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「初音ミク -Project DIVA- X HD」「初音ミク VRフューチャーライブ」のメディア体験会レポート。開発陣が語る“初音ミク×VR”の魅力とは
このたび,両タイトルのメディア向け体験会が開催された。PS VRでプレイできる環境に加え,開発陣によるプレゼンテーションも行われたので,その模様をお伝えしよう。
「初音ミク -Project DIVA- X HD」公式サイト
「初音ミク VR フューチャーライブ」公式サイト
プレゼンテーションを担当したのは,両タイトルのプロデューサー 林 誠司氏とディレクター 大坪鉄弥氏だ。まずは「初音ミク -Project DIVA- X HD」(以下,Project DIVA X HD)の紹介が行われた。
本作は,今年3月にリリースされたPlayStation Vita用ソフト「初音ミク -Project DIVA- X」をPlayStation 4へと移植したもので,基本的な内容はそのままながら,フルHD&60fpsでより美しい映像を実現。さらにグラフィックス表現には専用のシェーダーを用意し,キャラクターだけでなく,モジュール(衣装)や背景などの質感,ライティングによる光の差し方,影の落ち方なども美しくなっている。
また,PS Vita版をやり込んだ人のためにクロスセーブの機能を搭載し,2曲の新規DLCが無料配信される予定だ(PS Vita向けには各500円で配信予定。価格は税抜)。
前述のPS VR対応については,発売以降の無償アップデートによって,ライブエディットモードの収録楽曲およびDLCの計32曲をVR映像で楽しめるようになる。
このライブエディットモードは,プレイヤーが好きな楽曲を選び,自由に設定したキャラクターやモジュール,背景,エフェクト,カメラワークなどでライブ鑑賞を楽しむもの。あらかじめサンプルデータが用意されているので,イチから映像を作らなくても,エディットの曲を選ぶだけでミク達のステージを見られる。細かく作り込むのが苦手という人も安心だ。
林氏は,Project DIVA X HDのVR対応について「エディットで作るライブステージには無限の組み合わせがあり,最先端のVR空間で楽しむエンターテインメント」と表現していた。
一方,PS VR専用タイトル「初音ミク VRフューチャーライブ」(以下,フューチャーライブ)は,Project DIVA X HDのようにリズムゲームがメインではなく,VR空間でミク達のライブコンサートを楽しむことに特化したコンテンツである。
プレイヤーは,会場に足を運んだオーディエンスの1人として,画面上のスティックライトとシンクロしたコントローラを振りながら,曲や演出との一体感を味わえるになっている。
ライブ中にコントローラの方向キーや[△]ボタンを押すと,視点の移動も可能だ。ステージ上や客席の最後方,あるいは上方からもステージを眺められる。さらに音声のトラッキングによって,それぞれの場所で異なる音響効果を感じられるという仕様だ。これはHMDだけでなく,オーディオ機器にも対応しているので,自宅に環境が揃っている人はそちらで楽しむのもいいだろう。
プレゼンテーションに続いて,開発陣に対する質疑応答の場が設けられた。ここからは,その内容をお届けしよう。
――Project DIVA X HDについて,とくにこだわった部分を教えてください。
大坪鉄弥氏(以下,大坪氏):
僕としては,ミクの標準衣装である「初音ミク オリジナル」ですね。全衣装の中で最も力を入れたもので,これまでの作品ではオープニングムービーに別のモデルを使っていたのですが,今回は本編と基本モデルを同じにすることで,PS4版の「初音ミク オリジナル」にもデータを生かしています。素材の表現にも,かなり試行錯誤を重ねた結果ですので,個人的な思い入れは強いです。
林 誠司氏(以下,林氏):
PS4に移行したことで,衣装などをかなり作り込めるようになったのですが,個人的には「卑怯戦隊うろたんだー」のバトルスーツの質感は,格好いいものに仕上がったと思っています。デザインを手がけていただいた篠原 保先生は,特撮キャラクターのデザインをされている方で,バトルスーツも実際に作れば着られるデザインになっているはずです。ルカの「謎の女幹部」とともに,ぜひコスプレイヤーの方に挑戦してほしいですね(笑)。
――PS VRに対応しているライブエディットモードの楽曲はどのぐらいですか。
大坪氏:
収録楽曲の全30曲をエディット可能です。そこに追加配信の2曲を加えた計32曲となります。
――ライブエディットモードで作成したデータのシェアはできますか。
林氏:
PS4本体の機能を使ったスクリーンショットのシェアは可能ですが,データ自体のシェアには対応していません。
――それでは,フューチャーライブのボリュームや価格はどうなりますか。
林氏:
鋭意検討中です。ダウンロード専売という特性を生かした設定を考えていますので,発表までにもう少しお待ちください。もちろん,今回お見せしている1曲だけということはありません。
――プレイヤーに向けてメッセージをいただけますか。
林氏:
PS4でプレイしていただけるProject DIVA X HDは,家庭用ゲーム機で最も可愛く美しく,快適に遊べる「Project DIVA」を目指しました。PS Vita版をプレイされた方でも必ず楽しんでいただけますし,PS Vita版を体験されていない方も手に取ってほしいですね。
一方のフューチャーライブは,新しい体験ができると同時に,僕らとしては実験的な意味も大きく,プレイヤーの皆さんがどう反応されるのかが楽しみでもあります。発売は少し先ですが,PS VRを手に入れていただき,「セカイ初のVRフューチャーライブ」の体験者になっていただければと思います。
大坪氏:
フューチャーライブは「Project DIVA」の名前を冠していませんが,Project DIVA Xのプロジェクトから生まれたタイトルです。Project DIVA Xのコンセプトである「ライブ&プロデュース」の楽しみ方が,「PS4+VR」でさらに広がっていくと思います。
最後は,実際に体験した感想をお伝えしよう。
なお,フューチャーライブのプレイレポートは以前の体験会レポートにて掲載しているので,本稿ではProject DIVA X HDのライブエディットモードにおけるPS VR対応に焦点を当てている。
ライブエディットモードでは,ミクをはじめとするキャラクター達が登場するステージ映像を楽しめるのだが,フューチャーライブのようにすべてのステージにオーディエンスがいるわけではなく,こちらはライブというよりPVを鑑賞しているような印象を受ける。カメラ視点はあらかじめ決められた場所にあるものを方向キーで切り替え,その高さを左スティックで上下に変えられる。また,[○]ボタンで映像を一時停止し,静止したVR空間を眺めることも可能だ。
面白かったのは,プレイヤーがステージ上のキャラクターを特定の角度から眺めようとすると,キャラクターの全身がグレーになってしまう点。つまり,邪(よこしま)な心を持ってはいけないというわけだ。
ライブエディットモードは,かなり細かく作り込める仕様になっており,若干難しい印象を受けるかもしれない。とはいえ,前述のとおり,サンプルデータも用意されていて,さらに曲や背景を選ぶだけでもミク達が歌う姿が見られるのは嬉しい。
また,PS Vitaとのクロスセーブ機能があるので,外出先ではPS Vita版でデータを少しずつ作成し,完成したものを自宅のPS VRで楽しむといったこともできるだろう。ちなみに,エディット画面もPS VRを装着したまま見られるようになっている。このときはTV画面と同じ比率の映像がPS VRに映し出される仕様だ。
自分の目の前で歌い踊る等身大のミクの可憐な姿はフューチャーライブでも見られるが,Project DIVA X HDの場合はモジュール数が多く,自由にキャラクターも選べる。多様性やバリエーションの面に関しては,こちらのほうが高そうだ。ソフトの発売日(8月25日)からPS VRの発売(10月13日)まではしばらく時間があるので,それまでに自分だけのライブ映像をじっくりと作り込んでおくといいだろう。
「初音ミク -Project DIVA- X HD」公式サイト
「初音ミク VR フューチャーライブ」公式サイト
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