プレイレポート
セガ初のアーケードMOBAは手軽な操作とキャラ育成が面白い。「Wonderland Wars」プレイレポートを掲載
そんな本作をセガにてプレイしてきたので,そのプレイフィールをお伝えしていこう。MOBA系ジャンルを遊んだことがある人はもちろん,未体験だが本作に興味があるという人も,ぜひ参考にしてほしい。
「Wonderland Wars」公式サイト
選べるモードは3種類。まずは修練場でゲームに慣れよう
ゲームを始めると,「全国対戦モード」「修練場」「カスタマイズ」の3モードのほか,キャスト(本作におけるプレイアブルキャラクターの名称)などが購入できる「リーフショップ」が選択できる。今回は対CPU戦が行える「修練場」を中心にプレイをしてみた。
なお,「全国対戦モード」と「修練場」モードを選択するときにはチケットが必要となっており,どちらのモードも2チケットで1戦遊べる仕様だ。なお,1クレジットで1チケットを購入できるが,3クレジットだと4チケット,5クレジットだと7チケットと,クレジットを多く投入するとボーナスチケットがもらえるので,がっつりと遊びたいなら,まとめて購入したほうがお得だ。
ペンデバイスでキャストを動かして楽しむ,アクティブな操作性が楽しい
MOBAといえばPCを主戦場としたタイトルが多く,操作はキーボードとマウスによって行われることが普通だが,本作での移動はジョイスティック,攻撃はボタンが付いたペンデバイスで画面をなぞることによって行っていく。これがアーケード版ならではの特徴でもあるだろう。
筆者がMOBAタイトルを遊びはじめたころは,不器用さもあって,マウスでキャラクターを動かすことに慣れるまでかなりの時間がかかったが,ジョイスティック操作への移行はすんなりできた。ペンデバイスによる操作も,画面に直接指示を出せばいいという感じなので,数プレイである程度動かせるようになった。アーケードゲームならではのデバイスで楽しめるのは,本作の魅力の一つだろう。
巨人を絡めた攻防戦が試合展開を動かす大きなポイントに
チュートリアルで操作を練習して,いよいよ修練場で実戦開始。WLWは4vs.4のチーム戦で,マップ上にある敵の拠点,もしくは敵キャストを撃破して,相手のチームゲージをすべて奪った側,タイムオーバー時にチームゲージがより多く残っている側が勝利となる。
次にロールについてだ。ロールとはゲーム内における職業を示す用語で,WLWではアタッカー,ファイター,サポーターの3タイプが用意されている。各ロールの説明は下記の画像を参考にしてほしい。
次々と出現する敵兵士を倒しつつレベルを上げ,敵キャストを撃退して拠点を破壊するというのが試合の流れだ。まずはドローショットで敵兵士を一掃して,味方の兵士を拠点に張り付かせていけばいいだろう。ただし,ドローショットはMPを消費するため,むやみに打ちすぎると,すぐにMPが枯渇してスキルなどが利用できなくなるので注意しよう。
戦況が不利になると画面左上にあるソウルゲージが上昇していき,フルになるとソウルを消費して巨人を召喚できるようになる。巨人は敵の拠点に向かって突進していき,拠点の破壊を手助けしてくれるお助けキャラクターだ。これをうまく利用すれば,劣勢の状況をひっくり返せる。
たとえば,こちらの巨人の進行を止めるために,相手キャスト達が一点に集中したら,がら空きになった拠点を攻めたり,巨人を盾に全員で進軍して集団戦を仕掛けたりといった具合だ。
MOBAタイトルといえばマップ戦略のほかに,試合中に装備を買ってキャラクターを育てていく,いわゆる“ビルド”も重要な戦略として存在しているのだが,本作では試合中にアイテムを買うことはなく,装備や補助アイテムはカスタマイズモードであらかじめセットする仕組みになっている。
戦況に合わせて装備を強化していく部分が省略されているおかげで,相手との戦いに集中しやすいシンプルなルールとなっている。そのため,MOBAの基本である兵士を倒してお金を取得するテクニック“ラストヒット(※1)”も気にしなくていいのは,MOBA未体験者にとって優しい設計だろう。その代わり,兵士を効率よく倒すために,ペンデバイスの操作テクニックが重要になると感じた。
※1ラストヒット:兵士にトドメを刺してお金を稼ぐテクニック。言葉で書くと簡単そうだが,兵士同士が攻撃し合って体力を減らしたところで最後の一撃を狙うため,キャラクターや装備によってタイミングが変わる。また,相手の攻撃を避けつつ狙わないといけないため,決めるのは難しい
試合後のお楽しみ。カードを引いてキャラクターを強化していこう
試合の終了後は,試合貢献度に応じたページ(経験値)が取得できるほか,スキルカードを一枚だけ引けるというおまけ要素がある。ここで引けるカードはキャストのレベルを上げる「OVER DRIVEカード」や,キャストの「スキルカード」「アシストカード」など,さまざまな種類が用意されている。
アーケードならではのサクサクと遊べるMOBA
一通りプレイした結果,操作感は馴染みやすく,MOBAを体験したことのない人でも,キャストを動かす楽しみもすぐに味わえるだろうと感じた。とくにドローショットで兵士を一掃するところは,音や見た目で気持ちよさが味わえるので,一度体験すると病みつきになるかも。
ゲーム内容に関しては,試合時間に短さは感じないものの,敵城まで辿りつけなかったり,敵チームゲージをすべて撃破するまでに至らなかったりといった試合が多かった。その点は爽快さに欠けるかもしれない。巨人に関しては,戦況を大きく動かす要因になるため,前半で大きく差をつけられた側の逆転要素としていかに扱うか,対処するかを考えるのは斬新で面白いという感想だ。
1プレイはカスタマイズからカードを引くまで,およそ10分ほどで,5クレジット分の7チケットを消費するだけでも,そこそこ遊べる(カードを多く引く場合は,チケットを消費してしまうのでまた異なってくるが)。また,マップが複数用意されているので,地形に合わせた戦略を練れる部分も好印象だ。一般的なMOBA作品に比べて一試合が短いぶん,試合を重ねていても飽きがこないように工夫されているように感じた。
総評すると,本作は手軽にMOBAを体験してみたい人にオススメの一作といえる。今回は一人プレイ中心で遊んでみたが,オンラインマッチングや友人達で遊ぶ4人プレイなら,協力プレイならではの戦いが楽しめるので,勝利したときの喜びも,より大きくなるはずだ。ちなみに修練場の敵も難度が高くなるにつれ,強さが格段に上がっていくので,これをやり込むだけでも十分に楽しめる内容となっている。本稿を読んでWLWの世界が気になった人は,友達を誘って一緒に遊んでみよう。
「Wonderland Wars」公式サイト
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