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「Rise of the Tomb Raider」プレイレポート。冒険者として目覚めたララ・クラフトの“その後”がスリリングに描かれる
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印刷2015/11/14 00:00

プレイレポート

「Rise of the Tomb Raider」プレイレポート。冒険者として目覚めたララ・クラフトの“その後”がスリリングに描かれる

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 2013年に発売された「TOMB RAIDER」は,長いシリーズの歴史をリブート(再起動)するべくナンバリングを廃し,若かりし日のララ・クロフトを描いた作品だ。息もつかせぬ展開とアクションのスピード感,ドラマチックなストーリーが往年のファンのみならず,新規ユーザーからも高く評価された。

 そして,日本マイクロソフトから2015年11月12日に発売されたXbox One/Xbox 360用ソフト「Rise of the Tomb Raider」は,ララが冒険者として目覚めた前作に続く,リブート第2作にあたる。
 アクションゲームとしてさらに洗練され,新要素も追加された「Rise of the Tomb Raider」はどのような作品になったのか。本稿では,Xbox One版のプレイレポートをお届けしよう。

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「Rise of the Tomb Raider」公式サイト



敵は大自然の猛威。序盤から一瞬足りとも気の抜けない展開が続く


 本作のストーリーは,前作で一人前の冒険者となったララが夢半ばにして亡くなった父の名声を回復するため,「不死の謎」を探るというもの。新たな彼女の冒険はシベリアの雪山からスタートする。
 ここでまず感じたのは,グラフィックスの圧倒的な美しさ。近年,グラフィックスに定評のある大作が次々に発売されており,それなりに目は肥えているはずなのだが,それでも本作の映像表現は目を見張るほどダイナミックだ。シベリアの凍てつく空気感が伝わってくる大自然の描写は見ているだけでため息が出るほど美しく,キャラクターの表情が精細に描かれている点も見逃せない。

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 オープニングムービーから操作可能なパートへと,流れるように移行するシームレスの演出に感心するも,それに浸らせてくれないのが本作だ。ララにとって,美しい大自然は恐るべき敵でもある。
 雪山の頂を目指すララとその友人ジョナ,だがその足場は脆くて不安定。しかも,次々とあの手この手でララ達を危険な目に遭わせようとするのだからたまらない。雪崩から逃げたり,一つ誤れば奈落の底という状況になったりと,プレイヤーは肝を冷やしっぱなしだ。過酷な大自然の洗礼に対して,「まだ序盤だよね?」と誰かに確認したくなるほど,初っ端から“クライマックス感”に溢れている。

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 こうしたシチュエーションは雪山を舞台にした映画ではお約束といえるが,プレイヤーが介入できるゲームとなると,その没入感は映画の比ではない。なぜなら,自分の判断やテクニック次第でララの運命が決まるのだから。
 しかし,いくら気を付けようとも,失敗するときは失敗してしまうもの。筆者は,新たな旅立ちからものの数分で滑落し,ララの尊い命を失ってしまった。
 とはいえ,すぐにリスタートできるうえロード時間も短い。この手のアクションゲームにおいて,ロード時間の長さは爽快感や没入感に影響する要素なので気になっている人も多いと思うが,ほとんどストレスを感じることはないだろう。

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 さて,これだけだと難しそうな印象を持たれるかもしれないが,本作の操作自体はいたってシンプルだ。ボタン1つで飛んだり,駆け上がったりといったアクションが可能で,拳銃や弓などの武器を使うときもシューターに近い感覚で攻撃できる。FPSやTPSをプレイしたことがあれば,すぐに慣れるオーソドックスなものだ。
 また,「イージー」「トゥームレイダー」「ハード」「サバイバー」の4段階から難度を選べるため,アクションゲームに自信がなくても安心してほしい。サバイバー以外の難度はストーリーの途中でも変更可能なので,慣れてきたら変更してみるのもいいだろう。

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 雪山を進んでいくと,ララの回想シーンとして舞台はシリアへと移る。シベリアから一転,熱気ムンムンなステージだが,ここでは遺跡の探索に向かう。遺跡探索といえば,シリーズファンなら知ってのとおり,危険が付き物だ。侵入者対策のトラップが襲ってきたり,前触れ無く足場が崩れたりと,俄然危険度が増していくる。

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 この遺跡は一部が水沈しているため,水の浮力を利用して足場を作るなど,「水」にまつわるギミックも多い。こうしたステージの特徴を生かした謎解き要素は,シリーズの醍醐味だ。そのほか,突然目の前に骸骨が現れたり,水位が増して溺れそうになったりと,ケレン味溢れる映画的演出も見逃せない。
 ちなみに,本作にはQTE(クイック・タイム・イベント)が導入されているが,ストーリーの展開や演出とうまく融合している。プレイヤーの没入感を高めるのに一役買っている要素であり,ゲームの流れを損なうものではないと感じた。

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 ステージの構成は複雑というほどではないのだが,目的地が分からなくなることがあった。そんなときに活躍するのが,前作から登場した「インスティンクト」システムだ。目的地への方角やステージ攻略における重要な場所を光で示してくれるので,道に迷うことが少なくなる。とにかく便利で,ステージをサクサク進められるのが嬉しい。

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 また,本作では壁画の碑文を読むことでララの言語スキルが向上していき,やがてはより高度な碑文も読めるようになる。碑文を解読することによって,その時代の背景を知れるばかりか,実績の解除にもつながっている。実は,ストーリーの攻略には直接関係しないようだが,ちょっとした“寄り道”と考えれば面白い要素だろう。

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 遺跡の探索を終えると,舞台は再びシベリアへ。ここからはキャンプが利用できるようになるため,戦略の幅がグッと広がる。冒険中に得た経験値でスキルアップや,素材を使って武器を強化することも可能だ。
 ララのスキルは「サバイバー」「ハンター」「ファイター」の3カテゴリで,プレイヤーは好きなものを選んで成長させられる。今回,筆者は接近戦と治療能力が上がるサバイバーを中心に伸ばしてみたが,目に見えて強くなって嬉しいものの,武器の強化や素材集めなどを考慮すると,動物を狩る能力が向上するハンター,工作能力が向上するサバイバーも捨てがたい。非常に悩ましいところだが,各自のプレイスタイルに合わせて,最適なスキルを身に付けたいところだ。

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 ララと対立する謎の組織「トリニティ」との攻防も次第に激化していく。基本的にララは単独行動なので,数的には圧倒的不利。そこで,ステルス要素を駆使して敵を倒すテクニックが重要になってくる。とはいえ,決して難しいものではなく,敵に気づかれないように背後から近づいて攻撃するだけだ。とにかく慎重に,ときに思い切った行動力を発揮して,窮地を乗り越えてほしい。
 もちろん真正面から派手にドンパチやり合ってもいい。目の前にある困難を乗り越える方法はいくつかあり,その選択肢はプレイヤー次第というわけだ。

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アクション映画&ゲームファンなら文句なしにオススメ


 映画「インディ・ジョーンズ」シリーズや「ハムナプトラ」シリーズを彷彿とさせる世界設定,息つく暇もないほどのダイナミックなストーリー展開,スキルや武器の強化要素など,本作の魅力が少しでも伝わっただろうか。あらゆる要素を前作からさらに磨き上げているという印象で,アクションゲームの真髄が実感できる完成度へと進化を遂げている。
 なお,本作はXboxプラットフォームだけではなく,PCPlayStation 4版の発売がアナウンスされている。ただし,詳細な発売時期はおろか,日本発売も未定。アクション映画&ゲームファンならば,ハードごと購入しても満足できる出来なので,ぜひ検討してみてほしい。

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「Rise of the Tomb Raider」公式サイト

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