インタビュー
ブラウザゲームながら爽快アクションを楽しめる「三国戦紀WEB」とはどんなゲームなのか? 日本運営スタッフに聞いてみた
そんな三国戦紀WEBだが,さすがにブラウザゲームであるがゆえの限界はあるものの,ほかの作品と比較してもアクション性が高く,ベルトスクロールアクションの魅力が楽しめる作品となっている。すでにクローズドβテストも終わり,あとはオープンβテストと正式サービスを待つばかりという本作について,パブリッシングを行うライオンズフィルムの日本運営プロデューサー坪田律紀氏に話を聞いてみた。
「三国戦紀WEB」は,三国戦紀の流れを汲む「異常爽快アクション」
まずは「三国戦紀WEB」のもととなった「三国戦紀」の概要に関して教えてください。
坪田律紀氏(以下,坪田氏):
三国戦紀は,台湾IGSが開発したベルトスクロールアクションです。1999年にアーケードでリリースされた初代作が人気を呼び,続編が5作品制作される人気シリーズとなりました。日本でも「SH」「2」「武将争覇」「新三国戦紀 七星転生」あたりまでは発売されていたので,ご存じの方もおられるかもしれません。
元々ベルトスクロールアクションは,日本のお家芸的ジャンルだったんですが,当時はほとんど新作がありませんでした。そこに日本のベルトスクロールアクションをリスペクトした三国戦紀が出たことで,日本のファンの方からも注目を集めたという経緯があります。
4Gamer:
私もベルトスクロールアクションが好きなので,設置店舗を探してはプレイしていた記憶があります。シリーズの途中から日本で発売されなくなったのが残念でしたね。
坪田氏:
はい。そんな三国戦紀を,もっと多くのお客様に遊んでいただきたい,ということで開発されたブラウザゲームが三国戦紀WEBです。関羽や張飛,趙雲といった三国志を代表する名将達を操り,最大4人でベルトスクロールアクションを楽しんでいただけます。
4Gamer:
三国戦紀がブラウザゲームになったということなので,シミュレーションかなにかにジャンルが変わったのかと思いましたが,そのままのベルトスクロールアクションで登場ということで驚きました。
坪田氏:
元々,IGSはアクションゲームが得意な会社ですので,こだわりが反映されたゲーム内容となっています。弊社も三国戦紀WEBを最初に遊んでみたとき「ブラウザゲームなのに,ここまでアクション性が高いのは凄い!」と驚きましたからね。
ブラウザゲームといっても,決められたスキルボタンを連打するようなものではありません。通常攻撃からキャンセルして「技能」(必殺技)で相手を浮かせ,ジャンプ攻撃からさらにジャンプして技能を仕掛けるような空中コンボなども可能ですし,ボスとの戦いではちゃんとキャラクターを移動させて攻撃を回避する必要があります。
もちろんゲームパッドにも対応していまして,快適なプレイをお楽しみいただけます。
日本版では「異常爽快アクション」と銘打ってサービスを進めさせていただく予定です。「コピーが大げさすぎるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが,それくらい爽快感に溢れたゲーム性になっていますよ。
キャラクターを強化しまくり,強さを実感する「三国戦紀WEB」
4Gamer:
三国戦紀シリーズはPlayStation 4でも「三国戦紀 Knights of Valour」が展開予定ですね。IGSの新作を2本も遊べる日が来るとは思ってもいませんでした。
三国戦紀WEBは,アーケード版の三国戦紀とはどういった違いがあるんでしょうか。
坪田氏:
ゲーム内容的には,ベルトスクロールアクションとしての爽快感はもちろん,ブラウザゲームらしく“プレイヤーキャラクターや武将の強化”にフォーカスしたものとなっています。キャラクターデザインやBGMは日本展開していた頃のものを踏襲していますので,以前アーケード版を遊んでおられた方なら懐かしく思えるんじゃないでしょうか。
4Gamer:
プレイヤーキャラクターというのは,プレイヤーが操作する三国志の武将なんですね。
坪田氏:
そうです。クローズドβテストの時点では,バランスの取れた「趙雲」,スピーディでコンボが得意な「貂蝉」,攻撃範囲の広い「孔明」,弓矢を使いノックバック系の攻撃を得意とする「黄芸」,そして,敵を引き寄せるスキルを使う「関羽」,突進攻撃が強い「張飛」のいずれか1名を選んでいただける状態でした。キャラクターはこれからも増えていく予定となっています。
趙雲 |
貂蝉 |
黄芸 |
関羽 |
張飛 |
孔明 |
4Gamer:
では,プレイヤーキャラクター以外に登場する「武将」というのはどういうものでしょうか?
坪田氏:
武将とは,プレイヤーキャラクターと共に戦ってくれるNPCのことです。最大3人をダンジョンに連れていくことができ,パーティプレイのような雰囲気を楽しめます。プレイヤーが直接操作することはできませんが,それぞれに通常攻撃やスキルを持っていて,自動で敵と戦ってくれます。
4Gamer:
武将はどうすれば増やせるんですか?
坪田氏:
基本的にはガチャで出していく形です。ガチャは有料のものだけでなく,ゲーム内通貨で引けるものもご用意させていただきます。
4Gamer:
もしも,有料ガチャでいきなり呂布のような最強武将を出してしまったら,そこで武将集めの楽しさが終わってしまいませんか?
坪田氏:
そこは大丈夫です。武将にはそれぞれ「コスト」が決められていて,プレイヤーが持つコスト上限を超える武将は連れていけません。呂布のような武将はコストも高くなっていますので,普通なら何人かの武将を連れて行けるところが,呂布だと一人しか使えないということになってしまいます。
4Gamer:
低コストの武将をたくさん連れていくか,強い武将の少数精鋭にするかという組み合わせが重要になるわけですね。
坪田氏:
はい。例えば日本オリジナル武将の「雑兵」などは低コストになっていますので,始めたばかりでも雑兵を3人引き連れるような遊び方ができますよ。
4Gamer:
なるほど,それは楽しそうです。
坪田氏:
ひと言で言えば,本作は“強さを実感するゲーム”ですね。自分の強さはもちろん,敵やライバルプレイヤーの強さも実感できます。
プレイヤーキャラクターや武将を強化するためには,ゲーム内通貨である「金貨」や,ダンジョンをクリアすると手に入る「勲功」といったポイント,そして「武魂」「お酒」などのさまざまなアイテムが必要になります。
ダンジョンで戦ってこれらのポイントやアイテムを獲得し,プレイヤーキャラクターや武将とその装備品を強化して,さらに難しいダンジョンへ挑んでいく……というのが,本作のプレイサイクルです。
画面上にはいろいろなコンテンツのアイコンがずらりと並んでいるんですが,その半分近くがプレイヤーを強化するためのものですから。
4Gamer:
いろいろな方法でプレイヤーキャラクターを強化していけると。
坪田氏:
4Gamer:
徹底した“強化”推しというわけですね。
坪田氏:
装備を強化していくと見た目も変化します。どんどん豪華になっていき,最終的には初期の頃とは見違えるような姿になりますよ。“お前,誰だ?”と尋ねたくなるくらいに見た目が変わりますね(笑)。
4Gamer:
なるほど。それは強化へのモチベーションも上がると思います。
坪田氏:
装備品だけでなく,技能も強化できますよ。これは,ほかのゲームでいうところのスキルで,三国戦紀シリーズにおける必殺技です。武将ごとに決まっていて変更はできませんが,勲功というポイントを使ってレベルアップできます。
4Gamer:
勲功とはどういったものなんですか?
坪田氏:
ダンジョンをクリアすることで手に入るポイントです。ダメージを受けずにパーフェクトクリアすると2倍になるなど,巧みなプレイをするほど多くもらえるようになっています。
4Gamer:
つまり,うまくなればなるほど,効率よく技能を強化できるわけですね。
坪田氏:
はい。ただクリアするだけでなく,ボスの動きを理解して巧みに立ち回ることが求められるんです。まあ,ボスを一撃で倒せるくらいに装備品を強化しまくるという手もありますが(笑)。
4Gamer:
アクションゲームの上手さが問われていくと。
坪田氏:
ノーマルのダンジョンだとパーフェクトクリア時の倍率は2倍ですが,高難度の「精鋭ダンジョン」や,さらに難しい「魔王ダンジョン」だと,これが3倍,4倍と増えていきます。これらのダンジョンは1日に挑戦できる回数に制限がありますから,たくさんの報酬を目指すのであれば,ミスなく戦える腕前も重要になってくるでしょうね。パーフェクトクリアを狙えるダンジョンにするか,倍率の高いダンジョンに挑戦するか。こだわって遊びたい方はとことんこだわれるというわけです。
このほか,ダンジョンの中には「隠し部屋」があるものもあります。
4Gamer:
ああ,三国戦紀シリーズではお馴染みのフィーチャーですね(笑)。
坪田氏:
4Gamer:
武将はどうやって強化するんでしょうか。
坪田氏:
ガチャや競技場などいろいろな場所で手に入る「お酒」と「武魂」を使います。また,武将のレベルを上げるためには「令符」が必要ですが,こちらはガチャで武将がダブったときに手に入ります。
4Gamer:
レアリティの高い武将の令符はなかなかダブらなさそうですが……。
坪田氏:
令符は自分で作り出せるようになっています。不要な武将の令符を分解して素材化し,これを合成すればいいのでご安心ください。
4Gamer:
武将も装備や技能を強化していけるんでしょうか。
坪田氏:
もちろんです。弱い武将も強化することでパワーアップしていきます。武将の装備品や技能も強化することが可能です。そのためにはプレイヤーキャラクターと同様にお金や勲功が必要になるので,しっかりダンジョンを巡る必要があるんですね。
4Gamer:
なるほど,ここでも強化推しというわけですね。
坪田氏:
武将には,“手軽にパーティプレイの気分を楽しんでもらう”という目的もあります。日本では,アクションゲームをパーティプレイする場合に“うまくないと足を引っ張ってしまうんじゃないか”といったことを心配してつい腰が引けてしまうケースがあることは認識しています。しかし,武将を連れていけば一人でもパーティプレイの気分を楽しめるんですね。
4Gamer:
深夜などパーティが組みにくい時間帯でも,武将と一緒なら疑似パーティで楽しめると。
坪田氏:
ただ,精鋭や魔王といった高難度ダンジョンはプレイヤー同士でパーティを組んだほうがよいでしょうね。隠し部屋に行く条件の中には“特定の敵を倒さない”といったものもあるんですが,AIの武将はお構いなしに敵を全滅させてしまいますから,こういった状況には向いていません。
AI戦「競技場」や,PvP「御前試合」など,力試しができるさまざまなコンテンツも
4Gamer:
プレイヤーキャラクターや武将を強化していくうえでは目標が必要になると思うのですが。
坪田氏:
さまざまなランキングの上位を目指していくという遊び方もあります。ランキングには,キャラクターレベルなどPvE的なものもあれば,「競技場」「御前試合」といったPvP的なものもあり,いろいろなお客様に楽しんでいただけるようになっているんです。
4Gamer:
競技場とはどういったものですか?
坪田氏:
競技場は,観戦型の疑似PvPです。自分とほかのプレイヤーのキャラクターがAIで戦うのを観戦します。オートプレイですので対戦に不慣れな方でも安心して楽しんでいただけます。武将が戦っているところを観ていれば“次にどこを強化すればいいのか”が分かりますし,一度でも参加すれば報酬がもらえます。クローズドβテストの時点でもご好評をいただきました。
4Gamer:
自分の武将を客観的に観られるというわけですね。では,御前試合とは?
坪田氏:
御前試合はプレイヤーが操作するキャラクター同士が戦うPvPで,毎日開催される予定です。予選で好成績を修めた16名で決勝トーナメントが行われます。武将を連れていくことはできないので,キャラクター自身をいかに強化するかがポイントとなるんです。
4Gamer:
ライト向けの競技場,ヘビー向けの御前試合といったところでしょうか。
坪田氏:
はい。御前試合はレベルキャップに到達してからの参加を想定しています。名誉のために戦うという,アーケードゲーム的なイメージですね。もちろん,上位に入れば報酬ももらえますよ。
ゲームパッド対応,武将をより手に入れやすく。そして戦国武将の追加も!
4Gamer:
日本版での変更点や,日本オリジナルのコンテンツなどはありますか?
坪田氏:
もちろんです。台湾と日本におけるブラウザゲームの違いを鑑みて,さまざまな変更を加えています。まずはゲームパッド対応ですね。ゲームパッドを接続して設定していただければ,アクション性の高いこのゲームを快適に遊んでいただけます。
また,日本版では武将を手に入れやすくなっています。
4Gamer:
手に入れやすいというのは具体的にはどういったことでしょう?
坪田氏:
台湾版では,武将はイベントでの配付や,プレイ中に一定の条件を達成する,いわゆる“実績”的なシステムで手に入れる形式です。序盤では武将がまったく手に入らないうえ,武将が増えるペース自体もゆっくりしたものになってしまっています。また,どのプレイヤーも同じような時期に同じような武将を持っているため,バラエティに欠けてしまうんですよ。
せっかく,たくさんの武将がいるのにこれではもったいないだろうということで,日本版では序盤からガチャを引いて武将を手に入れられるようになっています。
4Gamer:
台湾版ではレベル帯によって持っている武将が決まってくる傾向にあるわけですね。同じようなレベルの人は,大体同じ武将を持っていると。
坪田氏:
そうですね。対して日本版ではガチャによるランダム入手ですので,いろいろな武将を組み合わせる編成の楽しみがより大きくなっているんです。先ほどお話しした,武将がダブった時の令符も日本独自の仕様ですね。つまり,武将の強化システム自体も,台湾版から変更されているというわけです。
4Gamer:
1アカウントに付き,1体しかキャラクターを作れないというのはどういった理由によるものでしょうか。
坪田氏:
台湾版では1アカウントで複数のキャラクターを切り換えるような遊び方が想定されておらず,データベースも1アカウント1キャラクターという構成になっているためです。データベースはゲームの根幹に関わるものなので,なかなか構造を変更できないため,現状のところはこうした仕様になっています。
4Gamer:
そのほか,日本向けに変更した部分はありますか?
坪田氏:
課金額が一定以上になると特別な優遇が受けられる“VIPシステム”は,中国や台湾のブラウザゲームでは一般的なものなのですが,日本版ではこれを廃止しています。また,台湾版ではオートで戦闘して金貨や素材を持ち帰ってくる“自動戦闘システム”がありますが,日本版ではまずアクションを楽しんでいただきたいということで,少し制限を掛けています。“1分半程度で10回もダンジョンを回ったことになる”ような効果は強烈すぎるだろうということですね。
4Gamer:
このあたりは日本と台湾のブラウザゲーム文化の違いというところですね。
坪田氏:
はい。文化的な違いはありますね。日本版では,招き猫を攻撃してお金を手に入れるコンテンツがあるんですが,台湾版だとちょっとリアルなカエルの置物です。また,豚の貯金箱に金貨を入れて利息を手に入れる定期預金のようなコンテンツもあるんですが,台湾版では豚の顔がリアルで濃い感じだったので,可愛らしいタッチにしていただきました。
4Gamer:
では,日本オリジナルのコンテンツは用意されていますか?
坪田氏:
はい。将来的には,織田信長などの戦国武将をプレイヤーキャラクターとして追加していく予定です。
4Gamer:
それは楽しみですね。ところで,IGSのゲームといえば,独特の翻訳による少し不思議な日本語,通称“IGS語”に期待しているコアファンもいると思いますが。
坪田氏:
事情をご存じないと,翻訳が未完成なのではないかと誤解を招きかねませんので,意識的にIGS語のテイストを取り入れるつもりはありません。ただ,翻訳の最中にIGS語風になったメッセージに関しては,Twitterで発信しています。
4Gamer:
では,最後に読者にメッセージをお願いできますか?
坪田氏:
ぜひ,異常爽快アクションの爽快感を楽しんでください。また,武将など,アクションが苦手な方をサポートするシステムもたくさんありますので,一度ゲームを触ってみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
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