「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」のマルチプレイモードを担当するロバート・コグバーン氏へインタビュー

Naughty Dog ロバート・コグバーン氏

　米国時間の2015年12月5日と6日にサンフランシスコで開催されたイベント「PlayStation Experience 2015」の会場で，「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」のマルチプレイモード担当リードデザイナーであるRobert Cogburn（ロバート・コグバーン）氏へインタビューする機会を得た。

　「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」は2016年3月18日に発売予定となっているが，マルチプレイモードのβテストが「アンチャーテッド コレクション」の購入者を対象に，12月13日まで開催中だ。日本からも参加可能なので，すでにプレイしているという4Gamer読者も多いのではないか。

　コグバーン氏は2009年に当時のNamco Bandai Games AmericaからNaughty Dogへ移って以降，「アンチャーテッド -砂漠に眠るアトランティス-」ではマップデザイン，「The Last of Us」ではマルチプレイモードのチームメンバーとしてプロジェクトに参加し，本作ではそのデザインチームを率いることになるいう，トントン拍子で出世した人物だ。
　本作のマルチプレイモードについては2016年1月に大きなアナウンスが予定されているようで，質問によってははぐらかされたものもあったのだが，インタビューの模様を確認していただきたい。


4Gamer：
　「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」のマルチプレイβテストでは，ファンからさまざまな意見が寄せられていると思いますが，反応はいかがですか。

Robert Cogburn氏（以下，Cogburn氏）：
　概ね好評をいただいているようで，ホッとしています。皆さんのフィードバックをもとに修正が決定した点は，強すぎるという意見が多かったサイドキック（AIで行動する助っ人）の調整ですね。

4Gamer：
　本作のAIは相当に優れたものだと聞いていましたが，そのあたりを調整するのでしょうか。

Cogburn氏：
　AIには我々も自信を持っていますので，調整するといっても，反応を鈍くするなどといった方法ではありません。攻撃を受けたときのダメージを大きくするとか，体力を低く設定するといったやり方もありますし，ほかにもロードアウトやスキルなど，さまざまな面でのアプローチが可能です。どれかを微妙に変化させただけで，ゲームプレイに大きな影響が表れることがあるので，今後はそのあたりをじっくりと見極めて，多くのプレイヤーに納得できるよう調整していく必要がありますね。

4Gamer：
　グラップリングフックという要素を取り入れたことで，マップも高低差のある，変化に富んだものになったと思います。


Cogburn氏：
　そうですね。プレイヤーの取れる戦術の幅が広がったのではないでしょうか。正面の敵に集中している相手の頭上から必殺パンチを食らわせる，といったアクションは，非常に「アンチャーテッド」らしい味付けになっていると思います。


4Gamer：
　βテストでプレイできるのは5対5のチームデスマッチですが，この合計10人という参加プレイヤー数は，本作の上限でしょうか。

Cogburn氏：
　モードによっては人数は異なりますが，5対5の10人が最大プレイヤー数ですね。

4Gamer:
　専用サーバーは用意されないとのことですが，ランキングマッチなどはサポートされますか。

Cogburn氏：
　そのあたりは，2016年1月に詳しく発表しようと思っています。もう少しお待ちいただければと。


4Gamer：
　ゲーム内通貨にはいくつか種類があるようですね。

Cogburn氏：
　3種類あります。ゲーム中のアクションで得られる「キャッシュ」は，銃や弾薬などをアンロックするのに使い，次のマッチにはキャリーオーバーされませんので，なるべくゲーム中に使い切るようプレイしてください。
　2つ目の「レリック」は，宝箱に入っていて，カードやバニティ（衣装）などと交換できます。3つ目は「アンチャーテッドポイント」というもので，これもいずれ詳しく紹介する予定ですが，ゲーム外で購入するタイプで，ローンチ時から用意されます。

4Gamer：
　マイクロトランザクションですか。

Cogburn氏：
　はい。もちろん，ゲームの勝敗を分けるようなものにはしませんよ。


4Gamer：
　コグバーンさんがこれまでマルチプレイを遊んだうえで，印象的だったことを教えてください。

Cogburn氏：
　時計塔の上でサイドキックを召喚したら，場所が狭かったせいか，足を踏み外して下に落ちてしまったんです。慌てて私もそれを追って跳んだんですが，サイドキックは落ちても死ぬことなく，ちょうどそこにいた敵を羽交い絞めにしていたので，急いでパンチを出して敵を倒しました。あれはカッコ良かった（笑）。
　時間を止めるミスティカル（特殊な力を持ったアイテム）を使用したときに，敵キャラクターがまさに味方をパンチしようとするところで固まっているのを見て，ニヤっとしたこともありましたね。

4Gamer：
　いろいろと楽しそうなことが起こりそうですね。本日はありがとうございました。


　今回のPlayStation Experience 2015では，シングルプレイキャンペーンの新たな映像が公開された。15年前に死んでしまった（とネイサンは思っていた）兄のサムが，ふらりとネイサンの事務所を訪れるというシーンだ。
　波止場のベンチに座り，これまでの武勇伝を話し続けるネイサンと，「そんな大遺跡から何も持ち帰らなかったのはお前らしい」などと返すサム。サムがこれまで何をしていたのが語られておらず，そのあたりに引っかかりを感じるものの，まずは久しぶりの再会を喜ぶ兄弟の姿を見てほしい。

「アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝」公式サイト