが,親とは体の色が異なる赤ちゃんが生まれることもあるようだ。
動物の写真を撮影するとアルバムに保存されていくため,収集要素も楽しめる |
動物達は充実した飼育環境で,幸せな生活を送ることで徐々にレベルが上がっていく。そのレベルが最大値の15に達すると,野生に帰すことが可能になる。これは絶滅危惧種の保護に貢献するということで,動物園の評価につながる。ちなみにメニューの「野生に返した動物たち」から,動物達の“その後”を調べることも可能だ。
なお,展示場や施設を配置するときは基本的に俯瞰視点「Tycoon ビュー」で進めることになるが,プレイヤーのアバターを操作する「Zoo ビュー」に変更すると,自分だけの動物園を歩き回って,写真を撮影することが可能だ。
自分が作り上げた動物園を,来場者の視点でも楽しめる。バギーに乗ることもできる |
撮影した写真を保存しておけば,メニューの「フォト アルバム」から自由に閲覧可能 |
愛らしい動物達との“ふれあい”
動物達を至近距離でじっくりと観察可能。どいつもこいつも仕草が愛らしい |
動物達のグラフィックスやモーションはリアルに作り込まれており,その魅力を至近距離で存分に堪能できるのだ。実際に動物と接する場合,大なり小なりの危険がつきまとうものだが,もちろんゲームでは“野生の怖さ”を臭わせることはなく,肉食動物であっても愛らしさだけをたっぷり楽しめるようになっている。
いや,正直なところ,動物園って広くて疲れるし,臭いし……。そんなわけで,あまり行きたいとは思わない筆者ではあるが,実際に遊んでみたら,動物達の愛くるしさにメロメロになってしまった。とくにゾウがかわいくてたまらん!
キャンペーン モードで動物園経営のノウハウをマスター
初めて「Zoo Tycoon」をプレイするなら,チュートリアル モードでゲームの基礎を学んでから,キャンペーン モードに挑戦しよう。キャンペーン モードは各シナリオにさまざまな「チャレンジ」が設定されているため,ゲームの目標が明確に分かるようになっている。
チャレンジの達成を目指しつつ,動物園を徐々に改善していくというサイクルが基本で,実に遊びやすい。そのうえで,動物園を運営するためのノウハウも自然に身につくというわけだ。
キャンペーン モードのシナリオをクリアすると,新しいシナリオやアイテムがアンロックされる |
「特定の動物を買い付ける」「来園者の評価を一定以上に保つ」など,チャレンジの内容はさまざま。とくに動物の繁殖が関係するものは,運も必要になるので比較的難しい |
ただ,物足りないと感じるのも早いかもしれない。チャレンジにはそれぞれ制限時間が設定されているが,大体1時間未満。そのため,必然的に1シナリオのプレイ時間は短くなる。
そして,新しいシナリオをプレイするたびに,動物園を一から運営していくので,中規模まで発展させたところでクリアとなる。つまり,動物の種類はあまり増えず,ゲームの流れが作業化することで,新鮮味が薄れてしまうのだ。
しかし,その点はご安心を。チャレンジ モードとフリー モードは,いわゆる“ゴール”が設定されていない。キャンペーン モードが物足りなくなったら,これらのモードで時間を気にすることなく,心ゆくまで自分だけの動物園を作れるというわけだ。
チャレンジ モードは一定の資金を元に動物園を運営していく。ランダムでチャレンジが発生する |
フリー モードは資金を無制限に使用可能。動物や施設を配置するときも,研究が不要になっている。ただし,チャレンジ モードで格付けのレベルを一定以上にしていないと,アンロックされない動物も |
気軽に楽しめる初心者向けの経営シミュレーションゲーム
今,振り返ってみても「マイクロソフト ズー タイクーン」は難度が非常に高く,ちょっとバランスは悪かったが,当時のPCゲーマーには“やり応え”のある作品だった。しかし,そのシリーズ最新作となる本作は,難度がかなり抑えられており,達成困難なミッションに試行錯誤で挑むという要素は薄い。
だが,動物のグラフィックスや愛らしい仕草は,まったく比較にならないほど進化を遂げている。さまざまな動物の魅力を堪能できる作品として,動物好きにも経営シミュレーション好きにも,自信を持っておすすめしたい。なお,Xbox Games ストアで配信されている無料体験版では,本作のチュートリアルを楽しめる。これが親切丁寧な内容で,ボリュームもかなりあるため,ちょっとでも気になっている人はぜひ試してほしい(関連記事)。
また,2014年発売予定のXbox One版では動物の種類が増えるだけでなく,最大4人でのマルチプレイ,フレンドとの動物交換,撮影写真の共有やSkypeでのチャットなど,さまざまな機能が追加されるとのこと。こちらも大いに期待したい。
「Zoo Tycoon」公式サイト
- 関連タイトル:
Zoo Tycoon
- 関連タイトル:
Zoo Tycoon
- この記事のURL:
キーワード
(C)2014 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.
(C)2014 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.