プレイレポート
リアルな野球を気軽に楽しめる。体感型野球シミュレーター「レジェンドベースボール」を体験してみた
ピッチングマシンが投げる球をバットで打ち返す。誰もが知っているバッティングセンターに,野球シミュレーターの要素を加えたのが「レジェンドベースボール」だ。バッターが球を打つと,打球の行方がシミュレートされて画面に反映されるので,「本物のボールとバットを使って,野球ゲームの打撃を体験できる」とでも表現すると分かりやすいだろう。
「レジェンドベースボール」に備え付けられた端末にコインを投入すると,プレイヤー名を登録してユニフォームを選択できる。従来のバッティングセンターのように1人でも楽しめるが,最大9人対9人の対戦も可能だ。プレイヤーごとに「ルーキー」から「メジャー」までの難度を4段階に設定できる。
バッティングセンターとの大きな違いは,臨場感とインタラクティブ性にある。
プレイヤーの正面にはスクリーンがあり,プロジェクターによって球場の光景が再現されている。画面のピッチャーが投球するのに合わせて,実際に軟球が飛んでくるというわけだが,それだけでは「単なる映像付きのバッティングセンター」に過ぎない。
「レジェンドベースボール」の面白いのは,プレイヤーが打ち返すと画面に打球が表示されて,守備側がリアクションするところ。言い換えるなら「自分が打った球が球場へ飛び込み,試合を動かしているように見える」のだ。
プレイヤーのスイングや打球の方向,速度などをブースの天井に設置された「ビジョンセンサー」が読み取り,その結果が画面に反映される仕組みになっている。ジャストミートすれば野手が追いつけずにヒットになり,当たりが悪ければファールやボテボテのゴロ,高く上がれば凡フライになるといった具合だ。
もちろん打球は傾斜のついた床を転がって回収されるため,プレイヤーは何もする必要が無い。
実際にバットを振り,うまくミートできたときの手応えは格別だ。これは本物のバットとボールだからこそ味わえる感覚である。それでいて,画面に表示される打球の行方に違和感はなく,試合に没入できる。打ち損ねた打球をキャッチされるのは悔しいし,うまく弾き返したときは“してやったり”という気分になれる。バッティングセンターと野球ゲームの“いいトコ取り”というわけだ。
最大9人対9人の対戦モードでは,2イニングの攻防で勝敗を競う。当然,攻撃側はバッターボックスに立つわけだが,守備側は端末でピッチャーが投げる球種とコースを指示することになる。
選択可能な球種は「ストレート」「カーブ」「チェンジアップ」,そして1イニングに2球まで投げられる「高速ストレート」の4種類。これに「ボール」「ストライク」といったコースを組み合わせて,バッターとの駆け引きを楽しめる。
今回はレジェンドベースボール社のスタッフと対戦してみたが,とにかく読み合いが熱い。ボールになるストレートで目を慣れさせてから,チェンジアップでタイミングを崩して三振を奪ったときの満足感はなかなかのものだ。
レジェンドベースボール社のスタッフに話を伺う機会もあった。日本では正式サービスモデルの第一号がスタートしたばかりの「レジェンドベースボール」だが,海外ではアメリカや台湾,韓国での展開が着々と進んでいるという。とくに韓国においては2016年1月の直営1号店開業後,現在までに約80店舗で500台近くが稼働しているそうだ。これは「レジェンドベースボール」のみを扱う専門店の数字で,ゴルフバーに設置されているケースもあり,料金形態は時間制となっている。
日本での稼働に際しては,さまざまなローカライズも行われている。例えば,球場の土ひとつとっても,我々に馴染みのある色になっている。
また,観客席から聞こえてくる応援も日本仕様だ。海外版では“鳴り物”が文字どおり,鳴り響くそうだが,日本では応援曲が流れるなかにビール売りの声が聞こえてくる。日本の球場らしい雰囲気を再現しているというわけだ。バッターボックスに入るときにプレイヤー名をコールしてくれるのも,日本だけの独自仕様とのこと。
今後の展望としては店舗間の対戦や日韓戦をはじめ,モバイル端末やWebから入場テーマ曲を設定したり,細かくユニフォームをカスタマイズしたりできるアップデートを予定しているという。野球好きにはたまらない「レジェンドベースボール」の進化が楽しみだ。
「レジェンドベースボール」公式サイト
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