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「crossbeats REV.」は最初からアーケードを目指して作ったタイトル――プロデューサーNAOKI氏にJAEPO会場で話を聞いてみた
「crossbeats REV.」公式サイト
「crossbeats REV.」はiOS用リズムゲーム「CROSS×BEATS」をベースにしたアーケード版。音ゲーファンにはなじみ深いNAOKI MAEDA氏がシリーズプロデューサーを務めており,注目度の高いタイトルと言える。
本稿では,同社ブースで開催されたステージやライブイベントの模様を写真でお届けすると共に,アーケード版の開発経緯などを聞いたNAOKI MAEDA氏へのインタビューを掲載しよう。数々のリズムゲームを手がけてきた氏に,本シリーズにかける想いなども語ってもらったので,ファンはぜひご一読願いたい。
CROSS×BEATSはもともとアーケード向けタイトルだった――NAOKI MAEDA氏ミニインタビュー
4Gamer:
お時間をいただきありがとうございます。「crossbeats REV.」はiOS用の「CROSS×BEATS」をアーケード化したタイトルとのことですが,どういった経緯でアーケード版を作ることになったのでしょうか。
知ってる人は知ってると思いますが,僕は元々アーケード畑の人間でして,iOS用の「CROSS×BEATS」も最初はアーケード向けに企画したタイトルだったんです。とはいえ,アーケードに挑戦するためには,まずはその体制を整えなくてはならなかったんですね。
4Gamer:
ええ,よく分かるお話です。
NAOKI氏:
そんな中,どうも色々調べて分析してみると,音ゲー好きの若い人達は,コンシューマゲーム機よりもスマホで遊ぶことが多いというのが分かってきた。そこで,まずはアプリに挑戦してみようと思ったんです。
4Gamer:
タッチパネルは音ゲーとも相性が良いですし。
NAOKI氏:
そう。そういう狙いで2013年12月にリリースしたのが,iOS版の「CROSS×BEATS」です。クオリティを重視して,アーケードライクなリッチな音ゲーでありたいというのが,このゲームの理念です。
4Gamer:
反響はいかがでしたか?
NAOKI氏:
本格的なリッチコンテンツアプリ開発は初ということもあって,プレイヤーの皆さんからご指南をいただきながらの1年になりました。日々ご意見が寄せられるなかで,ある時から「アーケードでも遊びたい」という声もいただくようになり,それが元になって制作がスタートしたのがアーケード版の「crossbeats REV.」なんです。
4Gamer:
ようやくアーケードに切り込んでいく体制が整ったと。では,そんな「crossbeats REV.」のコンセプトというと,何になるでしょうか。
NAOKI氏:
「crossbeats REV.」は,分かる人に分かってもらいたく,そんな方に末永く楽しんでもらいたい,というのがコンセプトです。
4Gamer:
コアプレイヤー向けということですか?
NAOKI氏:
コアプレイヤーだけと言うと,ニュアンスが少し足らないかもです。アーケードには色々なプレイヤーがいますし,既にいろいろな音ゲーがありますよね。その中に,「crossbeats REV.」という,趣向性の濃い音ゲーがあってもいいんじゃないか? ってことなんです。
4Gamer:
つまり,通好みの個性的なタイトルでありたいと?
NAOKI氏:
そうです。操作性や世界観,そして音楽ゲームのプレイフィールドのベースとなる音楽についても,「crossbeats REV.ならでは」であることを重視しています。楽曲の選定にあたっては,クオリティはもちろん,作り手の高い熱量が大事だと僕は思っています。匠であるべき,とでも言いましょうか。
4Gamer:
なるほど。
NAOKI氏:
僕はすごく音楽家の側面が強い人間でもあり,「音楽」となるとどうしても深堀りして,マニアックになってしまいます。でも音楽にしろゲームにしろ,深い造詣を持っている人って,見る目もすごく厳しいじゃないですか? クリエイターとして,その厳しさに耐え得る良い作品を作っていきたい。そうして音ゲー文化をもっと進化させて広げたい。これが僕のアイデンティティでもあるんですよ。
4Gamer:
長年音ゲーに関わって来られたNAOKIさんらしいお言葉ですね。ところで,「crossbeats REV.」のゲームプレイ部分は,「CROSS×BEATS」をそのまま踏襲する形ですよね。これは何か狙いがあるのでしょうか。
NAOKI氏:
先にも話したとおり,「CROSS×BEATS」自体がアーケードを目標に作ったものだったので,iOS版のマネタイズ部分を除くゲームデザインは,そのままアーケードにもハマるはず,という信念があるんです。アプリゲームなのに,アーケードのようなシビアな判定を盛り込んだりと,細部は作り込んでいましたし。
4Gamer:
言われてみると,「CROSS×BEATS」は判定は厳しめだった気がします。ではiOS版で慣らしてから,アーケード版に挑戦するというのも良いかもしれませんね。
NAOKI氏:
そうですね。実は「crossbeats REV.」ならではの要素をさまざま想定してまして,その1つがアプリとアーケードの連動なんです。両メディアでの“密なる連動”を通じて,今までありそうで,無かった新たな遊びの回遊を感じてもらいたいんです。
4Gamer:
密なる連動とは?
NAOKI氏:
まだまだ多くは語れないんですが,例えばアプリで楽曲を解禁したとしますよね。そうなればアーケードでもやりたいじゃないですか? もちろんその逆もしかりで……こういった流れによって,新たな回遊を実現したいと思っているんです。イベントなんかも密に連動することで,アプリとアーケードをしっかりコネクトしたいと思っています。
4Gamer:
「crossbeats REV.」自体からはちょっと離れますが,NAOKIさんが考えるアーケードの音ゲーの良さって,どんなところでしょうか。
これはすごく個人的な考えなんですけど,音楽のライブやコンサートってすごいじゃないですか。大音量で,演者と観客が一緒になって創り上げる生の臨場感! 恐らくゲーセンの音ゲーも,それと同じ特性を持っているんじゃないかなと。
4Gamer:
ライブ感ですね。
NAOKI氏:
やっぱり,スマホやコンシューマゲーム機だと,ゲーセンのあのライブ感はどうしても味わえないですね。だからアーケードでは,音ゲーの人気が高く,未だ新タイトルが精力的にリリースされ続けている,と思っています。
4Gamer:
分かりました。最後に本作に期待している読者に向けてメッセージをいただけますか。
NAOKI氏:
はい。カプコン初のアーケード向け本格リズムゲームである「crossbeats REV.」は,楽曲はもちろん,目に見えないところまでとことんこだわり抜いた,匠の音楽ゲームとして制作を進めています。末永くプレイいただけるタイトルになると思いますので,2015年夏の稼働を楽しみにしていてください。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「crossbeats REV.」公式サイト
- 関連タイトル:
crossbeats REV. SUNRISE
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CROSS×BEATS
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