プレイレポート
やめられない止まらない「九十九姫」を始める人に贈る「やや効率厨」型スタートガイド
付喪神とは,長く使われてきた「モノ」に宿った神を示す言葉である。神様だから擬人化されるのは当然だ。八百万の神々の住まう日本らしいゲームになっている(注:台湾産です)
ちなみに刀剣乱舞の刀剣男士も付喪神だが,本作にもいろんな名品の付喪神が登場し,なにやら刀剣関係も入ってるという,かなりおいしいとこ取りをした作品といえるだろう。
九十九姫というのは,ゲーム内に登場する付喪神(ゲーム内では「物霊」という)の女の子の総称のようだ。ゲームには九十九仙人や九十九城など「九十九」という単語が頻出する(それは字が違うと陸奥九十九も言っていたが)。
本作は,村ゲー的な要素をベースにしたカード型のRPGだ。集めたキャラクターで部隊(パーティ)を作り,用意されたステージを順に攻略していく。横スクロール形式でキャラクターが走り回って戦うアクションゲーム風の戦闘画面になっているが,基本的には自動戦闘(プレイヤーが少しだけ介入できる)のRPGと考えていいだろう。
制作は台湾FUN YOURS Technologyで,同社作品らしくキャラクターは愛らしいことこの上なく,公開されるやDMMゲームズでも上位に躍り出る人気を博しているようだ。ただちょっと困ったことに,ゲームの要素が非常に多くて分かりにくい状況にある。そこで,ここでは序盤を進めるうえで最低限の情報を,かなりぶっちゃけた形でまとめておきたいと思う。
準備段階から初期建築まで
FUN YOURS作品の常とも言えるのだが,とにかく招待コードを入手しよう。公式サイトに行けば,Twitterで招待コードを公開している人がいくらでもいるので,自分がプレイしたいサーバーのものを適当に選んで使おう。よく分からない人のコードを使うのはちょっと気が引ける人もいると思うが,気にせず使ってしまうのが正解だ。それにより倉庫が5枠増えるので,序盤のプレイしやすさが格段に変わってくる。
ゲームを開始する際にチュートリアルをするかどうかについては(正直,重要なことはあまり分からなかったのだが)気になる人はやっておこう。
ゲームができる状態になったら,まず左上のアイコンから主画面に移動しよう。右にある「シリアル」部分を押して,「配布アイテム」ボタンを押す。一度に一つずつしか出ないので,出なくなるまで押し続けること。
上図はチュートリアルをキャンセルした状態なので,チュートリアルを進めた人やその時期のキャンペーンの種類によって少し状況が違うかもしれないのだが,とにかくスタート時にいろんなものがもらえるので,最初にここを確認することが重要だ。
問題は,「その倉庫画面ってどうやって出すの?」という部分だが,これは左のメニューのどれかをマウスでつまんで回すと出てくる。ちょっとなんというか,個性的なUIだ。FUN YOURSのゲームは,わりとユニークなUIを搭載していることがあって最初に戸惑うことも多いのだが,これは誰かちゃんと言ってあげないとダメなのかもしれない。率直に,倉庫を見つけたときの心の声を再現してみよう。
「分かるか,ボケぇ!」
たしか,チュートリアルでは説明も行っていたはずではあるのだが,さらりと流されていて,見る側もまさか持ち物を表示するボタンが画面から隠されているとは思いもよらないので,私と同様に見逃す人が多いようだ。
ある程度プレイしてから倉庫を発見すると,倉庫内に数字の「1」と付いた同じ形のアイコンが並んでいるのを見て「え,なにもスタックしないの?」と,ブラウザをそっと閉じようとしてしまう人も出てくるかもしれない(注:FUN YOURS作品では個数付きでもスタックしないアイテムが出てくるゲームもある)。本作の倉庫ではスタック(複数のアイテムを1か所に保存)してはいるのだが,アイコンに添えられた数字は使用する際の個数を示している。アイコンの左右にある「<>」マークで増減が可能だ(1から最大値にするときは「<」)。
ちなみに倉庫の使い方は,これもなんというか非常に個性的なUIになっていて,使い方の説明をどうしようかと悩んでいたのだが,4月1日のアップデートで比較的普通の方式に改められた。運営の対応は非常に迅速といっていいだろう。ついでに,前述の回るボタンを詰めて配置して倉庫ボタンくらいは画面に出るようにしてくれたり,「閉じる」ボタンがないコンテンツで「戻る」ボタンを押すと別の画面まで戻されたりする部分も改善してくれたりするとなおよいのだが。
倉庫で複数のアイテムを選択したいときは,一度再利用のところに表示されたアイコンをクリックしてから続きのアイテムを選ぶようにしよう。
ここで使うのは先ほど入手したアイテムに含まれているチケット分だけでいい。召喚に使える「霊石」もたくさんもらっているのだが,霊石の用途は多いので召喚用に使うかどうかはあとで考えたほうがいい。
この段階で,初期キャラクターが入手でき,今後の方向性も決まってくる。
キャラクターには,木,鉄,銀,金といったランクがある。どっち方向が上位かは説明するまでもないだろう。
新規参加者向けのキャンペーンはたびたび行われると思うのでぜひ活用したい。キャンペーンのプレゼントは同一アカウントのすべてのサーバーで同じように利用できるので,初期配布ガチャチケットで銀以上をまったく引けないようであれば,別のサーバーを試してみるのもいいだろう。銀が1人いればかなり進めやすくなる。
今回は,最初に選んだ伊予サーバーで運よく銀の白理さんを引いたのでそのまま進めることにした。
本作で登録できるパーティは5人編成だが,初期パーティは銀1名と鉄3名,木1名としてみた。キャラかぶりなら鉄以上で埋められるのだが,秘書キャラの暮音(くらね)さんは,木ランクながら下手な鉄よりずっと高性能だったりするのだ。レベル20までしか上げられないので序盤しか使えないのだが,そのうち上位ランクのキャラクターを補充できるだろうということで採用している。
結局,パーティ構成は,前衛2名,後衛3名という後衛中心のものになった。前衛として定評のある地動さんをまったく入手できていないのは気になるが,まあなんとかなるだろう。
多くのゲームと同様,本作でもキャラクターは前衛と後衛の2種類に分類される。攻撃が近接か遠隔かという違いだと思ってもいいだろう(一度戦闘に出れば分かる)。
前衛が生き残っている限り,パーティは崩壊しない。前衛に求められるのは,スキルの連発にも耐える生命力,鉄壁の壁であることだ。
しかし,相手を倒さない限り戦いは終わらない。当然ながら敵はだんだん硬くなっていくが,格上の相手にもダメージをしっかり通すことが重要になってくる。後衛に求められるのは,いかなる壁をも貫く力,ダメージ強化が最重要となる。
ということでそれぞれに合わせたキャラクター育成を行いたいところだが,残念ながら,本作では装備以外でキャラクター個別の強化はできない。集めるのに時間がかかる装備は置いておいて,初期段階でもできる街の施設を設定しよう。これでパーティ全体の方向性を決めることになる。
街にある強化関係施設には,
- 各属性の学院(風,水,火,仙,鬼の5種類。)
- 各属性の撃院(以下,攻撃学院)
- 各属性の護院(以下,守護学院))
- 戦略学院
- 攻ノ学院
- 守ノ学院
といった種類がある。全部を建てれればOKなのだが,土地は10区画なのに対し建物は20種類もある。プレイヤーレベル15になると新しい街が追加されて区画は増えるのだが,しばらくは10区画でやりくりするしかない。さらに,序盤は資金が限られているので,しっかり見極めて建てたほうがいい。優先すべきは,後半の3種類だろう。
まず,戦略の要となる回復を担うのが戦略学院のスキル「癒しの風」だ。本作ではプレイヤーが指定できるアクティブスキル枠は2個しかないのだが,その片方はこれで決まりだろう。パーティ全員の体力を回復できるのだ。
ゲーム中の攻撃の大半は通常攻撃となるが,その威力を決めるのが攻撃学院のスキル(パッシブ)だ。同様に,通常攻撃に対する防御力を決めるのが守護学院のパッシブスキルである。序盤は防御より攻撃に特化したほうが進めやすいようなので,基本的に攻撃特化で調整していくことにしよう。学院のレベルを上げ,そのレベルまでスキルのレベルを上げる。スキルを上げるには,建物の「管理」ボタンから「工房」を選んで上げたいスキルを選択する。なお,建物のレベルを上げただけでは効果はないので,必ずスキルも上げるようにしよう。
なお,各属性の学院では,それぞれの属性のキャラクターがスキルを使ったときのダメージや敵からの属性攻撃スキルを受けたときの防御を強化することができる。目立つのでなんとなくスキルを上げておきたくなる人もいるだろうが,これらは行き詰まったときに相手の属性を見てから集中強化するのがよいだろう。
今回は,水,風,仙の3属性のキャラクターで構成されたパーティなので,それらの施設だけは一応建てておいた(安いし)。
序盤戦闘のコツ
ゲームの大半を占めることになる戦闘は,左の「ステージ」からマップを選択することで開始できる。とりあえず,順に進めていってみよう。しばらくは「出撃」ボタンを押して眺めているだけでどんどん進めるはずだ。キャラクターのレベルもどんどん上がって,行動ポイントは消費しきれなくてもったいないくらいだが,まあ序盤はそんなものと思って進めていこう。
そうそう,出撃時にスキルを2個指定できるので,(当分は使わないだろうが)回復スキルくらいは置いておくとよいだろう。出撃時に確認するクセを付けないと,意外と困ったことになりやすいのだ。
今回はキャラクターレベル9を目前で詰まったので,街の建物を強化したり,スキルを追加したりしつつ,キャラクターに装備を持たせてみよう(最初から持たせろという話もあるのだが)。
装備にはいろいろ種類があるのだが,序盤ではあまり細かいことは考えなくてもいいだろう。今回は,前衛も後衛も攻撃特化で,入手しやすくてセット効果もある,劣化したバラ鞭,劣化した匕首,劣化した羅紗鋏の3点セットで人数分を集めている。
そうこうしているとキャラクターレベルも10になったりしているのだが,全員に3点を取り付け,ゲーム中に拾っていたアイテムを前衛には防御寄り,後衛は攻撃寄りで付けておく。まだ全員分のスロットは埋まっていないが,とりあえずこれだけでも結構強化はされているはずだ。
レベル20くらいになって「小さい〜」シリーズが手に入るようになるまでは攻撃特化で問題ないだろう。なお,小さいシリーズでは,セット効果よりも単体性能を重視して装備させることになるので覚えておこう。レベル30に向けての,本格的なキャラクターの特化はそのあたりから始まることになる。
スキルの活用
戦闘は「見てるだけ」でも十分に進めるのだが,せっかくキャラクターがスキルを持っているのだから活用しない手はない。キャラクター固有のスキルは,戦闘中に画面下のキャラクターの顔を押すことで発動する。ただし,すぐに発動するわけではないので注意が必要だ。発動に必要なポイントも決まっているので(戦闘時に溜まっていく),それが足りないと発動しない。
前述のように,回復スキル以外に,プレイヤーが指定できるスキルをもう1個追加しよう。メインで使うキャラクターの属性の学院でスキルを覚えておくとよい。今回は,水属性の攻撃兼回復スキル「大寒波」をセットした。大寒波は,ちょこっと体力を回復しつつ,水属性攻撃の威力を高める効果もある(ほぼ同じ効果のスキルは各属性で用意されている)。
なお,詳しく検証はしていないのだが,攻撃力アップなどのスキルを過信してはいけない。同じFUN YOURS制作の「剣戟のソティラス」などでは,なにも書いてなければ攻撃力アップなどは1秒(直後の一撃分)でしか有効でなかった。そんな経験もあるため,水属性の子娘のスキルを先に発動させつつ,タイミングを見計らって,うまく当たれば儲けモノくらいのつもりで運用している。コストは同じなので,回復だけなら通常の癒しの風を使うほうがずっといいのだが,DPS向上効果は疑問視しつつもなんとなく小回復代わりに使ってしまっている(ほかに置くモノもないし)。
マップ周回の定番は?
マップの周回では,いくつか定番のポイントがある。
- 仙人IV AP回復薬(小)
- 疑惑II 絆石(50)
- 初仕事V 薄暗い五行の勾玉
- 諸夏へI 1000霊石×2
とくに仙人IVは定番中の定番で,AP小回復1回(AP10)で5回周回でき,5回に1回はAP小回復アイテムを入手できるくらいのポイントとなっている。ほぼここだけでずっと回せることが本作の評価を非常に高めていると言ってよいだろう。ブラウザゲームにありがちなAP制限がほぼ撤廃されるのだ。ここで溜めたAPで狙うのは,絆石や五行の勾玉などだ。
仙人IVの二つ隣にある疑惑IIでは絆石が入手できるのだが,AP回復薬に比べるとドロップ率は低めだ。しかし2回出せば銀キャラを入手できる可能性がある絆石ガチャを回せるので,周回しない手はない。仙人IVの周回を中心に,回復薬が1個出たら1回絆石も試す割合でプレイしていたが,それだけでもある程度は絆石も溜まってくる。
また,なにかにつけて霊石が必要になるゲームなので,2000霊石を入手できる(かもしれない)初夏へIも魅力的なコースだ。
仙人IVを軸にいろんなところに出かけてみよう。ただ,手軽にAPが入手できてしまうので,「やめられない止まらない」とゲームを中断する機会がなくなってしまうのは嬉しい悲鳴というところだろうか。
必要になるアイテムは,現在使用している筆頭キャラである白理さんの例だと,
- 白理の魂(木) 待ち人IV
- 薄暗い五行の勾玉 初仕事V
- 霞んだ水行 温泉III
の各マップで入手できる(注:キャラごとに異なる)。マップにマウスカーソルを当てると入手できる代表的なアイテムが表示されるので,キャラクターごとに探してみよう。
ちなみに,温泉IIIの推奨レベルは23だが,今回述べてきたような攻撃特化育成だと,プレイヤーレベル17,キャラクターレベル19でSが取れている(たまに事故はあるが)。
以上,ざっとレベル20まで育ててみた。序盤としては十分だろう。今後の方針としては,
- 絆石で地動さんの銀を狙う
- 一度失敗している孔明さんの銀昇級を目指す
- 各キャラの装備封印を解く
- 各キャラの装備を「小さい」シリーズに置き換える
- 討伐系のイベントに参加する
といったところだろうか。
今回の育成方針が最善というわけではないだろうが,ある程度効率的に育てたい人は参考にしてみてほしいと思う。なお,ゲーム内でのチャットが非常に盛んなゲームなので,分からないことがあったらその場で聞いてみるのがおすすめだ。
今回紹介した以外にも,本作には戦闘時に有効な「つまみ」ほか,非常にたくさん要素がある。むしろ多すぎて困りそうなので今回は序盤に必要な部分だけをピックアップしたわけだが,仙人IVマップのおかげで,用意された豊富なコンテンツにも比較的気軽にアクセスできる環境が出来上がっている。現在のところは,「神バランス」と言ってもいいくらいだ。唯一残念だったUIも改善の兆しが出てきたので,今後に期待できそうだ。かなり旬な感じの本作にぜひチャレンジしてみてほしい。
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