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[TGS 2015]ただの移植じゃ終わらない。DUALSHOCK 4の機能を使い切った意欲作「Tearaway PlayStation 4」メディアセッションをレポート
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印刷2015/09/18 01:54

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[TGS 2015]ただの移植じゃ終わらない。DUALSHOCK 4の機能を使い切った意欲作「Tearaway PlayStation 4」メディアセッションをレポート

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 ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアは,東京ゲームショウ2015のビジネスデイ初日となる2015年9月17日,Media Moleculeの新作タイトル「Tearaway PlayStation 4」のクローズドメディアセッションを実施した。

 本作は,「リトルビッグプラネット」で知られるイギリスのインディーズスタジオ Media Moleculeが手掛けるアドベンチャーゲームだ。すべてが紙で作られた独特なビジュアルや,PS Vitaの機能をフルに活用したアクション要素などが大きな特徴の「Tearaway 〜はがれた世界の大冒険〜」を,PS4向けにリメイクしたものとなる。

 セッションには,本作のディレクターを務めたMedia Moleculeのレックス・クラウル氏や,同じく本作のプロデューサーであるミシェル・ダッカー氏が登場。本作のゲームコンセプトや新要素などを,実機プレイを交えて解説してくれた。

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「Tearaway PlayStation 4」公式サイト


 解説役を務めたのは,ディレクターのクラウル氏。まずは,前作から続く「Tearaway」シリーズのコンセプトと,PS4版の新要素を紹介してくれた。

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「Tearaway PlayStation 4」ディレクター,レックス・クラウル氏
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通訳を行ったSCEJAの片身龍平氏

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 クラウル氏はまず,シリーズのコンセプトが「プラットフォームの機能をすべて活かしたゲーム体験の提供」であると説明。さらに「掲げたコンセプトは,今作でもPlayStation 4というプラットフォームに合わせた形で提供します。もちろん,ただ機能を使うだけでなく,それが楽しい体験に結びつくように」と,本作がPS Vita版からの“ベタ移植”ではないことを強調した。

 本作の新要素として挙げられたのは「マップの拡張」「ストーリーの拡張」「映像表現の進化」「PS4の機能を活用したゲームシステム」という4つのポイントだ。

 クラウル氏によると,とくに注力したのは「PS4の機能を活用したゲームシステム」の部分で,DUALSHOCK 4独自の機能を用いたさまざまなアクションが用意されているとのこと。
 PS Vita版に存在した機能がオミットされている部分もあり,既存マップにもシステムの変更に合わせた大幅な調整が加えられているという。前作を遊んでいる人も,新鮮な気持ちでプレイできそうだ。

本作では,新たに4種類のマップが追加される。これまで技術的な問題で表現できなかった“海”のマップも登場するそうだ
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 解説の最後には,本作の制作にあたって使用されたという内部ツールもお披露目された。本作の世界はすべて紙で構成されており,ゲーム内に登場するものはすべて実際に紙で作れるので,ゲームを遊んで気に入ったキャラクターを,自分で作ってみるのも面白いかもしれない。

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解説の中で作られたのは「TGS」の文字を掲げるクラウル氏。この日のために制作したグラフィックスだという
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Media Moleculeの「Tearaway PlayStation 4」プロデューサー,ミシェル・ダッカー氏
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 ひと通りの解説が終わったあとは,実機プレイによる紹介も行われた。ゲームプレイを担当したのは,本作のプロデューサーであるミシェル・ダッカー氏だ。

 実機プレイでは,タッチパッドに指をすべらせることで画面に風を吹かせる機能や,キャラクターやアイテムをコントローラの中に閉じ込めて画面の中に投げ込む機能,ライトバーを画面に向けてゲーム内を照らす機能など,さまざまな新要素を見ることができた。

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風を吹かせ,旗をなびかせることで崖を渡る様子。風を吹かせる方向やタイミングも重要になる
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コントローラにキャラクターや物を閉じ込めたあと,コントローラを振ったり,タッチパッドに触れたりすると,それぞれに異なる音や声を聞くことができる
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ライトバーで画面内を照らすと,その光で氷を溶かすこともできるようだ

 さらにステージ中には,PlayStation CameraPlayStation AppiOS / Android)で写真を取り込み,それをゲーム内に反映させられる場面も。既報のとおり,ゲーム内の映像はGIF形式で保存し,それらをシェアすることも可能なので,ユニークなゲーム画面を共有して楽しむこともできそうだ。

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 セッションの最後に,今回の解説を担当したクラウル氏への合同インタビューも行われたので,以下にその模様を掲載して本稿の締めくくりとしたい。

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Media Molecule レックス・クラウル氏
「Tearaway PlayStation 4」合同インタビュー


――前作のシナリオは3部構成でしたが,本作ではそうした構成に変化はありましたか?

レックス・クラウル氏(以下,クラウル氏):
 3部構成を引き継ぎ,よりディテールを加えた形になります。新ステージは隔離された存在ではなく,3部構成の中に織り込む形で加えています。既存マップの探索範囲も広げていますので,ゲームのボリュームが大幅に拡大しました。

――プラットフォームが変化したことで,とくに大きく変わった部分は何ですか?

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クラウル氏:
 ステージ全体に影響を与える,ドラマチックな演出が実現可能になりました。紙を大量に動かす必要がある海の表現は,その代表的なものですね。
 ギミックの部分で言えば“画面との距離”を意識して,いろいろなアクションを考えました。ゲーム世界が広がる場所は,PS Vitaでは「手のひらの中」ですが,PS4では「画面の向こう」になります。画面に向けて物を投げたり,光の投射をしたりというアクションは,この距離感を意識して作りました。

――前作のエンディングは,非常に衝撃的で話題を呼びました。そちらに関しては,何か違いはありますか?

クラウル氏:
 ゲーム体験自体が大きく異なるので,最終的にプレイヤーに届けられるエンディングも変化します。さらに,プレイヤー個別に違うゲーム体験があるので,それぞれにパーソナライズされたエンディングが楽しめますよ。

――ゲームを遊んでいる様子を見ると,いろいろなコントローラの持ち方をしていました。操作方法によって,適切な持ち方や,その指示などはあるのですか?

クラウル氏:
 本作ではコントローラの持ち方にこだわらず,コントローラ自体をパズルとして考えています。持ち方や操作方法を,どう組み合わせて解いていくかも,本作の楽しみ方のひとつだと思ってください。もちろん,操作ができないような,常識から外れる操作方法は採用していませんのでご安心を。

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――とくに気に入っているギミックや,ゲーム中の場面はありますか?

クラウル氏:
 実は,ゲーム中でスクラッピー(本作の敵キャラクター)が,ボタンが全然違うニセのDUALSHOCK 4を作る場面があるんですよ。彼らは「紙の世界を支配しているのはコントローラだ」と知っているので,世界を手に入れるために悪巧みをするんです。スクラッピーという悪役を掘り下げられたという意味でも,面白い場面ですね。

――本作の海外版は「Tearaway Unfolded」というタイトルになっています。「Unfolded」というサブタイトルは,どういった意図で付けられたのですか?

クラウル氏:
 Unfolded(広げる,展開する)の意味のとおり,ゲームの根幹を受け継ぎながらゲーム性を“広げる”という意図で付けました。

――最後に,日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

クラウル氏:
 日本の皆さんが共有するスクリーンショットなどを見るのが,今から楽しみです。日本のゲームは私達のインスピレーションの基にもなっているので,日本で新しい作品をリリースできることを,光栄に思います。ありがとうございました。

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「Tearaway PlayStation 4」公式サイト


4Gamer「東京ゲームショウ2015」特設サイト

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