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[gamescom]インディーズゲーム42作品の中から最優秀作に選ばれた「Kingdom」には要注目
「Kingdom」は,“minimalist RPG”というジャンル名が謳われているが,実際にプレイしてみた感触では,プロシージャルに生成される2Dグラフィックスのステージで展開される,横スクロール型のリアルタイムストラテジーといった感じだ。プレイヤーは弱小国の王として騎馬で左右に奔走しながら市民や兵士を徐々に増やし,その勢力を拡大していくという内容になっており,マイクロマネージメントやタワーディフェンスの要素が取り入れられている。
ゲームの起動時点でプレイヤーキャラクターが自動生成され(性別や肌の色などを選択することはできないようだ),ステージの構造もプレイのたびにランダムで変わるようだ。
市民や兵士を増やすには,ステージをうろうろしているNPCに手持ちの資金を払えばいい。市民は物を売り,兵士はウサギやシカの狩りをすることで生計を立て,プレイヤーキャラクターが近くを通った時に税金を払ってくれるようになる。こうして資金を増やし,柵や物見台,店などに投資して,大きく強固な城塞都市を築き上げていくのである。
ゲームには昼夜の概念もあり,夜になるとモンスターが湧き出してくる。最初は1〜2体で脅威とはならないものの,繰り返すうちにその数が増えていく。市民たちが直接被害を受けることはないとのことだったが,柵を破壊されて侵入を許せばゴールドを強奪されてしまうことになるし,プレイヤーキャラクターはキルされてゲームオーバーになることもあるという。ゲーム序盤では,柵や城壁の後ろに構える弓兵たちの補給をしっかりと行っておくことが重要で,当初は一気に市民を増やすよりも,物流をしっかりとマネージメントできるようにしておくことが,より強固な王国作りの秘訣であるらしい。
Raw Fury Gamesは,オランダとアイスランド出身の開発者2人により,スウェーデンにて起業されたメーカーだ。最初に開発を始めた2作品のうちの1つである「Kingdom」がいきなりスポットライトを浴びることになるという,近年稀に見るシンデレラボーイっぷりだが,簡単にプレイのコツがつかめながらも,飽きの来ないゲーム性はなかなかのもので,今回の受賞は決してまぐれではないと感じられる。リリース時期は未定だが,その動向にはしっかりと注目しておきたいところだ。