パッケージ
バトルフィールド ハードライン公式サイトへ
  • Electronic Arts
  • Visceral Games
  • 発売日:2015/03/19
  • 価格:通常版:7884円(税込)
    デラックスエディション:8964円(税込)
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「バトルフィールド ハードライン」のインプレッションをお届け。人気シリーズの最新作は,まさに「現金に体を張れ」の世界
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印刷2014/07/01 12:31

プレイレポート

「バトルフィールド ハードライン」のインプレッションをお届け。人気シリーズの最新作は,まさに「現金に体を張れ」の世界

 エレクトロニック・アーツが2014年秋の発売を予定しているミリタリーFPS,「バトルフィールド ハードライン」PC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360。以下,ハードライン)。人気の高い「バトルフィールド」シリーズの最新作であるだけではなく,開発が「Dead Space」シリーズを手掛けるVisceral Gamesであることや,これまでのような国家間の戦争ではなく「強盗と警察のバトル」をテーマにしていることなどからファンの注目を集めている。すでに日本語の公式サイトも公開されており,今から発売が待ちきれない人も多いのではないだろうか。

画像集#001のサムネイル/「バトルフィールド ハードライン」のインプレッションをお届け。人気シリーズの最新作は,まさに「現金に体を張れ」の世界

「バトルフィールド ハードライン」公式サイト


 ハードラインは,北米時間の2014年6月9日〜26日,英語版のクローズドβテストが実施されていた(関連記事)。筆者はPlayStation 4版のテストに参加できたので,ここで,そのインプレッションをお届けしたい。ミリタリーものの伝統を打ち破った本作は,どんな作品になったのだろうか。


基本は押さえつつ,新しいマップや新しいアイテム
そして新しい戦いがプレイヤーを待つ


 「強盗 vs. 警察」と聞くと,ピストルやショットガンなどによる小規模な戦いを連想するかもしれないが,ハードラインの基本的なゲームシステムは「バトルフィールド 4」を踏襲しており,装甲車やヘリなどが入り乱れるド派手なお祭り感満載のバトルはそのまま。シリーズ経験者なら,迷うことなく“戦場”に飛び込めるはずだ。

 今回のβテストは,一つのマップに最大で32人のプレイヤーが参加可能で,選択可能なクラス(兵科)としては「Operator」「Mechanic」「Enforcer」「Professional」というあまりなじみのないものが用意されていた。これは「バトルフィード 4」の「突撃兵」「工兵」「援護兵」「偵察兵」に相当し,それぞれ,特徴や装備をほぼ引き継いでいる。例を挙げれば,戦闘だけはなく回復で味方をサポートしたいならOperator。搭乗兵器で戦況を有利に進めたいならMechanic,といった感じで選べばいいのだ。

「バトルフィールド 4」では「援護兵」にあたる「Enforcer」。軽機関銃による支援を得意として,弾薬補給が可能なのも同じ。強盗側と警察側でグラフィックスは大きく違うが,性能に違いはない
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 強盗側になるか警察側になるかは自動的に決定されるが,続けて同じゲームモードをプレイする限り,ラウンドごとに交互に振り分けられるようだ。陣営による違いが見た目だけなのも従来作のとおりで,強盗だからここが有利(または不利)といったことはない。
 そのため「警察なのにグレネードを平気で投げる」とか,「強盗がスタンガンや警棒を使う」というようなシチュエーションが多発するが,まあ,このあたりは気にしないほうがいいだろう。

 広大だった「バトルフィールド 4」に比べ,テーマに合わせてマップは狭くなった印象だが,オブジェクトや建物の破壊によりマップの状況が変化する「LEVOLUTION」が引き続き採用されている。βテストでは,ロサンゼルスをモデルにしたマップ「High Tension」が唯一使用可能だったが,ここでは大型の作業用クレーンが倒壊することが確認できた。その迫力は相変わらず抜群で,これが起きることでホットポイントの場所や進撃ルートなどに大きな変化が起こる。

βテストでプレイ可能だったマップは,高層ビルが建ち並ぶ「High Tension」。モデルはロサンゼルスだが,「バトルフィールド 4」の上海マップを思わせる作りだ
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「LEVOLUTION」で大型クレーンが倒れてきたときの様子。粉塵で視界が一気に悪くなるほか,障害物も増える
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 乗り物が重要な役割を果たすところも変わってはいない。戦車や戦闘機,軍艦といった強力な兵器はさすがにないものの,代わりに従来作では単なる障害物にすぎなかった乗用車が,フィールドの大事な足になってくれる。また,兵器を搭載した装甲車は屋外で猛威を振るい,味方のリスポーンポイントにもなる指揮車は,激戦地の近くに隠して活用すれば戦況を有利に進められるようになる。さらにステージには自由に使えるヘリや燃料満載のタンクローリーなどが隠されているため,これらを発見し活用できれば,相手チームを出し抜ける可能性が高まるのだ。

警察側の移動の足は,基本的にパトカー。所定のボタンを押すとサイレンと回転灯が動作して気分が高まるが,ゲーム的にはただ目立つだけで,デメリットしかない。ちょっと悲しい
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リスポーンポイントになる指揮車。戦いを優位に進めるためには前線近くに置きたいが,敵に見つかると結構あっさり破壊されてしまう
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 武器などの装備に関しては手が加わり,アンロック方式が「キャッシュによる購入」に変更されている。これは,後述する各種ゲームモードをプレイして稼いだお金で好きなアイテムを任意のタイミングで入手できるというもので,前作の「バトルフィールド 4」では,「欲しい武器が欲しいときに手に入りにくい」ということもままあったが,このあたりの自由度は高まっているように感じられた。

武器やアイテムはキャッシュで購入できる。得意なクラスで積極的に稼いでいくと,楽にアンロックできるはずだ
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 目新しいアイテムもいろいろ追加されているが,注目したいのはやはり「グラップリングフック」「ジップライン」だろう。グラップリングフックはロープ付きの鉤爪(かぎづめ)で,特定の場所に引っかけることにより,階段などがない場所でも高所に上ることが可能になる。ジップラインは逆に高い場所からロープを張り,遠く離れた低い場所に一気に移動することができるものだ。

チュートリアルムービーでも動作が確認できる「グラップリングフック」と「ジップライン」。移動に特化したアイテムだ
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 2005年にリリースされた「バトルフィールド2」の拡張パック第1弾,「バトルフィールド2 スペシャルフォース」以来の再登場となるグラップリングとジップラインだが,こうした手軽な上下移動の手段が用意されたため,より高低差を意識したゲーム運びが必要になりそうだ。うまく使えば,敵の上や背後にすばやく回り込むことができる。
 さらにジップラインを使ってビルからビルへ移動するのは爽快なだけではなく,後述する「パッケージ」を運ぶときにも役立つテクニックだ。

使い方は,狙いを定めて引っかかる場所に撃ち込むだけ。成功すれば自動的にロープが張られるが,どこにでも使えるわけではない
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 もっとも,これらの移動用アイテムは,少なくともβテストでプレイした限り,使用できる場所が意外と限られているという印象。例えばグラップリングフックの場合,橋の欄干など,使える場所がしっかりと決められており,戦いを有利に進めたいなら,事前にいろいろな場所で試して使用可能な場所を確認しておく必要がありそうだ。


ゲームモードは2種類。どちらも新しくてスピーディな展開


 ゲームモードだが,今回のβテストでは「Heist」「Blood Money」という,2種類をプレイすることができた。概要は以下のとおりだ。

2つのパッケージ(現金)をめぐって戦うモード。ゲームが始まると現金輸送車が爆破され横転するので,強盗チームは中に積まれているパッケージを奪って所定の場所に運べば勝利となる。逆に警察チームはそれを一定時間,もしくは強盗側のチケットがなくなるまで守り抜けば勝利だ。パッケージの場所はレーダーに表示され,誰でも常に確認できるため,多人数を巻き込んだ激しいバトルが展開される。ルールとしては,「バトルフィールド 4」のオブリタレーションモードに近いという印象だ。
Heist
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現金を奪い合うモード。マップには破壊済みの金庫が設置されており,そこから現金を回収して自分のチームの輸送車に持って行く。現金は10万ドルずつ小分けにされており,一度に持ち歩けるのは50万ドルまで。先に500万ドル回収した側が勝利だが,敵が回収した金を奪い返すことができるため,常に気が抜けない戦いが続く。
Blood Money
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 Heistは強盗対警察というハードラインの構図を体現するモードで,多額の現金が入ったパッケージをめぐり,敵味方入り乱れた戦いが繰り広げられる。どちらの陣営でもパッケージの近くにいれば敵から集中的に狙われるし,多数の待ち伏せや追っ手を回避しながら目的地を目指す強盗側の展開は,まさに手に汗握る。警察側でプレイすると,必死に守っていても一瞬の隙を突かれてパッケージを持って行かれることが多く,あっという間に手が届かない場所に逃げられてしまったときは,本当に悔しい。

輸送車に積まれている現金が,Heistモードの主役。警察側が一つのパッケージの防御を固めていると,もう一方をあっさり持って行かれたりする
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 パッケージの場所は固定されているため,慣れた人が多いとあっという間に勝敗が決まることもあるが,それゆえに短時間で繰り返しプレイできる。何度もリトライすればどこが重要なポイントか分かるので,先の展開を頭に入れつつ,チームの勝利を目指そう。


 また,Blood Moneyは,「たくさん金を集めたほうが勝ち」というシンプルかつストレートなルールだ。マップ中央の金庫から現金を回収するわけだが,当然そこは超激戦地となり,不用意に飛び込めばあっという間にやられてしまう。ならば多くの味方と協力して……という方法もいいが,実はやられるとその場に回収した金を落としてしまい,誰でも好きなように拾えてしまうのだ。

マップ中央の金庫で,所定のボタンを長押しして現金を回収する。激戦地区なので不用意に近づけばあっという間にやられるうえ,無防備な回収中に撃たれること多数
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 つまり,真っ正面から危険な金庫に向かわなくても,金を持った敵を積極的に襲うという方法もあるわけだ。実際,筆者は「あと一歩で自軍の輸送車だ」というタイミングで何度も敵に襲われて,そのたびに,ギギギと歯ぎしりする事態に陥った。もちろん,それを避けるためには,最短ルートではなく少し遠回りをしたり,事前に乗り物を用意したりと,さまざまな対処方法もある。まさに,裏の読み合いがキモになるわけだ。

回収した現金を納めることになる自チームの輸送車。実はここも安全にはほど遠く,徒党を組んだ敵に集めたお金をごっそり持って行かれることもある
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 また,現金を回収できるのは中央の金庫や死体からだけではなく,敵の輸送車から直接奪ってくることも可能だ。敵陣の奥深くなので当然リスクが高いが,うまくハマれば劣勢から一気に逆転することさえできる。味方と協力して敵の輸送車を空っぽにできたときは,思わずガッツポーズが出てしまうほど。機会があれば積極的に狙っていきたいが,反対に自軍がそれをやられるとたまったものではない。

 Blood Moneyモードの大きな特徴として,回収した現金がそのまま自分のものになることが挙げられる。自軍の輸送車に現金を納めた段階で,その金額がアイテム購入に使えるキャッシュ(ポイント)として加算されるのだ。チームの勝利に貢献できて懐まで暖まるといいことずくめなので,よりいっそう回収に力が入るだろう。

シリーズの伝統にとらわれない意欲的な一作
現金(ゲンナマ)は命や拠点より重いのだ


 ハードラインはシリーズ従来作をベースにした作品だが,単にモチーフを変えただけのゲームではない。新たなアイテムの追加や,強盗対警察ならではの新規モードなどが,これまでとはかなり異なるプレイ感覚を生み出している。「世の中カネや!」という感じのシステムも面白い。また,マップのコンパクト化などによりゲーム展開のスピード感は増しており,1試合が5分から10分ほどで終わることも多い。
 手軽にサクッと楽しめるのは,最近のオンライン対戦ゲームのトレンドだが,プレイヤーとしてはありがたいとことだ。テーマが戦争から離れたこともあって,全体的な雰囲気はよりカジュアルになり,シリーズ未経験の人にもオススメできる。

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 今のところ詳細が発表されていない,シングルプレイのキャンペーンモードがどうなるのかが気になる人も多いだろう。バトルフィールドシリーズは,どうしてもマルチ対戦に比べてキャンペーンモードの影が薄くなりがちだが,「Dead Space」のVisceral Gamesとのタッグでどのような変化が起こるのか,筆者も大いに気になるところだ。

 マップが1つでゲームモードも2種類しかなかったため,とくにHeistで何度も似たような展開を繰り返すことがあったが,マップやゲームモードがさらに追加される製品版では,よりバリエーションに富んだ戦いが楽しめるだろう。リリース予定は2014年秋であり,秋の夜長にアツくなれる一本になってくれそうだ。

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