ニュース
アニメ「逆転裁判」には成歩堂の過去のエピソードも。メインキャストと巧氏,渡辺監督にインタビュー
これまで,実写映画や宝塚歌劇とのコラボ、舞台など,さまざまなメディアに進出してきた「逆転裁判」だが,4月2日に読売テレビ/日本テレビ系列でついにアニメ「逆転裁判〜その“真実”,異議あり!〜」の放送がスタートする。今回は,3月某日に東京都内で開催された,本作のメインキャスト,成歩堂龍一役の梶 裕貴さん,綾里真宵役の悠木 碧さん,御剣怜侍役の玉木雅士さん,監督の渡辺 歩さん,ゲームの生みの親である巧 舟さんへの囲み取材の内容をお伝えしよう。
――まずは,キャストのみなさんがそれぞれの役に決まったときの心境をお聞かせください。
梶 裕貴さん(以下,梶さん):
僕はゲーム「逆転裁判」のいちユーザーだったので,まず,アニメ化されるということにとても喜びと驚きを感じました。オーディションの話をいただいて,なかば記念受験みたいな気持ちで参加させていただいたんですが,オーディションの台本にも「異議あり!」や「待った!」という、本作品の代名詞とも言えるセリフがあって,(ゲームを)擬似体験できただけでもありがたいなと思っていたんです。なので、まさか本当に自分がTVアニメ版の成歩堂龍一役をやることになるとは……。多くのファンを抱える作品だと思いますので、今はプレッシャーと責任を感じています。
悠木 碧さん(以下,悠木さん)
私もゲームが大好きですし,一度は聞いたことのある大きなタイトルだったので,それこそ私も記念受験のつもりで受けたんです。そうしたら,ほとんど言うことのない「異議あり!」が台本にあって(笑)。
梶さん:
そうだね,真宵ちゃんはあんまり言う機会がないかもね(笑)。
悠木さん:
そうなんですよ(笑)。でも,とりあえず「異議あり!」と言えてよかったなあと思っていたら,まさか選ばれるとは。アニメ化されるにあたって、ゲームのちょっとシュールな部分やシリアスな部分がどういう方向でアニメになるのかすごく楽しみです。私もどういう風に真宵ちゃんと向き合ったらこの作品が原作のファンの人にも,ここから「逆転裁判」を知る人にも楽しんでもらえるんだろうなってプレッシャーを感じています。でも,のびのび迷いなく演じることがいちばん真宵ちゃんに近づけるのかなって思っています。
玉木雅士(以下,玉木さん):
僕はアニメのレギュラーが初めてで,オーディションに受かったのも今回が初めてだったんです。まず,合格の電話をいただいたときにその喜びでいっぱいだったんですが,その後,ゲームをプレイしているうちに,どんどんプレッシャーが増していって……。9月頭に連絡をいただいたんですが収録まで間が開いていたので,地獄のような半年間でした(笑)。日々緊張が高まっていく中で「早く始ってくれ」と願ってました。というのも自分が演じる御剣という役が大人気で,愛されすぎていて。ちょっとでもファンの人の期待に応えたいなって,一生懸命考えて演じています。
――渡辺監督,アニメ「逆転裁判の」打診を受けたときの心境はいかがでしたか。
渡辺 歩さん(以下,渡辺さん):
打診を受けた瞬間は「あれ? アニメになってなかったっけ?」って思っちゃたんですよ。映画とかいろいろやっていたじゃないですか。でもよくよく調べてみるとアニメは初めてだったんだなと。誰もが知っているような大きなタイトルを手がけるということを改めて感じまして,喜びと驚きと同時に,すごいプレッシャーを感じています。
――巧 舟さん,アニメ化されると聞いたときの率直な感想を聞かせてください。
巧 舟さん(以下,巧さん):
ああ、アニメ化されていなかったんだな,と僕も思いまして。
一同:
それはさすがに嘘でしょう!(笑)
巧さん:
(笑)。もう15年も前の話になりますが,当時はゲームとしていちばん面白くなるように作っていたんです。それが映画になったり,舞台でやったりして,こういう形でも「逆転裁判」を楽しんでもらえるんだなあ,と感じまして。そんな中でアニメが「ついに来たか」という感じです。また,第1作の「逆転裁判」の設定は15年後となっていまして。つまり,ちょうど今年2016年なんです。話をもらったとき「ああ,これも運命なんだなあ」と思いましたね。
初めは(アニメスタッフ陣に)すべてお願いしますというつもりだったんですが,渡辺監督に暖かく迎え入れてもらって,一緒に片棒を担ぐことになりました(笑)。なので「逆転」的なカラーに関しては自信があります。キャストの皆さんにも,ゲームの微妙なニュアンスなんかを汲み取ってもらってすごく助かりました。4月2日のオンエアが待ち切れないです。
アニメ「逆転裁判」はアトラクション
――キャストの皆さんは,実際に役を演じてみていかがでしたか。
梶さん:
成歩堂は主人公なので,ゲームファンの皆さんにも極力違和感がないように演じられれば、という思いはあります。作品自体は,アフレコしてみて感じたのですが,思っていた以上に「いい意味で、気持ちのいいくらいバカバカしい作品だ!」と気づかされました(笑)。決して視聴者を笑わそうとしているわけではなく,全員が全員ひとつのことに対して真剣で熱い。それが逆に,思わず笑ってしまうようなシリアスさを生み出している。そういったものがたくさん詰まった作品なんだな、と改めて感じました。そこがアニメ版ならではの魅力にもなっていると思います。「逆転裁判」を楽しむためのアプローチのひとつとして感じていただけたら嬉しいですね。
悠木さん:
真宵ちゃんは,元気で明るくハツラツとしていて,基本他人とはゼロ距離みたいなイメージだったんです。アフレコで,おっとりほんわかで,ちょっとゆっくりした呼吸のリズムでやってほしいと言われ,「あ,この子はおっとりだから他人との距離感がほぼない状態で始るんだな」と気づかされました。もともとキャラクターを知っているが故に,頭の中に根付いているイメージが強くて,監督からディレクションを受けて初めて,ほんとはこういう人なんだ,って知ったわけです。
ゲームを知っていたときよりも,声になったり掛け合いのお芝居になったり,絵としてテンポよく見せられたほうが原作ゲームのあのシーンが「実際にはこういうことだったんだ」と分かりやすく感じたんですよ。なので,実際の裁判を一度見てみたいなと。もっと粛々と行われているはずなので(笑)。
梶さん:
あ,(裁判所へ)傍聴しに行ってみたよ。やっぱり雰囲気は全然違いました(笑)「逆転裁判」は、ある意味アトラクションに近いんだなと。
悠木さん:
やっぱり(笑)。裁判を見に来ている“傍聴人ガヤ”がアニメにはあるんですが,実際にはそんなのないんだろうなって(笑)。でも,みんなでがんばってうるさい傍聴人を演じているので,そこも楽しんでいただけたら嬉しいです。
玉木さん:
御剣っていう役は,キザでクールでカッコよくて,でもどこか天然で。完璧なのにスキがある人間味溢れるキャラクターなので,当初はリアルな感じで演じようと思っていたんです。でも収録でもっともっとキザに,もっともっとクールにって言われて,思った以上にちゃんとやらないと伝わらないんだなって感じました。梶さんと悠木さんの演技に引っ張られる部分もあったんですが,悩みながら演じるのも御剣に失礼だなと思い,今は自信を持って演じるようにしています。
梶さん:
実はたまたま、僕と玉木さんは同じ年齢なんですよ。
玉木さん:
2日違いですね。
梶さん:
成歩堂と御剣も小さいころ同級生で,過去につながりや因縁のあるキャラクターなので,そういったところにも不思議なご縁を感じていますね。
ゲームでは語られなかった部分をオリジナルで
――アニメ化にあたって,ゲーム版にはないエピソードを用意したのでしょうか。
巧さん:
はい用意しました。渡辺監督がコレをやりたいというネタが一個ありまして。
渡辺さん:
ゲームの中にときどき現われる(主人公達が)幼いころのエピソードですね。ゲームの行間に挟まれていたものを凝縮して,今回改めて表に出そうかなと思っています。アニメのそうですね、真ん中あたりかな。ちょいちょい登場してそこをピークに話が盛り上がるような構成にするつもりです。
――アニメ版「逆転裁判」ならでは演出,ポイントをお聞かせください。
渡辺さん:
ゲームのテイストを大事にしたいと思っているので,1話から見ていただくと「(ゲームの)あれがあんな形で」といった仕掛けがしてあります。先ほどのオリジナルの部分と同様に,その謎だった,ゲーム中でも語られていなかった部分が,アニメを見ることによって浮き彫りにされていく仕掛けです。そういうものが散りばめられているので,アニメを視聴したあとにもう一度ゲームに戻りたくなるような,不思議な視聴感になると思いますよ。例えば,有名なゲームのフキダシはアニメではどうなるのか,お楽しみに。
――細かい部分にもこだわってるということですね。
渡辺さん:
そうですね,スタッフもキャストもゲームが好きすぎちゃって,ちょっと客観的にできているかどうか怪しいです(笑)。
梶さん:
まだ未完成のもの(第一話)を見せていただいたんですが……ゲームの中の曲も重要な場面で使われていて。ゲームをプレイしていた側からすると、その曲がかかるとすごくテンションがあがるんですよ。あれはとても嬉しかったですね。
――巧さんはゲームの初期のころ成歩堂龍一の声をあてていますが,梶さんの演技はいかがでしょうか。ほかのキャストは?
一同:
なんて怖い質問を(笑)。
巧さん:
あのころは7人しかいないチームの中でノリで収録していたので,それをプロの方と比べるなんて,恐れ多い(笑)。
梶さん:
でも,ゲームを発表当時からプレイされていた方は,あの声が各キャラの声のイメージだと思いますよ。
巧さん:
そういわれると,声質的には近いかな? 原作だと真宵ちゃんは話さないしね。3人ともイメージ通りだし,御剣さんに関しては,正直15年前に作ったときのほうが違和感をがありましたね。慣れましたけど(笑)。
――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
梶さん:
ついにTVアニメとして「逆転裁判」をお届けできるタイミングが来ました。原作ゲームの面白さはキープしつつ,アニメならではの魅力もたくさん詰め込まれたアニメになっていると思います。幅広く子供から大人まで,老若男女楽しめる内容になっていると思います。僕の演じる成歩堂龍一は新人の弁護士で,まだ青臭いところもたくさんありますが,全力で裁判にぶつかっている姿を見て,僕も一生懸命アフレコさせていただいてます。きっと楽しんでいただけると思いますので,ぜひご覧ください。
悠木さん:
アフレコしながら本番中に笑いをこらえるのがツライっていうぐらい,全部のキャラクターが大好きになると思います。もちろん原作通りイヤなキャラクターもいるんですけど(笑)。個性的なキャラクターがたくさん出てきますが,声がついたことでより愛着がでる,スゴイ素敵な作品になっていると思います。私もスタッフのみなさんも楽しんで作っているので,その楽しさがきっと伝わるんじゃないかと思います。夕飯とか食べながら見ると,夕飯の鍋を吹くという事態になると思います(笑)。
玉木さん:
15年続く作品の歴史の一部になれることを心から嬉しく思っています。命かけて演じていきます。アニメ化されたことで,よりファンの人達の日常に(作品が)近づいたのではないでしょうか。みなさんに愛される御剣の魅力をちょっとでも引き出させるようがんばりますので,どうかご覧ください。
渡辺さん:
僕からはひと言。ゲームを携えて見て欲しいです。
巧さん:
ゲームとして作った「逆転裁判」でしたが,渡辺監督がキャラクターごとに焦点を当てて熱いドラマにしたいと言っていただいて,ゲーム版とは違った新しい魅力が引き出されているのではないかと思い感謝しています。僕も4月2日を楽しみにしています。
▼データ
●番組名:「逆転裁判〜その真実、異議あり〜」
●放送開始:2016年4月2日(土)
●放送枠:土曜夕方17:00〜18:00
読売テレビ・日本テレビ系全国29局ネット
(テレビ大分のみ日曜朝7:00〜)
●公式HP:http://www.ytv.co.jp/animegyakuten/
(C)CAPCOM CO., LTD. 2016 ALL RIGHTS RESERVED.
「逆転裁判6」公式サイト
- 関連タイトル:
逆転裁判6
- この記事のURL:
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.