プレイレポート
荒削りながらも,“運ゲー”ではない戦闘に可能性を感じた。「超銀河船団」のクローズドβテストレポート
操作は移動のみだが,意外に戦略が必要になる戦闘
本作の舞台となるのは,侵略宇宙人の攻撃に晒された地球人が,新天地を求めて宇宙に旅立った世界。宇宙移民船団を指揮する司令官(プレイヤー)が,女性の隊員と共に宇宙を突き進んでいく,というスペースオペラ風のストーリーが展開される。
ゲームは,平常時(司令部パート)とミッション(バトルパート)の2つに分けられ,ミッションを進めることがプレイヤーの目的となる。ミッションが進むほどに高難度のエリアが開放され,強力な仲間やレアな資材を集めるチャンスが増えていくという仕組みだ。
そして,本作で最も重要となるのは,実際に探索活動を行う「隊員」だ。プレイヤーは隊員を集めて部隊を編成し,敵に立ち向かったり,新たな資源を獲得したりといったミッションをこなしていく。隊員は可愛い女性ばかりなので,新たな隊員が加わるだけでも嬉しい。ゲーム開始時に配属される2名の隊員を軸に,ミッションを進めていくことになる。
ミッションには,難度を表すランクに加えて,5種類ある「種別」のうち1つが設定されている。種別の種類は以下のとおりだ。
●「殲滅」
マップ上にいる敵をすべて倒せばクリアとなるミッション。
●「進攻」
マップの一番奥にある「破壊対象」を破壊するのが目的。
●「防衛」
攻めこんでくる敵から,マップ上に複数ある自軍拠点を守り抜く。
●「探索」
基本は「殲滅」と同じだが,マップ上にトレジャーボックスが多く出現する。トレジャーボックスには資材やモジュール(詳細は後述)などが入っている。
●「調査」
戦闘が発生せず,時間経過によって達成できる作戦。就寝中や移動中など,ブラウザが操作できない時間帯に実行するといいだろう。
ミッションでの戦闘はリアルタイムシミュレーション風だ。マップ(といっても横長で,左から右へと進む一方通行)上で隊員ユニットを動かし,立ちはだかる敵を撃破していくことになるのだが,実際に行う操作はドラッグアンドドロップでの移動だけ。攻撃は,隊員の攻撃範囲内に敵ユニットがいれば自動的に行われる。激しいアクションやボタン連打といった要素が無く,比較的ゆるい雰囲気で楽しめるが,ミッションには制限時間があるので,あまりのんびりとはしていられない。
戦闘では基本的に,敵ユニットを一斉攻撃できるように味方ユニットを配置していくことになる。今回は味方が2ユニットでの戦闘しか体験できなかったが,ユニット数が増えれば,敵陣深くに1人の隊員を飛び込ませて攻撃を引き付け,その間にほかの隊員が敵を個別撃破していくといった戦い方も有効だろう。もちろん,瀕死になった隊員は敵ユニットから離してやる必要があるので,移動操作しかないとはいえ,いろいろと戦略を練る必要がありそうだ。
戦闘で戸惑ったのが,「敵を倒さないとマップの先に進めない」という仕様だ。前述のとおり,戦闘では右に向かって進んでいくのだが,敵を回避して進むということはできなかった。つまり,マップ奥の「破壊対象」を破壊することが目的の進攻ミッションでも,結局はすべての敵を倒さなくてはならず,殲滅ミッションとの違いがあまり感じられなかったのだ。
また,ユニットの攻撃範囲がつかみづらいところも少々気になった。基本的にはユニットの正面が攻撃範囲になるのだが,どうもユニットごとにその広さが違うようで,敵ユニットの正面に移動させたつもりでも,微妙に位置がずれていたり,距離が足りなかったりするのか,一方的に攻撃されるだけという場面に遭遇した。プレイしているうちに何となく把握できるようにはなったが,できればユニットの攻撃範囲を明示してほしいところだ。
このあたりが正式サービスでどうなるか,気になっていたのだが,MAGES.によれば,正式サービスでは殲滅と進攻ミッションをより差別化する要素が取り入れられ,ユニットの攻撃範囲も表示されるとのことなので,βテストに参加して同じような印象を受けた人も安心してほしい。
ミッションをこなすと経験値が手に入り,隊員がレベルアップしていく。さらにミッションで戦闘した敵ユニットは,ときおり「ミュータント」として仲間になり,隊員の「パートナー」にできる(詳細は後述)ので,ミッションをこなすほどに戦力は充実していくはずだ。
平常時はキャラ育成とコミュニケーションに励もう
平常時(司令部パート)では,隊員達の強化や休息などを行い,船団の戦力を整えていくことになるほか,艦内のさまざまな場所で,隊員達とのコミュニケーションイベントを楽しめる。イベントはキャラクター個々に加えて,キャラクター同士の掛け合いが楽しめるものも用意されているので,仲間が増えるほど,遭遇しやすくなりそうだ。
ここで,平常時に選択できるメニューを説明しておこう。
●部隊
ミッションに挑む部隊の編成を行なう。具体的には,最大6人で構成される部隊の隊員を選び,それぞれに武器あるいはパートナーを設定して,隊員の戦闘力を強化するのだ。
ここでパートナーについて詳しく説明しておこう。パートナーは戦闘で仲間にしたミュータントのほか,設計図を元に開発したロボット「ドロイド」から選ぶことになる。パートナーという名称ではあるが,隊員と一緒に戦うわけではなく,隊員の戦闘力を強化するといった形で協力する,言ってみれば武器のような存在だ。
ただし,パートナーを設定すると,戦闘におけるユニットの外見や,警告画面の被ダメージイラストなどは,隊員ではなくパートナーのものになる。いろいろなキャラクターの姿を楽しめるのは嬉しいのだが,“主役”であるはずの隊員が目立たなくなってしまうのは,ちょっと気になるところだ。
●ミッション
ミッションへの出撃はここから行う。出撃には「資材」が必要だが,これは時間経過で溜まっていくので,足りない場合は休憩しよう。
●部隊強化
ここでは新たな隊員の募集に加えて,武器やドロイドの開発・強化ができる。
隊員の募集には,ミッション中に入手できる「隊員募集チケット」5枚と,資材が必要なのだが,あくまで「募集」なので,必ず新隊員が加わるわけではない。
本来ならここで「新しい隊員が加わったよヤッター!」といった感じのスクリーンショットを掲載したかったのだが,今回のプレイでは20回以上チャレンジしても隊員が加わることはなかった。あくまでβテストなので,もしかしたら新隊員が加わらない設定になっていたのかもしれないが,正式サービスではどれくらいの確率になるのか,気になるところだ。
●格納庫
船団が所有している武器やユニットなどを確認できる。地味なコマンドではあるが,メカニック娘のフジサワ ケイが可愛いので,つい覗いてしまう。
●休養
ダメージを受けた隊員や仲間ユニットを回復させる。イラストを見ると,回復中の彼女達は救護室や温泉などで過ごしているようだ。船団内の移動先にも温泉があるので,コミュニケーションイベントに期待せざるを得ない。
●援軍派遣
ほかのプレイヤーのミッションを支援できる。支援は調査ミッションのように,一定時間の経過が必要になり,終了時に経験値や資材がもらえる。ミッション支援による攻撃はかなり強力なので,余裕があるときは助けてあげよう。
●その他
今まで出会った隊員や敵ユニット,ミュータントなどの図鑑が閲覧できる。HP減少時のダメージイラストはもちろん,美少女キャラの表情差分もしっかり収録されるのはポイントが高い。
“お祈り”要素の少なさが好印象。ランダム要素は正式サービスでの調整に期待
今回クローズドβテストをプレイして,荒削りな部分はあるものの,既存のブラウザゲームから変化を持たせようという意思を感じられた。
とくに戦闘で移動指示を可能にし,ごく簡単ながらも戦略性を持たせたのは好印象。これにより,ただ運に任せる“お祈りゲー”ではなくなっている。これでもう少し攻撃範囲やキャラ特性(前衛向け,後衛向けキャラなど)が明確になると,より楽しめるようになるだろう。
コミュニケーションパートでは,残念ながら今回のテストでは実装されていなかったキャラクターボイスに期待大。ただでさえ可愛いキャラクターに,豪華な声優陣の声が乗るのだから,コレクションのモチベーションがさらに加速するだろう。
少し気になるのは,仲間や装備を集めるのに相当なランダム要素が絡む点だ。今回のテストではドロップ率や隊員募集成功率がかなり低かったのに加えて,隊員やパートナーだけでなく,装備にも成長要素があるので,「こりゃコンプリートや育成は大変そうだな」という印象を持った。
もちろん,正式サービスに向けての調整はこれからなので,今からあれこれ心配してもしょうがない。調整がうまくいけば,しっかり戦略を立てられる戦闘や,魅力的なキャラクターとのイベントをストレスなく楽しめるはずだ。有名クリエイター陣が手がける作品ということで話題となっているが,それに応えてくれる作品になるよう,期待したい。
「超銀河船団」公式サイト
- 関連タイトル:
超銀河船団∞ -INFINITY-
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(C)MAGES./5pb. (C)にじよめ