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ハロー!Steam広場 第194回:PCでPCを自作! PC修理シム「PC Building Simulator」では夢のモンスターPCで3DMarkもぶん回せる
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,ケースファンの枚数を増やして自走式のPCを作る上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第194回は,カスタマーから送られてくるPCを修理していくシミュレーションゲーム「PC Building Simulator」を紹介しよう。本作には,実在するパーツを使ってPCを組み立てて,ベンチマークを回したりできるモードもあり,夢のモンスターPCも思うがままに作れてしまう。
故障したPCを修理してお金を稼いだり,夢の自作PCを組み立てたりできるシミュレーションゲーム「PC Building Simulator」
アーリーアクセスとは,開発途中のゲームを購入して,デバッガー兼プレイヤーとして参加できる,Steamの販売形態の1つだ。今回はThe Irregular Corporationと,Claudiu Kiss氏が手掛ける「PC Building Simulator」を紹介しよう。
本作は,カスタマーから送られてくるPCを修理していくシミュレーションゲームだ。本連載の読者には「Car Mechanic Simulator」のPC版といえば伝わる人もいるだろう。
PCのどこがおかしいかのは,カスタマーから送られてくるメールに書いてあるので,プレイヤーはそれを確認しつつ,修理に取り掛かるといった具合だ。修理が終わるとお金が振り込まれるので,それを資金として自分の作業場をアップグレードしていくという経営要素もある。
実際にどのような依頼があるのかの一例として,比較的対処が簡単だった「ウイルスに感染したようだ!」というケースを考えてみよう。プレイヤーが行うのは
・アンチウイルスソフトの入ったUSBをPCに差し込む
・インストールしてアンチウイルスソフトを立ち上げ,スキャン→ウイルス削除
これだけで100ドルが振り込まれる。運び込まれた状態で返すのが筋なので,インストールしたソフトは削除してしまおう。また感染してここに持ち込まれるはず,うへへ。まあ,消すかどうかはプレイヤーの自由であり,そうしたからといってゲーム的に何かのフラグが立ったりすることはないのだが。
少し難しい依頼になると,「CPUファンの交換」や「マザーボードの取り換え」といったことを行うため,実際にPCケースのふたを開けて中をいじくりまわすことになる。
PC本体の中身をいじる場合は,まずPCを作業台の上に置く。次にPCに視点を合わせてクリックすると,作業画面に移行する。作業画面では,マウスクリックでケーブルやパーツを外したり,ドラッグでPC本体を回転させたりできる。こうしてPC本体をいじくり,パーツを付け替えたりしていくわけだ。
ある程度簡略化されているものの,パーツを取り付ける手順はちゃんと再現されている。何かを忘れていたりすると教えてくれるので,つい先日,グリスを塗り忘れてCPUファンを取り付け,ちょっとした惨事を体験した,筆者のようなうっかりさんでも安心だ。
文頭にも書いたが,本作には経営シムの側面もあり,どのようにして利益を出すかを考えるのは割と楽しい。修理などで新しい部品が必要になった場合は,ネット通販で注文することになるわけだが,ここでの支払いはすべてプレイヤーの持ち出しとなる。そのため,依頼の報酬金に見合わないパーツを購入してしまうと,最終的な儲けが出なくなってしまうのだ。
よって,パーツの付け替え依頼などでメーカーを指定されていないような場合は,できるだけ安いものを購入して利益を上げていくとよい。もし急ぎでないなら,通常の発送方法を選んで送料を抑えるというのも有効だ。
また,パーツのアップグレード依頼などで手元に残ったパーツは,そのまま取っておくと後々につながることもある。こういった部分をうまく切り盛りして,作業場拡充のための資金を集めていこう。
実在するメーカーやパーツが登場するという点も,特徴として挙げておきたい。最初のスクリーンショットで気付いている人は多いと思うが,本作は「EVGA」や「GIGABYTE」「MSI」といった大手メーカーがパートナー協力しており,彼らが出しているグラフィックスカード製品などがゲーム中に出てくるので,PCゲーマーであればニヤリとできるポイントが多いはず。
本作にはここまで紹介してきた「キャリア」のほかに,「フリービルド」というモードも用意されている。このモードでは,ゲーム内の資金を気にせずいろいろなパーツを試せるので,本来では金銭的に難しいトンデモPCを組み立てて,それをベンチマークにかけることも可能だ。疑似シミュレーションとはいえ,算出される数値は正確ということなので, 参加メーカーが増えていけば,本格的な“シミュレーターソフト”としても機能しそうな気配である。
PCの組み立てが題材ということで,とくに本連載の読者との親和性はかなり高そうな本作。事実,PCを自作したことがあれば,その知識が活かせたりするので,なんだか強くてニューゲームをしているような感覚にもなる。この感覚は,鉄道や農場経営といった,現実で体験しにくいものをテーマしたシミュレーションゲームとは,また一味違ったものである。
もちろん,自作初心者でパーツを外す順番が分からなくても,ガイドに沿って修理はできるので,このゲームをプレイしておけば,グラフィックスカードやメインメモリの換装くらいはできるようになるだろう。グリスはマジで忘れないように。いや,ほんとに。
基本は修理型のシミュレーションゲームだが,遊び方の幅は広い。自作好きな人や自作に興味があるという人なら,ぜひとも遊んでみてほしい。
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