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Lenovo「Legion Y720 Tower」ミニレビュー。Ryzen 7 1800X&RX 570搭載で税込14万円台半ばなゲーマー向けPCの実力は
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印刷2018/02/17 00:00

レビュー

Ryzen 7 1800X&RX 570搭載で高い価格対スペック比に振ったゲームPCの実力は

Lenovo Legion Y720 Tower

Text by 小西利明


 Lenovoが展開するゲーマー向け製品ブランド「Legion」。そのLegionブランドでは初のRyzenプロセッサ採用デスクトップPC「Lenovo Legion Y720 Tower」(以下,Legion Y720 Tower)が販売中だ。
 ラインナップは,グラフィックスカードに「Radeon RX 570」を,CPUには8コア16スレッド対応の「Ryzen 7 1800X」を採用する最上位モデル「90H9000FJM」と,グラフィックスカードは同じでCPUを「Ryzen 5 1400」に変更した下位モデル2機種という,3機種構成になっている。

Lenovo Legion Y720 Tower(型番:90H9000FJM)
メーカー:Lenovo
問い合わせ先:レノボ・ジャパン お問い合わせページ
実勢価格:14万4277円(税込,クーポン適用後価格,※2018年2月17日現在)
Legion,ideacentre Y,ideapad Y

Legion,ideacentre Y,ideapad Y
 Oculus VRのVRヘッドマウントディスプレイ「Rift」を快適に扱える「Oculus Ready PC」認証も取得済みという90H9000FJMは,通常販売価格こそ税込19万7640円と,サードウェーブの「GALLERIA」や,マウスコンピューターの「G-Tune」で同等のスペックを備えるPCよりも割高だ。しかし,レノボ・ジャパンが頻繁に割引販売を行っていることもあり,本稿執筆時点でにおける90H9000FJMの税込実勢価格は,14万4277円となっている。
 90H9000FJMのスペックはにまとめたとおりだが,15万円を切る価格でこのスペックを有するゲーマー向けPCが手に入るのであれば,大手システムビルダーのPCと比べても割安と言っていい。


 本稿では,そんな90H9000FJMをテストして,Legion Y720 TowerがどのようなPCなのか,その実力を検証してみたい。


2016年登場の「Razer Edition」をベースとするミドルタワー筐体を採用


2016年1月に登場したideacentre Y900 RE。Razerとの協業による「Razer Edition」として登場したPCだった
Legion,ideacentre Y,ideapad Y
 Legion Y720 Towerのミドルタワー筐体は,LenovoがLegionブランドを立ち上げてゲーマー向け製品を集約する以前の2016年1月に登場した「ideacentre Y900 RE」で初めて採用されたものだ。

 ideacentre Y900 REは,Razerとの協業によって誕生したPCであり,RazerのLEDイルミネーション機能「Razer Chroma」に対応するLEDイルミネーションの搭載が特徴の1つで,前面にある「Y」字形のマークとその下にある目のように見える部分,およびPCケースの底辺に,Razer Chroma対応LEDが埋め込込んであった。
 一方,今回評価するLegion Y720 TowerのLEDイルミネーション機能はシンプルで,「Y」字形のマークと目のような部分が赤く光るだけ。発光パターンや発光色をカスタマイズする機能も省略されるなど,LED関連の仕様が簡易になっているところが,ideacentre Y900 REとの分かりやすい違いといったところか。

 以上を踏まえつつ,外観を見ていこう。
 筐体前面の上部,カバーで覆われた2基ある5インチベイのうち片方にはDVDスーパーマルチドライブがある。各種インタフェースは前面の最上部と,本体背面部に並ぶ仕様だ。

Legion Y720 Towerの前面(左)と背面(右)。前面上部にある2つのカバーは,上側がDVDスーパーマルチドライブのドアで開閉するものの,下側は固定されている。背面は,ごくオーソドックスなレイアウトだ
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 前面最上部には,メモリーカードスロットとUSB 3.0 Type-A×2,USB 2.0 Type-A×2,3.5mmミニピンのヘッドフォン出力とマイク入力が並ぶ。一方の背面側は,グラフィックスカードを除くと,下の写真左から順にUSB 3.1 Gen.2 Type-A×1,USB 3.1 Gen.2 Type-C×1が並んでいた。そのほかの端子類は,USB 3.0 Type-A×4,RJ-45(1000BASE-T LAN)×1,USB 2.0 Type-A×2,5.1ch対応の3.5mmミニピンアナログサウンド入出力×5と角型光デジタル出力といった配置になっている。

本体前面最上部(左)と背面部(右)のI/Oインタフェース一覧
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 下に示したのは本体正面向かって左側面と右側面からの写真で,左側面にはやや大きな開口部がある。一方の右側面には,LenovoのロゴやWindowsのライセンスシールなどのほかには何もなかった。

本体左側面(左)と右側面(右)。側面パネルと前面および上面パネルの間にも空気孔が見える
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 筐体の内部へは,正面から見て左側面のパネルを開けてアクセスすることになる。左側面パネルの開閉は,背面側のロックを外して天面後部のボタンを押すだけという,ドライバーレスの構造になっていた。

天板の後端にある斜め線の模様で覆われた部分は,左側面パネルを開けるためのボタンだ(左)。背面の右上にある黒いスライダーが左側面のロックとなっており(右),これを左にスライドさせてロックを解除し,天板のボタンを押すだけで,左側面パネルが開く仕組みである
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 内部構造は,筐体下側に電源ユニットを配置したもので,ごく一般的なデスクトップPCと変わらない。本体下部に置かれた電源ユニットは,AcBel Polytech製の「PC7033-EL3G」で,最大出力450W,80PLUS Bronze仕様のものだ。グラフィックスカード用の電源ケーブルを除けば,各種ケーブル類はマザーボードの裏側に配線されているため,内部はすっきりしている。

 筐体内にはATX仕様のマザーボードを取り付けられるだけの余裕があるものの,Legion Y720 Towerが使用しているマザーボードは,MicroATXフォームファクタのものだった。マザーボードと電源ユニットの間に,ケーブル以外は何もない空間が開いているため,なんとなくスカスカした印象を受ける。エアフローを邪魔するものがなく,内部空間に余裕があるのは,冷却面では好影響がありそうだ。

左側面パネルを開けた状態。電源ユニットが下側にあり,写真右側となる前面側にはドライブベイが並んでいる。マザーボードはMicroATXフォームファクタだ
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 マザーボード上には,90mm角の空冷ファンを備えるCPUクーラーがある。AMD純正のWraith Coolerとはまったく異なるものだ。
 背面側には120mm角の空冷ファンが1基あり,写真では見えないが,内部ケージの前面外側にも,空冷ファンが1基装備されているようだ。ケースを詳細に観察すると,天面側にも120mm角の空冷ファンを取り付けられそうなネジ孔があるので,電源を確保できれば,空冷ファンを追加することも可能だろう。

CPUクーラーは,ヒートシンク部分にヒートパイプを採用したうえで,90mm角の空冷ファンを取り付けた大型のものだった(左)。CPUクーラーの上に見えるメッシュの開口部には,120mm角の空冷ファンを取り付けられそうだ。前面側の空冷ファンは,内部ケージの前面外側,右写真の右側に見えるメッシュ部分の向こうにあるようなのだが,覗き込んでもよく見えない(右)
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 メモリスロットは,CPUクーラーの右側にある2基のみ。評価機は,容量8GBのPC4-19200対応メモリモジュール2枚を搭載しており,デュアルチャネル構成となっていた。
 ちなみに,Legion Y720 Towerの下位2モデルはメインメモリ容量8GB仕様なのだが,これらは残念なことに,容量8GBのメモリモジュール1枚だけのシングルチャネル構成である。たびたび主張しているとおり,メインメモリのシングルチャネル構成は,ゲーム用途におけるPCの性能を無駄に損なうものでしかない。BTOに対応していないLegion Y720 Towerで,デュアルチャネル構成のメモリアクセス仕様を採用しているのが今回評価している最上位モデルのみというのはとても残念だ。

グラフィックスカードは,一般的な2スロット仕様のもの。見る限りでは,Radeon RX 400シリーズのリファレンスカードとまったく同じデザインのようである
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 話を戻そう。マザーボード上のPCI Express x16スロットには,Radeon RX 570搭載のグラフィックスカードが差さっている。評価機搭載のものは,Radeon RX 400シリーズのリファレンスカードと同じデザイン(関連記事)だ。グラフィックスカードのカード長は,実測で約243mm。PCI Express(以下,PCIe)拡張電源コネクタは6ピン×1という仕様であった。
 筐体内に6ピンの拡張電源コネクタはもう1つあったので,理屈の上では6ピン×2のグラフィックスカードまで対応できるはずである。

 カードの後端には,小さな金属板がネジ留めされており,金属板の一方の端が,筐体前面側にある拡張カードの固定具にはめ込まれていた。ブラケット側も,ネジを使わずにグラフィックスカードを筐体の内部フレームに固定する仕組みなので,ドライバーレスでしっかりと固定する構造になっていることになる。
 ただ,筐体側の固定具があるため,仮にユーザーがグラフィックスカードを交換しようとした場合でも,取り付け可能な拡張カードの長さは,実測で約290mm程度までとなる。

グラフィックスカード後端に金属板がネジ留めされていた(左)。この金属板が筐体前方にある固定具にはめ込まれているので,グラフィックスカードはがっちり固定されるわけだ(右)
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ブラケット側は,レールのような固定具を被せたうえで,固定具の上下にある2つの部品でがっちりとロックする仕組み。そのうえで,固定具の中央付近を黒い樹脂製の部品で固定するため,ちょっとやそっとではグラフィックスカードがぐらついたりしない
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拡張スロットを確認したところ。マザーボード上にあるのは,PCIe x16が1スロットと,PCIe x1が2スロット。しかし,Lenovoの公式スペック表によると,PCIe x1は1スロットのみという扱いだ
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 拡張スロットについても触れておこう。
 Legion Y720 Towerが備える拡張スロットは,グラフィックスカードが使用しているPCIe 3.0 x16が1つと,PCIe 3.0 x1が2つ,M.2スロットが2つという構成である。ただし,PCIe x1スロットのうち1つは,グラフィックスカードの下にあるため,事実上使用不可。実際,Lenovoの製品情報ページにあるLegion Y720 Towerのスペック表だと,PCIe x1スロットは1つだけという表記になっていた。
 また,M.2スロットはSSDと無線LANカードで使用済みである。

 最後は内蔵ストレージだ。
 冒頭で掲載したスペック表にもあるとおり,Legion Y720 Towerは,PCIe接続で物理インタフェースがM.2となる容量256GBのSSDと,Serial ATA 6Gbps(以下,SATA)接続で容量2TBのHDDという構成となっていた。
 すぐ上に掲載した拡張スロットの写真に写っているとおり,M.2 SSDは,チップセットの近くにあるコネクタに取り付けられている。通常であれば,グラフィックスカードで隠れている場所だ。余談気味だが,グラフィックスカードとの隙間はごくわずかなので,最近流行りのM.2接続型SSD用ヒートシンクを取り付けるのは難しいかもしれない。

 一方,HDDや光学ドライブといったSATA接続ストレージを取り付ける各種ドライブベイは,筐体の前面側に並んでいる。前面上側には,5インチベイが2つと3.5インチベイが1つあり,下側には3.5インチベイが2つという構成だ。
 下側にある3.5インチベイは,3.5インチサイズのストレージを樹脂製のトレイに取り付けたうえで,ベイにスライドしてはめ込むという,今どきのPCケースでは一般的な仕組みを採用していた。空きトレイが1つと,未使用のSATA電源コネクタが2つあるので,ユーザーによるHDDやSSDの増設は簡単だ。

前面上部にある5インチベイ。2段あり,上側にDVDスーパーマルチドライブが取り付けられている(左)。5インチベイの下には,3.5インチストレージを1台取り付けられるシャドウベイもあった。前面下側には3.5インチベイが2つあり,3.5インチHDDが1台取り付け済み
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マザーボードの右下にある赤いコネクタがSATAコネクタだ。2×2の計4ポートで,空きポートは2つある
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 ドライブを接続するSATAコネクタはどうなっているかというと,チップセットのすぐ隣に4つ用意されていた。そのうち2つをHDDとDVDスーパーマルチドライブが使用しているので,空きポートは2つとなる。別途,SATA接続用ケーブルを用意すれば,SATA接続型ストレージの増設は難しくない。

 まとめると,拡張スロットが少なく,電源ユニットの最大出力が450Wという制約があるため,Legion Y720 Towerの拡張性は高くない。ただ,ストレージ増設の容易さやグラフィックスカードの交換も可能である点を考慮すると,大手メーカー製のミドルタワーPCとしては悪くないとも言えよう。
 拡張のベースとしてパーツを交換しながら使い続けるというよりも,拡張はあまり考えずに本機の構成をそのままに使い,大手PCメーカーのサポートに期待する人に適したデスクトップPCといったところだろうか。


ゲーマー向けと謳うソフトウェア2本がプリインストール


 Legion Y720 Towerのソフトウェアについても,簡単に触れておきたい。
 Legion Y720 TowerのプリインストールOSは,Windows 10の大型アップデートである「Fall Creators Update」を適用した最新版だ。
 これに加えてLenovoでは,Legion Y720 Towerに,ゲーマー向けの機能を持つと謳う「Lenovo Nerve Center」と「Lenovo Entertainment Hub」の2本をプリインストールしている。

 このうち,より重要なのは,Lenovo Nerve Centerのほうだ。このソフトウェアは,Lenovoのゲーマー向けPCに広く対応するもので,本来的には,PC固有のゲーマー向け機能を設定したり,オーバークロック動作を行ったりできるのが特徴だ。
 ただ,Legion Y720 Tower版のLenovo Nerve Centerで行える設定は,「画面録画」と「ネット・プライオリティ」の2つだけ。「ゲーマー向け」と謳うにはいささか弱い点が否めない。

Lenovo Nerve Centerのメインメニュー。ネット・プライオリティのボタンしかない。画面録画はメインメニュー右上部の歯車アイコンから呼び出す仕様だ。なお,右下に見える小さなウインドウは,タスクバー上にあるLenovo Nerve Centerのアイコンを右クリックすると表示されるクイック設定用である
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 画面録画はシンプルに,ゲームの映像と音声を録画する機能である。マイクから入力した自分の声を合わせて保存することもできるが,Webカメラで撮影した自分の姿をゲーム映像に重ねたり,動画SNSに映像を配信する機能はない。設定できる項目も,以下の5項目のみである。ちなみに,録画時のフォーマットはH.264/MPEG-4 AVCだ。

  • マイクからの音声入力有効/無効切り替え
  • マウスの動きを録画対象にする機能の有効/無効切り替え
  • 録画フレームレート変更(※選択肢は20fps/30fps/40fps/50fps/60fps)
  • 録画解像度変更(※選択肢はデフォルト/480p/720p/1080p)
  • 録画画質変更(※選択肢はより高画質でファイルサイズの大きい「HD」と,より低画質だがファイルサイズの小さい「標準」)

Lenovo Nerve Centerの右上にある歯車アイコンをクリックすると表示される設定画面から,画面録画の設定項目を抜き出してみた。フレームレートは60fpsが最高で,画質設定は「HD」か「標準」の2択のみ
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 プリインストールソフトでゲーム録画ができるのは,いかにもゲーマー向き製品と評価したくなるところだ。しかし,Windows 10は,ゲーム映像の録画機能「ゲームDVR」や実況配信機能「ブロードキャスト」を標準装備しているし(関連記事),そもそも,Legion Y720 Towerが搭載するRadeon RX 570なら,Radeon Software Adrenalin Editionが備える録画・配信機能「Radeon ReLive」も利用できる。録画機能しかないLenovo Nerve Centerを使う理由は,少なくとも機能面からすると,ほぼないと言っていいのではなかろうか。
 Lenovo Nerve CenterのCPU負荷次第で評価は変わる可能性もあるので,その点については,後段のベンチマークテストで検証してみることとしたい。

 機能の紹介に話を戻そう。ネット・プライオリティは,指定したアプリケーションのネットワーク通信を優先して行うという,簡易的なQoS(Quality of Service,ここではネットワーク制御)機能である。

 できることは極めてシンプルで,Lenovo Nerve Centerが自動認識したゲームに対しては,自動的に優先設定を割り当てるようになっていた。特定のアプリケーションを優先したい場合は,ユーザーが任意に優先設定を行うこともできるが,優先状態で通信可能なアプリケーションは,同時に1つだけなので,たとえば,ゲームと同時にTwitchクライアントを優先するといった設定はできない。
 優先,あるいは非優先アプリケーションがどれくらいのネットワーク帯域幅を使えるかを数字で指定することもできないので,本当に簡易的なQoS設定機能でしかないのは確かだ。とはいえ,ネットワークやQoSに関する知識がなくても使えるので,無料のプリインストールソフトとしては,評価に値するのではなかろうか。

ネット・プライオリティの設定画面。右に並んでいるのが実行中のアプリケーション一覧で,最上段にある赤地のアプリケーションが,優先(ブースト)設定にあるものだ。Lenovo Nerve Centerが認識したゲームは,自動で優先に設定される
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 もう一方のLenovo Entertainment Hubだが,これは,VRヘッドマウントディスプレイ(以下,HMD)での表示に対応していないPCゲームを,無理矢理VR HMDでプレイできるようにするというソフトウェアだ。対応するゲームを自動検出するか,手動で割り当てるかすると,そのゲームの表示をVR HMD用に加工して出力できるという。
 本稿執筆時点では,「Far Cry Primal」や,VR対応版ではないほうの「The Elder Scrolls V: Skyrim Special Edition」といった具合に,おおむね2016年までに登場したゲームが対応しているようだ。

Lenovo Entertainment Hubの対応タイトル一覧
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 表示をVR HMD向けに加工するだけでは,快適なVRゲームとはならないので,実用性については正直に言って疑問符が付く。「以前にプレイしたゲームを,快適かどうかはともかくVRで体験してみたい」という人なら楽しめるかもしれない。


ベンチマークテストでLegion Y720 Towerの性能を検証


 さて,それでは簡単にLegion Y720 Towerの性能を検証してみよう。とくに何か別のPCと比較したわけではないので,おおむねこれくらいの性能は発揮できるという目安として見てほしい。
 今回はミニレビューということで,4Gamerベンチマークレギュレーション21.0から,以下に挙げるとおり3つのアプリケーションを取り上げることにした。「Forza Motorsport 7」は,無料のデモ版を使用したが,ベンチマークテスト機能については,製品版と変わらないものが実装されているようなので,問題ないと判断している。

  • 3DMark(Version 2.4.4163):Fire Strike,Fire Strike Extreme,Time Spy,Time Spy Extreme
  • ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター(以下,FFXIV紅蓮のリベレーターベンチ)
  • Forza Motorsport 7(デモ版)

 また,それらに加えて,評価機の90H9000FJMがOculus Ready PCであることも考慮して,FuturemarkのVR対応PC向けベンチマークソフト「VRMark」(Version 1.2.1701)も実施することにしている。
 なお,ゲームでのテストにおける画面解像度は,使用する液晶ディスプレイ側の制約によって1920×1080ドットのフルHD解像度のみとした。テストに使用したグラフィックスドライバは,テスト開始時点で最新の「Radeon Software Adrenalin Edition 18.1.1」だ。

 それではテスト結果を見ていくことにしよう。グラフ1は,3DMarkのFire Strike ExtremeおよびFire Strikeの結果をまとめたものだ。さすがにRyzen 7 1800X搭載だけあって,CPU性能を示すPhysics scoreは高い。
 用いているドライバが異なるので,直接の比較は行えないが,Radeon RX 570の前世代モデルにあたり,演算ユニット数とグラフィックスメモリ容量が同じ「Radeon RX 470」の総合スコアとあえて比べてみると,11〜12%程度高いスコアである。


 Time Spy ExtremeおよびTime Spyのスコアをまとめたグラフ2も,傾向はFire Strikeと似たようなものだ。Legion Y720 Towerが,GPUやCPUの性能を引き出せていないという心配はなさそうである。


 VRMarkによるテストは,スコアのブレが比較的小さいようなので,3DMarkと同様に,2回計測して高いほうを採用することにした。テストに用いたのは,DirectX 11ベースの「Orange Room」と,DirectX 12ベースの「Cyan Room」,そしてDirectX 11ベースの超高負荷テストである「Blue Room」の3種類。Radeon RX 570でBlue Roomは負荷が高すぎると思うが,参考のために計測してみた次第だ。

 グラフ3はそんなVRMark各テストの総合スコアを,グラフ4は平均フレームレートをそれぞれまとめたものになる。
 Futuremarkでは,「VRコンテンツをフレーム落ちを生じることなく実行できる基準」として,Orange RoomとBlue Roomでは109fps,Cyan Roomでは88.9fpsを「Target Frame Rate」(目標平均フレームレート,以下 TFR)と定義している。そこで今回はグラフ4に赤い補助線で,2つのTFRを書き加えてみることにした。
 それを見ると分かるが,VRコンテンツを前にしたLegion Y720 Towerのベンチマークスコアは,VRMarkのテスト中,最も負荷の低いOrange RoomではTFRを大きくクリアする一方,Cyan Roomではわずかに及ばない。また,先ほど「負荷が高すぎる」としたBlue Roomでは,まったく届かなかった。


 総合スコアは,数字だけ見てもピンとこない面がある。そこで,Oculus VRの定めるミニマムスペック相当のPCや,ハイエンドのPCによるスコアと比べて,Legion Y720 Towerの計測結果がどの程度の位置付けにあるのか,オンラインのResultページで確認してみた。
 下に示したスクリーンショットはその一部だが,Orange Roomの場合,「6183」というスコアは,「VR-ready PC」よりも24%程度高く,「High-end PC」よりも6%程度低いそうだ。一方,Cyan Roomの「4054」は,VR-ready PCよりも31%程度高く,High-end PCよりも38%ほど低い結果となっている。

上から順に,Orange Room,Cyan Room,Blue RoomにおけるLegion Y720 Towerのスコア(※グラフ内の「This score」)を,ほかのPCと比較したグラフ
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 このグラフにおけるVR-ready PCとHigh-end PCのスペック要件は以下のとおり。GPUの世代やスペックを考えると,おおむね納得のいくスコアが出ていると言えようか。


 続いては,FFXIV紅蓮のリベレーターベンチの総合スコア(グラフ5)とフレームレート(グラフ6)を見てみよう。グラフィックス設定は,「最高品質」と「標準品質(デスクトップPC)」(※グラフ内では標準品質と記載)の2種類を使用した。
 最高品質でも,総合スコアは9000弱,平均フレームレートは60を超えているので,快適にプレイできる目安を上回っている。ただ,最高品質の最小フレームレートが22まで落ち込んでいるので,レイドのように高い負荷がかかる状況では,多少グラフィックス設定を下げたほうが,快適にプレイできるかもしれない。


 Forza Motorsport 7デモ版の計測結果をまとめたものがグラフ7となる。DirectX 12対応タイトルとしては,グラフィックス負荷が低いゲームなので,最も負荷の高い「ウルトラ」設定でも,最小フレームレートで72fpsを記録した。Legion Y720 Towerなら,Forza Motorsport 7を快適にプレイできるであろうこと請け合いだ。


 さて最後に,Forza Motorsport 7デモ版をウルトラ設定でプレイしながら,ゲーム映像をLenovo Nerve Centerで録画した場合の平均CPU使用率を計測してみた。比較対象は,Windows 10標準のゲームDVRとRadeon ReLiveだ。録画データの保存先は内蔵SSDに設定してあり,画質に関する設定は以下のとおりとなる。なお,平均CPU使用率は,Windows 10標準の「パフォーマンス モニター」でログを取得している。

  • Lenovo Nerve Center フレーム(フレームレート):60 FPS,解像度:デフォルト(1920×1080ドット),ビデオ画質:HD
  • ゲームDVR ビデオ フレーム レート:60fps,ビデオ品質:高
  • Radeon ReLive 録画プロファイル:カスタム,録画解像度:インゲーム,最大録画ビットレート:50Mbps,録画FPS:60,エンコーディングタイプ:AVC

 計測結果はグラフ8のとおり。実際に「Porsche 911 GT2 RS」を選んでレースをプレイしながら計測しているので,計測開始から終了までに要した時間やレースの状況は毎回多少異なるのだが,Lenovo Nerve Center(※グラフ中ではNerve)のCPU負荷が最も高く,次いでゲームDVR,Radeon ReLiveが最もCPU負荷が低いという結果となった。


 なお,テストで録画した映像のビットレートは,Lenovo Nerve Centerが約55Mbpsで,ゲームDVRが約40Mbps,Radeon ReLiveは約47Mbpsだった。また,ゲームDVRとRadeon ReLiveは,ほぼ60fpsで録画できていたものの,Lenovo Nerve Centerは,平均で55fps弱と,録画フレームレートが60fpsに届いていない。
 録画の負荷によって,プレイ中のフレームレートが落ちることはなかったものの,ゲームDVRやRadeon ReLiveを差し置いて,ゲーム録画用途にLenovo Nerve Centerを使う根拠は弱いと言わざるを得ないだろう。


Ryzen 7搭載の大手メーカー製PCが安価に購入できるのは魅力


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 そろそろまとめに入ろう。
 Legion Y720 Towerは,大手メーカー製らしく顕著な欠点のない,よくまとまったPCという印象を受けた。拡張性はほとんど重視されていないので,買ってからいろいろ弄りたいという人には向かないものの,ケース内部構成はこなれていて,メンテナンスしやすい。

 今回評価した最上位モデルは,メインメモリがデュアルチャネル構成ということもあり,Ryzen 7 1800XとRadeon RX 570の性能を十分に引き出せている。OS用のストレージに,PCIe接続のSSDを採用していることも利点と言えよう。本製品ならではという尖った特徴はないものの,不満を感じることなく安心して使えるPCといったところか。

 なにより,そつのない構成とミドルクラスのスペックを有する大手メーカー製PCが,14万円台半ばの実勢価格(※2018年2月17日現在)で手に入る点は評価できる。
サポート面で安心感のある大手メーカー製PCでRyzen 7搭載の製品を探している場合,Legion Y720 Towerは,選択肢に入れる価値があるだろう。

LenovoのLegion Y720 Tower 製品情報ページ

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