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12時間の激戦を制したのは“青単色デッキ”のまめ選手。TCG「ドレッドノート」初の賞金制大会「Championship 2015 東京」レポート
「Championship 2015」は,本作の発表当初から開催が予告されていた賞金制大型大会だ(関連記事)。1年に3回の実施が予定されており,各大会の上位入賞者には最高30万円の賞金が与えられるほか,2016年3月に東京で開催される決勝大会「GrandChampionship 2015」への出場権が贈られる。
本稿では,予選開始から決勝の終了まで,実に約12時間にわたって行われたイベントの様子を,ダイジェストでレポートする。今後,名古屋大会(2015年10月)や大阪大会(2016年1月)に参加を予定しているプレイヤーは,こちらで大会の雰囲気などをチェックしておこう。
「ドレッドノート」公式サイト
熱い日差しが照りつける中,会場には600人近いプレイヤーが集結。TCGの大会を中心としたイベントとしては驚くほどの参加人数だったが,会場には十分なスペースと座席が用意されていたため,ゲームを遊ぶ環境は非常に快適だった。戦いはかなりの長丁場だが,これならばプレイヤーは存分に実力を発揮できるだろう。
大会参加者用のスペースだけでなく,フリー対戦用や休憩用の机も多めに設置されていた。さらに,対戦用の机には専用のプレイシートが貼り付けられており,快適な対戦環境が提供されていた | |
休憩所付近には物販スペースも設置されており,大会前に必要なカードを買い揃える人の姿も見られた |
大会の開始直前には,グループSNEに所属する「ドレッドノート」のゲームデザイナーである加藤ヒロノリ氏をはじめ,本作の製作スタッフ陣が登壇した。加藤氏は「初の賞金制の大会ということで,いろいろな意味でドキドキしながらここまで来ました。あまりギスギスせず,ルールブックに書いてあるとおり,紳士的な気持ちでプレイしてください!」と,来場したプレイヤー達を激励。それをもって,本大会の開幕となった。
今回の大会は参加人数が多いため,先に参加者全員によるスイスドロー戦(以下を参照)を6回戦行い,そのあとに上位成績者16名による決勝トーナメントを行う,という形式で進行された。
◯「スイスドロー」とは
最初はランダムに対戦組み合わせを行い,その勝敗に合わせてマッチングを形成していく方式。プレイヤーには勝利ごとに3ポイント,引き分けごとに1ポイントが付与され,最終的なポイントの高さで勝敗を決する。同率ポイントのプレイヤーの勝敗はOMW%(オポーネント・マッチ・ウィン・パーセンテージ:対戦した相手プレイヤーの強さを示す数値)で決定される。
優勝を果たしたのは“青単色デッキ”のまめ選手
賞金制大会ということもあり,予選でも参加プレイヤーの対戦は真剣そのもの。筆者も各対戦卓を歩いて回ってみたが,一般的なイベントで行われる大会とは,雰囲気が少し異なっているように感じられた。
そんな中で,対戦によく使われていたデッキは,高性能なコードを多数持つ「国際情報管理機構」(青勢力)と,相手の攻撃をキャンセルできる「アスモデウスの眼光」が強力な「salomo」(黒勢力)の2勢力だった。一方,「八幡学園都市」(赤勢力)や「リグ・ヴェーダ」(黄勢力)をあつかうプレイヤーは,さまざまな形で両勢力への対策を用意しており,そこが試合の焦点となっている様子だった。
予選では,手札のコードカード(呪文系カード)を捨て札とすることでBPを強化できるユニット「アテナ」を中心とした“青単色デッキ”と,手札補充能力が強力なキャスター「敷島ヒカル」で黒勢力の大型カード「ゴモリー」の効果を支援する“黒青混色デッキ”が多く見られた。公認大会でも結果を残しているデッキだけに,人気が高いようだ |
ニコニコ生放送用の対戦卓も設置されていた。こちらで配信された内容はタイムシフトで視聴可能なので,大会に参加したプレイヤーのプレイを知りたい人は確認してみよう |
予選が終了すると,集計時間をはさんだ後に決勝トーナメントが開始された。16名の出場者は,その半数が6連勝で予選を勝ち抜いてきたプレイヤーで,その実力は折り紙つき。決勝トーナメントでは専用の対戦スペースが用意され,来場者はその周囲から対戦を見守る形となった。
こうして,決勝戦まで残ったのは“青黒混色デッキ”のもりそば選手と,“青単色デッキ”のまめ選手の2人。序盤はもりそば選手がペースを握るが,まめ選手は「ニケ」(手札のミネルヴァ系カードを捨てることで,2枚までドローできる)の効果を使い,デッキの主力である「アテナ」を2枚連続で捨てるという荒業を見せて状況を立て直し,これを切り返す。
まめ選手はその後も,もりそば選手のアタックを冷静に凌ぎ続ける。そして,後半のターンに発生したアタックボーナス(キャスター前のエリアにいるユニットを全滅させる)でまめ選手が体力で上回り,最終的には試合時間切れで判定勝利となった。
ベスト4に唯一残った“赤黒混色デッキ”を扱う車輪選手。惜しくも敗退となってしまったが,ダメージを与える能力やコードを使った派手な戦いを見せる同選手の戦いは,来場者の注目を集めていた | |
もりそば選手とまめ選手による決勝戦。必要とあらば強力な主力カードでも捨てる決断力により,優勝を勝ち取った |
最後に,上位入賞受賞したプレイヤーへの授賞式が行われ,大会は終了となった。本大会の終了後も,8月30日に開催の「Dreadnought Festa」をはじめとして,さまざまなイベントの実施が予定されている。また,年度内には2回の賞金制大会の開催が控えており,今回参加できなかったプレイヤーにもまだまだチャンスが残っている。「我こそは」というTCGプレイヤーは,今後の大会に参加してみよう。
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