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ハロー!Steam広場 第90回:お支払いは“か・ら・だ”で。冒険者を満足させて礎にするダンジョン経営シミュレーション「Dungeon Manager ZV」
「すちーむ」ってなぁに?というよい子のみんな集まれー! 「ハロー! Steam 広場」は,PCゲームのダウンロード販売サイトSteamでリリースされた気になるタイトルやニュースを,筆者が独断と偏見でピックアップして紹介する,とっても有意義なコーナーだ。毎週欠かさずチェックすれば,真っ先に思い浮かぶ回復アイテムに,“ポーション”でも“やくそう”でもなく“巨大ゴキブリの肉”を挙げる上級Steamerにジョブチェンジできるかも。
ハロー!Steam広場 第90回は,ダンジョン経営シミュレーション「Dungeon Manager ZV」をメインに紹介しよう。プレイヤーは,冒険者達を“客”としてダンジョンに招き入れ,彼らを満足させてあげるのだ。帰すかどうかは別の話だが。このほか,“フィルム・ノワール”テイストのステルスアクション「Heist」もあるので,お見逃しなく。
タダで帰すとは言っていない。冒険者相手に客商売をするダンジョン経営シミュレーション「Dungeon Manager ZV」
今回は,日本のゲームデベロッパであるStudioGIWが開発し,ズーが販売を行っている「Dungeon Manager ZV」を紹介しよう。文字と記号だけでゲームが進行していく本作は,2004年に日本で発売されたダンジョン経営シミュレーション「ゾンビヴァイタル 〜迷宮の経営者〜」の英語版であり,11月12日には日本語版表記にも対応している。(関連記事)。
そんな本作は,胸の高鳴りを抑えきれない冒険者達を“客”としてダンジョンに招き入れ,彼らの欲求を満たしていくという一風変わった作品だ。プレイヤーは,冒険者達が十分に腕を振るえるよう,モンスターやトラップを“適度に”配置して,彼らを満足させていくことになる。ちなみに,作品の都合上,掲載画像が妙に地味なのはご愛嬌ということで。
ダンジョンを経営していくうえで頭に入れておきたいのは,冒険者達は敵ではなく客であるという点だ。プレイヤーも慈善事業でダンジョンを経営しているわけではないので,満足したぶんの対価はしっかりと払ってもらわなければならない。では,プレイヤーは冒険者に何を求めるのか? それは彼らの“血”と“肉”と“骨”。つまり,か・ら・だ で払ってもらうわよぉ〜ということだ! ひえー。
冒険者からしてみれば元も子もない話に聞こえるが,ダンジョンは24時間経営であり,客足が途絶えることはまずないので,倒されたゾンビやゴーレムといったモンスターは,随時補充していかなければならない。
ファンタジーな世界だからとはいえ,ゾンビやゴーレムを卸してくれる業者がいるわけでもなく,そうなると倒されたぶんのモンスターは,冒険者達の亡骸を使って新しく作り直すしかないのだ。
さて,ここで問題になるのがダンジョンの評判だ。ゾンビやゴーレムを補充するために冒険者を片っ端から倒していたらどうなるかだ。おそらく巨大掲示板にスレが立ち「あのダンジョンに入った奴,帰ってこなくね?」などの風評被害を被り,新米冒険者は寄りつかず,「かんけーねぇよ,俺まじつえぇしwww」と草を生やした脳筋バカのウォーリアーだけが思い出したようにやってくる,殺伐とした状況が待っている。
そうならないためにも,時には十分に欲求を満たした冒険者を,帰還させてあげることも必要になってくるわけだ。ただ,基本的に配置したモンスターは自動で戦闘を行うので,体力の少なくなった冒険者を選りすぐって逃がすようなことはできない。その代わり,帰還魔法を見逃してあげることは可能だ。
満足値の高い状態で帰還した冒険者は,きっと周りに自慢話をしてくれるだろう。そうするとダンジョンの知名度が上昇していき,新米冒険者以外にもさまざまな職業の冒険者達が訪れるようになる。強い冒険者はたいていレアアイテムを持っているので,そういった冒険者はしっかりと倒して,ダンジョンの糧になってもらおう。
冒険者がレアアイテムを落としていけば,それをダンジョン内に設置できる。これでさらにダンジョンの知名度が上がり,そのアイテムを求めて冒険者が次々とやってくるというわけだ。本作は,このようにして自ら経営するダンジョンの知名度を上げていくことが目的となっており,最終的に世界ダンジョンランキング1位になることができれば,ゲームクリアとなる。
冒頭でもお伝えしたとおり,本作は文字と記号だけで進行していくゲームなので,好き嫌いがはっきりと分かれるのは間違いないだろう。筆者的には,文字と記号だけの情報からいろいろとシチュエーションを妄想するのがなかなか面白く,刺さる人にはとことん突き刺さる作品という印象だ。
満足度が高いのに次の階層へ進もうとする冒険者にヤキモキしたり,最初の階層で苦戦している新米冒険者をついつい応援してしまったりと,冒険者を敵ではなく客として見ることで,ほかのダンジョン経営ゲームとはひと味違った視点で楽しめるので,興味のある人はぜひ遊んでみてほしい。
「Dungeon Manager ZV」Steamページ(980円)
フィルム・ノワールの雰囲気作りに徹した見下ろし型のステルスアクションゲーム「Heist」
「こんなゲームをリリースしたい」という開発者に対して,ユーザーが賛成か反対かを投票できるサービスがGREENLIGHTだ。今回は,オーストラリアのインディーズ系デベロッパ,Atomizer Gamesが手掛ける「Heist」を紹介しよう。
本作は“フィルム・ノワール”テイストのステルスアクションゲームだ。プレイヤーは,組織犯罪が横行する時代に生まれた1人のエージェントとなり,さまざまなミッションを遂行していくことになる。
光と影をはっきりと区別したゲーム内ビジュアルが特徴的で,どこが危険でどこが安全なのか,直感的に分かりやすいのがポイント。また,プレイヤーは殺傷性のある武器を所持できないため,力押しでの攻略が不可能という点も,ステルスプレイに緊張感を与えている。
本作には決まった道筋のストーリーが用意されておらず,その都度自動で生成されるミッションをクリアして,報酬で装備をカスタマイズしていくという流れを繰り返すプレイスタイルになりそうだ。
また,ゲーム内のBGMをすべてJazzにするなど,雰囲気作りはとにかく徹底している様子。すでにGREENLIGHTは通過しているものの,リリース時期は未定となっている。興味のある人は続報が追えるよう,Steam内のお気に入りに追加しておこう。
「Heist」GREENLIGHTページ
- 関連タイトル:
Dungeon Manager ZV 日本語版
- 関連タイトル:
Steam
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Dungeon Manager ZV Developed by StudioGIW, Published globally by Zoo Corporation. Copyright 2016 all rights reserved.
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