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「コアプレイヤー向け」の看板に偽りなし。グループSNEが手がける新作TCG「ドレッドノート」の発表会&体験プレイレポート
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印刷2015/02/18 14:32

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「コアプレイヤー向け」の看板に偽りなし。グループSNEが手がける新作TCG「ドレッドノート」の発表会&体験プレイレポート

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 KADOKAWAとグループSNEは2015年2月17日,東京の角川本社ビルにおいて“KADOKAWA 新作TCG流通説明会”を実施し,その中で新作トレーディングカードゲーム「ドレッドノート」を発表した。

 製作を担当するグループSNEは「モンスター・コレクションTCG」をはじめとする「六門世界」シリーズや,TRPG「ソード・ワールドRPG」シリーズを世に送り出すなど,“アナログゲームの雄”として知られている存在だ。

 本稿では,本作の概要や,リーススケジュールなどが公開された発表会の模様をお届けしよう。発表会終了後,実際にゲームに触れる機会も得られたので,そのプレイレポートも掲載している。

関連記事:
新作対戦TCG「ドレッドノート」が2015年5月28日に発売。“クロスカウンターシステム”と呼ばれる独自のバトルシステムを採用


コアプレイヤーに向けた

“ガチ”なトレーディングカードゲーム


 発表会では,まず本作のターゲット戦略が語られた。KADOKAWAのカードゲーム事業部は現在「アンジュ・ヴィエルジュ」と「パズル&ドラゴンズ トレーディングカードゲーム」の2作品を展開しているが,いずれもライト層向けのタイトルだ。

 それに対し,本作は「熱心なTCGユーザー層や,カジュアルなTCGに満足していない層」といった,コアプレイヤーへの訴求を目指しているという。本作のプロデューサーを務める剱持太志氏は「カジュアル層を“ガチ層”に引き上げたい」と,熱意を込めて語った。

KADOKAWAの「ドレッドノート」プロデューサー,剱持太志氏
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 コアユーザー向けのTCGとなれば,プレイヤーのモチベーションとなる大規模大会の存在が欠かせないということで,本作では,賞金付き大型大会の開催と,その開催地域が既に決定している。それと並行して,通常の公認店舗大会も行われるなど,対戦環境へのサポートは万全のようだ。

店舗大会には,景品として2種類のオリジナルプロモーションカード(以下,PRカード)が用意される。このPRカードは月ごとに変化し,PRカードは参加者全員に2種類が1枚ずつ配布されるので,参加するだけでコンプリートできるようだ
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大型大会はブースターパックの発売時期に合わせて開催され,年間4回行われる予定。先に行われる3回の大会の上位入賞者が,年度末の決勝大会に進出するという仕組みだ
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 続いて,2016年3月までのロードマップが公開された。先に掲載した記事で紹介していたスターターデッキやブースターパックなどの情報も,合わせて紹介する。

■2015年度「ドレッドノート」ロードマップ
●2015年4月
・ティーチングツアー実施(6月まで)

●2015年5月
・「スターターデッキ 紅蓮ノ剱」発売
・「スターターデッキ 蒼穹ノ盾」発売
・「ブースターパック Chapter1 神をも恐れぬ者たち」発売

●2015年6月
・店舗大会開始
以降,毎月PRカード更新(2種類)

●2015年7月
・大規模大会:東京

●2015年8月
・「ブースターパック Chapter2」発売予定

●2015年10月
・大規模大会:名古屋

●2015年11月
・「スターターデッキ 第2弾」発売予定
・「ブースターパック Chapter3」発売予定

●2016年1月
・大規模大会:大阪

●2016年2月
・「ブースターパック Chapter4」発売予定

●2016年3月
・決勝大会:東京

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 商品展開の次は,世界観やゲームシステムの紹介となった。こちらのプレゼンテーションを担当したのは,グループSNEの加藤ヒロノリ氏杉浦武夫氏河端ジュン一氏の3氏だ。

左から河端氏,杉浦氏,加藤氏
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 「ドレッドノート」は完全新規のタイトルで,世界観設定も独自のものとなっている。本作の舞台となるのは,とある実験により“脳内情報を顕現(けんげん)できる力”が発見され,その技術が超常的なレベルまで発展した,現代のパラレル的な世界だ。プレイヤーは,想像上の神「ドレッドノート」を具現化する能力を持った「キャスター」と共に,戦いに身を投じることとなる。

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 カードとして登場する「キャスター」たちは4色(赤,青,黒,黄)の勢力に分かれている。それぞれが使役する神の神話体系が異なっており,これが一般的なTCGにおける“色”の役割を果たしているのだ。

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赤の勢力「八幡学園都市」。主な神話体系は日本神話で,敵のカードに直接ダメージを与える,バーン系能力を多く所持する。メインイラストレーターはオサム氏
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青の勢力「I2CO(国際情報管理機構)」。主な神話体系はギリシャ神話やローマ神話で,カード効果による能力値アップ(パンプアップ)を得意とする。メインイラストレーターはpako氏

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黒の勢力「salomo」。さまざまな悪魔を使役する勢力で,能力としては敵カードの弱体化などを多く持つ。メインイラストレーターはkyo氏
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黄の勢力「リグ・ヴェーダ」。主な神話体系はインド神話で,あらゆる方面に強力な能力を持つが,コストなどに足枷がある。メインイラストレーターはタカヤマトシアキ氏

 以上の情報をもって,今回のプレゼンテーションは終了となった。ゲームの細かなルールについては,続けて行われた体験会のプレイレポートの中でお届けしていく。

プレゼンテーションの最後には,グループSNEの代表取締役社長である安田均氏も登壇。「今回は初めて若いものに任せましたが,私が見ても面白いものができあがったように思えます」と,本作への期待を述べた
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独特なルールは手応え十分

コアプレイヤー向けの看板に偽りなし


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 今回の体験プレイは,会場の全員が同時にティーチングを受けながら行うこととなった。まずは,基本となるゲームシステムを紹介しよう。

 本作の最も大きな特徴は,独自のゲーム進行ルール「クロスカウンターシステム」にある。一般的なTCGでは,一方のプレイヤーがドローやアタックといったフェイズを一通り終えてから,もう一方のプレイヤーのターンとなり,同じ流れを繰り返すことになるのだが,本作では,“一方のプレイヤーのターン”という概念が無く,1ターン内で,フェイズごとに双方のプレイヤーが行動することになる。
 1つの動作(ユニットによるアタックや,呪文など)を行うごとに双方の手番が交代となるため,両プレイヤーはターン開始ごとに先手と後手の判定を行うことになり,スピード感ある攻防が楽しめるのだ。

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 これだけだと分かりづらいかもしれないので,ターンにおける流れを簡単に図にまとめてみた(右図)。固有の用語などについては,ゲームの流れの中で紹介していく。

 ゲームの盤面を見て,まず目についたのは「2人のキャスター」と「2つのバトルエリア」だった。「キャスター」は,いわゆる主人公キャラクターとしてデッキに組み込まれるのだが,本作では2対2のタッグマッチが展開されるなのだ。そして,各キャスターは独立したユニットの配置エリア(バトルエリア)を持っており,勝利するためには相手が操作する2人のキャスターを両方ノックアウトしなければならない。

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キャスターは独立した体力(HP)と,ユニット配置エリアを持っている。双方の体力が0になったら敗北だ
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キャスターカードには,そのキャスターが所属する勢力や,耐久力を表すHP,特殊能力を示すアビリティなどが書かれている。キャスターの勢力によってデッキに入れられるカードの勢力に制限が入る
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ユニットカードは,盤面で直接戦闘を行うことになるカードだ。攻撃力を示すBPや,能力を示すアビリティに加えて,SからLまでの“サイズ”が記載されている
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コードカードは,いわゆる魔法カードだ。適切なコストを支払えば,カードに記載された効果が発揮される

 ゲームの目的が「相手のキャスターにダメージを与えて倒すこと」ということは分かった。あとはバトルエリアにユニットを配置して,敵を攻撃すればいいんだろう……などと思っていたら,ここにも本作ならではの仕掛けが施されていた。
 1つのバトルエリアに配置できるユニットが2体までと決まっているうえに,ユニットにはSからLまでの「サイズ」が設定されていて,大きなユニットを同時に並べることはできない。強そうなユニットをとりあえず並べれば良い,という話ではないようだ。

 バトルエリアにユニットが配置されている以上は,攻撃はキャスターに届かない(任意にキャスター自身がダメージを受けることも可能)。自分の守りを固めつつ,敵を倒すためにはどんな配置が最適なのか……と考え始めると,なかなか悩ましい。テストプレイで使用したカードの能力はかなりシンプルだったが,それでも考える楽しみは非常に多かった。

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ユニットを配置することを,本作ではキャストと呼ぶ。1つのバトルエリアには3つの「スロット」が設定されており,ユニット配置はスロットの上限を超えてはならない。Sサイズは1スロット,Mサイズは2スロット,Lサイズは3スロットを必要とする。なお,スロットが余っていても,配置できるユニットは2体までだ
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 そんな具合に頭を捻りながらゲームをプレイしていると,だんだんバースト(カードのコスト支払いに使うリソース)が余ってきた。キャスターがダメージを受けると,そのぶんだけバーストが増加するため,余剰のバーストが生まれてしまうのだ。
 そこで使えるのが,本作の看板システムのひとつ「ゴッドドロー」だ。ゴッドドローを使用すると,自分の場にある裏向きのバーストを手札に加えられる。基本的にどんなタイミングにでも使用可能なので,どんなタイミングにでも手札を増やせる強力なシステムだ。ただし,バーストが減ってしまうので,リスク・リターンをしっかり計算して使わねばならない。

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 色々と試行錯誤をしながら,だいたいルールを覚えてきたところで,今回のテストプレイの時間は終了となった。

 今回の記事を読んで「ちょっと難しそう」と思った人もいるだろう。実際のところ,現在国内で展開されているほかのTCGと比較すれば,複雑で難度の高い部類に入るはずだ。しかし,それだけに攻略の楽しみは大きい。やり応えのあるTCGを求めているプレイヤーにはピッタリの作品だろう。
 今回テストプレイに使用したデッキには,かなり多くのバニラ(効果なし)カードが含まれていたにも関わらず,かなり熱い展開が楽しめた。今後正式にカードが発売され,カードプールが構築された際,どのようなデッキが現れるのか今から楽しみだ。

 最後に,会場のスクリーンで紹介されたルール解説と共に,簡単な「ドレッドノート」用語集を掲載する。

「ドレッドノート」用語

ノーマル状態/チェック状態
 ノーマル状態のカードは縦向きに置かれ,チェック状態のカードは横向きに置かれる。ノーマル状態のカードは「チェック状態にする」ことで特定の効果を発動できる場合がある。すでにチェック状態になっている場合は不可となる

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アビリティ
 カードが持つ能力。起動に条件があるものや,コストを必要とするもの,自動で発動するものなどがある。

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バースト
 カードをプレイする際に使用するリソース。他作品における“マナ”に近い存在だが,基本的にすべて裏向きで配置される。

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スピードフェイズ/スピード
 キャスターカード以外の全カードに書かれている,速度を表す表記。または,その表記をチェックするフェイズ。[A++]から[C]までの9段階が用意されており,スピードフェイズで先攻後攻を決定する際に使用する。

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アクションフェイズ
 アタックや,アクションを行うカードを使用するフェイズ。アクションに関係する行動を行うと,手番が交代となる。手番が交代してもフェイズは終了しない。アタックを行う場合は,規定のルールに従って計算を行う。

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リアクション/Re
 アクションに対応する形で宣言できるカードの効果や,ルールのこと。お互いがリアクションの優先権を放棄した時点で処理が開始される。

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ゴッドドロー
 ノーマル状態のバーストを手札に加えられるルール。アクションとしても,リアクションとしても宣言が可能だが,ゴッドドローを使用してもアクションフェイズの手番受け渡しが発生しない。

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