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ミュージック フロム ゲームワールド:Track 8
地球大学に行って宇宙学を専攻したい,そんな進路を夢見たこともあった私です。突然ですが,私の大好きなゲーム&ゲーム音楽「バーニングフォース」のネタでした。Kawagen氏による同作の近未来SFサウンドは人気も高く,今でも当時のサントラ「ナムコゲームサウンドエクスプレスVOL.2」をよく聴きます。さて,そんなKawagen氏が音楽を手がけたCGアニメ作品「ねむれ思い子 空のしとねに」のDVDがリリースされ,それを記念して上映会&トークショーが行われたので参加してきました。
監督の栗栖直也氏がKawagen氏に音楽のオファーをした理由というのは,なんと監督も「バーニングフォース」の音楽が好きだったから! トークショーでその話を聞き,自分は単なるいち参加者なのに監督に対して「おお,同志よ……!」などと一人感動したりしていました。そんないろいろな方面に影響を与えた「バーニングフォース」の楽曲は,今聴いても変わらず未来感あふれるサウンドなことに驚きを隠せません。
現在はiTunes版「バーニングフォース オリジナルサウンドトラック」が配信中で,こちらが入手しやすいのでまだ聴いたことのない人はいかがでしょうか。それでは今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」,スタート!
壮大な聖歌隊のコーラスの迫力に飲み込まれる
「Bloodborne オリジナルサウンドトラック」
タイトル | Bloodborne オリジナルサウンドトラック | |
発売日 | 2015年4月22日 | |
価格 | 3200円(税抜) | |
発売元 | ティームエンタテインメント | |
コピーライト | (C)2015 Sony Computer Entertainment Inc. |
実はまだPS4を持っていないのですが,やりたいソフトはいろいろあるので,もういつ衝動的に購入してしまってもおかしくない状況です。ということで今週1枚めは「Bloodborne」のサントラを紹介。私自身は未プレイながら,実はゲームの内容や一部のサウンドにはすでに触れているのです。
なぜかって? それは本連載でバナーのドット絵を描いているマーブル先生がPS4のShare機能で「Bloodborne」の実況をしていたのを見ていたからなのです! PS4のゲームはこういった楽しみ方ができるのがいいですね。映画でも見るような感覚で「Bloodborne」を先行して楽しんでいたのでサントラを聴くのも楽しみでした。
作曲は「アーマードコア」シリーズなどを手がけた齋藤 司氏や北村友香氏といった国内の作曲家に加え,「アサシン クリード ユニティ」(PC/PS4/Xbox One)のRyan Amon氏,「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズのCris Velasco氏といった海外の作曲家も参加した豪華な一作。本作のサウンドの特徴は,なんといってもボス戦で聴ける緊迫感と壮大さが同時に押し寄せてくるオーケストラサウンド。無音の静けさの中にSEが鳴り響く通常時との対比で,楽曲が与えてくれる緊張感が凄まじい。さらに,総勢32名の聖歌隊によるコーラスは圧巻!
「Ebrietas, Daughter of the Cosmos」の終盤で聴けるコーラスの終末感には,背筋がゾクゾクくるほどの震えを覚えます。そうした中,オルゴールの戦慄だけで構成された「Lullaby for Mergo」が妙な安心感を与えてくれたりと感情を揺さぶられる楽曲が多く,聴いているだけで力が入ります。
これらのサウンドはゲームの映像と合わせて聴くと,しっかりゲームを盛り上げてくれますが,いざサントラを単体で聴くと音楽の迫力に飲み込まれそうになります。夜,寝る前に部屋を真っ暗にして本サントラを聴いていたら,暗闇の中で楽曲に襲われるのではないかという恐怖感を覚えました。興味が湧いた人はぜひこの感覚を味わってみてください。ただし,心臓の弱い人はご注意を。
「Bloodborne オリジナルサウンドトラック」公式サイト
ヒロインが想いを伝えてくれるED曲に思わず赤面
「PRETTY×CATION2 オリジナル・サウンドトラック」
タイトル | PRETTY×CATION2 オリジナル・サウンドトラック | |
発売日 | 2015年4月22日 | |
価格 | 3200円(税抜) | |
発売元 | 5pb. | |
コピーライト | (C)hibiki works. All rights reserved. |
多くのアイドル達が次々とデビューしては消えていくアイドル戦国時代。カフェ&レストラン「アフィリアグループ」に所属するメンバーで構成され,数々のゲーム音楽やゲームの主題歌を手がけてきた志倉千代丸氏と,声優を超えたマルチな活動で知られる桃井はるこ氏のダブルプロデュースでこのシーンに登場したアフィリア・サーガは,ゲームファンやアニメファンに注目されているアイドルグループではないでしょうか。
そんなアフィリア・サーガが主題歌を担当する「PRETTY×CATION2」のサウンドトラックがリリース! 主題歌の「ハツコイ///ストライプ」は桃井はるこ氏が作詞作曲を手がけた,恋する気持ちを綴った切なくも元気いっぱいに疾走する王道アイドルポップチューン。“センチメンタル”コーラスの掛け合いはアフィリア・サーガのライブで盛り上がるシーンが目に浮かぶので,ライブに参戦して楽しんでみたいところです。ちなみに「ハツコイ///ストライプ」はシングルリリースなどはされておらず,本サントラでしか聴けないことも付け加えておきましょう。
また,ゲームに登場する4人のヒロインそれぞれのエンディング曲で,ヒロインの担当声優がボーカルを担当。4曲ともエンディングにぴったりなミディアムテンポのナンバーで統一されていて,聴いているだけで幸せな気持ちになります。作詞作曲を担当した西坂恭平氏曰く,歌詞のテーマがすべて「彼女から彼氏へ伝えたい想い」なので,歌詞に耳を傾けていると思わずドキドキしちゃいます。いやぁ,青春ってイイネ!
そしてゲーム中のBGM担当は前作同様Miyaji氏。ライナーノーツ内で「全体的にのんびりした気取らない雰囲気のBGMになりました」と語るとおり,優しい空気で包まれた温かい楽曲が満載。のんびりした中に力強さを感じる「君と駆け抜ける今」は,個人的にもお気に入りの1曲です。
多数のボーカル曲とBGMで構成され,賑やかでバラエティに富んだこの1枚。サントラを聴くきっかけはアフィリア・サーガ,声優さん,ゲーム,このコラムと人それぞれだと思いますが,入り口がどこであっても同じようにサントラを楽しんでもらえるはずです。
「PRETTY×CATION2 オリジナル・サウンドトラック」公式サイト
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