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国内版より高スペックなAYANEOのAndroid携帯型ゲーム機「Pocket FIT 8 Elite」を試す。出来のいい端末で性能も高い
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印刷2026/04/17 08:00

テストレポート

国内版より高スペックなAYANEOのAndroid携帯型ゲーム機「Pocket FIT 8 Elite」を試す。出来のいい端末で性能も高い

 携帯型ゲームPCでお馴染みAYANEOは,価格性能比重視のサブブランド「KONKR」を展開している。
 そのKONKRから登場したAndroidベースの携帯型ゲーム機が,「KONKR Pocket FIT」だ。

Pocket FIT 8 Elite
メーカー:AYANEO
価格:599ドル(約9万5000円,税および送料別,2026年4月17日現在)
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 SoC(System on a chip)にQualcomm製「Snapdragon G3 Gen 3」を採用するモデルは,国内でもハイビームなどが販売している(関連記事)。
 一方,より強力なプロセッサである「Snapdragon 8 Elite」を採用する上位モデル「KONKR Pocket FIT 8 Elite」は,今のところ日本での販売についてはとくに言及がない。

 今回,Pocket FIT 8 Eliteの実機を入手したので,香港在住の筆者によるテストレポートをお届けしよう。テストしたのは,メインメモリ容量24GB,内蔵ストレージ容量1TBの製品だ。
 米ドルでの価格は599ドル(約9万5000円,税および送料別)である。


Pocket FIT 8 Eliteの外観をチェック


 Pocket FIT 8 Eliteは,タッチパネル付きディスプレイの左右にゲームパッド部分を取り付けた,携帯型ゲーム機でよくあるデザインの製品だ。キーボードは備えていない。

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Pocket FIT 8 EliteのDragon Yellowモデル
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 今回扱った製品は,白系の「Snow White」だが,ほかにも黒系の「Phantom Black」やオレンジ系の「Dragon Yellow」など,計3色のカラーバリエーションがある。
 KONKRは,AYANEOブランドよりは比較的低価格の製品を揃えているブランドだが,Pocket FIT 8 Eliteは全体的に上品で,安っぽさは感じないのが好印象だ。

 本体のサイズは,実測で約225(W)×97(D)×28(H)mmで,実測重量は約400gである。縦横は初代Nintendo Switchより一回り小さいが,グリップ部分が大きいので,Pocket FIT 8 Eliteのほうがだいぶ厚みがある。重さはほぼ同等だ。

 ディスプレイパネルは,6インチサイズで解像度1920×1080ドット,最大リフレッシュレート144Hzの液晶パネルを採用する。決して高解像度ではないが,ゲーム用途で不便を感じることはないだろう。

 インタフェース類は少なめで,手前側の側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-Cポート×1と,4極3.5mmミニピンヘッドセット端子×1,microSDカードスロット×1を備える。
 USB Type-Cポートは,DisplayPort Alternate Modeによる映像出力も可能だ。

Pocket FIT 8 Eliteの手前側面。左のカバー内部にmicroSDカードがあり,ネジ孔を挟んでヘッドセット端子,USB Type-Cポート,マイク孔がある
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 ディスプレイ部の上側面には,排気用のスリットがあるほか,マイク孔,音量調整ボタン,指紋認証センサー内蔵の「電源/スリープ」ボタンが並ぶ。

Pocket FIT 8 Eliteの上側面。中央左から電源/スリープボタン,音量調整ボタン,マイク孔の配置だ
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 少々気になったのは,本体中央を片手でつかんで持ち上げようとすると,電源/スリープボタンを押しがちなことだ。なるべく排気用スリットのあたりを持つのが適切らしい。


Pocket FIT 8 Eliteのボタンやスティックをチェック


 ボタンやスティック類も見ていこう。
 Pocket FIT 8 Eliteのボタンとスティックは,スティック配置が左右で非対称なXboxレイアウトだ。

Pocket FIT 8 Eliteの前面全体
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Pocket FIT 8 Eliteの背面全体。中央右のスリットは吸気孔だ。各種認証マークが描かれているが,日本のいわゆる技適マークはない。Android側にも認証情報はなかった
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 アナログスティックには,耐久性が高くドリフト現象を起こしにくい磁気ホール式センサーを採用する。
 磁気ホール式のアナログスティックは,ゲームパッドでの採用が急速に広がっているものだ。ゲームパッドよりも高価な携帯型ゲーム機で,壊れにくい磁気ホール式スティックを採用するのは理にかなっている。

Pocket FIT 8 Eliteの左右ゲームパッド部分。アナログスティックの根元には,リング状のカラーLEDイルミネーションがある。もちろん消灯も可能だ。左右のグリップ手前側には,ステレオスピーカーがある
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 [A/B/X/Y]ボタンは小さいが,押し心地は良好で,不快なグラつきもない。ボタンやD-Padの打鍵音も静かで,安っぽさを感じないのも好印象だ。

 上側面のショルダー部には,[LB/RB]バンパーボタンと[LT/RT]トリガーボタン,そして追加ボタンの[LC/RC]ボタンがある。[LT/RT]トリガーにも磁気ホール式センサーを採用しており,正確で遅延の少ない入力が可能であるという。

右側のバンパー部。[RT]トリガーは大きく押しやすい。[RB]バンパーは薄型で,その隣にある[RC]ボタンは縦横どちらも狭いので,配置もあって押しやすくはない
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 背面にはトリガーストップ用スライドスイッチがあり,標準的なアナログ入力と,軽く押し込むだけでオンになるデジタル入力を切り替えられるのも利点だ。
 アナログ入力でなければ困るゲーム以外は,デジタル入力のほうが素早く入力できるので,トリガーボタンを攻撃や重要な操作に使う多くのゲームで恩恵があるだろう。

 ちなみに,標準では[RC]ボタンにAndroidの「ホーム」ボタン,[LC]ボタンには「タスク管理」ボタンの機能が割り当てられている。タスク管理画面は,アナログスティックでアプリを切り替えられるので,画面のタップやスワイプで切り替えるよりも使いやすい。

 背面のグリップ内側には,大きめの追加ボタンである[LC1/RC1]ボタンが2つある。こちらは大きくて押しやすいので,ゲームによっては素早く入力したい操作を割り当てると役立ちそうだ。

背面のバックボタンは,左右の薬指で押しやすい位置にある。写真右にはトリガーストップ用スイッチも見える
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 総じてボタンやスティックの動きや押し心地は良好で,安っぽさは皆無だ。AYANEOのこなれた製品作りが表れているといえよう。


Pocket FIT 8 Eliteのスペックをチェック


 スペックも確認しておこう。
 冒頭でも触れたが,Pocket FIT 8 Eliteが搭載するSoCは,Qualcommが2024年後半に発表したハイエンド端末向けSoCのSnapdragon 8 Eliteである。
 内蔵するGPUコアの「Adreno 830」は,ハードウェアレイトレーシング機能やフレーム生成機能などを備えた高スペックなものだ。

 ただ本製品の場合,パーツ番号と呼ばれるSoCの型番は,スマートフォン向けで一般的な「SM8750」ではなく,「SM8750P」のようだ。Qualcomm公式の情報ではないが,P付きは5Gモデム機能を内蔵しないタブレット端末用という話なので,CPUやGPU性能に違いはなさそうに思える。

 Snapdragon 8 Eliteシリーズは,すでに後継となる「Snapdragon 8 Elite Gen 5」が登場しているので,最新最強のSoCではなくなった。とはいえ,今でも最高クラスの性能を持つスマートフォン向けSoCである点に違いはない。

 さらにPocket FIT 8 Eliteでは,いくつかの動作モードプリセットを用意している。
 高い動作クロックでグラフィックス性能を高める代わりに,消費電力や冷却ファンのノイズが増える「Game」や「Max」というプリセットから,非ゲーム用途向けにバッテリー消費の少ない「ECO」など,プリセットは全部で5種類だ。

Pocket FIT 8 Eliteの画面右側には,独自のボタンが3つある。1:Custom Function Button,2:K Button,3:= Button
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 液晶パネル右上にある「Custom Function Button」を押すと,アプリや端末を再起動することなく,動作モードプリセットを切り替えられる。
 ゲームをプレイ中に「もう少しフレームレートを上げたいな」となったときに,GameやMaxに切り替えるとフレームレートを上げられるかもしれない。

 メインメモリとしては,LPDDR5Xメモリを24GB搭載している。ゲーム用途には十分すぎるほどだ。
 内蔵ストレージはUFS 4.0仕様で,容量も1TBある。10GBを超えるようなスマートフォンゲームを,何本でも余裕でインストールできるだろう。
 ちなみに,Pocket FIT 8 Eliteの製品仕様を確認すると,最小構成ではメインメモリ容量8GB,内蔵ストレージ容量128GBとなるようだ。

 ワイヤレス通信機能は,Wi-FiとBluetooth 6に対応。5Gや4G LTEなど携帯電話系通信機能は備えていない。
※公式にはWi-Fiのどの規格に対応するか表記がない。Snapdragon 8 EliteはWi-Fi 7に対応している。

 内蔵バッテリーは8400mAhと,タブレット並みの容量を備えている。
 基本的には,2025〜26年のハイエンドスマートフォンと同等のスペックを有すると考えていい。しかも,Pocket FIT 8 Eliteは空冷ファンを組み合わせた冷却機構を搭載しているので,SoCの冷却能力はスマートフォンより高い。
 つまり,同じゲームを同じグラフィックス設定でプレイしても,スマートフォンよりも高クロックで長時間動作できるのではなかろうか。


Pocket FIT 8 Eliteのソフトウェアをチェック


 KONKRブランドはAYANEOのサブブランドなので,Pocket FIT 8 Eliteが備えるソフトウェアも,ほぼAYANEOブランド製品と変わらない。
 OSはAndroid 16だが,ホームアプリはAYANEO独自のもので,変更できない。

Pocket FIT 8 Eliteのホーム画面。アナログスティックやD-Padでアプリを選び,ボタンで起動や詳細メニューを表示できる
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 AYANEO定番のアプリランチャー「AYA SPACE」もあるが,基本的にエミュレータのダウンロード&ランチャーアプリという位置付けになっている。どう見ても著作権的に黒いサービスやアプリもあるので,本稿では取り上げない。

AYA SPACEはエミュレータ用のランチャーとなっている
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 ゲームのプレイ中に呼び出して,Pocket FIT 8 Eliteの動作状態を確認したり,各種ハードウェアの設定を変えたりするサイドメニュー「AYAWindow」も健在だ。

プレイ中でも設定を確認,変更できるAYAWindow
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 AYAWindowには,フレームレートやCPU,GPUの負荷率,ファン回転数などのハードウェア情報をリアルタイムに表示する「Performance Overlay」機能もあり,端末の動作状況を細かく確認したい人には役立つ。

オーバーレイ表示の縮小状態(上,Minimal)と拡大状態(下,Detailed)。拡大状態は細かい情報を一覧できるが,表示領域が広いのでゲームプレイ中は邪魔かもしれない。表示位置は自由に動かせる
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 ゲームパッドでの操作に対応しないゲームを,Pocket FIT 8 Eliteのゲームパッドで操作できるようにする「キーマッピング」機能も,サイドメニューから呼び出せる。
 FPS/TPSやアクションゲームは,ゲームパッドでの操作に対応するものが増えてきたが,それ以外のゲームでは,ゲームパッド非対応のものも多い。そうしたゲームのプレイ時に役立つはずだ。


ベンチマークとゲームでPocket FIT 8 Eliteの実力を検証


 Pocket FIT 8 Eliteが,高いスペックと上質なゲームパッド機能を備えていることは分かった。ソフトウェア面も,この手の携帯ゲーム機に求められるものを揃えている。だが,重要なのは性能だ。
 定番のグラフィックスベンチマークアプリである「3DMark」と,CPUおよびGPU性能のベンチマークアプリ「Geekbench 6」を使って,Pocket FIT 8 Eliteの性能を検証してみることにした。

 比較対象として,Snapdragon 8 Elite搭載で2024年末登場の「REDMAGIC 10 Pro」と,「Snapdragon 8 Gen 3 for Galaxy」搭載で2024年前半発売の「Galaxy S24 Ultra」でもテストしてみることにした。
 Pocket FIT 8 Eliteは,動作モードプリセットで標準の「Game」を選択。REDMAGIC 10 Proは,内蔵空冷ファンはオンにして,「バランスの取れた放熱」を選択した状態で計測している。

 ただ,4Gamerでも報じているとおり,REDMAGICの2025年末モデルである「REDMAGIC 11 Pro」は,3DMarkのスコアを高く見せかける不正が行われていたとのことで,公式スコアランキングから除外されている。
 REDMAGIC 10 Proは,とくにこうした問題が取り沙汰されているわけではないのだが,スコアの信憑性に疑問符が付くのは避けられない。

 そういうわけで,今回の比較対象側のスコアは,あくまでも目安であることをお断りしておく。

 まずは3DMarkから,「Wild Life Extreme」「Steel Nomad Light」「Solar Bay」「Solar Bay Extreme」の計測結果をまとめたのがグラフ1だ。いずれのテストも,グラフィックスAPIには「Vulkan 1.1」を用いている。
 なお,Galaxy S24 Ultraは,Solar Bay Extremeを実行できなかったため,スコアはない。

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 同じSoCを搭載しているが,Solar Bay Extreme以外の3テストでREDMAGIC 10 ProがPocket FIT 8 Eliteを上回った。とはいえ,スコア差は約1.4〜1.7%程度で,目に見えて上回るというほどでもない。

 一方で,前世代のSoCを搭載するGalaxy S24 Ultraに比べると,性能差は歴然としている。
 比較的古い世代のマルチプラットフォーム対応テストであるWild Life Extremeは約27%,新しい世代のマルチプラットフォーム対応テストであるSteel Nomad Lightでは約39%もの差を付けた。レイトレーシング対応テストのSolar Bayでも,約35%も上回っている。

 簡単にいえば,2024年前半までのハイエンドスマートフォンに比べると,グラフィックス性能に大きな差があるわけだ。

 次に,Geekbench 6のCPU性能テストを計測してみた(グラフ2

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 シングルコアでのテストは,Pocket FIT 8 EliteとREDMAGIC 10 Proでほぼ差がない。しかし,なぜかマルチコアのテストでは,REDMAGIC 10 Proのほうが約10%も高いスコアを発揮したのだ。
 CPUコアの種類や数自体は,両方ともまったく同じである。となると,REDMAGIC 10 Proのほうが高い動作クロックで動いたから,という結論になるのだが,それにしても10%の差は大きい。
 念のために細目も比べてみたが,差の大小はあれど,突出して何かが高いとか,特定のハードウェア仕様の差によるものかは判別できなかった。ちょっと疑問符が付く結果だ。

※Pocket FIT 8 EliteはストレージインタフェースがUFS 4.0対応だが,REDMAGIC 10 ProはUFS 4.1 Pro対応。ただしJEDECの規格はUFS 4.1であり,4.1 Proという標準規格はない。

 Galaxy S24 Ultraとの差は,こちらも大きい。シングルコア性能は約40%,マルチコア性能も約26%も上回っているほどだ。

 続いては,Geekbench 6のGPU性能テストを行った。GPU性能テストでは,グラフィックスAPIとして昔から使われている「OpenCL」と,今どきの3Dグラフィックスゲームで使われる「Vulkan」を選択できるので,それぞれでテストしてみた。
 結果はグラフ3のとおり。

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 ここでもREDMAGIC 10 ProがPocket FIT 8 Eliteを上回り,その差は約3〜4%程度となった。3DMarkもVulkanを使って描画しているのだが,それよりも差が開いた格好だ。とはいえ,大差ではない。
 一方でGalaxy S24 Ultraに対しては,OpenCLで約33%,Vulkanではなんと約67%もの差を付けている。これだけ差があると,Galaxy S24 Ultraでは高負荷過ぎるグラフィックス設定にしたゲームでも,快適に表示できそうだ。

 ここまではほかのスマートフォンとの比較だったが,Pocket FIT 8 Eliteの動作モードプリセットを切り替えることで,グラフィックス性能やバッテリー消費はどの程度変わるかも検証してみたい。
 ここでは,3DMarkの「Solar Bay Stress test」を使い,レイトレーシングを含む描画負荷が高いグラフィックス描画を一定時間続けた状態で,ベンチマークスコアの変動や,バッテリー消費やSoCの温度がどれくらい変化するかを調べてみた。

 高負荷状態が長く続けば,当然ながらSoCの温度は上がる。SoCの温度が上がりすぎると,SoCの動作クロックを下げて温度を下げる「サーマルスロットリング」が機能する場合がある。3DMarkのStress testは,連続動作によって描画性能がどれだけ低下するか,バッテリーはどれくらい消費するかを見るテストだ。
 Stress test中もスコアが大きく下がらないのであれば,その端末はゲームを長時間プレイしても,性能が下がりにくく快適さを維持できるといえる。

 Stress testでは,標準のGameと,ファン回転数が最大になるMax,そして最も消費電力の少ないEcoの3モードで計測した。結果はグラフ4のとおり。

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 Bestは最も高い,Lowestは最も低いスコアである。この差が少ないほど,安定したフレームレートで動作し続けたことを示す。
 GameとMaxの差はわずかで,1%に満たない。Maxはかなりファンの騒音が大きくなるのだが,性能に対する影響はほとんどないようだ。
 Ecoはさすがにスコアが低く,Gameの約19%にとどまる。描画負荷が高いゲームには,まったく適さない。

 スコアに差がないとなると,Maxに意味はないのだろうか。
 細目を見てみると,Stress test中のバッテリー消費は,Gameが約16%なのに対して,Maxは約20%と有意な差があった。ただ,SoCの温度は,Gameはテスト中の最低温度が23℃,最高温度38℃なのに対して,Maxは最低温度26℃,最高温度が40℃と,上昇幅も1℃しか差がない。
 これらの結果から見ると,動作モードMaxが役立つ瞬間は限られるようだ。Pocket FIT 8 Eliteをゲーム用途で使うなら,動作モードはGameで十分といえる結果だった。


Pocket FIT 8 Eliteでのゲームプレイ


 ベンチマークだけでなく,実際のゲームでも動作を検証してみよう。
 まずは定番の「原神」から。画面設定のプリセットを「最高」に設定したうえで,フレームレートを「60」にした最も高画質で高負荷のカスタム設定でプレイしてみた。Pocket FIT 8 Eliteの動作モードは,Gameを選択した。

Pocket FIT 8 Eliteで実行中の原神(左)と画面設定(右)
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 プレイ中は,ほとんどフレームレートは上限の60fpsに貼り付いており,NPCが多い街中や,派手なエフェクトが飛び交うボス戦の最中でも,フレームレートが落ちる様子はなかった。
 原神はゲーム側がゲームパッドでの操作に対応しているので,Pocket FIT 8 Eliteでは終始快適にプレイできる。画面が指でふさがるスマートフォンでプレイするよりも,間違いなく快適でプレイ体験も上々だ。

 次に,設定次第でかなり描画負荷を高められる「PUBG MOBILE」を使い,グラフィックスのプリセットを変えると,どれくらいのフレームレートで表示できるのかを検証してみた。テストはほかのプレイヤーによる影響がない「訓練場」で行い,Pocket FIT 8 Eliteの動作モードは,Gameのままだ。

 まず,「フレームレート優先」プリセットでは,90fps前後のフレームレートで描画できていた。実に快適だが,画質は当然よくない。

フレームレート優先設定の状態
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 次に「画質優先」プリセットを選択してプレイしてみる。フレームレートは60fps前後で,快適さと画質のバランスも良好だ。実際のプレイでも適切なプリセットだろう。

画質優先設定の状態。60fpsは出ている
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 さらに高負荷なグラフィックス設定ではどうなるのか。「戦闘」の「グラフィックスレアリティ」で「ウルトラHDR」を選択(※エクストリームHDRは選択できなかった)。「アンチエイリアス」や「シャドウ」の設定も描画負荷を高めるものを選択した。

 この状態でのフレームレートは40〜42fps程度。プレイに支障はないが,60fpsに比べると,やはり描画の滑らかさは劣る。Pocket FIT 8 Eliteでも,ウルトラHDRの設定は描画負荷が高いようだ。

ウルトラHDR設定の状態。40fpsを少し上回る程度だ
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 そこで,Pocket FIT 8 Eliteの動作モードを,空冷ファンが全開で回転する「Max」モードに変えてみた。冷却能力を強化することで,ウルトラHDR状態でも,より高いフレームレートで表示できるのではないかと考えたのだ。
 ところが,Maxに変えてもフレームレートはまったく変わらず,40fps程度で留まっていた。ファンの回転を増やしても,動作クロックを底上げできるわけではないようで,高クロック状態を維持しやすくするのが主眼なのだろう。

Maxモードで動作している状態(赤枠内)。残念ながらフレームレートは変わらなかった
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安定した高性能と上質さが光る携帯型ゲーム機


 まとめると,Pocket FIT 8 Eliteは,ハイエンドAndroidスマートフォンに匹敵する性能と,使いやすいゲームパッドを備えた携帯ゲーム機だ。2026年時点で最高性能というわけではないが,それに次ぐ程度の性能を備えているので,現在,そして今後2〜3年で登場するスマートフォン向けゲームであっても,高画質寄りの設定で快適にプレイできるはずだ。

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 日本の読者には残念なことに,Pocket FIT 8 Eliteは,今のところ日本国内で合法的に使うための技適を取得していない。
 そのうえAYANEOは,2026年3月27日にPocket FIT 8 Eliteの製造が終了したことを発表している。

 ほぼ同時期にAYANEOは,世界的なストレージ価格の上昇によって,部材の価格が製品価格を上回ってしまったことを理由に,Windowsベースの携帯型ゲームPC「AYANEO NEXT 2」の予約受付を停止することを発表している。
 これと同じ問題が,Pocket FIT 8 Eliteにも直撃したようだ。今後の販売が再開する見込みは薄いだろうし,改めて技適を取得する可能性もないだろう。

 AYANEOには責任のないこととはいえ,AIブームによる部材の価格高騰が,携帯型ゲーム機の価格や販売にまで悪影響を及ぼしているというのは,残念なことである。

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