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[TGS 2015]注目のインディーズゲーム「Mushroom 11」プレイレポート。ユニークな操作方法が生きる丁寧なステージ構成が魅力
4Gamer,ファミ通,電撃が連動して実施するゲームアワード「メディアアワード」のノミネート作品にもなっている本作のプレイレポートをお届けしよう。
本作の目的は,緑色をした謎の生物(Mushroom 11というタイトル名からすると,おそらく菌類なのだろう)を操って,ステージの奥までたどり着くこと。
“操って”と書いたが,具体的にプレイヤーが行うのは,ペイントソフトの消しゴムを使うような感じでマウスを操り,この生物を削ることだ。
「削っていったら消えて無くなるじゃないか」と思う人もいるだろうが,この生物は,削られた分だけ,別の部分が細胞分裂して増えるという性質を持っている。つまり,左に移動させたければ,右側を削ってやればいいということだ。
生物を複数個に分けることも可能で,その場合は,削った個体とは別の個体が大きくなる。
この操作感が実に独特で,触っているだけでもなかなか楽しい。初見のプレイではまず思い通りに動かすことはできず,こちらを削ってはあちらを削り……となって,なかなか進まないのだが,不思議とストレスは感じなかった。
ちなみにブースにいた開発者の方にプレイしてもらったところ,それはもう見事なマウスさばきで,まるで生物が意思を持っているかのように動いていた。ちょうどこのムービーのような感じだ。
これはあくまで個人的な印象なのだが,「独特な操作感」を売りにしているインディーズゲームには,最初こそ引き込まれるものの,プレイを続けるうちにパターンが見えてきてしまって,急速に興味が薄れてしまう,というものが多いような気がする。言い方を変えれば「出オチ」という感じだ。
だが,Mushroom 11はその逆で,ステージを進むごとに「あぁ,こういうやり方もあるのか!」という発見があった。普通に移動すると溶岩のような池に落ちてしまうところを,うまく生物の形を整えて壁の突起に引っかけ,落下を防いだり,複数個に分けたうちの一方で扉のスイッチを押し,もう一方が開いた扉を通ったりと,この生物のユニークな特徴が存分に生かされたステージとなっている。上のムービー中でも,思わず唸ってしまうようなシーンがあるはずだ。
“削ると別のところが増える”というアイデアはもちろん斬新なのだが,本作の面白さは,そのアイデアを生かし切ったステージ構成から来ているような気がする。最初のアイデアが生まれた勢いで突っ走ったのではなく,相当な時間をかけて,丁寧に作りあげたのではないだろうか。
本作は2015年秋のリリース予定となっており,公式サイトではプレオーダーの受付も行われている。マウスだけでプレイできる手軽さも魅力なので,リリースされたらぜひ触ってみてほしい。
「Mushroom 11」公式サイト
- 関連タイトル:
Mushroom 11
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