プレイレポート
「FFXIV: 紅蓮のリベレーター」で,各ジョブのプレイフィールはどう変わる? ハンブルクで実施されたプレビューイベントをレポート
・「FFXIV:紅蓮のリベレーター」,吉田直樹氏インタビューを掲載。バトルシステムの変更やブーストアイテムについて気になる点を聞いてみた
このプレビューイベントは,本作のプロデューサー兼ディレクター 吉田直樹氏が紅蓮のリベレーターのプレゼンを行い,その後に実機で体験プレイできるというもので,会場では,レベル70の全ジョブ,新エリア「クガネ」「紅玉海」「ギラバニア山岳」,そして新ID(インスタンスダンジョン)「紫水宮」が体験できた。ちなみに,プレゼン自体は前日(5月22日)に行われた「プロデューサーレターLIVE」で公開された,戦闘に関する情報のダイジェスト版だったので,詳しい内容は「こちら」の記事で確認してほしい。
さて,その新情報からは,プレイフィールがかなり変わりそうだと感じられたが,実のところどうなるのだろうか。実際にプレイした筆者の印象をお届けしよう。
なお,本稿での情報はすべて開発中のものであり,画像に映った数値などを含めて変更される可能性があることに注意してほしい。
新たな冒険のフィールド「紅玉海」と「ギラバニア山岳」
プレビューイベントで最初に降り立ったのは,新しい拠点の街になる「クガネ」だ。日本の江戸時代あたりの風景がベースになっているようだが,なんというか,とにかく色使いが派手だし,お城(?)が恐ろしくでかい。残念ながら今回はお城に入れなかったが,メインシナリオで中に入ることがあるのだろうか。
スクリーンショットを撮っていると,なぜか正座をしたくなる | |
温泉宿を発見。向かって正面に見えるのは,男湯と女湯の入り口だろうか? | |
と思ったら,脇の扉の先に露天風呂があった。あの入り口は館内の大浴場につながっているのかもしれない |
クガネの街をあちこち散策していると,リムサ・ロミンサへの船に乗船(移動)できる受付のとなりに,大隼屋(FALCON PORTER)なる受付があった。どうやら,“碧のタマミズ”という場所まで運んでくれるらしい。
大隼に乗って移動中。碧のタマミズはどんな場所なのだろうか | |
遠くになにやら巨大な柱と,鬼ヶ島を思わせる火山地帯が見える |
碧のタマミズには,新蛮族であるコウジン族の姿が。彼らとの間で,どのような交流が行われ……そして蛮神にまつわるトラブルが発生するのだろうか。
ところで,このあたりの地方で暮らしていると思われるアウラ族は,クガネではほとんど(まったく?)見かけなかった。その後,碧のタマミズとは別の海底の街で見つけたのだが,静穏を好み辺境で暮らしたり,旅から旅の移動生活を続けたりする種族ということで,やはり人の多い町中にはあまり姿を見せないのかもしれない。
柱に近寄ってみると,石造りではなく,何かしらの機械的なものが積み上がったものだと分かる。柱の頂上がどこにあるのか,フライングマウントで高度制限ギリギリまで登っても見ることができない | |
海に映る影も遠くまで延々と続く |
「禁足地」ということで,中に入る手段はありそうだが…… |
紅玉海を一通り見たところで,新エリアの「ギラバニア山岳」にも足を伸ばすことにしよう。
テレポでこの地方の拠点となる「アラガーナ」に飛んでみると,ザナラーン地方と同様に,岩と砂が目立つ大地にたどり着いた。ただ,若干ではあるがギラバニア山岳のほうが,草花が茂っているように感じる。
そんなギラバニア山岳では,巨大な祭壇(?)を奉るキキルン族の集落や,アラミゴを占領した帝国の建造物らしきタワーが見える。帝国の建造物は山岳地帯の高所にあるらしく,今回公開された場所から通じる道は発見できなかった。光の戦士は,アラミゴを解放できるのだろうか。
新ID「海底宮殿 紫水宮」に挑戦
今回のプレビューイベントに参加していた数メディアと協力して,新ID「海底宮殿 紫水宮」に挑戦してみた。
筆者は普段のメインジョブである学者で参戦。うっかりロールアクションの「エスナ」や「アイ・フォー・アイ」を入れ忘れたり,ホットバーのアイコンを入れ替え忘れたりして,のっけからグダグダだ。操作でとっちらかりそうなので,とりあえずフェアリーはフリーファイトのままにしておこう……。ちなみにレベルシンクによる紫水宮のレベルキャップは64で,残念ながらレベル70での実戦は体験できなかった。
紫水宮は,その見た目どおり竜宮城をイメージしたようなダンジョンで,海底にある雅やかな宮殿を踏破していく。ダンジョン内のグラフィックスや描き込みの細かさだったり,ボスのギミックも浦島太郎を彷彿とさせるものがあったりと,見どころが多い印象だ。
実際の攻略に関しては当然,全員が初見ということで「どうなるかな?」と思っていたのだが,筆者の操作ミスで回復が間に合わず1人が倒されただけで,それほど苦労なく(全滅することなく)突破。まあ,レベルシンクされた装備がもともと強かったのではという気もするが,とあるギミックの意味に気がついたときは「あー,なるほど!」と感心したりで,なかなかに楽しめた。
気になる各ジョブの手触りは?
●侍
DPSの新ジョブとなる「侍」は,ウェポンスキルの使用で得られる「剣気」を溜めながら,数々の「必殺剣」を繰り出して戦うジョブだ。必殺剣は,GCD(グローバルクールダウン)に影響しないインスタント発動なので,ウェポンスキルで攻撃しつつ,剣気の残り具合を見ながらどんどん使っていきたいところ。
また,ウェポンスキルのコンボで「雪」「月」「花」という3つの「閃」が得られ,取得状態によって「居合術」の技が「彼岸花」「天下五剣」「乱れ雪月花」に変化する。後者になるほど威力は高くなるが,最初の2つはそれぞれ継続ダメージや範囲攻撃といった効果もあるので,状況によって使い分けても良さそうだ。
なおアビリティの「明鏡止水」を使うと10秒間(もしくはウェポンスキルを3回実行するまで),条件を満たさなくてもコンボが成功したと判定されるため,わずか3手(通常は3コンボ,3コンボ,2コンボの8手必要)で雪月花が揃う。これを利用して連続で乱れ雪月花を放つと,かなりの高DPSが期待できそうだ。
●赤魔道士
侍と同じDPSの新ジョブとなる「赤魔道士」は,魔法を使って「ブラックマナ」と「ホワイトマナ」を溜め,「魔法剣」で一気に解き放つといった戦い方が主となるようだ。
赤魔道士が使える魔法には,無属性魔法「ジョルト」のほか,黒系統の「ヴァルサンダー」,白系統の「ヴァルエアロ」が存在し,後ろ2つの“属性付き魔法”を使うと,それぞれブラックマナとホワイトマナが上昇する。しかし,これらの属性付き魔法はキャストタイムが4.86秒とかなり長いのが特徴だ。
ここで重要になるのが,赤魔道士のもうひとつの特徴である「連続魔」である。
連続魔は,何か魔法を使うと,その次の魔法をインスタントで(即座に)撃てるというもの。つまり,キャストタイム1.94秒のジョルトを使ったあとに,属性魔法を撃てば効率よく魔法で攻撃できるわけだ。
さらに属性魔法のProc(一定確率で発動する追加効果)が発動すると,1.94秒でキャストできる「ヴァルファイア(黒)」「ヴァルストーン(白)」といった属性魔法が使えるので,ジョルトの代わりにこれらを使い,連続魔で属性魔法を使えば一気にマナが上昇。そこでまたProcが発動すれば……といった感じで,どんどんマナを溜められる。
さて,こうして得たマナを消費して魔法剣を使うのだが,どれもブラックマナとホワイトマナの両方を同時に消費してしまう。つまり,どちらか一方のマナを溜めるのではなく,バランス良く増やしていく必要があるわけだ。
また,コンボ3段目の「エンドゥブルマン」を成功させると,「ヴァルフレア」「ヴァルホーリー」が使用可能になる。この2つは強力な威力を持つのはもちろん,それぞれブラックマナやホワイトマナを上昇させる効果を持ち,さらに片方のマナが高かった場合に,「ヴァルファイア」「ヴァルストーン」を詠唱できるProcが“100%発動”する効果がある。
なんとなく,「ブラックマナが高いとヴァルファイアのProcが発動?」と思ってしまうが,実際は「ホワイトマナが高いとヴァルファイアのProcが発動」するので注意したいところ。ヴァルフレアとヴァルホーリーのどちらを使うべきか,マナのバランスをしっかりと管理して効率よく溜めよう。
ちなみに,赤魔道士も通常の近接物理攻撃はできる(具体的には,マナの蓄積でこれらのウェポンスキルが魔法剣に置き換わる仕様だ)。しかし,マナを消費する魔法剣のほうが威力は圧倒的に高いので,可能な限りマナの蓄積と魔法剣による攻撃でDPSを稼ぎたい。
●ナイト
ナイトといえば,防御やヘイト管理向けの「忠義の盾」と,追加ダメージを目的とした「忠義の剣」の使い分けが重要だ。拡張後もそれは変わらないのだが,新しい要素「忠義(オウス)」の登場で,使い分けの頻度が増えそうだと感じられた。
そもそも忠義を得るには,忠義の盾の発動中は“ブロック発動時”,忠義の剣の発動中は“オートアタックの命中時”となっている。明らかに後者のほうが獲得量が多くなりそうだと予想できるだろう。
実は,Lv52で習得できる「シェルトロン」の使用に忠義が必要になるため,狙ってブロックしたい場合などは先に忠義を溜めなくてはならない。しかし,ブロックの発動を待っていては,いつ溜まるのかは運任せ。ならばと,忠義の盾である程度ヘイトが確保できたら,一時的に忠義の剣に切り替えて,能動的に増やしてみる……というケースが増えるのではないかと思う。
なお,PLLで話題になった羽が生えるあのアビリティ「パッセージ・オブ・アームズ」は,ブロック率が100%になるので,このときは忘れずに忠義の盾を発動させたいところだ。
●戦士
戦士は,「ディフェンダー」と「デストロイヤー」のスタンスを使い分けて,タンクと高火力を出すサブタンクの両方をこなすというイメージがある。それは拡張後も変わらないが,それぞれのスタンスで得られる「ラース」「アバンドン」が「インナービースト」という共通のゲージに置き換わっている。基本的には,これまでと同様にウェポンスキルで攻撃していると,インナービーストが上昇していくという仕組みだ。
なお,ディフェンダーとデストロイヤーを切り替えると,溜まっていたインナービーストは半減してしまう。インナービーストの残量がそのまま攻撃回数にも影響するので,どちらかを溜めてから切り替えて使うというのは現実的ではないだろう。
さて,インナービーストは最大で100まで溜められるのだが,「原初の魂」や「フェルクリーヴ」といった戦士が持つ強力な攻撃は50を消費する。それでも2連続で撃てるが,デストロイヤー発動中にLv70で習得できる「原初の解放」を使うと,インナービーストの消費量が半分になる。つまり,PVにもあった3連続以上の「フェルクリーヴ」が可能になるというわけだ。この暴走っぷりも熱いが,何より目を赤く輝かせた戦士の姿が格好良い。
●暗黒騎士
暗黒騎士についても,基本的には現在とそれほど変わらない。新たに登場する特性「ブラックブラッド」は,「ソウルイーター」や「ブラッドウェポン」などの効果で増加する。このブラックブラッドは,Lv62以降のウェポンスキルやアビリティで利用され,強力な攻撃や「ブラッドウェポン」などの効果時間延長などが狙える。道中にゲージを溜めておき,ボス戦で使うといった感じになりそうだ。
また,Lv70のアビリティ「ブラックナイト」を使用すると,自身であればHP20%分,パーティメンバーであれば使用者自身のHP10%分のバリアを張れる。効果時間は5秒と短いが,白魔術士からストンスキンがなくなったことを考えると,重宝することになるのではないだろうか。
●竜騎士
竜騎士の大きな新要素は「紅の竜血」の登場だ。
拡張後の竜騎士は,「ジャンプ」や「スパインダイブ」を行うと新アビリティ「ミラージュダイブ」が実行可能になる。これを「蒼の竜血」中に実行すると,竜騎士に「ドラゴンアイ」が付与される。これを繰り返し,ドラゴンアイが4段階目になったときに,アビリティ「ゲイルスコグル」を使用すると,蒼の竜血が一定時間「紅の竜血」に変化。この効果中はゲイルスコグルがより強力な「ナーストレンド」に変化する。
ただし,「蒼の竜血」効果中という制限があるため,いかに蒼の竜血を維持しながら,ドラゴンアイの段階を上げていくかが重要だ。戦闘時間が短いと,ドラゴンアイが溜まる前に蒼の竜血が切れることもあるだろう。
●モンク
モンクは,「羅刹衝」の効果が構えによって変化するようになった。いずれも対象に急接近してダメージ+スタンを与えるのは変わらないが,例えば「紅蓮の構え」なら「紅蓮羅刹衝」となり威力が高くなる。「疾風の構え」なら「疾風羅刹衝」となり,攻撃すると同時に「疾風の極意」が付与されて,もう一度羅刹衝が撃てる。「金剛の構え」なら「金剛羅刹衝」となり,射程距離が短くなる代わりに,相手にノックバックが入るといった,構えによって異なる追加効果が得られる。
また,PLLで紹介されていたように,ほかのプレイヤーのウェポンスキルがクリティカルヒットすると確率で闘気が受け取れる「桃園結義」により,戦闘中でも闘気が増やせる。実は,レベル62以降に自身のクリティカルヒットでも確率で闘気が得られる特性が追加されるので,パーティ構成にもよるが,例えば物理攻撃系のウェポンスキルを多用するDPSがメンバーにいれば,「陰陽闘気斬」の連発も可能になり,より高いDPSが期待できるだろう。
●機工士
「スプリットショット」をスタート地点として,Proc効果の発動を狙う攻撃パターンは基本的にこれまでと変わらない。機工士の大きな変化は,アクション「ガウスバレル」の使用で,銃の熱量蓄積を示す「ヒートゲージ」が表示されることだ。
ガウスバレルを使用中に特定の攻撃を行ったり,アビリティを使用したりすると,このヒートゲージが上昇していく。これが100%を越えるとオーバーヒート状態になり,短時間だが与ダメージが20%アップ。しかし,効果終了から10秒間,ガウスバレルが使用できなくなるデメリットもある。
また,ヒートゲージが50%を超えた状態になると,「スプリットショット」「スラッグショット」「クリーンショット」の威力が向上した,「ヒート○○」に置き換わるのもポイントだ。
今回プレイした感触では,このヒートゲージをいかに50%〜90%で維持してヒート系のショットを撃つのかが,新たな機工士のポイントになると思えた。特殊弾を装填するアビリティ「リロード」「クイックリロード」でヒートの上昇を抑えたり,ヒートを下げたりできるので,闇雲に特殊弾を装填するのではなく,ゲージの状態に合わせてうまく使いたいところだ。
ちなみに,PVにも登場した火炎放射器「フレイムスロアー」を使うと10秒間,対象に毎秒ダメージを与えつつ,ヒートゲージが10%ずつ上昇していく。効果中に移動したり,アクションを実行したりすると解除されるが,うまく利用すればヒートゲージのコントロールに利用できるだろう。
●吟遊詩人
拡張でプレイフィールが大きく変わりそうなジョブのひとつ。これまでは状況に合わせて歌を発動させていた吟遊詩人だが,大半の歌の効果が変わり,戦闘中は常に何らかの歌を奏でるイメージになった。
戦闘スタイルを簡単に説明すると,これまで吟遊詩人は「ベノムバイト(コースティックバイト)」「ウィンドバイト(ストームバイト)」による継続ダメージでクリティカルヒットを発生させて,アクション「ブラッドレッター」や「レイン・オブ・デス」のリキャストタイムをリセットし,より多くのインスタント攻撃を発生させてDPSを高めていた。歌もレイドなどでは重要だが,状況に合わせて使っていたというイメージだ。
拡張後は,ウェポンスタイルについてはこれと同じだが,特定の歌を演奏中に継続ダメージによるクリティカルが発生すると「詩心」が発動するようになり,このときの歌によって異なる効果が発動するようになる。
具体的には「賢人のバラード」の効果中に詩心が発生するとリキャストタイムがリセットされる。「軍神のパイオン」の効果中に詩心が発生すると「攻撃速度上昇効果」(最大4スタックし効果が上昇)が付与される。「旅神のメヌエット」の効果中に詩心が発生すると,その詩心のスタック数に応じて威力が高くなる「ピッチパーフェクト」が撃てるようになるといった感じだ。
それぞれの歌はインスタントで発動し,効果時間30秒,リキャストタイム80秒となるため,戦闘中に歌の効果が切れたら次の歌というように,どんどん切り替えながらの戦いになると思われる。そのため,どちらかと言えば,以前よりも忙しいと感じられた(体験プレイでは,まだ慣れていないこともあるが)。
なお,範囲内の敵の魔法耐性を10%減少させる歌「魔人のレクイエム」は,範囲の敵の被ダメージを3%上昇させる歌に効果が変更される。こちらはこれまでと同様にキャストタイムが発生し,使用中にMPを消費し続けるタイプの歌となる。機工士のオートタレット・ルークと同じく数値(変更される可能性はあるが)だけ見ると効果が減少したように感じられるが,物理攻撃にも恩恵があると思われるので,これがどのように影響するのか興味深いところだ。
●黒魔道士
黒魔道士もプレイフィールが大きく変わるジョブだ。ファイア系とブリザド系の魔法で付与される「アストラルファイア」と「アンブラルブリザード」の2つの属性を使い分け,ダメージ強化とMP回復のローテーションをうまく切り替えていくことは,これまでと変わらない。変わったのは,「エノキアン」を発動させてからになる。
まずエノキアンについて説明しよう。これを発動すると,条件が整えば「ブリザジャ」や「ファイジャ」などの強力な魔法が使える。このエノキアンを維持するためには,“ファイア系の魔法でアストラルファイアを維持(ファイジャでは維持できない)”しつつ,“ブリザド系の魔法でアンブラルブリザードを発生させてからブリザジャを撃つことでエノキアンを延長させる”必要があった。エノキアンを使い始めたときは,どんな順番で何を撃てば良いのか迷ったものだ。
拡張後は,アンブラルブリザードかアストラルファイアが発動中であれば,エノキアンが維持されるようになる。つまり,トランスを使って属性を入れ替えるだけでもエノキアンが維持できるわけだ。これまで2つのタイマーに気をつけながら魔法を使い分けていたが,それが1つだけになるので,状態の管理はかなり楽になるのではないだろうか。
一方,ブリザジャを使うと3つ付与される「アンブラルハート」も重要だ。これはファイア系の魔法を使ったときに自動的に1つだけ消費され,MP消費の増量を1回分打ち消す効果がある。つまり,より多くのファイア系魔法が撃てるわけで,エノキアンの維持を意識することがほぼなくなったとはいえ,MP回復に合わせてブリザジャを挟むことが重要なのは変わらないといったところだろうか。
さらにLv68になると,アンブラルハートはすべて消費されるが「フレア」の消費MPが2/3になるという効果も得られる。これまではフレアを撃ったあとはMPがゼロになるので,リキャスト180秒のアビリティ「コンバート」でMPを回復してからブリザドなどでアンブラルブリザードを付与していた。アンブラルハートが残っているときは,コンバートなしでMP回復へとローテーションできるので,フレアが使えるタイミングも多くなりそうだ。
さて,フレアの話はともかくとして,黒魔道士はLv60の時点で,この新しい戦い方がすでにオープンしている状態となる。アンブラルハートの働きや特性を確かめるために,実装後は(とくに)じっくりとローテーションを研究したほうが良さそうだ。
●召喚士
召喚士の最大の注目点と言えば,やはりバハムートが召喚できるようになることだろう。ちなみに「サモン・バハムート」で実際に召喚できるのは「デミ・バハムート」となる。どのような展開で習得するのかも楽しみだ。
肝心の召喚までのステップだが,まずは,これまでと同様に「トランス・バハムート」を発動する必要がある。トランス・バハムートを使用すると「トランス深度」が1段階進む。これは,新しいHUDに表示されるので分かりやすいだろう。
このトランス深度が2段階,つまり2回トランス・バハムートを使うことで,いよいよ「サモン・バハムート」が可能になる。ちなみに,デミ・バハムートは召喚中のエギと置き換わる形で登場するので,別の召喚獣を呼んでおく必要がある点には注意しよう。
呼び出されたデミ・バハムートは,プレイヤーキャラが攻撃している対象に対して「ショックウェーブ」を撃つほか,アビリティ「エンキンドル・バハムート」を使うことで,対象に強力な範囲攻撃「アク・モーン」を実行する。残念ながらデミ・バハムートの召喚は時間制限があるため,ずっと連れ歩くことはできないが,短時間ながらも巨大な召喚獣(それもバハムート)を従えるのは,なんとも嬉しい気分だ。
召喚士を見るうえで,もう1つの変化に注目する必要がある。今回の拡張で,同効果のウェポンスキルや魔法などは,自動的にアイコンが上位スキルに置き換わる。これにより,バイオやミアズマが上位の魔法に統合される,つまり使えるDoT攻撃数が少なくなるということだ。
もちろん,これを前提としたLv60以上のバランス調整も行われるだろうし,DoT管理の手間が少し軽くなるわけで,戦い方も変化するだろう。これがDPSにどう影響するのかは分からないが,DPSの減少を今から気にしても,あまり意味はなさそうだ。
なおルインに関しては,すべて異なる効果を持っているので統合はされない。このあたりの攻撃をどう使い分けるかで,DPSも変化するのかもしれない。また,シャドウフレアがインスタント発動になった点も注目だ。
●忍者
忍者に加わった新要素は,オートアタックや「ぶんどる」で上昇する「忍気」だ。これを消費して,範囲攻撃「口寄せの術・大蝦蟇」,無属性魔法攻撃「六道輪廻」,2回の忍術がリキャスト1秒になり威力も2倍になる「天地人」がインスタントで発動できる。
天地人は制限時間10秒で,印や忍術以外を使ったり,動いたりすると解除されてしまうが,これと「活殺自在」をうまく使うことで,忍術を4連続で撃てる。
なお,拡張後に忍者を使うときに注意したいのが,「毒」系のスタンスがなくなったことだ。これまで「蜂毒」「蛇毒」を切り替えて使い分けていたが,拡張以降は「毒刃」として特性で扱われる。効果が切り替わっていたアビリティの「喉斬り」は沈黙効果に固定されるので,スタン効果が必要なときはロールアクションで「レッグスウィープ」などをセットしよう。
●学者
召喚士と同様にバイオが統合されたことや,エアロが使えなくなったことで,DoT管理の点では楽になったが,学者の基本的な戦い方はあまり変わらない印象だ。
新たなアビリティ「深謀遠慮の策」は,エーテルフローを消費して,パーティメンバーを対象に「HPが50%を下回ると即座に回復を行う」というもの。リキャストが60秒なので,パーティメンバー全員に配るというわけにはいかないが,エーテルフローのリキャストに余裕があるときに,前もってメインタンクに使っておくと,ちょうどいい保険になるだろう。被ダメージが確定している味方に先んじて入れておくのもいい。
もう1つ大きな変更点で言えば「フェイエーテル」の追加だが,これをどのように使いこなすべきかが悩ましく感じた。
フェイエーテルは,「エナジードレイン」や先述の「深謀遠慮の策」を使うと一定量が得られるというものだ。これは最大で100まで溜められ,「エーテルパクト」をパーティメンバーに対して使用すると,10ポイントずつ消費しながらフェアリーが対象者を回復し続ける。ただし,この間フェアリーはそれ以外の行動ができない。
また,フェイエーテルの獲得にはエーテルフローを消費する必要があるため,いざというときの「生命活性法」や「不撓不屈の策」を考えると,ボス戦で溜めるというのは難しそうだ。そのため,道中で溜めておいて,ボス戦で使うという運用方法になりそうだが,どちらかと言えば,回復を補助するというよりも,自身が攻撃するための余裕を作るといった使い方になるだろうか。実戦で試してみたいところだが,今回は残念ながらそこまで体験できなかった。
なお,後述するヒーラー系全般に言えることだが,クルセードスタンスの仕様が変わり,魔法攻撃の与ダメージを5%上昇させる“ロールアクション”になった。攻撃と回復の切り替えでうまくスタンスが変更できておらず,あたふたすることがなくなるのは,学者メインの筆者にとっても嬉しいところだ。
また,「アイ・フォー・アイ」や「エスナ(生命浄化法などの共通効果アビリティはなくなった)」「プロテス」がロールアクションに移動しているので,拡張後,そのあたりを忘れずに確認しよう。
●占星術師
占星術師も基本的な戦い方は,拡張前とそれほど変わらない。追加されたアクションを見ていくと,「アーサリースター」という設置型のアビリティの使い方が重要になりそうな印象だ。
アーサーリスターは,地面に設置したあとで再使用すると,範囲内の敵と味方に,それぞれ無属性魔法攻撃と回復効果が発動するというもの。再使用を行わず10秒の効果時間が経過すると,攻撃/回復効果が強化されるので,ちょうど良いタイミングを考えて設置しておきたい。なお,強化後にそのまま放置していると,効果時間(10秒)の終了時に自動で発動するようだ。
また,占星術師の特徴でもあるカードについては,ドローしたカードを「クラウンロード」か「クラウンレディ」に変化させるアビリティ「マイナーアルカナ」が新たに追加された。クラウンロードは対象に無属性魔法攻撃,クラウンレディはパーティメンバーの1人を回復というように,これまでのバフ効果を主体としたカードとは異なるものになっている。なお,クラウン系のカードは,キープやドローとは別の枠に保存される。
●白魔道士
白魔道士もやはり基本的な戦い方は変わらないが,「ケアル」や「ケアルラ」の使用時に確率で付与される「ヒーリングリリー」や「インドゥルゲンティア」の状況を見極めることで,より回復量が増す印象だ。
ちなみに前者は術者自身にスタックするもので,後者は被回復者にバフのような形でスタックされていく。なお,ただ回復を行うだけでは発生せず,実際にHPが回復したときのみの判定となる点に注意しよう。
ヒーリングリリーが付与されると,アサイラムやアサイズといった回復アビリティのリキャストタイムが短縮されるほか,リリーをすべて消費する「ディヴァインベニゾン」で,パーティメンバーの1人に被ダメージ15%軽減のバリアが付与できる。
一方,スタックするバフと同名のアビリティ「インドゥルゲンティア」は,自分の周囲のパーティメンバーを回復するが,回復力は被回復者に付与されたインドゥルゲンティアのスタック数に応じて変化する。当然だが,インドゥルゲンティアが付与されていない場合は実行できない。どれだけバフが付与されているのか,味方のバフアイコンのチェックが重要だ。
追加されたアビリティでもう1つ注目したいのは,12秒間,魔法詠唱のMP消費が0になる「シンエアー」だろう。パーティがピンチのときに範囲回復魔法を連打したり,ホーリーを撃ちまくったりと使いどころは多そうだ。
白魔道士で気になる点があるとすれば,拡張後にストンスキン(ストンラスキン)がアクションから削除されること。前もってダメージに対応する手段が少なくなるので,攻撃に前のめりになると,回復が遅れる可能性があるかもしれない。実際にどんな影響があるのか,実装後に要検証といったところだろう。
どのジョブにも言えることだが,同系統アクションの統合やウェポンスキルのルート簡略化などで,操作の複雑さ自体はかなり改善された印象だ。ただ,各種のゲージが追加され,その状況を管理しながらの戦いが重要になったことで,忙しさそのものは変わらないか,もしくは,より忙しくなった気がする。
ともあれ,今回の体験を通じてもっとも伝えたいと感じたことは,拡張導入後にいきなりクエストを進めるのではなく,「ロールアクション」と「ローテーション」を忘れずに見直そうということだ。とくにDPSロールはダメージ量に関わる重要な変更が多い印象なので,確認を怠らないようにしたい。
正直なところ,全15ジョブを試し尽くすには,今回のプレイ時間(それでも7〜8時間は触れている)では短いくらいだ。自分のメインジョブがレベル70になったとき,実際にどのように立ち回るべきなのか,拡張パッケージの発売が,いや,6月16日からのアーリーアクセス開始が楽しみだ。
「第36回 FFXIVプロデューサーレターLIVE」レポート
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