インタビュー
スマホで遊べる“非同期型MMO”の最適な形を目指して。今後のアップデート情報も飛び出した「セブンス・リバース」開発/運営インタビュー
これまで複数回のアップデートを実施し,ジョブバランスの調整や「おでかけ装備/おしゃれ装備」といったユーザビリティを向上させるシステムの追加,すべてのプレイヤーが挑戦できる「世界樹の塔」といった新コンテンツの実装が行われてきた。そして,2017年4月11日にはTVアニメ「七つの大罪 聖戦の予兆」との初の大型コラボイベントを開始し,さらなる盛り上がりを見せようとしている。
4Gamerでは,そんな旬を迎える「セブンス・リバース」のこれまでを振り返りつつ,コラボの経緯や今後のアップデート予定について,ディレクターの廣瀬髙志氏と,運営プランナーの遠藤真之氏に話を聞いた。
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ビギナーでもベテランでも
すべての人が遊べる世界樹の塔
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回のインタビューでは,「セブンス・リバース」のこれまでを振り返りつつ,先日実装された新コンテンツ「世界樹の塔」や,今後のアップデート/コラボについてお話を聞いていきたいと思います。ところで,遠藤さんから直接お話を聞くのは初めてですよね。
そうですね。
4Gamer:
遠藤さんはどういったポジションで,このプロジェクトに関わっていらっしゃるんですか。
遠藤氏:
イベントやガチャのラインナップを段取りしたり,今後の運営計画を提案したりする運営寄りのプランニングを主に担当しています。
廣瀬髙志氏(以下,廣瀬氏):
遠藤はほかにも,現状の分析から課題解決のための提案を行ったり,アプリの申請やメンテナンスの進行などのオペレーション業務をしたり,プレイヤーのみなさんからいただいた要望や,不具合報告に対するアナウンスの取り仕切りも担当していたりします。
4Gamer:
かなり幅広いですね。イベントのプランニングをされることもあるとか。
遠藤氏:
ええ。細かいプランニングは各プランナーに任せていて,こちらではどういったコンセプトでアプローチするのか,実施タイミングをいつにするかなどの,ベースとなる方針を固める役割といいますか。
4Gamer:
最近始まった「開発運営レター」も遠藤さんが担当されていると,風の噂でうかがいました。
廣瀬氏:
はい,主に遠藤と私とプロデューサーの田中(「セブンス・リバース」プロデューサー田中弘道氏)で書いています。また,世界樹の塔の企画は遠藤が自ら担当したものなんですよ。細かな難度調整等は私も一緒に見ていて,遠藤から「これぐらいの強さでどうですか?」と声をかけられたら,遠藤の席に行って見てみたりとか。
遠藤氏:
この企画の始まりは開発運営レターに書いたとおりでして,プレイヤーの動きを見ていると,高レベル帯と低レベル帯のプレイヤーで差が開いてしまっているのが気になったんです。
4Gamer:
そこで,新しくゲームを始めた人もジョブレベルが50になった人も,共通して遊べる場を提供したかった,という話でしたよね。
遠藤氏:
ええ。「セブンス・リバース」は,育成方法や遊び方を理解してはまり込むと,途端にバトルやイベントがスムーズに楽しめるようになるのですが,そこへ至るまでに時間がかかってしまう,大きな課題を感じていました。それを改善する施策の1つとして,世界樹の塔を先日リリースできたという流れです。
4Gamer:
さきほど高レベル帯と低レベル帯の差が開いているとお話しされていましたが,その差はどこで生まれてしまったんでしょうか。
遠藤氏:
「プレイヤーにたくさんの努力を求める」作りになっていたからだと感じています。遊びごたえのあるRPGとして楽しんでもらうために開発していたからか,作り手として「ここまでがんばってほしい希望」と,「プレイヤーの努力値」が合致していなかったんです。
ここ最近のアップデートや調整でかなり改善されていますが,エリア1,2で停滞してしまうプレイヤーが現状でもいます。
進められる人はバーッと走り抜けてくれますが,システムが分かりにくく,テンポがよく感じられないとプレイヤーは足踏みしてしまうんですよね。
4Gamer:
コンシューマ機向けタイトルやPCのMMOPRGであれば,遊び手が「プレイヤーに求められる努力」を含めて楽しもうとする傾向がありますが,スマホ向けはプレイヤーの層が多岐に渡っていて,ある程度の手軽さを求められるところがありますね。
遠藤氏:
そういった視点から昨年のクリスマスイベント周辺の数字を見つつ,求める努力の度合いと,達成感から得られる気持ちよさを体感してもらうまでのちょうどいいバランスを,プレイヤー目線に合わせて模索していました。
廣瀬氏:
面白さを感じてもらえるポイントまで,いかに引き上げるかに重きを置いて改修したところ,中級から上級レベルへ成長してゆくプレイヤーも増えてきました。この部分の改修は,今後も必要に応じて手を加えていきたいと思っています。
4Gamer:
これまでを振り返ってみると,髪型やフェイスパターンの入手条件緩和や,ジェム/ゴールド/経験値の獲得量の調整など,リリース時と比べて遊びやすくなっていて,より間口が広くなった印象です。
廣瀬氏・遠藤氏:
ありがとうございます。
4Gamer:
話は世界樹の塔に戻りますが,この塔は一定の階数に到達すると完結するイメージなんですか。
遠藤氏:
区切りはありますけど,構想としてはより広がっていく形です。今は30階までですが,現状の目標は100階層まで追加したいと思っています。階層があがるごとに敵も強くなっていきますので,いずれはケトゥスよりも強いモンスターを出現させる予定もあったり。
あくまでイメージなので,実装する段階で仕様が大いに変わる可能性がありますけど,100階まで到達したら中身をリニューアルするか,地下に新たなダンジョンが……。
廣瀬氏:
急に具体的になったね(笑)。
遠藤氏:
いやいや,例えばのイメージで,本当に構想上の話です。
継続して広がり続けるコンテンツということですね。100階まで実装されるのはいつごろの予定ですか。
遠藤氏:
かなり先になると思います。次のタイミングでは50階層までのオープンを考えていて,50階のボスはケトゥスよりも強くする予定です。その先の計画ももちろんありますが,階層の追加はプレイヤーの進行具合や成熟度に合わせて決めていきます。
4Gamer:
プレイヤーもキャラクターも徐々に育っていくものですからね。
遠藤氏:
そうなんです。ケトゥスが出た当初は,自分も含めて「あんなの倒せるの?」と思っていましたけど,今となってはプリーストがいなくてもクリア出来るようになっていて(笑)。
4Gamer:
初めてケトゥスと戦ったときは「ちょっと強すぎやしませんか」と正直思ってました。おもしろいもので,その後のイベントをこなしていくうちに不思議と対処できるようになっている。
遠藤氏:
そうやって成長を実感していくんですよね。
4Gamer:
実際に遊んでいて気になったんですが,ショートストーリーの中で重要そうなエピソードが出てきますよね。世界樹の塔はメインストーリーに関連しているんですか?
廣瀬氏:
どちらかというとサブですね。けれど大きな軸から外れたものではなくて,合わせて遊んでいただくと,よりこの世界を楽しんでもらえるコンテンツになっています。
遠藤氏:
メインストーリーで語られない部分を補完してくれるようなもので,これを遊んでいないとストーリーの全貌が見えないというわけではないです。
廣瀬氏:
塔をのぼってみたら,主人公の関係者の話がね……。
4Gamer:
それは言っても大丈夫なものですか?
廣瀬氏:
はっ……言わないです(笑)。
2017年4月11日からビッグイベントが開始
「七つの大罪 聖戦の予兆」コラボの見どころ
世界樹の塔の実装につづき,「七つの大罪 聖戦の予兆」との大型コラボイベントが開始されました。なんとなくの予想はついていますが,なぜこのタイトルを選ばれたのでしょう。
廣瀬氏:
やっぱり“セブンス”リバースだからじゃないでしょうか。
遠藤氏:
“7”つながり……。
4Gamer:
キャッチコピーにある「7度目の裁きの時」とも関係ありそうな……。
廣瀬氏:
7つながりなのは否定しません(笑)。あとは,コラボしたときの親和性の高さを見込んで,違和感なく実現できると感じたからです。ファンタジー寄りの世界観ですし,等身が低めなキャラクターモデルに登場キャラを当て込んでもなじみやすいのではないかと思いました。
4Gamer:
なるほど。今回はどれぐらいの規模のイベントになるのでしょうか。
遠藤氏:
限定ダンジョンでコラボのボスが出現し,そこでしか手に入らない報酬を用意しています。あとは主人公の「メリオダス」,リオネス王国の王女「エリザベス」,不死身の身体を持つ男「バン」をNPCとして登場させて,冒険に連れて行けるようになっています。
廣瀬氏:
リリース開始から期間限定で,デイジーとブレインという伝説の村人がいたと思いますが,NPCのイメージとしてはあの形で,せっかくだしコラボキャラを連れて行けるようにしようとなったんです。
コラボガチャも用意していて,コラボ武器を持っていると「七つの大罪」の中で活躍した技をうてるようになります。
4Gamer:
コラボ限定スキルですね。もしかして,エフェクトもそれ専用のものですか?
廣瀬氏:
ええ。モーションとエフェクトはコラボ武器専用です。コラボ防具も用意していますので,一式揃えてキャラクターになりきっていただきたいですね。ちなみに,頭装備はキャラクターのカツラを模していて,なりきり度が高いはずです。
4Gamer:
限定ダンジョン,コラボ装備,コラボキャラの登場,そしてコラボ武器専用スキルと,内容盛りだくさんでかなり楽しみです。こういったコミックやアニメIPとのコラボのほかに,今後他タイトルのゲームとのコラボ予定はありますか?
廣瀬氏:
他社さんのゲームIPとのコラボもありかなと前向きに検討中です。
4Gamer:
開発スタッフにゆかりのあるタイトルとのコラボを見てみたいですね。
廣瀬氏:
具体的なタイトルは伏せますが,相性がよさそうですね(笑)。
遊びやすさを追求したアップデートを
ギルドへの新コンテンツの導入も視野に
4Gamer:
せっかくなのでこれまでのアップデートも振り返ってみたいと思います。これまで,システム面から見たバランス調整だけではなくて,プレイヤーからの要望をくみ取った声がアップデートに反映されている印象があります。さまざまな意見がプレイヤーから届いていらっしゃるかと思いますが,とくに要望の多かったものはどれですか。
廣瀬氏:
“おでかけ装備”と“おしゃれ装備”はプレイヤーからの声が多かったです。これは実際に遊んでいるスタッフの間でも気になっていたことで,「ジョブを転職したいけど,みんなに迷惑がかかるから」というもどかしさがあったんです。これは早急になんとかしたいと,おでかけ装備のシステムを実装しました。
おしゃれ装備に関しても,性能が控えめな見た目重視の装備にしてしまうと,モテなくなってしまうジレンマを解消するために取り入れています。
4Gamer:
性能がいい装備でないと,冒険に連れて行ってもらった回数が目に見えて減ってしまうんですよね。回数が減っても,システム的にマイナスなことは起きない,けれど自分のモテ度が低くくなると気になってしまうという。
廣瀬氏:
そうなんです。強い装備に戻さなければ注目してもらえない,そんなもどかしさです。今後コラボイベントも予定していますので,おしゃれ装備を利用して気軽にコーディネートを楽しんでほしいです。
ここだけの話,実装までにはなかなかの苦労があったんですよ。
4Gamer:
それは一体……?
遠藤氏:
単純に見た目装備を入れるだけでは,プロデューサーの田中のGOサインが出なかったんです。最初は,おしゃれ装備だけが表示されていればいいという思想で実装しようとしていて,装備の性能はそのままに,見た目だけを変えるよくある形で考えていて。
けれどそれでは,もともと装備していたものが分からなくなってしまう。その点に関してプロデューサーにも譲れないものがありました。本来身に着けているものが他プレイヤーに見えなければ“プレイヤーの頑張り”を可視化することができなくなる。それはまかり通らんと。プロデューサーを納得させられる仕様にこぎ着けるまでが大変でした。
苦労した反面,こういったやりとりを重ねてクリアしたからこそ,みなさんにおしゃれを楽しんでいただける最適な仕様にたどり着けた手応えも感じています。
4Gamer:
キャラクターの幻影(もともと身につけているメイン装備)が表示される形になったんですね。1人につき2キャラ分のグラフィックスを表示させることになるので,開発時に苦労されただろうなと感じていました。
廣瀬氏:
クライアント的には,両方の情報を保持したうえで表示しなければならないので,相当大変なのではないかと思いました。プログラマーとデザイナーが頑張ってくれたおかげで,なんとか入れることができました。
4Gamer:
おしゃれ装備といえば,ゲームを起動したときにプレイヤーの冒険に何回協力したと表示されますが,この回数が増えることで現状メリットはないですよね。今後なにかしらインセンティブを設ける予定はありますか。
遠藤氏:
メリット,やっぱりそうですよね。
廣瀬氏:
これは常々何とかしたいと私自身も思っています。何かをもらえるとそれが励みになり,自分の装備をもっと強化してみようとか,ジョブレベルを上げてみようといったサイクルにつながるだろうと感じていて,今後のアップデートで達成していきたい目標の1つだったりします。
遠藤氏:
ご要望につながるところでいうと,ソーシャル性の強化といいますか,自分のキャラクターがプレイヤー全体で見てどれぐらいの強さを持っていて,どれだけ人気なのかを知りたい方も多いんですよね。こういったものは優先度高く対応していかなければと,強く感じています。
4Gamer:
新しく実装されたものについてお聞きしてきましたが,中には仕様変更をくりかえしているイベントもありますよね。アサルトバトルの仕様変更にはどういった意図があったんですか。
廣瀬氏:
素直にお伝えすると,より楽しんでもらうために最適なバランスになっていなかったという反省からスタートしています。本来は一発でいい塩梅になっているべきで,申し訳ないのですが……。イベントを実際に開催してプレイヤーに混じって遊んでみると,これは変えるべきだよねというポイントが多くて,そこを改善していくとまた違った部分で新しい課題が出てくるんです。
「前のほうがよかった」と感じる人が出てきてしまうのも承知の上なんですけども,我々としてはもっと楽しめるような形に持って行きたいんです。実際に,3月のアサルトバトルに参加されていかがでしたか?
4Gamer:
前回,前々回よりも遊びやすさを感じつつ,急に出現する強めのアサルトボスにはちょっと驚きました。
廣瀬氏:
やはりそうですよね。チムニーは出現がランダムなもので,しばらく出現しなかった人には「あれ,急につらくなったぞ?」と,壁を感じてさせてしまっていたようですね。
「剛腕の巨人」のときは10回に1回赤鬼が出現する仕組みで,いつ壁にぶつかるかが分かりやすかったですね。
廣瀬氏:
分かりやすさの点ではよかったですが,赤鬼のときは序盤から強敵に当たってしまう反省点もありまして。避けることもできるという意図でランダム出現に変更したんです。次回こうしたらもっとよくなる,という方向性は見えてきたので,より良い調整を加えていかねばと思っています。
4Gamer:
これまでの改修具合を見ると,ほかのイベントにはない思い入れのようなものを感じるのですが……。
遠藤氏:
それは,MMOの運営経験があるスタッフがおりますので,プレイヤーが集って遊ぶコンテンツに対しては「こうしたい!」って思いがとくに強いんです。MMOの楽しさを知っているスタッフが集っているからこそ,細かい調整がほかのものよりも多くなってしまうんです。
4Gamer:
なるほど。現状だと,ギルドメンバーと遊ぶコンテンツはアサルトバトルのみとなっていますよね。今後,ギルドを絡めたイベントを追加される可能性はありますか。
廣瀬氏:
もちろん。積極的に追加していきたいと考えています。
4Gamer:
アサルトバトル以外で,ギルドに所属することで得られるメリットがあるとうれしいなと,じつはプレイヤーとして感じています。
廣瀬氏:
ほとんどが企画・構想段階なので,夢の話となってしまってもいいですか(笑)。
4Gamer:
ぜひ聞かせてください。
廣瀬氏:
たとえばですが,ギルドで育てるダンジョンがあってもいいんじゃないかと構想を練っています。
4Gamer:
ギルドで育てるダンジョン……?
遠藤氏:
メンバーで協力して,少しずつ先へ進んでいくものですよね。
廣瀬氏:
そのダンジョンで集めた材料を使ってギルド施設を建設できるようになって,コツコツプレイしておくとギルドメンバーが恩恵を受けられるような仕組みです。そういったコンテンツを用意することで,よりギルドの存在意義を高められるんじゃないかと。
遠藤氏:
あとは,ギルドのハウジング要素ですね。現状のバージョンでも,ギルドロビーを確認できますが,あれはメンバーのアバターを見るために用意した画面ではないんです。いずれは家具のレイアウトを変更して,ギルドの色を出せるようにしたいという企画意図があったりします。
廣瀬氏:
家具を置いたら,メンバーがソファに座っていたり,キッチンで料理をしていたり……自分たちの分身があの中でコミュニケーションをしている,もっと柔らかな雰囲気を出したいんですよね。
人気の○○は何ですか?
最近のトレンドをアレコレ聞いてみた
4Gamer:
最近の「セブンス・リバース」のプレイヤー動向やトレンドについても教えてください。プレイヤーの村長ランクの平均は,いまどれぐらいなんですか。
遠藤氏:
毎日入ってくる新規プレイヤーを含めるかどうかで数字が変わってきてしまうところではありますけど,ある程度継続プレイされている方で平均すると40代半ばぐらいになります。
4Gamer:
あ,それぐらいなんですね。周りに70〜100の人が多くて,平均が大分高いのかと思っていました。
あくまで平均なので,村長ランク40の割合が異様に高いかというとそうではなくて,100や20〜30の層も多めになってます。
4Gamer:
村長ランク40となると,それなりに継続して遊んでいる層ですよね。70ぐらいになると,リリース初期から遊んでいてなおかつイベントにも積極的に参加していないと,そこまでは上がらない。
遠藤氏:
70はかなり上位ですね。村長ランク20まではおつとめ達成ですぐに到達できてしまいますけど,それを50まで上げられるかどうかは日々のプレイ頻度で差が出てきます。20〜40はかけだしで,50以降が中間層,70までいくとやりこんでいる層になります。
4Gamer:
アサルトバトルでの上位ギルドを見ると,村長ランク100に到達したプレイヤーがかなり多い印象を受けました。
廣瀬氏:
ああ,確かに。ランキング上位は100の方が多いです。
遠藤氏:
アサルト対策ダンジョンのようなバトルが1回しかないダンジョンが増えて,村長ランクを上げるマラソンがしやすくなったのかもしれません。あとは,外伝2のダンジョンをまわる過程で,村長ランクがグングン上がっている方もいらっしゃいます。経験値を溜めやすくなったとはいえ,そこに到達するには相応に遊びこんでいただかないとですけどね。
4Gamer:
村長ランク74のプレイヤーとしては,ランク100の方は雲の上のような存在です……。前回のインタビューでもお聞きしたことですが,今のジョブトレンドはどこに落ち着いているんでしょう。やはり変わらずファイターが人気なんですか。
廣瀬氏:
変わらず多いですね。
遠藤氏:
ですが時期によって割合は変化していますよ。多い順に並べると,ファイター,ウィザード,プリースト,レンジャー,パラディン,ニンジャ,モンクになります。ファイター,ウィザード,プリーストはとくに多いかもしれません。
廣瀬氏:
プリーストとウィザードは,村長ランクによって逆転することもあって,上位ランクになるにつれて,プリーストの割合が高くなる傾向があります。
4Gamer:
ジョブバランスに調整が入って,ニンジャやモンクの比率が増えたと思っていたら,やはり安定のファイター,ウィザード,プリーストなんですね。
遠藤氏:
モンクは練気モードを追加して,ならではの部分がかなり強化されたんですけど,使い方にコツがいるからか使用率は若干低めです。
廣瀬氏:
そのジョブを活かせるイベントが開催されていると,もちろん割合は増えてきます。ただ汎用性を考えると,ほかのジョブを選ぶ人が多いんでしょうね。
遠藤氏:
その点で考えると,レンジャーが思ったよりも多い印象だったりします。これはきっと,チュートリアルで選択できるジョブの1つだからというのもありそうで,ラインナップがニンジャやモンクになっていたら,レンジャーと入れ替わっていたかもしれません。
4Gamer:
一定確率とはいえ,敵全体に通常攻撃をヒットさせる乱れ撃ちの効果はかなり魅力的ですもんね。
遠藤氏:
あとは,アップデートで状態異常に関連するジョブアビリティを,どのジョブでも効果を発揮するようALL化したのもきいています。アップデートによって,レンジャーがデバッファーとしての魅力を見い出せたのではないかと。乱れ撃ちにうまく状態異常効果をのせられると,複数体の敵をまとめて暗闇状態にできて,意外とおいしいんです。
廣瀬氏:
ジョブに関しては,総体的に見たときのそれぞれの役割や有用性をさらに強めていきたいと考えています。たとえば,今後のアップデートで状態異常の価値を見直して,よりレンジャーの使いどころを増やしていけるようにしたりとか。
4Gamer:
レンジャーの時代が来る前に,ジョブを育成しておいたほうがよさそうな雰囲気ですね。
アップデートでバランスが調整されると,それを理解できたプレイヤーは積極的に活用している印象を受けました。ただ,そこまで把握できていないプレイヤーもいるようで,お恥ずかしながらスキルチェインゲージをつなぎやすいニンジャの魅力に最近気付きました……。
遠藤氏:
ああ,ニンジャいいですよね。アップデートでスキルチェインが継続しやすくなるよう緩和したので,より活躍しやすくなっています。あのアップデート以降でジョブをニンジャにした方はやはり多かったですよ。
廣瀬氏:
ニンジャ部隊で鵺(エリア3マルギニ山4:ぬえの森のボス)をいじめるためにね(笑)。
4Gamer:
鵺はスキルチェイン稼ぎの穴場という噂ですね。
遠藤氏:
スキルチェインを100以上稼ぐにはいい場所だと思います。こういった動向を見ていると,スキルチェインで火力を高めるときはニンジャで,単発の火力で勝負に出るならファイターという風に,ジョブのカラーを強めて編成の選択肢が増やせた手応えを感じます。
4Gamer:
つづいて継承アビリティについて。最近はメダルコレクションやトレジャーハントを利用して,継承アビリティを積極的に付けるプレイヤーが増えている印象です。プレイヤーの間ではどういった継承アビリティが人気なんでしょう。
遠藤氏:
分かりやすい変化が見られる物理攻撃力アップと,魔法攻撃力アップが主流ですね。その次に,刺突攻撃力や斬撃攻撃力といったものを,ジョブに合わせて選んでいる人も増えてきました。
廣瀬氏:
ある時期からクリティカルの価値が見直されて,会心ダメージアップと会心攻撃率アップのアビリティをうまく組み合わせているプレイヤーもいました。
遠藤氏:
あとは状態異常付与が有用なイベントで,状態異常付与率を上げる継承アビリティに付け替えていた人もいましたね。たとえば2月に実施したアサルトバトルのときは,鬼を何らかの状態異常にしておかないと,3分間を戦い抜くのがつらいバランスになっていて。
廣瀬氏:
あのときは暗闇特化にする人がとくに多かったです。ちなみにお伺いしたいのですが,継承アビリティは何をセットしてますか?
4Gamer:
目に見える数字を上げて満足するタイプなので,ファイターは物理攻撃力アップIと,物理攻撃力アップIIの2つを主に付けています。
遠藤氏:
IとIIを付ける一般的なパターンですね(笑)。
4Gamer:
なんというか,目に見える数字が高いとモテるかなと……。基本の攻撃力が1000を超えているか否かって,パーティに入れるかどうかを判断するときに見るポイントだと思うんです。
廣瀬氏:
数値が高ければパッと使う。たしかに。
4Gamer:
ところで,物理攻撃力アップと斬撃攻撃力アップだったら,どちらを付けたほうがいいんでしょうか。前者はステータスの攻撃力が上がるので成長具合が分かりやすいですが,後者は基本ステータスは上がらず特攻の倍率が上がるので,どちらにしたらいいものかと気になっています。
廣瀬氏:
効率の面でいうと,ファイターは基本的に斬撃スキルを使うと思われますので,物理攻撃力アップIとIIをすでに付けていらっしゃるなら,IIをそのまま残して,もう片方は斬撃攻撃力アップIIをつけるのがオススメです。
遠藤氏:
あとは斬撃攻撃力アップにこだわらず,属性攻撃力アップIIIを強化できれば,物理攻撃力アップIや魔法攻撃力アップIよりも高い効果を発揮してくれますよ。
4Gamer:
基本ステータスの数字よりも,継承アビリティのグレードが高いものに目を向けてみようということですね。
廣瀬氏:
先ほどおっしゃっていた,“モテ”を意識して目に見える数字を高めたい気持ちはとても分かります。物理攻撃力アップではなく,斬撃攻撃力アップを付けてしまうと,ステータスが劣っているように見えてしまうんですよね。
4Gamer:
まさにそのもどかしさがありました。
廣瀬氏:
そういった部分を解消しようと,細かなアップデートではありましたがステータス画面の特効ボタンを押すと,それぞれの値が見られるようにいたしました。
遠藤氏:
育成を頑張っているプレイヤーが目に見える数字だけで判断されてしまっていたり,分かりやすい数値になっていないと属性攻撃力アップなどの継承アビリティを選びにくい傾向があるんですよね。
廣瀬氏:
最効率を求めるコア目なプレイヤーは,一見攻撃力が低くてもステータスと特効の欄を照らし合わせて,総合力で判断してくれるはずですよ。
4Gamer:
おお! とても参考になります。
いよいよ新ジョブ追加,レベルキャップも開放
「セブンス・リバース」のこれから
4Gamer:
近いタイミングと,遠い未来で「セブンス・リバース」がどのように変わっていくかをぜひお聞きしたいのですが,今後どのような改修や新要素の実装を行う予定ですか。
近いタイミングでいくと,月末頃に予定しているアップデートで新ジョブのダークナイトの実装と,アサルトバトルの改修,村長ランクのキャップ開放を行います。また,前述のものと同じタイミングではありませんが,合成まわりをより分かりやすくする改修も行っていきたいと考えています。
4Gamer:
現状は村長ランク100がマックスですが,どこまで開放さるのでしょう。
廣瀬氏:
150まで拡張します!
4Gamer:
おお,しばらくランク上げがはかどりそうです。
生放送等でダークナイトについてお話しされていたましたが,あらためて新ジョブの特徴を教えてください。
廣瀬氏:
ダメージ効率のいい,攻めに特化したジョブになります。ダメージを稼げる分,コストを払わなければならないのでリスクもあるジョブです。
世界樹の塔のような,素早く倒すことを求められるタイムアタック系のコンテンツであれば,ダンジョンの階層によっては非常に光る可能性があります。逆に,長期戦に持ち込んで倒せればいいものであれば,別のジョブを選択するのがいいかもしれませんね。ダークナイトは新しい武器種の“大剣”を装備する斬撃特化のアタッカーなので,ファイターとの使い分けを意識してもらえるといいかもしれません。
4Gamer:
では,ダークナイトの次のジョブはいつ頃を予定していますか。
廣瀬氏:
さらに次ですか……それはちょっと言えないです(笑)。
4Gamer:
前回のインタビューでお聞きした,サムライはいかがでしょう。
廣瀬氏:
サムライは……今のところ構想にはないです(笑)。両手剣を扱うという部分で半分は当たっていたもので,ギクッとしていただけです。
現行のバージョンでは7ジョブですが,あと7ジョブほどの構想はありますので続報に期待していただけるとうれしいですね。どれを優先して出していくのかというところはまだ確定していないですけど,剣士系がくるなら魔法攻撃系もあるだろうし,もしかしたら支援系のジョブもあるかもしれません。
4Gamer:
支援系,気になりますね。年明け頃に異世界・ルナリアが追加されましたが,新しいエリアは近いタイミングで追加されますか。
遠藤氏:
ダークナイト実装の優先度が高く,まずはそこを終えてからですね。
4Gamer:
なるほど。これはちょっとした要望に近いものなんですが「村長クラスランキング」は,今後仕様を変更したり,新たなインセンティブが追加される可能性は……?
遠藤氏:
あります! 本当はVer.1.6.0に合わせて行いたかったのですが,残念ながら調整が間に合いませんでした。いろいろと突き詰めて考えていくと,そもそも試練ダンジョンの開放が早すぎたかなと思うところもあって。なので,開放のタイミングを後ろに倒しつつ,上級者向けの内容にする方向で検討しています。
廣瀬氏:
今後の予定としては,シナリオダンジョンのWAVE数の見直しや武装研究所のテコ入れも議題に上がっています。村長ランクのキャップ開放よりあとのタイミングになりますが,ジョブレベルのキャップ開放も予定しています。
遠藤氏:
ケトゥスの報酬でもらえる伝説シリーズの先の形も実装したいですね。コンテンツマップ上では,この先も強化できるとしか書いていなかったので,5月ぐらいにはその先の姿を発表できるかもしれません。1回の強化で武器が完成しそうに見えますが,完成までに何段階かの課程を経るものだったりします。
4Gamer:
遠い未来のお話でもいいので,そのほかに実装を予定されているコンテンツはありますか。
遠藤氏:
さらに遠い将来の話になりますが,第一回の開発運営レターにも書いたとおりで,「セブンス・リバース」ではプレイヤー同士で対戦できるコンテンツも計画しています。
1人でまったり遊びたい,ギルドメンバーと盛り上がれるものでいいなど,プレイヤーによってニーズは異なっていますので,全プレイヤーに強いるようなものにはしません。
廣瀬氏:
対戦のコンテンツが導入されるまでに,バトルにより奥行きを持たせたいとも考えていて,炎上や毒といった一定時間ダメージを与えるスリップダメージの利用価値を上げていきたいですね。やはり,対戦するからにはプレイヤーの戦略・戦術が活きるバトルにしたくて。
4Gamer:
対戦要素が実装されるとなると,個々の装備の強化やジョブの育成に力が入りそうですね。今回のまとめとしてお聞きしたいのですが「セブンス・リバース」の今後の展望を教えてください。
廣瀬氏:
始まりはスムーズに,遊びこむほどにやりごたえを感じられるコンシューマゲームに負けないぐらいのタイトルにしたい,ですね。開発を始めたときからこの想いは変わりませんし,この指針に沿った方向に進むべきだと思っています。
とはいえ,プレイヤーに遊びづらさを感じさせてしまえば敬遠されてしまいますので,遊びやすさを向上するアップデートは引き続き行っていきたいです。ゲームに奥行きを足していきながら,より深みのあるタイトルにしたいなと。
遠藤氏:
おおもとのコンセプトは“非同期型のMMO”ですが,やっぱり“MMO”なんですよね。スマホゲームを遊ぶシーンはPCやコンシューマと違いますし,なんなら遊ぶ層も異なります。単純にMMOを再現してしまうと,複雑さや分かりづらさが出てしまいますので,スマホで快適に遊べて,どっぷりハマればやりこみどころが沢山あるタイトルを目指していきます。
4Gamer:
それでは最後に,プレイヤーのみなさんに一言ずつメッセージをお願いします。
廣瀬氏:
一緒に遊んでくれる人が増えたほうがより楽しめるゲーム,それがMMOだと思っています。だからこそ,アップデートによって間口を狭めるのではなくて,もっと多くの人に遊んでいただくものにしていきたいです。
もちろん,ハマりこんでくれているプレイヤーには攻略のしがいのあるモンスターやダンジョンも提供していきます。
遠藤氏:
簡潔に言うと「スマホで遊べる本格的なMMOの最適な形を,今後も模索していきます!」です。これまでのプレイヤー動向から,企画意図どおりになっていないものや,やりすぎてしまった部分が見えてきて,反省することも多かったです。本格的なアバター遊びや戦略性を,ゲームの面白さを保ったまま提供していきますので,何卒引き続き遊んでいただきたいです。あと,友達を誘ってください。
廣瀬氏:
それ,大事だね。ファミコンやスーパーファミコンで遊ばれていたRPGが好きなら,「セブンス・リバース」を遊んだほうがいいと思います。コンシューマゲームのような感覚で,周りの人を誘って腰を据えて遊んでほしいです。時間がない方でも遊べるスマホのMMORPGを目指して作っているので,楽しんでもらえると信じています!
4Gamer:
ありがとうございました。
――2017年3月30日収録。
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