ミュージック フロム ゲームワールド：Track 85 「TAITO GAME MUSIC REMIXS」「うたわれるもの 二人の白皇」

　ゲーム音楽好きなら，お気に入りのゲーム音楽を広めるべく公共の場で流したことが一度や二度はあるはず（？）。筆者も昔，レンタルビデオ店でアルバイトしていたときに店内でゲームサントラを流して，「あれっ，今流れてるのあのゲームの曲じゃね？」というお客さんの反応を密かに楽しんだものです。
　それでは，今週も「ミュージック フロム ゲームワールド」で，新しいゲーム音楽を聴いていってね！

往年のタイトー作品の人気曲をリミックス

「TAITO GAME MUSIC REMIXS」

タイトル	TAITO GAME MUSIC REMIXS	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年11月9日
価格	2500円（税抜）
発売元	ZUNTATA RECORDS
コピーライト	（C）TAITO CORPORATION 1978, 2016 ALL RIGHTS RESERVED.

　今週の1枚めに紹介する「TAITO GAME MUSIC REMIXS」は，歴代のタイトー作品から人気曲をチョイスして21人のアレンジャーがリミックスした，1980年代からゲーマー人生を歩んできた世代なら必聴のサントラです。

　1曲めは懐かしの「スペースインベーダー」から「Space Invaders（are EDM Remix）」。インベーダーの移動音や自機のビーム発射音など，ゲームのSEをそのままリズムパートに組み込んだ王道リミックスチューン。シンプルな進行なのにずっと聴いていたくなる，そんな音空間が構築されています。
　「ダライアス」の「Captain NEO -Confusion Mix-」は，四つ打ちのビートに乗った未来感あふれるリミックス。中盤からは他ステージ曲のフレーズを挟みながらの進行で楽しませてくれます。「バブルボブル」の「BUBBLEBOBBLE 〜MEGA BUBBLE MIX」は，オリジナルのキュートなサウンドを活かした賑やかなアレンジです。

　「奇々怪界」の「小夜のテーマ 〜とぱぞのアレンジ〜」と，「ニンジャウォーリアーズ」の「DADDY MULK 〜Hi-SPEED 8BIT MIX〜」の和風テクノアレンジ2連発や，オリジナルのメロディを尊重しつつリズムパターンやサウンドで変化を付けた「ナイトストライカー」の「The Urban Trailer」等，どの曲もアレンジャーの遊び心が満載！
　ガラリと印象が変わった「ダライアス外伝」の「FAKE（ALR REMIX）」や，バッキングとして過去作からのメロディやSEを使い，前と後ろで2つの異なるメロディが同時進行する「ダライアスバースト」の「Good-bye my earth（...and hello to my 2151）」も聴きどころです。

　オリジナルは1980〜90年代のゲームが多いので，レトロゲーム好きが楽しめるのはもちろん，最新サウンドにリミックスされた楽曲をぜひ若いファンにも聴いてもらいたいところ。第2弾にも大いに期待したいです！

「TAITO GAME MUSIC REMIXS」公式サイト

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心地よい民族楽器の演奏が「うたわれるもの」の世界を彩る

「うたわれるもの 二人の白皇 Additional Soundtrack」

タイトル	うたわれるもの 二人の白皇 Additional Soundtrack	→Amazon.co.jpで購入
発売日	2016年11月9日
価格	2000円（税抜）
発売元	F.I.X. RECORDS
コピーライト	（C）2016 AQUAPLUS

　「うたわれるもの 偽りの仮面」の続編として，アクアプラスから2016年9月にリリースされた「うたわれるもの 二人の白皇」。今週の2枚めは，その追加曲のみを収録した「うたわれるもの 二人の白皇 Additional Soundtrack」をご紹介！　作・編曲は，前作の楽曲を手がけた松岡純也氏と衣笠道雄氏に，石川真也氏と下川直哉氏を加えた4人が担当。和楽器による哀愁漂うメロディとサウンドがしっかりと継承されています。

　1曲めの「子守歌-ユカウラ-」はしっとりとした儚さがある，その名のとおり子守唄風のメロディに癒されるアコースティック曲。2曲めはSuaraの歌う主題歌「星灯（ゲームバージョン）」。サビのボーカルパートから始まるアッパーな曲調と，ギターの代わりにバイオリンやストリングスで構成されたアレンジも特徴的。なんと言っても，強烈な存在感を放っているSuaraのボーカルが魅力的な曲です。

　3曲めからは，落ち着いた民族音楽的アレンジの「二人の白皇」，優雅な空気感と共に流れていく「悠久の大地」，笛の奏でる切ないメロディが耳に残る「星影」といった曲が続きます。こうしたアコースティックな楽曲だけでなく，「神結-カミ・ユウ-」や「一触即発」ではオーケストラを導入したダイナミックなサウンドも聴かせてくれます。

　DISC2の11曲めには，ウルゥル・サラァナ役の佐倉綾音，ウルトリィ役の大原さやか，カミュ役の釘宮理恵が歌う「子守歌・双星」を収録。この曲は「子守歌-ユカウラ-」のボーカルアレンジになっており，より子守唄感が増しています。
　続く12曲めは，エルルゥ役の柚木涼香とクオン役の種田梨沙が歌う挿入歌の「運命-SADAME-」。この曲も「うたわれるもの」らしいアコースティック楽器を主体にしたバラードナンバーです。
　本連載の第56回で紹介した「『うたわれるもの 偽りの仮面』ゲーム＆アニメ オリジナルサウンドトラック」と合わせて，「うたわれるもの」の音楽世界を堪能してください！

「うたわれるもの 二人の白皇 Additional Soundtrack」公式サイト

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■■風のイオナ■■ マーベルランドで産まれ，フェアリーランドで育ち，さざなみの島で一攫千金を夢見るも，バビリム王国に連れ去られて塔建設の奴隷として働く。巨大宇宙船に密航して惑星あくあへ逃亡後，仕事の都合でモタビア星に移住し，ハンターとして惑星ラグオルの調査をして生計を立てていたが，現在はNEO TOKYOを拠点に活動中。ゲーム＆ゲーム音楽に加えて邦楽インディーロック＆サブカルアイドル追跡，自転車旅行，広島東洋カープの応援などが趣味。2016年で編集＆ライター生活20周年を迎えてしまいました。