［gamescom］Inquisitorの世界がハック＆スラッシュスタイルのゲームに。「Warhammer 40,000: Inquisitor - Martyr」を触ってみた

　2015年6月中旬に行われたE3 2015から，間を開けずに開催されたgamescom 2015では，「gamescomで初登場」という作品が少なくなりがちだ。そんな中，世界中にコアなファンを持つWarhammer 40,000（以下，WH40K）の世界を舞台としたハック＆スラッシュRPG「Warhammer 40,000: Inquisitor - Martyr」（PC / PS4 / Xbox One）の試遊バージョンが，gamescom 2015で初公開された。


　海外では広く人気を博し，アクションからストラテジーまで，さまざまな形でゲーム化されているWarhammerシリーズ。もともとのWarhammerは，ファンタジーの世界を元にミニチュアを用いたウォーゲーム（専門用語ではアクチュアル・シミュレーションゲーム）として開発されたのだが，SFをテーマにしたスピンオフも展開しており，それがWH40Kというわけだ。
　そんなWH40Kの世界において，これまたコアなファンを獲得しているのがInquisitorと呼ばれる秘密組織であり，この名前を冠したウォーゲームも存在する。そして，それ専用のミニチュアが非常に完成度が高かったこともあり，Warhammerファンの中でも「Inquisitorファン」と言うべきグループが存在しているのだ。

　とまあ，前置きが長くなってしまったが，NeocoreGamesが開発しているWarhammer 40,000: Inquisitor - Martyrは，WH40Kの世界において活躍するInquisitorを描いた作品である。
　ミニチュア時代からのInquisitorファンとして，さっそく試遊してみたので，今回はそのプレイレポートをお届けしよう。

ハイレベルなコスプレをしたコンパニオン。ちなみにInquisitorに登場するキャラクターのコスプレだが，どれくらいの人がそれだと分かっただろうか……。なお試遊バージョンにはこのキャラは登場せず，背後のポスターに写っているハゲがプレイヤーキャラである。世界は過酷だ

比較的脳筋仕様？　力こそパワーな展開

　本作は，見下ろし型のアクションRPGとなっており，プレイ感覚としてはDiabloのようなハック＆スラッシュ型のゲームを想像するのが最も近いように思う。
　操作にはマウスとキーボードを使い，右クリックによるポイント指定で移動，左クリックで攻撃という，おなじみの方式だ。一方のキーボードは，アイテム（試遊バージョンではポーション的なものがセットされていた）やスキルの使用，武器の持ち替えなどに使用する。


　プレイヤーキャラクターの動きは全体的にモッサリしているが，個人的には「このモッサリ感がそれっぽいんだよ！」と感じる，なんとも難しいラインだ。試遊バージョンの主人公は，パワードスーツを着て巨大な銃を撃つキャラクターなので（お約束のように禿げ頭だ），その重量感が感じられる動きといったところか。ただ，純粋にゲームとして考えると，もうちょっとキビキビ動いてくれたほうがありがたい，というのが本音だ。
　攻撃は，基本的に敵をクリックして行うが，特定のキーを押しながらだと，敵を指定せずとも攻撃できた。この機能は，範囲攻撃などにおいて有効に活用できそうだ。


　敵AIはすでにある程度まで完成しているようで，銃を撃つ敵はきちんとカバーをするし，いかにも本能だけで動いていそうな昆虫系の敵はどんどん突進してくる。
　とはいえ，試遊できたステージにおいては，カバーをしている敵の側面まで走り込んで蹴散らしていくこともできたので，難度が低ければそういったラフなプレイも楽しめそうだ。
　ちなみに，敵がカバーしているオブジェクトは，攻撃によって破壊することも可能だったので，「力こそパワー」と念じながら敵をすりつぶしていくほうが，何かと楽かもしれない。このあたりのバランスがどうなるかは，今後次第というところだろう。

ボスへと続く扉のスイッチ。もちろんしゃべる

現状はまだプレα。今後に期待

　試遊できたステージでは，最後に巨大なボスが待ち構えていた。また，巨大なボスと同時に，遠距離攻撃をしてくる小さな雑魚も大量に湧いて包囲されるため，まずは周辺の雑魚掃除からスタートするという展開である。
　なお，ボスは「左手」「右手」など複数のパーツで構成されており，それぞれにHPが設定されている。たとえば，攻撃を右手に集中させれば，やがて右手が破壊されるという仕組みだ。いわゆる部位破壊である。
　ちなみに試遊バージョンでは，両手を破壊すると強烈なブレスを吐くようになっていたので，油断は大敵というところだろうか。


　試遊バージョンはまだα以前の段階ということもあって，ゲームとしての完成度はまだまだといったところだ。また，イベント用にゲームバランスが甘めに設定されている印象もあった（用意されていたHP回復アイテムは，時間経過によって再使用可能になり，使うとHPが満タンになる，など）。このため，ゲームの展開速度や難易度，取るべき戦術などは，今後大きく変化する可能性がある。

　とはいえ，現状の段階でもビジュアル関係は相当作り込まれていて，WH40Kらしさを感じる演出が随所に見られた。
　またWH40Kの世界をベースにしたゲームは，往々にしてストーリーが陰惨な展開を見せるが，ファンとしてはこれについても期待したいところである。

　全体的には未定だらけの状況ではあるが，WH40Kファンはもちろん，きっとおそらく国内にも無数にいるはずのInquisitorファンであれば，大いに注目すべきタイトルである。

ゲーム開始前のムービー。よく作り込まれている

「Warhammer 40,000: Inquisitor - Martyr」公式サイト