結のほえほえゲーム演説：第228回「『ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー』を語らせてくれ！（※重大なネタバレを含みます）」

　ごきげんよう。タレントとして活動しております。結です。

　2024年10月30日に，私の大大大好きな「ライフ イズ ストレンジ」シリーズの最新作「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / Switch
※Switch版は11月20日発売）が発売されました。なんと本作はシリーズ第1作の主人公であるマックスの10年後を描いた物語。シリーズはしばらく別の主人公で展開していたので，再びマックスに会えるとは想像もしていませんでした。しかもシリーズ初の世界同時発売ですよ。嬉しすぎる。

　今回の結のほえほえゲーム演説は，そんな「ライフ イズ ストレンジ ダブルエクスポージャー」をプレイした感想を語りたいと思います。重大なネタバレを含むので，今プレイしている人やこれから始めるという人はクリア後にご覧ください。


　マックスはどんな大人になってるんだろう？　相変わらずサブカル好きな皮肉屋なのか？　別人のように明るくなってたらどうしよう？　そんな期待と不安を抱えながら，同窓会に訪れるような気分でゲームを開始しました。マックスは大学で写真の講師を務めていて，写真に対する情熱は衰えていないことがすぐに分かります。

　見た目は大人になっていても，写真撮影のために廃墟の探索をする大胆さや，デートに誘われていることに気付かない鈍感さに，そうそうマックスはこうでなくちゃ……と懐かしい気持ちに。新しい友人と穏やかな日々を送るマックスを温かく見守りたくはあれど，どうしても気になって仕方ないのはそう……クロエとはどうなったんだ！！

　初代「ライフ イズ ストレンジ」の終盤，プレイヤーは大きな選択を迫られます。親友であるクロエを犠牲にして街を救うか，街を犠牲にしてクロエを救うか。本作では「どちらを選んだあとの世界なのか」を，物語冒頭で問われます。プレイヤーの選択が正史になるというわけです。私は街を犠牲にしてクロエを救ったのですが，生還から10年，本作のマックスとクロエは別々の道を歩んでいました。これにはとてもショックを受けましたが，本作を最後までプレイすると「描かれていない10年間」に対する想像が徐々に膨らんでいき，「なんで別れちゃったんだよぉ！」とは一概に言えなくなってくるのです。こちらはのちほどまた詳しく。

※画像は「ライフ イズ ストレンジ」

　初代「ライフ イズ ストレンジ」で使っていたマックスの「時間を巻き戻す能力」は，事件のトラウマや後悔によって今はもう使えなくなっています。しかし親友のサフィが何者かによって殺されてしまったことをキッカケに，マックスは「サフィが死んでいる世界」と「サフィが生きている世界」を行き来できる能力に目覚めます。サフィを救うために，異なる世界を行き来して，殺人事件の真相に迫る……というのが本作の物語です。


　自己顕示欲の高いベストセラー作家の教授や，いけ好かない学内サークルのリーダーなど，事件に関わっていそうなのはクセのある人物ばかり。ライフ イズ ストレンジといえば選択肢によって人間関係や物語が変わっていくのが特徴ですが，本作はとくに悩む場面が多かったですね……。警察に目をつけられると困るし，先生や生徒には嫌われたくない。初代の学生時代とはまた違ったしがらみを感じるコミュニケーションがありました。

　情報を得るために「正直に話すか，嘘をつくか？」を選択する場面では，大事な目的はあれど，人間関係に荒波を立てるとマズいので「この人はどんなタイプの人間なんだ？　信用していいのか？」と真剣に悩みます。目を付けられたくないな〜嫌われたくないな〜と思って選んだ選択肢が思わぬ結果を招いたりも……。自分の選んだ行動が誰にどんな影響を与えるかわからないので，後悔しないよう，自分自身に「どうしたいのか？」と真剣に問いかけながら選択肢を選びます。


　初代（マックスの学生時代）って，どんな不良でもイジメっ子でも，マックスが対話を諦めなければ，ほとんどの人間と分かり合えたんですよ。マックスの対話を諦めない姿勢ってこの経験がベースになってるんじゃないかなって思うんですが，本作には大人も子供も本質的にクズな人間が存在しているので，どんなに向き合ってもマックスが報われないこともあるんです。

　だんだん辛くなって「もういいよ！こいつら全員関わるのやめよう！」って言いたくなることも。でもマックスは初代の事件を何度も後悔していて，もう二度と自分も周りも傷つけたくないんですよね。だからこそ，弱音も吐かず、全力で対話を諦めないマックスに，心を強く揺さぶられました。マックスがマックスのまま成長している姿が嬉しいし，マックスがマックスのまま友達を助けるためにもがいている姿がカッコいい。私はオタクな物理学生のモーゼスが大好き。マックスがカメラを向けると上手に表情作れないところも可愛いです。


　物語中盤ではなんと，サフィに変身能力があることが判明します。いやぁこれには驚きました。私が本作で最も感動した場面は，自分の姿のままじゃ誰からも受け入れてもらえないと思いこんでいたサフィが，誰かに変身せず，初めて自分自身の言葉で立ち向かったシーン。悪を罰することよりも，サフィ自身の言葉が世に受け入れてもらえたことに喜びを感じる展開は，これぞライフ イズ ストレンジ……といった感動がありました。なのでそのあとのサフィの大暴走についていけず，私はサフィの手をとれませんでした。サフィにとって初めての挑戦が成功して，共に奇跡みたいな夜を過ごしたのにどうして……って思っちゃったんですよねぇ。しかしあれは続編フラグですよね？　ね？


　最初はマックスとクロエが別れていることに納得がいかなくて寂しかったのですが，最後までプレイすると，マックスが相当クロエをひきずってることがわかるんです。何をしていても心の中のクロエの存在が大きくて，結局は空白の10年間をたくさん想像することになるんですよ。この行間の読ませ方がエグい……。そりゃあもう傷つくのも傷つけるのも怖いよなぁと思ってしまいます。マックスは本作の事件を乗り越えて，ようやくクロエと向き合う覚悟ができたのかも……？

　クロエ生存ルートは私の正史なので，続編があったら生存ルートは絶対ほしいですし，最終的にはちゃんとマックスがクロエと向き合ってほしいと願っております。というかウォーレンどうなった！？　生きてるよね！？　振られてきっぱり連絡とらなくなってる！？　あれだけ命を張って守ってくれたウォーレンなら接吻ブチかましたくもなるが，ヴィンお前は絶対にダメだ！！！　というわけでこれからもライフ イズ ストレンジを全力で応援しています！！！

■■結（女優・タレント）■■
女優・タレントとして活動中。国内映画祭にて主演女優賞を多数受賞。幼少期からのゲーム好きが高じ，数多くのゲーム番組でMCを務め，イトキチ（糸吉）の愛称で親しまれている。

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