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印刷2016/03/30 17:57

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「ドレッドノート」2015年度の総決算。賞金トーナメント「Grand Championship 2015」レポート。間もなく登場の新勢力「ミズガルズ(緑)」の秘密も明らかに

 2016年3月27日,KADOKAWAから発売中のトレーディングカードゲーム「ドレッドノート」の年間チャンピオンを決める大会イベント「ドレッドノート Grand Championship 2015」が,東京・飯田橋のKADOKAWA富士見ビルで開催された。

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 この大会は,昨年5月より日本各地で行われてきた公式大会の上位者である64人のプレイヤー達が,優勝の座をかけた決勝トーナメントに挑むというもの。まさに2015年度の同作を締めくくるに相応しい大会ということで,全8回戦にわたって白熱した対戦が繰り広げられた。

 また決勝トーナメントの裏では,2016年5月12日に発売が予定されている新たなブースターパック「グリンウィンド・サガ」と,スターターデッキ「刻印ノ槍」で追加される新勢力「ミズガルズ(緑)」を用いた体験会も行われており,こちらも大盛況となっていた。本稿では,この体験会で判明した新情報を中心に,大会の模様を合わせて紹介していこう。

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新勢力「ミズガルズ(緑)」に搭載される新たなギミック「刻印」


 北欧神話をベースとした新勢力である「ミズガルズ(緑)」は,新システムである「刻印」を駆使した戦術が特徴だ。

 「刻印」とは,新しいゲームエリアである「刻印スロット」に配置したカードをチェック状態にすることでログコストを支払えるというシステムで,いわば一時的に使えるバーストのようなもの。刻印能力を持ったカードをプレイすることで配置でき,使用するまで3枚まではスロットに残り続ける。使用後はエンドステップで捨て札となる仕組みだ。
 うまく利用すれば,次ターンに普段より大きなログコストを支払えるわけで,これによる新たな戦術の構築が期待される。バーストと異なるのは,「刻印スロット」のカードはゴッドドローができないということと,コストとして「刻印カード」を要求する強力なカードが用意されているところだろうか。

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 また,新カードの中でとくに注目なのが,キャスターに特殊効果を付与する「アームズ」タイプのカードである「魔剣グラム」だ。このカードをエンチャント(付与)されたキャスターは,通常のルールではキャスターが行うことができない「アタック」を行うことができ,相手に対してダメージを与えることができるようになる。
 与えるダメージはそこまで高くはないものの,最大4回だったアタック回数の上限を超えることができるようになり,戦略に与える影響は計り知れない。今後の対戦のセオリーに,絶大な影響を与えるカードと言えるだろう。


■新勢力「ミズガルズ(緑)」の真価やいかに。グループSNE開発陣ミニインタビュー


 今回の体験会には,本作の開発元であるグループSNEのゲームデザイナー,加藤ヒロノリ氏と河端ジュン一氏,杉浦武夫氏が参加しており,短い時間ながら話を聞くことができたので,その模様をお届けしよう。

グループSNEの加藤ヒロノリ氏(左),河端ジュン一氏(中),杉浦武夫氏(右)
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4Gamer:
 本日はお忙しいところお時間をいただき,ありがとうございます。新勢力である「ミズガルズ(緑)」について,まず概要からお話いただけますか。

加藤ヒロノリ氏(以下,加藤氏):
 「ミズガルズ(緑)」は,これまでの4つの勢力(色)に続く第5の勢力になります。「刻印」というシステムが新たに加わっています。体験デッキのカードでいえば,「クリストファ・ブルボン」「スケッギョルド」が,この刻印にまつわるカードですね。

4Gamer:
 ストーリー的には,緑はどういう立ち位置なのでしょうか。

河端ジュン一氏(以下,河端氏):
 これまでに登場した各勢力は,それぞれアメリカや日本といった国を組織の拠点としていましたが,ミズガルズはネット上のSNSによってつながっている勢力になります。特殊なイヤホンを身につけていまして,これによってお互いの声を聞き,世界の終焉を防ぐために行動しているんです。詳しくは,今後のストーリーをお楽しみに,ということで。

4Gamer:
 期待したいと思います。先ほど少しだけプレイさせてもらったのですが,かなり面白いですね。とくに刻印を使ったログコストの管理と,新しい「アームズ」「魔剣グラム」を絡めた戦術に注目集まりそうです。

加藤氏:
 そうですね。刻印はコストを貯金しておいて,次のターンに持ち越すような使い方ができるので,戦術の幅が広がると考えています。うまく使えば,次のターンで全力で攻撃できるんです。

4Gamer:
 まさしく,それでやられてしまいました(笑)。アームズという種別のカードは,これまでにも存在していましたが,キャスターが直接攻撃に参加できるというのが新しいですね。

加藤氏:
 キャスターが攻撃できるアームズというのは当初から考えていたアイデアだったんですが,なかなか実現できなくて。ここに来て,ようやく実装できました。

河端氏:
 鋭いプレイヤーは気付いてたみたいですけどね。第3弾発売時に加えたテキストの変更に,それを匂わせるものがありましたから(笑)。

体験会で来場者と対戦するグループSNEの面々
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4Gamer:
 体験会で一緒にプレイしていた人も,「やはり来たか」って言ってましたね。ちなみに,
刻印はほかの勢力でも使えるのでしょうか。

加藤氏:
 今のところは緑だけです。アームズでの攻撃も同様でして,それが緑の強みなんです。

河端氏:
 ミズガルズ全体が,刻印をベースに戦略が組み立てられていますから。新たなリソースマネジメント要素になっていて,デッキ構築の段階から戦略を考える必要があります。

4Gamer:
 なるほど。しかし後発の勢力ということで,刻印というアドバンテージこそあれ,カードプールはほかの4色に劣る部分がありますよね。ここはどうお考えですか。次のChapterに収録されるカードは,緑だけだったりとか?

加藤氏:
 いえ,そんな事はありません。カードプールの差を埋めるために多めにはなっていますが,ほかの勢力のカードも入れる予定です。

杉浦武夫氏:
 カードプールは少ないですが,これから本作を始める人が緑だけでデッキを作っても,結構いけると思いますよ。Sサイズのユニットも強めに設定してあって,コスト面で優位に立てるはずです。

加藤氏:
 でも,今日の黄黒デッキの様子を見てると,どうなるか分からんけどなあ(笑)。

河端氏:
 でも,黄黒には強いですよね。衰弱剥がせますし。

加藤氏:
 黄黒っていうか黒に強いかな。いろいろ隠し球も用意していますし。

4Gamer:
 そこ,気になります!

加藤氏:
 いやあ,黒の時代も……そろそろしばいとかんと(笑)。そういうわけで,緑デッキはシステム面でもストーリー面でも新しい要素が入っています。ぜひ皆さんで楽しんでみてください。

4Gamer:
 うぐぐ……分かりました。期待させていただきます。本日はありがとうございました!


熱戦が続出した「Grand Championship2015」。優勝は黄黒デッキの鯖選手


 Grand Championship 2015決勝トーナメントは,スイスドローによる3回戦までの予選を経て,以降は上位32名によるシングルエリミネーショントーナメントによって優勝が争われた。次々と脱落していく参加者の中から決勝にコマをすすめたのは,ヒデ選手鯖選手。両者とも黄黒デッキを使う者同士の対決となった。

決勝進出したヒデ選手(左)と鯖選手(右)
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 決勝は中盤までは互角だったものの,徐々に鯖選手の手札に強力なカードが集まりはじめ,形成は一方に傾いていく。ヒデ選手は挽回するためゴッドドローに活路を見出そうと粘ったが,結局有効なカードを引くことはできず,そのまま鯖選手が押しきる形で勝利。鯖選手が2015年度覇者の栄冠を手にした。

 ちなみにファイナリストの両者が使ってい黄黒デッキは,今大会の一番人気だったようで,上位16人のうち10人がこの組み合わせとなっていた。表彰式後の鯖選手に話を聞いてみたところ,相手のアタックをキャンセルする「アスモデウスの眼光」や,Mサイズのユニットで最も強い「サーガラ」,「縛鎖」の能力を持つ「アガレス」といった強力なカードの存在が,黄黒デッキの人気を支えているのだという。
 ミズガルズ(緑)の参戦で,このパワーバランスにどんな変化が現れるのか,今後が楽しみだ。

優勝した鯖選手。次回大会にも参加して連覇を狙いたい,とのこと。「このゲームはやればやるほど強くなっていけるので,皆さんたくさんプレイしてほしい」とも語っていた
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