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Ryzen MobileやKaby Lake-G搭載ノートPCが目を惹く。CES 2018で見かけた注目のPC新製品をまとめてレポート
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印刷2018/01/19 20:54

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Ryzen MobileやKaby Lake-G搭載ノートPCが目を惹く。CES 2018で見かけた注目のPC新製品をまとめてレポート

CESは「電気の流れる物ならなんでも」というくらい,さまざまな製品が展示されている。だから,ピンボール台が出展されているのも不思議ではない
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 近年では,CESという大規模展示会の会場で,PCが主役となることはない。そもそも,大手PCメーカーでCESに出展している企業は,DellとLenovoくらいしかないうえ,AcerやASUSTeK Computer(以下,ASUS),GIGA-BYTE TECHNOLOGYやMSIといった企業は,CES期間中に会場外のホテルを利用して,独自の製品展示イベントを開くのが常だからである。

 そのうえ,2018年1月は,めぼしい新CPUや新チップセットが登場するタイミングではなかった。AMDからは,開発コードネーム「Raven Ridge」と呼ばれる新型APU(以下,Ryzen Mobile)が,Intelからは,セミカスタム版GPU「Radeon RX Vega」をパッケージ上で統合した新型CPU「Core Mobile Processor with Radeon RX Vega M Graphics」(開発コードネーム Kaby Lake-G,以下 Core with RX Vega M)が発表されはしたものの,PCメーカー各社が一斉に搭載製品を披露するといったものではなく,静かな滑り出しというのが実情だ。

 そんな事情もあって,CES 2018は,めぼしいPC新製品に欠けるイベントだったのだが,そんな中でも目を惹く製品がないわけではない。そこで本稿では,新CPU搭載機種を中心に,各社のPC新製品を紹介しよう。


Ryzen Mobile搭載ノートPCをAMDブースでチェック


 まずは,AMDブースで見かけた,Ryzen Mobile搭載のPC新製品を紹介していこう。AMDブースには,PCメーカー3社から,3種類のノートPCと1種類の液晶ディスプレイ一体型デスクトップPCが出展されていた。ただ,いずれもゲーマー向けのPCではなく,一般向けのPCにRyzen Mobileを搭載して,グラフィックス性能の向上を図ったといった製品である。

 1機種めは,Lenovoの「Ideapad 720S」だ。Lenovoは,Ideapad 720Sという名称で13.3インチ,14インチ,15インチという異なるサイズの液晶パネルを採用する製品を展開しているのだが,Ryzen Mobileを採用するのは,ラインナップ中で最も薄型軽量の13.3インチモデルである。

Ideapad 720S
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 Lenovoの北米向け製品情報ページで確認すると,搭載APUは,4コア8スレッド対応でCPUの定格動作クロックが2GHzの「Ryzen 5 2500U with Vega 8 Graphics」(以下,Ryzen 5 2500U)となっているのだが,AMDブースで展示されていたマシンは,定格動作クロックが2.2GHzの上位モデル「Ryzen 7 2700U with Vega 10 Graphics」(以下,Ryzen 7 2700U)を搭載する上位構成のようだった。
 メインメモリ容量は8GBで,内蔵ストレージは容量256GBのSSDとなっている。

 Ryzen 5 2500U搭載モデルの場合,公称本体サイズは305.9(W)×213.8(D)×13.6(H)mmで,公称本体重量は約1.14kg。バッテリー容量は未公開だが,最大8時間程度のバッテリー駆動時間を実現しているとのこと。
 Ryzen 5 2500U搭載モデルの北米市場における直販価格は1049.99ドル(税別)。Ryzen Mobileを採用するモバイルノートPCとして,なかなか魅力的な製品ではないだろうか。

LenovoのIdeapad 720S 製品情報ページ(英語)


 HPが出展していたのは,2-in-1タイプのモバイルノートPC「ENVY x360 Convertible Laptop - 15z touch」(以下,ENVY x360)だ。15.6インチサイズで解像度1920×1080ドットのタッチ対応液晶パネルを採用しているため,公称本体サイズは359.7(W)×248.9(D)×19.6(H)mm,公称本体重量は約2.15kgと,2-in-1ノートPCとしては,かなり大きく重いマシンと言えよう。

2-in-1ノートPCのENVY x360。AMDブースのRyzen Mobile搭載PCでは唯一,ゲームの実動デモを披露していたが,デモタイトルが「Killer Instinct」という謎のチョイス
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テント状態のENVY x360を横から見たところ。2cmよりもわずかに薄いボディを実現している
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 HPの米国向け製品情報ページを確認したところ,搭載APUはRyzen 5 2500Uで,メインメモリ容量は最大16GB,内蔵ストレージは256/360/512GBのSSDと容量1TBのHDDという構成を選択できるそうだ。なお,バッテリー容量は55.8Whで,バッテリー駆動時間は最大11時間15分とのこと。

 HPは以前から,海外ではENVY x360シリーズのAMD製APU搭載モデルを展開しているのだが,日本市場では残念なことに,Intel製CPU搭載モデルしかラインナップしていない。Ryzen Mobile搭載のENVY x360は,国内展開を検討してほしいものだ。

HPのENVY x360 製品情報ページ(英語)


 なお,HPはRyzen Mobile搭載の液晶ディスプレイ一体型デスクトップPC「HP Pavilion All-in-One-24」も,AMDブースに出展していた。こちらは,まだHPの製品情報ページにも情報がない新製品である。

HP Pavilion All-in-One-24
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 主なスペックを見ると,搭載APUはRyzen 5 2500Uで,メインメモリ容量は16GB,内蔵ストレージは容量2TBのHDDとのこと。
 本製品のメーカー想定売価は未公開だが,前世代のAPUであるBristol Ridge(開発コードネーム)を搭載するモデルが,699.99ドル(約7万7863円,税別)で販売中である。PCゲームがまともに動く性能を持ち,比較的安価な一体型デスクトップPCはあまりないので,適正な価格で国内展開が行われることを期待したい。

 4製品めは,Acer製モバイルノートPC「Swift 3」のRyzen Mobile搭載モデルだ。オーソドックスなデザインの15.6インチ液晶パネル搭載ノートPCで,Ryzen Mobileを搭載するという点を除けば,特筆すべき要素は見当たらないというのが正直なところか。

Swift 3。Ryzen Mobile搭載の15.6インチ級ノートPC。Acer製ノートPCといえば,キーボードの変態配列ぶりが批判されることも多いのだが,本製品も相変わらずである
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 AMDブースに置かれていたデモ機は,スペック表によると,Ryzen 5 2500U搭載で,メインメモリ容量4GB,内蔵ストレージは容量128GBのSSDと容量500GBのHDDを搭載となっていた。ただ,海外での情報によると,メインメモリ容量は8GBが基本で,Ryzen 7 2700U搭載の上位モデルもラインナップされているようなので,これはブースにあったスペックが間違っていたのかもしれない。


Radeon入りCoreプロセッサ搭載ノートPCは2社から登場


 一方,IntelのCore with RX Vega Mを採用するPCは,すでに紹介済みのIntel純正ゲーマー向けNUC「NUC8i7HVK」以外に,DellとHPから2-in-1タイプのノートPCが発表されたに留まる。Radeon Mobileもそうだったが,現時点ではゲーマー向けPCで,これらの新型CPUを採用するものは出てきていない。

 Dellが発表したCore with RX Vega M搭載PCは,「XPS 15 2-in-1」である。XPS 15シリーズは,今まで一般的なクラムシェル型ノートPCであったが,本製品は2-in-1タイプの新しい筐体を採用したのがポイントだ。

XPS 15 2-in-1。重さは2kg弱とのことで,モバイル用途には微妙に重い
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 XPS 15 2-in-1は,2-in-1ノートPCとしては大型の15.6インチサイズの液晶ディスプレイを採用しており,3840×2160ドットの4K解像度か,または1920×1080ドットのフルHD解像度のパネルを選択できる。どちらの液晶パネルでも,専用のスタイラスによるペン入力に対応するという。
 搭載CPUは,4コア8スレッド対応の「Core i7-8705G」,または4コア4スレッド対応の「Core i5-8305G」のいずれか。メインメモリ容量は8〜16GBで,内蔵ストレージは128GB以上のSSDとなっている。
 米国では2018年4月に発売予定で,直販価格は1300ドル程度から。国内での発売についての情報はないが,Dellの通例どおりであれば,国内展開も期待できるだろう。

 一方,HPの製品は,「Spectre x360 15」。製品名から想像できるとおり,こちらも15.6インチ級の液晶ディスプレイを採用する大型の2-in-1ノートPCだ。
 Spectre x360シリーズの現行モデルは,単体GPUの「GeForce 940MX」,または「GeForce MX150」を採用しているが,新製品でCore with RX Vega Mを採用することにより,グラフィックス性能の向上が期待できそうである。

Spectre x360 15。よくある二重ヒンジを使った2-in-1ノートPCである
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 搭載CPUは,XPS 15 2-in-1と同じCore i7-8705G。15.6インチ液晶ディスプレイは4K解像度で,専用スタイラスによるペン入力にも対応するなど,特徴的な仕様もXPS 15 2-in-1と似通っている。メインメモリ容量は16GBで,内蔵ストレージは最大2TBのSSDを搭載可能という。
 北米市場での発売は2018年3月の予定で,メーカー想定売価は1400ドル弱とのこと。国内での販売も期待したい。


DellとASUSはCoffee Lake-S搭載デスクトップPC

ZOTACは薄型デスクトップPCや超小型PCを披露


 ノートPCは,Ryzen MobileやCore with RX Vega Mの登場で,それなりに目を惹く新製品がある程度あったものの,デスクトップPCのほうは,新CPUもないので,新製品そのものがほとんどないという状況だ。

 そんな状況でも,例外はある。たとえばDellは,Inspironブランドのゲーマー向け新製品として,デスクトップPC向け第8世代Coreプロセッサ(Coffee Lake-S)を搭載する「Inspiron 5680 VR Ready Gaming Desktop」を発表した。ALIENWAREブランドよりも手の届きやすい価格帯を狙った,Inspiron Gamingシリーズ(関連記事)の最新モデルだ。

Inspiron 5680 VR Ready Gaming Desktop。筐体の外観は,既存のInspiron 5000 Gaming Desktopと変わっていないようだった
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 Dellの北米向け製品情報ページでは,すでに販売が始まっており,CPUに「Core i3-8100」,グラフィックスカードに「GeForce GTX 1060 3GB」を採用する最小構成モデルの価格は,749.99ドル(約8万3145円,税別)となっている。

DellのInspiron 5680 VR Ready Gaming Desktop 製品情報ページ(英語)


 ASUSも,比較的安価なゲーマー向けデスクトップとして,新型デスクトップPC「ROG Strix GL12」をCES 2018で発表した。筐体前面を彩るカラーLEDイルミネーションが特徴のミドルタワーPCだ。

ROG Strix GL12。前面のカラーLEDは,ASUSのLEDイルミネーション同期機能「Aura Sync」に対応している
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 搭載CPUは,第8世代Coreプロセッサの「Core i7-8700K」「Core i7-8700」,または「Core i5-8400」で,グラフィックスカードは「GeForce GTX 1080」から「GeForce GTX 1050」までの5種類から選択可能になるとのこと。

左側面は透明アクリルパネルで,筐体内部を見せるデザイン。筐体前面の上部,光学ドライブの下には,前面からアクセス可能な2.5インチHDDまたはSSD用のトレイがある
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 価格や発売時期は未定だが,近いうちに市場に投入されると,ASUSブースの説明員は話していた。

ASUSのROG Strix GL12 製品情報ページ(英語)


 一方,ZOTAC International(以下,ZOTAC)は,デスクトップPC新製品に力を入れていたメーカーである。
 その1つが,スリムなデスクトップPC「MEK1 Gaming PC」(以下,MEK1)だ。幅約120mmという筐体に,GeForce GTX 1080または「GeForce GTX 1070」搭載カードと,第8世代Coreプロセッサを内蔵するのが特徴である。

MEK1。側面の赤いラインは,発光色や発光パターンをカスタマイズ可能なLEDイルミネーションとなっている
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 説明員によると,MEK1の内部はCPUのエリアとグラフィックスカードのエリアで2分割しているそうで,冷却効率を高めているとのことだった。

左側面側はグラフィックスカードのエリアで,筐体上側に見えるメッシュ部分の内部にGeForce GTX 1080がある(左)。ちなみに,左写真は筐体前面上部のカバーを開けた状態で,閉じると電源ボタン周囲のUSBポートや3.5mmミニピンが隠れるようになっている。右写真はMEK1の背面で,グラフィックスカードが上,Mini-ITX仕様のマザーボードが下側にあるのが分かる
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 製品にはゲーマー向けキーボードとマウス,マウスパッドが付属するそうで,GeForce GTX 1080搭載モデルの価格は1400〜1600ドルを見込んでいる。発売時期は2018年第2四半期の予定だ。

 面白いPC新製品としては,名前も付いていない液晶ディスプレイ一体型デスクトップPCがあった。38インチサイズの湾曲型IPS液晶ディスプレイにPCを内蔵したものであるという。CPUには「APUを使う」と説明員は明言していたので,おそらくはRyzen Mobileを用いるのではないだろうか。
 発売時期は2018年の第2四半期から第3四半期を予定しているとのことだった。

デモ用に湾曲型液晶ディスプレイを置いているのかと思ったら,なんと一体型デスクトップPCだった。コンセプトモデルではなく,製品化するというから二度ビックリだ
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ZOTACといえば超小型PCのMini PCシリーズ。Mini PCの新製品である「MA551」は,Ryzen Mobileを採用する初の超小型PCになるという(左)。一方,GeForce GTX 1080とCore i7-8700を内蔵するMini PC「MAGNUS with 8th Gen」(仮称)という製品を2018年第2四半期に発売する予定とのことだ(右)
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ZOTACのCES 2018におけるプレスリリース(英語)

  • 関連タイトル:

    Ryzen(Zen,Zen+)

  • 関連タイトル:

    第8世代Core(Coffee Lake,Kaby Lake)

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