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  • 発売日:2015/10/22
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PC向けMMORPGの面白さをスマホで完全再現。Aimingの新作アプリ「ロストレガリア」開発/運営インタビュー
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印刷2015/10/24 00:00

インタビュー

PC向けMMORPGの面白さをスマホで完全再現。Aimingの新作アプリ「ロストレガリア」開発/運営インタビュー

※インタビュー当日に撮影した写真を,編集担当者の機材トラブルにより紛失してしまったため,本稿では,後日再撮影した写真を使用しています。ご了承ください。

 Aimingのスマートフォン向けMMORPG「ロストレガリア」iOS版の正式サービスが2015年10月22日に開始した(Android版は近日配信される予定)。本作では9月9日より事前登録受付が行われているが,10月8日時点で20万人を突破し,配信前から注目度の高いタイトルだ(関連記事)。

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 今回4Gamerは,そんなロストレガリアの運営を担当するAimingのスタッフと,開発作業を担当するLoong Entertainment(以下,Loong)のスタッフにインタビューをする機会を得た。ロストレガリアの開発経緯や見どころ,日本サービスに向けての意気込みなどについて話を聞いたので,本作に注目している人はぜひチェックしてほしい。

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「ロストレガリア」公式サイト

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Aiming 「ロストレガリア」運営チームリーダー 遠藤 翼氏
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Aiming マネージャー 中根 知恵子氏
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Loong 開発プロデューサー 臧 春雨(ザン・チュンユー)氏
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Loong プログラム統括 楊 延昭(ヤン・イェンジャオ)氏


PC向けMMORPGの面白さをスマホアプリで完全再現


4Gamer:
 本日はよろしくお願いいたします。Aimingとしては,どのような経緯でロストレガリアのパブリッシングを行うことになったんでしょうか。

剣と魔法のログレス いにしえの女神
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Aiming マネージャー 中根 知恵子氏(以下,中根氏):
 Aimingでは,「剣と魔法のログレス いにしえの女神」(iOS / Android)が成功を収めたことから,スマホ向けのMMORPGに可能性があることを確信していました。
 とはいえ,社内で何本ものMMORPGを短期で開発するというのは難しいところです。そこで,PC向けのMMORPGがいまだに大きな市場となっているアジアのデベロッパが開発した素晴らしいタイトルがあるのではないかと,探し始めたのがきっかけになりました。
 中でもPerfect Worldは,良質なMMORPGを作る会社として注目していたデベロッパです。同社とは昔から継続的に連絡を取り合っていたのですが,そんな中でロストレガリアを紹介されました。そして実際にプレイもさせていただいたのですが,かなり良い手応えを感じまして。
 Aimingは,椎葉(※編注:Aiming 代表取締役社長 椎葉忠志氏)を筆頭にPC向けのMMORPGを運営した経験を持つ者が多い会社で,運営という分野を得意としているんです。スマホ向けのMMORPGをより普及させたいAimingと,経験豊富なパブリッシャーと協力したいと願っていたPerfect Worldが意気投合し,Aimingでロストレガリアの運営を行うことが決まったというのが,大まかな経緯になります。

4Gamer:
 なるほど。具体的に,ロストレガリアのどういった部分に手応えを感じましたか?

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「ロストレガリア」運営チームリーダー 遠藤 翼氏(以下,遠藤氏):
 一言でいうと,「PC向けMMORPGの醍醐味をスマホ上で完全に実現していること」です。現在,国内で配信されているスマホアプリで,PC向けMMORPGと同等のクオリティのものは,ほとんどありませんからね。

4Gamer:
 念のための確認ですが,「MO」RPGではなくて「MMO」RPGなんですか?

遠藤氏:
 はい,MMORPGです。たとえば拠点となるエリアでは,大勢のプレイヤーキャラクター達が集まって会話できますし,フィールド上に出現したレアなボスモンスターを,その場に偶然居合わせた人達と協力して倒したりもできます。ダンジョンに挑戦するときには,同じ目的を持つプレイヤーキャラクター同士でマッチングされる機能も搭載しており,大人数で遊ぶPC向けMMORPGならではの面白さが,このロストレガリアでも味わえるんです。
 もちろんスマホ向けの最適化が十分に行われているので,手軽に遊ぶこともできますよ。

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4Gamer:
 最近ではスマホ向けのミドルコアなオンラインゲームが増えてきているものの,MMORPGジャンルに絞ると,選択肢はまだまだ少ないのが実情ですね。

遠藤氏:
 僕自身,PC向けのコアなMMORPGが好きで,国内外のタイトルを問わず遊びまくっているんですが,そんな僕から見てもロストレガリアは,PC向けのMMORPGで慣れ親しんできたコンテンツが高いクオリティで実現されていて,感動したんですよ。

4Gamer:
 ちなみに,Loongは中国のデベロッパとのことですが,日本へはよく来られるのですか?

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Loong 臧 春雨氏(以下,ザン氏):
 ロストレガリアの日本サービスに向けて,Aimingの本社には何度かお邪魔しています。Aimingの社内は活気に満ちており,社員のモチベーションも高いので,彼らとの仕事は来日の楽しみの一つになっています(笑)。

4Gamer:
 日本ではこれまで,Loongという会社名が大々的にアピールされることは少なかったと思うのですが,中国のPerfect Worldと関係が深いデベロッパだとか。

ザン氏:
 はい。中国では2003年に,PC向けMMORPG「Perfect World」(日本版は「パーフェクトワールド」)をリリースしていますが,当時,これの開発作業を行っていました。その後開発会社として独立し,現在はロストレガリアの開発に注力しています。

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Loong 楊氏(以下,ユン氏):
 弊社は元々,PC向けMMORPGの開発を得意としていましたが,独立後はスマホ向けオンラインRPGを作る機会も増え,今ではどちらのプラットフォームにも対応できるのが強みだと自負しています。

4Gamer:
 Loongにとって,今から数年前に,これほどの規模のスマホ向けのMMORPG開発に着手するというのは,相当チャレンジングだったと思うのですが。

ザン氏:
 確かに当時は,現在よりも「スマホゲーム=カジュアルゲーム」というイメージが強かったですね。しかし私達は,MMORPGの面白さを熟知しており,その魅力をスマホ上で実現できる日がきっと来ると確信していました。もちろん,そういったアプリを開発するための技術を,我々が持ち合わせていることも確信していました。

4Gamer:
 開発時には,どういったところで苦労されましたか?

ザン氏:
 とくに苦労したのはユーザーインタフェースです。MMORPGはスキルアイコンやメニュー項目などを多数表示させる必要があるため,開発初期は10インチ級のタブレットでUIを設計していました。
 しかし開発を進めるにつれ,スマートフォンの普及率が想像以上に高くなってきたんです。スマホでストレスなくMMORPGを遊べるようにするのは,想像以上に難航しましたね。約50名の開発スタッフが,テストプレイを含めるとほぼ約1年半にわたって開発を行っており,当時のスマホアプリの開発規模と比較すると,かなり大がかりなものだと思います。

ユン氏:
 プログラム面に関しては,本作の開発にあたり,スマホでの描画に最適化した3Dグラフィックスエンジン“AngelicaES”を新規開発しています。
 あとファイルサイズに関してですが,PC向けMMORPGのように“数GB”といったボリュームのクライアントをリリースするのは,現実的ではありませんよね。最終的にはダウンロード時におけるアプリサイズを39MBまで削り,初回起動時に必要分をダウンロードする形で,プレイ開始時のクライアントサイズを300MB程度まで抑えました。

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4Gamer:
 Aimingの社内では,ローカライズ途中のバージョンに触れてみて,どういった感想が挙がりましたか?

中根氏:
 とくに印象に残っているのは,PC向けオンラインゲームには触れずに,スマホアプリを中心に遊んでいる若手の社員からのフィードバックです。現在はスマートフォンの爆発的な普及により,ゲーマーの裾野が大きく広がっていますが,彼らにとっては,「MMORPGで遊ぶこと」そのものがすごく新鮮だったみたいです。
 ご存じのとおり,良き仲間と遊ぶMMORPGは,オフラインゲームでは味わえない面白さがあります。その魅力を,ロストレガリアを通じて多くの人に伝えられるのではないかという手応えを感じています。

4Gamer:
 Loong側にとっての手応えはいかがですか?

ザン氏:
 パーフェクトワールドは,当時の中国におけるオンラインゲーム市場で,初めてリリースされたMMORPGでした。弊社のスタッフは先駆者だと自負しており,当時と同じことをスマホのプラットフォームで再び行えたと実感しています。
 実際,現在の中国におけるスマホ市場では,本作のリリース後に似たようなコンセプトのMMORPGが続々と登場してきているんですよ。もちろん,一番面白いのはロストレガリアです(笑)。

Loongは,約400人からなるゲーム開発スタジオだ。「パーフェクトワールド」や「LEGEND of CHUSEN 2 -新世界-」,「VANITY of VANITIES」といった,高品質グラフィックスのMMORPGを手がけたことで知られる。インタビューの中でも話があったとおり,現在は「ロストレガリア」iOS / Android)の開発に注力しているとのことで,そんなベテラン集団が作り上げるスマホ向けRPGとはどういったものなのか。そういった意味でも,本作は大いに注目したいタイトルだ
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具体的なゲームシステムについて


4Gamer:
 本作を楽しみにしている人に向けて,ゲームの特徴や見どころなどをお願いします。

遠藤氏:
 ロストレガリアは,引き裂かれた大陸「クレモンド」を舞台にしたファンタジーRPGです。職業は戦士,双剣士,操血士,魔導士,神官の5種類を用意しています。
 敵からHPを吸収しながら戦う操血士という職業は,その中でも特徴的ですね。基本的にはどの職業でもソロプレイで進行できますが,中レベル帯になると,最大5名からなるパーティを組んで,さまざまなダンジョンに挑戦することがメインの楽しみになっていきます。
 本格的なMMORPGである一方で,充実したオート機能も充実していて,気軽にゲームをプレイできる点も特徴の1つですね。
 4Gamer読者さんが慣れ親しんでいる文字どおりの「MMORPG」を,スマートフォンで今もっとも実現しているのがこのゲームだと思いますので,ぜひプレイしてほしいです。

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4Gamer:
 本作が謳う「MMORPG」視点からの質問になりますが,仮に職業の役割が明確になっていると,パーティ編成時に職業格差が生じないかという不安があります。例えば「ヒーラー役の神官が見つからないからダンジョンに挑戦できない」といったストレスは生じませんか?

遠藤氏:
 ロストレガリアでは,どの職業でも回復スキルを使えます。メインクエストを進めると“神器”というアイテムを入手し,専用のスキルを習得できるんですが,これは職業に関係なく選べるようになっているんです。
 たとえば,ヒーラー系の神官が神器で攻撃系スキルを習得したり,タンク系の戦士が回復系スキルを習得したりでき,それぞれの職業が神器を通じて弱点をある程度補うことも可能なんです。

4Gamer:
 なるほど。完全ではないものの,ほかの職業の役割をある程度補えると。

遠藤氏:
 そういうことになりますね。
 ちなみに,日本のゲーマーなら気になるであろうストーリー展開にも注目してほしいです。本作には,現実世界とは異なる“夢境の城”という場所があるんですが,そこで精霊“リリィ”と出会うところから,物語が始まります。
 プレイヤーキャラクターは,それから7つに分割された“黄金の羅針盤“を回収するために,敵対勢力“黒風団”と戦うことになります。

ザン氏:
 ゲーム中はいつでも,夢の世界にある「精霊の泉」というエリアへ移動して,リリィに会いに行けます。リリィとの関係を深めることで,各コンテンツの利用時に必要な体力を回復したり,ゲーム内通貨をもらえたりと,さまざまな特典が得られます。
 また,精霊の泉にモンスターが押し寄せてきて,制限時間内に撃退するというコンテンツがあります。面白いのが,フレンドの精霊の泉に押し寄せてきたモンスターの撃退に参加する協力要素も用意されているところですね。

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遠藤氏:
 また,フィールド上でのプレイヤーキル(PK)は特定の条件下でしか行えませんが,1対1,10対10の規模でスポーツライクに楽しめる,PvPコンテンツを用意していますので,ちょっとした腕試しに活用してほしいですね。

4Gamer:
 そういえば世界観に関しては,中国ではメジャーな“武侠”ではなく,ファンタジー寄りになっているんですね。

ザン氏:
 ええ。本作はワールドワイド展開を見越して開発したタイトルなので,ファンタジー系にするというのは最初から決めていました。

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4Gamer:
 各国のサービス展開と,日本での今後の動きについては,現在どのようになっていますか?

ザン氏:
 2014年6月に中国で配信を開始し,その後は台湾,韓国,北米,ベトナムで順次配信を行ってきています。その次が日本で,それ以降の展開も現在検討中です。

遠藤氏:
 中国で配信を開始してから1年以上が経過しているので,アップデートの“貯金”はたっぷりあります。日本版のアップデートはなるべく頻繁に実施する予定で,プレイヤーの皆さんに長く楽しんでもらえるように準備をしています。
 追加コンテンツの内容には“結婚”といったシステムも盛り込んでありますので,ゲーム配信後のアップデートも楽しみにしてほしいです。

4Gamer:
 これまでの各国での売上げ実績についてはいかがですか?

ザン氏:
 中国をはじめ,台湾と韓国の現地のプラットフォームで,セールスランキング1位を記録したことがあります。また中国では,最高で3〜4万人の同接続者数を記録しています。

4Gamer:
 日本版ならではの仕様変更,すなわちカルチャライズ方面に関してはいかがでしょうか。

中根氏:
 日本国内の法令などに合わせて細かな調整は行っていますが,ゲームの根幹に関わる部分は行っていません。言い換えると,そうした手間をかけなくても十分面白いからこそ,Loongさんと協力してロストレガリアを成功させたいと思っています。

4Gamer:
 分かりました。それでは最後になりますが,ロストレガリアの日本サービスに向けての意気込みや,期待しているゲーマーに対するメッセージをお願いします。

ザン氏:
 ロストレガリアでは,モンスターを倒したりクエストを進めたりといった通常の冒険だけでなく,騎乗ペットに乗ったり動物に変身したりと,いろいろな体験ができます。私達にとっての自信作ですので,ぜひ一度遊んでみてください。

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ユン氏:
 本作はプログラム面にもかなり力を入れて開発しています。グラフィックスがフル3Dで描かれているので,空を見上げたり,逆に空中から大地を見下ろしたり,さまざまなカメラワークでこの世界を楽しんでくれると嬉しいです。

中根氏:
 繰り返しになりますが,運営サイドである私達もロストレガリアを遊んでみて,「スマホでこんな遊び方ができるようになったんだ!」と驚いています。4Gamerを普段からご覧になられているような,本格的なゲームを求めている皆さんにも楽しんでいただけると確信しています。クオリティの高いMMORPGをスマートフォンでプレイできるこの感動を,ぜひその手でお確かめください。

遠藤氏:
 ロストレガリアは,スマホ向けのカスタマイズが十分に行われており,スマホが生活に密着している現在のライフスタイルにも溶け込む,新しい形のMMORPGだと認識しています。グラフィックスは結構ゴージャスですが,解像度を変更することで低スペックのスマホ端末でも遊べますし,オート機能などを使えば手軽に楽しむことも可能ですので,ぜひ一度遊んでみてください。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。

──2015年9月15日収録

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