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ここまで分かった「バトルボーン」。Gearbox Softwareが開拓しようとする新たなジャンル,「ヒーローシューター」とは
「ボーダーランズ」というヒット作で,一躍世界的なデベロッパに躍り出たGearbox。今作「バトルボーン」でも「ボーダーランズ」シリーズと同様,「Unreal Engine」を使ったセルシェーディングが採用されており,一見するとカジュアルな雰囲気もあるが,激しいアクションやユニークな成長システムを特徴とする個性的な作品になっている。
設立当時からFPSを得意とするGearboxだが,この「バトルボーン」については単なるFPSやアクションではなく,「ヒーローシューター」と銘打ってアピールしている。果たしてヒーローシューターとはいったい,どのようなものなのか? 今回明らかになった範囲で紹介したい。
「Battleborn」公式サイト
Gearboxならではのハイブリッド型アクションゲーム
「バトルボーン」は,並行世界から突如として侵攻してきた「ヴァレルシ」(Valersi)と呼ばれる謎の一団により,恒星が次々と破壊され,宇宙に大きな危機が訪れたというファンタジー世界が背景になる。宇宙に生息するさまざまな種族や勢力は残りわずかになった光と資源を求めて戦いを繰り返すことになる。そして,その中から“バトルボーン”と呼ばれる精鋭の戦士が生み出された。
しかし,その間にも謎の一団は次々と恒星を破壊し続け,ついにソーラス(Solus)という星だけが,宇宙で唯一の恒星になってしまう。そんな状況にあって,お互いに反目していたバトルボーン達も,とりあえず力を合わせて共通の敵と戦っていくことになるのだ。
さて,公開された情報では,「バトルボーン」には以下のような要素が用意されている。
・ストーリーモード
ストーリーモードは,ソロプレイですべての物語を経験できるだけでなく,分割スクリーンやオンラインで仲間と一緒にプレイできる。その際,キャラクター同士のインタラクションや会話が発生し,興味深いストーリーが生み出されていくという
・マルチプレイ
最大5人対5人の,チームベースの対戦マルチプレイアクションには,以下の3つのモードが用意されている
・インカーション(Incursion)
AIがコントロールする敵の波状攻撃から拠点を防衛しつつ,仲間と共に敵チームの拠点破壊を目指す
・デバステーション(Devastation)
ハイペースなデスマッチ。さらに,マップに複数存在する目標地点の占領と維持を行う
・メルトダウン(Meltdown)
マップの中央エリアに存在する焼却炉に向かって死の行進を開始するミニオンを先導すると共に,敵の攻撃からミニオンを守る。焼却炉に身を投じたミニオンはすべてポイントに換算され,最も多くポイントを獲得したチームが勝利する
・永続的な進行度システム
ストーリーモードとマルチプレイで得られる経験値により,キャラクターのランクとプレイヤーに与えられるランクがアップする
・ヒーローキャラクター
個性的な,25人のヒーローが登場する。すべてのヒーローが,それぞれ固有の武器と能力を備えている
・「Helix」システム
これは,本作のキャラクター成長システムの名称で,レベルアップは1から10まで。ストーリーモードとマルチプレイの両方で成長するシステムになっている
・キャラクターランキング
各ヒーローには,Helixによる成長以外に,1から10までの恒久的なランクが用意されており,スキンのアンロックなどができる
・コマンドランキング
プレイヤーは自分のランクを上げることで,自分をアピールするバッジやタイトルをアンロックできるほか,プレイヤーが操作するすべてのヒーローに役立つアイテムの入手が可能になる
また,勢力(ファクション)には,以下の5種類が用意されている。
・ピースキーパー
ソーラスの存続に誓いを立てた守護者
・エルドリッド
宇宙における自然の秩序を重んじる保護者
・ローグ
自分達の存続のみを目指す傭兵部隊
・LLC (ラスト・ライト・コンソーシアム)
戦争を利用して,莫大な利益を得ようとする巨大企業
・ジェネリット帝国
何よりも力を重んじ,軍事力によって他勢力の支配を目論む
「ボーダーランズ」は,FPSにアクションRPG的な成長システムやアイテム生成の要素を加えたことで独自性を発揮し,ファンやメディアから大きな評価を得たタイトルだった。
「バトルボーン」も同様に,単なるFPSにとどまらず,ヒーローの存在や成長システムなどを加え,さらにチーム対戦だけでなく,キャンペーンモードやCo-opを用意した,ジャンル横断的な作品になっている。
ヒーロー達にフォーカスしたゲームシステム
ローンチ時に登場するプレイアブルキャラクターは25人で,上記のように本作には5つの勢力があるので,それぞれの勢力に5人のバトルボーンが用意されることになる。
FPSとはいえ,剣や斧を持って戦う近距離戦向けのウォリアー系やタンク系のヒーローもいれば,弓矢で戦ったり,魔法で相手を翻弄しつつ味方をサポートするヒーローも存在しており,プレイした感覚を言うなら,シューティングゲームらしいスピーディなバトルや銃撃戦の面白さを強く出しつつ,一人称視点でアクションRPGをプレイするといったところだ。
現在判明しているヒーローキャラクターは10人。2014年10月1日に掲載した記事では,そのうち6人を紹介しているが,イベントで発表された残り4人は以下のようになっている。
オレンディ | |
フィービー |
カルダリアス |
ボールダー |
それぞれのバトルボーンの武器は固定されており,このあたりが一般的なオンラインFPSとは異なる部分かもしれない。弓矢を使うソーンは,至近距離で戦うフィービーやボールダーの2倍のジャンプ力を持っているため,基地や丘陵地などではわざわざ迂回する必要がないなど,それぞれのバックグラウンドに由来する特徴を持っているわけだ。「武器やクラスではなく,ヒーローを選ぶ」ところが「ヒーローシューター」と呼ばれる所以になる。
現時点で判明しているヒーローは10人だが,このほかにも「レイナ」という,おそらくはローグに属する女性キャラクターの存在も知られており,残りのヒーロー達の詳細も,発売までには明らかになっていくはずだ。さらに,リリース後にもヒーローが追加されていくものと思われる。
体験したデモは,Co-opのストーリーミッション
Xbox Oneのコントローラが接続されたPCでデモを始めてまず目にとまったのは,キャラクター選択の画面だ。バトルボーン達の上半身が並べられた画面は,どこなく格闘ゲームを思わせ,オンラインFPSによくあるロードアウトのチェックなどの細かい設定がない,スッキリした雰囲気だ。
ただし,チーム内でのヒーローの重複は許されないようで,ほかのプレイヤーが選択したバトルボーンは選べなかった。筆者がプレイしたのは,フィービー,カルダリアス,そしてオレンディだった。
ちなみに,イベントでの画面撮影は禁止されていたので,このページに掲載したのは,オフィシャルの写真となっている。この点はあらかじめご理解いただきたい。
さて,「To the Edge of the Void」(無の境界線へ)と題されたミッションは,山岳地帯の狭い道から始まった。画面の隅に小さなウインドウがオープンし,「クリース」(Kleese)という初老のキャラクターがミッション内容を解説してくれた。
とりあえず,ピースキーパーが残した物資集積所を確保するという指示がクリースから出されたので,崖のようになった道を仲間と進んでいくと,そこには角が生えたミノタウロス風の兵士が多数展開していた。というわけで,ここで最初の戦闘が発生した。
この戦闘で,バトルボーン達がほぼ足並みを揃えるようにレベルアップした。いいところを体験してもらうためなのか,デモはレベル4の状態でスタートしていたため,初回の戦闘をこなすだけでレベル5になった。
ここで,「Helix」インタフェースを使い,用意されたアップグレードを選ぶことになる。1から10までのレベルがあるスキルをアップグレードする際,各段階で複数のチョイスがあるため,同じキャラクターでもさまざまなタイプが作れることが分かった。
クリースからの新たな指示は,飛行艇の着陸場を確保せよというもの。指示に従って,山肌をくり抜いて作られた施設に入ると,今度はロボットのような敵が攻撃してきた。謎の勢力には,いろいろなタイプがいるようだ。
「Robotic Landing Apparatus」という大きな機械を確保したところで,今度はレンデイン(Rendain)という名の,「ボーダーランズ」シリーズのハンサムジャックをどことなく連想させる人物がウインドウに登場し,そのあと,敵が飛行艇で基地に攻撃を加えてくるという場面が発生した。レンディンなどのヒューマノイドさえ,宇宙を破壊する謎の勢力の軍門に下ったのだろうか。
さて,ここで「ウルフ・セントリー」(Wolf-Sentry)と呼ばれる兵器の周辺の安全を確保しろという新たな指示が出された。ウルフ・セントリーは四足歩行の巨大ロボットで,背中に「セントリー・ボム」という球体の大型爆弾を背負っている。プレイヤーはこれを守りながら,所定のエリアへと進んでいくわけで,その目的は,敵勢力が出現するポータルをウルフ・セントリーで爆破させるというものだ。
ここでは移動中,敵が攻撃を仕掛けてくるので,ウルフ・セントリーを守りつつ敵を倒すという,エスコートミッションのようなプレイ感覚になっている。攻撃してくるのは紫色のボディに骸骨のような顔が付いた「ヴァレルシ」というクリーチャーで,下級ユニットの「ハンター」(Hunter)のほか複数のタイプが存在する。冒頭にも書いたように,このヴァレルシこそが,パラレルワールドから侵略してきた謎の勢力そのものだ。
戦闘シーンでも,ヴァレルシは小さなポータルを出し,そこから兵士が次々に送り込まれてきた。そのため,ウルフ・セントリーを防衛しつつ,前後左右に次々と出現する敵と戦っていくという,かなり慌ただしい戦いが繰り広げられた。
このシーンで面白かったのが,ヴァレルシのポータルを破壊すると,「シャード」(Shard)と呼ばれるクリスタルの破片が散らばることで,このシャードを使って,ウルフ・セントリーを修理したり,防御力を強化したりできるのだ。ゲーム内のチャレンジとして,「シャードを600個集めろ」というメッセージも出てきたが,今回プレイした数回のマッチで達成することはできなかった。
なんとかウルフ・セントリーを指定の場所まで誘導すると,最後の目標が与えられる。これは,敵の波状攻撃から自分達やウルフ・セントリーを防衛しろというものだ。あらかじめセントリーガンを周囲に配置するなどして,迫ってくるヴァレルシに備えるのだが,敵の攻撃ルートが2か所あるので,仲間との分担が必要になる。実際のプレイでは,中央に2人,攻撃ルートに1人ずつ,そして遊撃手として残りの1人が動き回ることで,比較的簡単に攻略できた。
最後に,浮遊するイカのような中ボス,「ヴァレルシ・コンサベイター」(Valersi Conservator)を始末すると,再びスクリプトで制御されたシーンが始まり,ウルフ・セントリーがさらに巨大な敵と取っ組み合いを始めるというド派手な場面でデモは終了した。終わり方がいささかあっけなかったが,ここから先のミッションにつながっていくシーンがカットされていたのだろう。
今回はCo-opということで,「第三勢力と戦って経験値を獲得し,それを使ってヒーローユニットを成長させる」という,ウリの一つであるMOBA的な要素はあまり体験できかったものの,単なる対戦FPSではない,ゲームのエッセンスは十分に感じることができた。
発売時期は未定ながら,日本での展開も発表されている「バトルボーン」。今後の情報にも期待したい。
また,今回のメディア向けイベントでは試遊のほか,「バトルボーン」開発者に話を聞く機会を得ている。インタビューの模様は以下の記事に掲載したので,ぜひ合わせて読んでほしい。
「バトルボーン」の開発者にインタビュー。既存のジャンルを超えたゲーム作りに挑むGearbox Softwareの狙いとは
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