インタビュー
映画「アサシン クリード」のプロデューサー・主演を務めたマイケル・ファスベンダーさんへインタビュー。ゲームファンにとっての映画の見どころとは
映画「アサシン クリード」公式サイト
「アサシン クリード」シリーズ公式サイト
映画「アサシン クリード」のスペシャルイベントが開催。マイケル・ファスベンダーさんと斎藤 工さんがトークを披露
──映画「アサシン クリード」はゲームが原作で,かつそのゲームを作っているUbisoft Entertainmentも制作に関わっています。ほかの映画と比較して,制作や演じるうえで異なったところはありましたか。
マイケル・ファスベンダーさん(以下,ファスベンダーさん):
実をいうと“ゲームを映画化する”という意識は,あまりありませんでした。というのも,「アサシン クリード」シリーズの世界観は洗練されており,非常に映画向きだからです。ファンタジー要素もありますが,ストーリーのキーとなる「遺伝子記憶」や,歴史的瞬間の追体験を可能にする装置の「アニムス」は,ひょっとしたらあるかもしれない,と思わせる科学的な設定になっています。また,テンプル騎士団とアサシン教団の対立も,ドラマを生み出すにはもってこいです。
視覚的には,パルクールのアクションはこれまであまり映画では扱われてきませんでしたから,面白くなるだろうと考えました。
──「アサシン クリード」シリーズはいずれも世界史上の事件をモチーフにしていますが,今回の映画でスペインの異端審問を選んだ理由を教えてください。
ファスベンダーさん:
Ubisoftと一緒に,これまでゲームで取り上げていない歴史的に面白い出来事はないかと検討したところ,すぐにスペインの異端審問の名前が挙がりました。異端審問には宗教的な要素がありますし,政治的な話なども描きやすいだろうと考えたんです。
──映画におけるアニムスの造型や使い方は,ゲームとはかなり異なっていました。あのアイデアは,どこから生まれたのでしょうか。
ファスベンダーさん:
主人公のカラムが過去を追体験するにあたり,ゲームと同じように椅子に座っているだけでは映像的に面白くありません。先祖のアギラールが戦っているわけですから,カラムも受け身ではなく,アニムスを使った動的な表現ができないかと考えたところ,アートディレクターがアームのアイデアを出してきたんです。
──映画では,アニムスを介してアギラールの人生を追体験することで,カラムが肉体的にも精神的にも変化する部分が一つの見どころとなっています。ファスベンダーさんは,二人を演じ分けるにあたって何を意識しましたか。
ファスベンダーさん:
ええ。アギラールは極めて肉体的なキャラクターで寡黙,かつ教団のためなら自分を犠牲にしてもいいという考えの持ち主ですから,西部劇の登場人物をイメージしました。とくに,ゲームに出てきそうな戦い方や,象徴的なポーズ──例えば「イーグルダイブ」や殺しのポーズ──を徹底的に研究しました。
その一方,カラムはまだ自分の道を分かっておらず迷っていますし,どこにも属していません。子どもの頃から施設に預けられ,自分自身のためだけに戦ってきた人物です。そんな彼が,アギラールの人生を追体験することによって,自分以外の存在のために戦うべきことがあると気づき,リーダーとして成長していくことを意識しました。
──「アサシン クリード」シリーズはもともとゲームから始まっていますが,ファスベンダーさんのゲーム体験について教えてください。
ファスベンダーさん:
私が初めて触れたのは,ATARIのコンシューマ機でした。アーケードゲームで「ストリートファイター」や「大魔界村」などを遊んだことを覚えています。PlayStationでは,レースゲームが好きでしたね。ただ,22歳の頃にはゲームを遊ばなくなりました。というのも,その頃の私はしょっちゅう引っ越しをしており,テレビさえ持っていなかったからです。
そんなわけで,Ubisoftと映画の話をするまでは,「アサシン クリード」シリーズを遊んだことがなかったんですが,映画を制作するにあたり,キャラクターの動きやポーズを研究するため,がんばってプレイしました。
──「アサシン クリード」のファンにとって,映画のポイントはどこになるでしょうか。
ファスベンダーさん:
ゲームに登場する武器が多数登場しますので,ファンならすぐに分かるはずです。
また,繰り返しますが,アニムスはゲームとはまったく違いますので,ぜひゲームファンにも見てほしいですね。実はUbisoftも映画のアニムスを気に入っており,ゲームでも採用したいという話があります。そこも,期待してもらえるんじゃないかと。
──ちなみにファスベンダーさん自身は,映画で使っていた武器の中でどれが印象に残っていますか。
ファスベンダーさん:
やっぱり,シリーズの象徴的な武器である「アサシンブレード」が気に入っています。とくに,相手にきわめて接近する独特の戦い方が,印象的です。
あとは,僕は子どもの頃から弓が大好きで,竹やファイバーグラスでできた弓を使ってきました。ですから,弓も印象に残っていますね。
──それでは,ゲームを知らない人に向けて,映画の注目すべきところを教えてください。
ファスベンダーさん:
やはり世界観でしょうね。僕自身,Ubisoftと出会うまではまったく「アサシン クリード」シリーズを知りませんでしたが,ゲームに登場する遺伝子記憶などの設定について理解していくうちに,ファンタジーの要素がありつつも,非常に現代社会に通ずるものがあると考えるようになりました。おそらく,皆さんにも楽しんでいただけると思います。
──映画はかなり余韻のある終わり方でしたが,次の構想はあるのでしょうか。
ファスベンダーさん:
その質問には,今は「イエス」とだけしか答えられません(笑)。
──今後,いい知らせがあることに期待します。どうもありがとうございました。
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アサシン クリード シンジケート
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