連載
ミュージック フロム ゲームワールド:Track 47
KONAMI作品のアレンジアルバムには思い入れの強いものが多く,お気に入りをちょくちょく引っ張り出しては聴いているのですが,中でもシューティングの曲をメタルアレンジにした「コナミ・シューティング・バトル」と「コナミ・シューティング・バトルII」の2枚は鉄板です。そして先日,また素敵なアレンジアルバムが登場しました。本文のほうで詳しく紹介しますので,さっそくチェックしてみてください。それでは今週の「ミュージック フロム ゲームワールド」,発進!
往年のKONAMIサウンドを古川もとあき氏自らアレンジ!
「コナミ・ゲームミュージック・アレンジセレクション 〜The Beginning of MOTOAKI FURUKAWA〜」
タイトル | コナミ・ゲームミュージック・アレンジセレクション 〜The Beginning of MOTOAKI FURUKAWA〜 | |
発売日 | 2016年1月23日 | |
価格 | 2500円(税抜) | |
発売元 | スタジオ エイエス |
1980年代から2003年までKONAMIのコンポーザーとして活躍し,「グラディウス2」「A-JAX」「グラディウスII -GOFERの野望-」「悪魔城伝説」といった同社を代表する多数の作品で楽曲を制作してきた古川もとあき氏が,KONAMI在籍時に手掛けた楽曲を自らアレンジして収録したニューアルバムを発表しました。というわけで,今週の1枚めはこの「コナミ・ゲームミュージック・アレンジセレクション 〜The Beginning of MOTOAKI FURUKAWA〜」を紹介します!
オープニングを飾るのは「XEXEX」のステージ1のBGM「Breeze」。宇宙空間を演出するシンセサウンドをベースに,軽く歪ませた軽快なギターサウンドが奏でるリードプレイを堪能できる,この曲。ゲストミュージシャンにBlindSpotの並木晃一氏(G)と斉藤昌人氏(B)が参加しており,古川氏と並木氏によるソロバトルや斉藤氏のスラップも聴きどころです。2曲めは音楽ゲーム「GUITAR FREAKS」シリーズから「SOME HARD REACTIONS」。後ノリのリズムに乗っていくサビ部分で披露される,感情たっぷりのねちっこいギタープレイが耳に残ります。
3曲めは「F1スピリット」から「Hot Summer Riding」。レースゲームならではの爽やかな疾走チューンが,より洗練されたロックアレンジへと見事に昇華されています。4曲めは「サンセットライダーズ」から「サンセット牧場の決闘」。西部劇をテーマにした同作のBGMらしく,荒んだ決闘の場や,その後の運命を思わせる泣きのサビメロ等,物語性を強く感じさせるアレンジです。
そしてラストは「An Orbital Flight」と題された「グラディウス2」のメドレー。古川氏の手による初のメドレーアレンジという点にも注目したい1曲です。ゲームの流れを意識した,空中戦からステージ1のBGMへと続く鳥肌モノの展開や,シンセとギターが入れ替わりながら牽引するメインメロディが気持ちいい!
全5曲,いずれも原曲のメロディをしっかり生かした,王道のゲームミュージックアレンジに仕上がっており,迫力ある生演奏で原曲の新たな魅力を堪能できる1枚です。
異国情緒あふれる,崎元 仁オーケストラサウンド最新作
「『ケイオスドラゴン』オリジナル・サウンドトラック」
タイトル | 『ケイオスドラゴン』オリジナル・サウンドトラック | |
発売日 | 2016年1月20日 | |
価格 | 3300円(税抜) | |
発売元 | 東宝 | |
コピーライト | (C)混沌計画/「ケイオスドラゴン赤竜戦役」 製作委員会 (C)SEGA (C)STAR SEAS COMPANY /「ケイオスドラゴン混沌戦争」製作委員会 |
TRPGリプレイの手法を取ったファンタジー小説「レッドドラゴン」を原点としたメディアミックスプロジェクトから生まれた,セガネットワークスのスマートフォン用RPG「ケイオスドラゴン 混沌戦争」(iOS/Android)とテレビアニメ「ケイオスドラゴン 赤竜戦役」。ゲームとアニメ,双方の楽曲を崎元 仁氏が手掛けており,それらを同時収録したサントラがこのたびリリースされました。ということで,今週の2枚めは「『ケイオスドラゴン』オリジナル・サウンドトラック」を紹介します!
オーケストラを基本に,異国情緒あふれるサウンドが展開される本サントラ。1曲めの「カルマ」は,いきなりクライマックス感あふれるコーラスワークと迫力のオーケストラサウンドで攻めてきますが,2曲めの「ふたたび出会う日」は心が安らぐ優しい曲となっており,気分を落ち着かせてくれます。明るく開放的な「市場」は町の賑わいと人々の生活を描き出した曲で,中盤にさりげなく入る弦楽器のフレーズが印象的です。
無機質なビートにさまざまな音が絡む,インダストリアルなテクノナンバー「王の資格」も印象的な1曲。アナログシンセで作ったようなサウンドが曲のあちこちで鳴っているのも興味深いです。
篠笛の美しい音色が堪能できる「黒竜騎士」,さまざまな異国情緒が入り交じった不思議なメロディが展開する「旅路」,儚さと悲しみが同居したピアノソロ「長いお別れ」等も,じっくりと耳を傾けたいところ。そして,橋本由香利氏の作曲によるアコースティックなサウンドに乗せてエィハ役の沢城みゆきさんが歌う「ディータ・リィヴ」は,退廃的な美しさが印象的な1曲です。
全55曲,そのすべてを紹介したくなる「『ケイオスドラゴン』オリジナル・サウンドトラック」。崎元氏が作り上げた渾身のサウンドに,ぜひ触れてみてください。
「ケイオスドラゴン 混沌戦争」公式サイト
|
- 関連タイトル:
ケイオスドラゴン 混沌戦争
- 関連タイトル:
ケイオスドラゴン 混沌戦争
- この記事のURL:
(C) SEGA Networks (C) STAR SEAS COMPANY / 「ケイオスドラゴン混沌戦争」製作委員会
(C) SEGA Networks (C) STAR SEAS COMPANY / 「ケイオスドラゴン混沌戦争」製作委員会