プレイレポート
[TGS 2014 ]5人のアイドルと共に全人類を熱狂させて世界を救え。「オメガクインテット」のプレイレポートを掲載
本作は,コンパイルハートが2013年10月10日に発売した「フェアリーフェンサー エフ」に続く「日本の特定のお客様向け」のRPGシリーズ“ガラパゴスRPG”の第2弾タイトルだ。まさに「特定のお客様」であるところの筆者は,本作から何かを受信したかのように,無意識に試遊台のコントローラを握っていた。こうなったら,プレイレポートをお届けするほかあるまい。
オープニング映像では5人の女の子が踊っていた。彼女達が本作のヒロインのようだ。そのキャラクターデザインといい,表情の動き方といい,筆者含む特定人種のツボをよく理解していると言わざるをえない。というわけで,オープニングをしっかり最後まで見終えてから,ゲームをスタートした。
ゲームは,オープニングに登場したヒロインたちによる,アドベンチャーパートから始まった。どうやら彼女らは5人組のアイドルで,ライブを直前に控えている状況らしい。
個人的には,このまま彼女らをプロデュースする流れでも一向に構わなかったのだが,本作のジャンルはRPG。……この状況が,どのようにRPGになるのか首をひねりつつ会話を進めていくと,彼女ら5名に突然の出撃命令が下る。
彼女らが言うには,この世界は「beep」(ビープ)なる謎の存在の襲撃を受けており,その影響で人類は滅亡の危機に瀕しているというのだ。さらに,彼女らは「詠巫女」と呼ばれる存在であり,beepを打倒する力を持っているのは世界で詠巫女だけ……。という状況らしい。
この設定を聞かされたプレイヤーは「おいおい君達,アイドルとかライブとかやってていい状況じゃないぞ」と思うかもしれない。筆者もそう思った。ただ,その理由についてはバトルパートで判明するので,ひとまずその意見は胸に納めておいてほしい。
爽快バトルで人類を熱狂させる「ボルテージ」システムが熱い
beep出現の報告を受けた場所へと急行すると,犬型のbeepがそこかしこを闊歩していた。敵シンボルと接触すると戦闘が開始されるようなので,とりあえず近くの敵にぶつかってみることにする。
戦闘は,順番が回ってきたキャラクターの行動(コマンド)を選択して進行するコマンドバトル。ある程度「JRPGの基本」を知る人であれば,なんら違和感なくゲームに馴染めるだろう。
ただし,攻撃順序はターン制ではなく,使用した技の「ウェイト」によって行動順が変化するシステムが採用されている。基本的に強力な技ほどウェイトが大きいので,戦闘開始直後から強力な行動を連打してしまうと,敵の行動順が一気に回ってきてピンチに追い込まれてしまう。
「1回の行動順で入力できるコマンドの数」が,状況に応じて大きく変化する点も,本作の大きな特徴だ。ヒロインたちがガシガシと連続攻撃を決めていく様子には,まるでアクションゲームのような爽快感がある | |
特定のコマンドを連続して入力すると,派手な連携攻撃が発動。行動回数を消費せずに大ダメージを与えられるので,常に狙っていきたい |
本作独自のシステムは多数存在するが,最も驚かされた要素は「ボルテージ」システムだ。
「ボルテージ」は観客の熱狂度を示す数値で,戦闘画面右下に表示されている。この数値は戦闘を有利に進めることで上昇し,逆に劣勢に追い込まれると下降する。
“観客”とは,ヒロインたちの戦闘を観戦している,この世界の住人のこと。彼女らの戦闘は常に全人類へと中継されており,生き残った住人がそれを視聴しているのだ。ボルテージはヒロインの能力にも大きな影響を与えるので,プレイヤーはこの世界の住人達を不安にさせないよう,いろいろと気を使いながら戦闘を進めねばならない。まるで,アイドルのマネージャーかプロデューサーのようだ。
つまり,本作に登場する5人のヒロインは「人類が滅亡しそう“なのに”アイドルをやっている変な女の子達」ではなく「人類が滅亡しそうだ“から”アイドルをやっている女の子達」だった,というわけだ。
そんな具合に,ゲームシステムとストーリーのつながりを理解して「なるほど!」と納得したところで,試遊の時間が終了してしまった。名残惜しいが,この先は製品版で楽むしかなさそうだ。
本作は「老若男女問わずオススメの作品」とは言いがたいが,やはり特定層のRPGファンにとっては,抗えない魅力を持ったタイトルだと感じられた。
自分が「日本の特定のお客様」にあたるのか分からない……。という人は,10月15日から配信される「オメガクインテット」体験版(PS Plus会員限定)をプレイしてみよう。ひと通り体験版を遊んで心の底に“グッ”と来る部分があれば,あなたも立派な「特定のお客様」だ。
「オメガクインテット」公式サイト
4Gamer「東京ゲームショウ2014」特設サイト
- 関連タイトル:
オメガクインテット
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