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「ゼルダ無双」の完成発表会が開催。「ゼルダの伝説」生みの親である宮本 茂氏も登壇した会場の模様をレポート
最初に登壇したコーエーテクモゲームス 代表取締役社長 襟川陽一氏によると,「ゼルダ無双」の開発には3年の月日がかかったという。襟川氏は本作を「ゼルダの伝説」の世界観の中で,一騎当千の爽快感を体験できるゲームと表現。自身はもちろんのこと,任天堂の宮本 茂氏と青沼英二氏も「面白い」と太鼓判を押していると語った。
続いてその宮本 茂氏が登壇。氏は「ゼルダ無双」に関して,簡単に「ゼルダの伝説」のキャラを操作でき,一騎当千の気持ちよさを味わえる面白い仕上がりになっているうえ,かなりボリュームもあると語った。襟川氏の言葉どおり,本作は「ゼルダの伝説」の生みの親である宮本氏のお墨付きを得たと言って良さそうだ。
また宮本氏によると,コーエーテクモゲームスの開発チームには,「ゼルダの伝説」好きのスタッフが多かったとのこと。そのため,一時は「ゼルダの伝説」本編を作るくらいの話になりかけたが,やはり「とことん無双で『ゼルダ』を表現しましょう」と仕切り直したエピソードを披露した。
「ゼルダ無双」の総合プロデューサーを務めるコーエーテクモゲームスの鯉沼久史氏は,「ゼルダの伝説」を世界でもっとも有名なゲームIPの一つとし,そういった有数のIPを使ったゲームの中でも,「ゼルダ無双」は今までにない仕上がりなのではないかと,自信のほどをのぞかせた。
続いて行われた「ゼルダ無双」のプレゼンテーションでは,開発プロデューサーの早矢仕洋介氏と,スーパーバイザーの青沼英二氏が登壇した。
ストーリーは,「ゼルダ姫」率いるハイラル軍と,黒の魔女「シア」の軍団との戦いを描いたオリジナルのもので,主人公「リンク」をはじめとするシリーズお馴染みの登場人物に加えて,「ゼルダ無双」オリジナルのキャラクターも登場する。ステージは,「ゼルダの伝説」シリーズの「時のオカリナ」「トワイライトプリンセス」「スカイウォードソード」のフィールドを融合させたものになっている。
プレゼンテーションでは,実機を使った「ゼルダ無双」のデモプレイも披露され,最初のステージとなる「ハイラル平原」が紹介された。ここでは,リンクのアクションがよりアクロバティックになっていることや,中ボスなどの強敵を[L]ボタンで「注目」(ロックオン)できること,爆弾などのアイテムは入手すると無限に使えることなどが紹介された。
ちなみに,草を刈るとまれに体力やMPを回復するアイテムが出るという,「ゼルダの伝説」ファンならニヤリとできる仕掛けも用意されているとのことだ。
青沼氏は,「無双」シリーズならではと言える敵の多さについて,予想はしていたものの,初めて見たときはやはり驚いたと語った。また,リンク以外のキャラクターが宝箱を開けるシーンも見どころの一つとのことだ。
デモプレイでは,シリーズでお馴染みの「キングドドンゴ」を討伐する過程も紹介された。キングドドンゴは,爆弾を食べさせたり,本作の独自要素である「魔力解放」を使ったりといった手段でダウンさせられるので,その隙にダメージを与えるのが基本的な戦い方になる。
なお「ゼルダの伝説」シリーズとのもっとも大きな違いは,ボスモンスターが閉じられた部屋ではなく,フィールドに現れることだ。ボスモンスターは,ハイラル軍の兵士を次々に倒していくため,討伐に時間が掛かると,それだけプレイヤーは不利になってしまう。ボスモンスターがハイラル軍の本陣に到達するとゲームオーバーとなってしまうため,プレイヤーはそれまでに討伐を完了させなければならない。
発表会の後半では,早矢仕氏と青沼氏,鯉沼氏が「ゼルダ無双」にまつわるトークを繰り広げた。鯉沼氏は今回の任天堂とのコラボレーションについて,コーエーテクモゲームスが全社一丸となって取り組まなければ成功しないと考えていたという。そこで,「ゼルダの伝説」のボス戦をうまく表現するため,「無双」シリーズのオメガフォースと,早矢仕氏が統括するTeam NINJAの社内コラボを考えたそうだ。
早矢仕氏は,ゲーム業界有数のIPである「ゼルダの伝説」を,果たして自分達の手で改変してしまってよいものかどうか迷ったと話す。逆に青沼氏は,このコラボでしかできないことをやろうと,積極的に「ゼルダの伝説」からの脱却を試みたとのこと。
また青沼氏は,「ゼルダの伝説」のさまざまな要素を,コーエーテクモゲームスのスタッフが意外な発想で「ゼルダ無双」に取り込んでいることに驚くことが多かったと語っていた。とくに「ムジュラの仮面」の月が,「え,そんなことができるんだ」という形で登場することに驚いたという。
多彩なプレイアブルキャラクターについては,開発スタッフの思い入れからチョイスされたものも多いとのことで,早矢仕氏は,意外なキャラでもプレイできるので,ぜひどんなアクションをするのか確認してほしいと話していた。鯉沼氏によれば,各キャラの決め技には,「ゼルダの伝説」ファンなら,どこかで見たことがあるはずのものを仕込んでいるとのことだ。
鯉沼氏は「そもそも我々が(「ゼルダの伝説」の)ファンなのだから,我々自身が喜ぶことをやればいいのではないか」と考えたと語る。鯉沼氏と早矢仕氏は「ぜひ『ゼルダ』ファンに遊んでほしい」とし,青沼氏は「『ゼルダ』の謎解きで詰まってしまったという方も,『ゼルダ無双』で爽快に遊んでほしい」と話していた。
ここでトークに宮本氏が参加。宮本氏は「遊んでいて汗をかく『ゼルダ』ができた」「カットシーンに懐かしいセリフが出てきたり,HDで観られたりするのはうれしい」「いろんなキャラで遊べるのがいい」といった感想を述べた。ちなみに宮本氏が一番最初に選んだキャラは,インパだったそうだ。
宮本氏は本作を「リビングで遊ぶのにピッタリ」とし,鯉沼氏もまた「『ゼルダ』の入門編としてもいいのではないか」と話していた。
そんな飯窪さんが「ゼルダ無双」に挑戦することに。「無双」シリーズについては,家族がプレイしているのを見ているだけだったという飯窪さんだったが,見事なプレイを見せ,注目や必殺技を使うタイミングなどでは青沼氏と鯉沼氏を驚嘆させていた。
発表会のエンディングでは,早矢仕氏が本作を「ゼルダの伝説」シリーズのさまざまなエッセンスが詰め込まれた“お祭りソフト”と表現。青沼氏も,2011年の「ゼルダの伝説」25周年にこのソフトがあれば良かったと語り,シリーズ作品として申し分ない出来であることをアピールした。
最後に鯉沼氏が,「ゼルダの伝説」ファンに向けた要素はもちろんのこと,「ゼルダ無双」でなければ味わえないストーリーに期待してほしいと述べ,発表会を締めくくった。
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