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印刷2017/06/08 15:53

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体を大きく動かしてプレイするVRリズムアクション「Airtone」のメディア向け体験会をレポート

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 AMG GAMES(アミューズメントメディア総合学院商用ゲーム開発機関)は2017年6月7日,近日リリース予定のVR向けリズムアクションゲーム「Airtone」のメディア体験会を開催した。
 Oculus VRの「Rift」を使用して,ゲーム中に収録された楽曲2曲のステージをプレイできたので,そのレポートをお届けしよう。

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ヒストリア 代表取締役,「Airtone」ディレクター兼プロデューサー 佐々木 瞬氏
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 プレイの前に,本作のディレクター兼プロデューサーを務めるヒストリアの佐々木 瞬氏が本作を解説した。

 本作はRiftとHTCの「Vive」に対応するリズムアクションゲーム。キャラクターデザインはPolygon Picturesの森山佑樹氏,サウンドはノイジークロークとAMG MUSIC(アミューズメントメディア総合学院音楽事業部)が担当し,「VRの音ゲーといったらコレ!」と呼ばれる作品を目指して,ヒストリアが約1年をかけて企画・開発を行ってきたという。

 「Airtone」には本編のリズムゲームモードに加え,ヒロイン「ネオン」とのストーリーが展開する「ROOM」というモードもあり,10時間以上のプレイ時間を想定しているとのこと。

 本作が目指すものは「VRならではの体験」「見ていて面白い」「音ゲー従来の楽しさ」という3つ。「VRならではの体験」ができることは言わずもがなだが,プレイヤーだけでなく,周りにいるギャラリーまでも「見ていて面白い」と思えるような,ダンスゲーム的な動きをプレイ時のアクションとして導入している。また,「音ゲー従来の楽しさ」については,リズムアクションゲームとしての完成度を高めることを目指していて,事前に行われたβテストでもリズムゲームファンから高評価を得られたそうである。

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 佐々木氏の説明が終わり,いよいよ試遊。ゲームプレイは両手にコントローラを持って行う。プレイヤーは鮮やかに彩られたステージを飛ぶように進んでいくのだが,ステージには5本のレールが画面の奥から手前に向かって敷かれており,その上をさまざまな色の「マーカー」が流れてくる。プレイヤーはそれが自分の周囲に来たときに,マーカーの色に応じた操作をするというルールだ。

 マーカーの色は黄・緑・ピンクの3種類。黄色のときは叩く(コントローラを振る),緑のときはトリガーを引く,ピンクのときは一定時間トリガーを引きっぱなしにするという感じだ。さらに,レールはプレイヤーの周囲をうねるように敷かれているので,マーカーがどの位置に来るかの把握も重要だ。

Airtoneの基本操作がこちら。黄色のマーカーは叩くイメージでコントローラを振る
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 マーカーが画面中央付近からプレイヤーの周囲へと流れていく動きと,楽曲に合わせた演出のおかげで,プレイヤーが独特の浮遊感を味わいながらゲームを楽しめるようになっている。


 今回は収録された楽曲から「Party in the sky」と「Breeze」の2曲がプレイ可能だった。後者はマーカーのスピードが速いうえ,違う種類のマーカーが同時に流れてくるなど,難度が高くなっていた。

 筆者は「Breeze」のプレイでかなり苦戦したが,ほかの体験者には初見でも高得点を出している人もいたので,難度のバランスは取れているようだ。
 楽曲もなかなか完成度が高く,体験会の会場で繰り返し聴いていても飽きずに楽しめるものだった。ちなみに収録楽曲は25曲の予定で,別途追加曲をDLCとして配信するとのことだ。


 もう一つのゲームモードであるROOMは,佐々木氏自らが実演しながら解説した。こちらはその名のとおり部屋の中が舞台で,前述したように,ヒロインであるネオンとのちょっとしたストーリーを楽しめる。ストーリーが進めばルームアイテムなどが増えていき,プレイした楽曲をBGMに,VR空間を満喫できる仕組みだ。
 
ROOMではVR空間でネオンとともにくつろげる。背景やBGMが変更できるほか,空間に絵を描く遊びなども用意
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 体験会の最後に,佐々木氏への合同インタビューも行われたので,その模様をお届けしよう。

――「Airtone」は,どのようなきっかけで作られたのでしょうか?

佐々木 瞬氏(以下,佐々木氏):
 私はアミューズメントメディア総合学院の講師をしていまして,教育と並行した現場での活動として,VRでの企画を立ち上げることになりました。そこで,以前から考えていた「VRにおける音ゲーといえばこれだ!」というポジションを確立するという目標のもと,ちょうど1年前に開発をスタートさせたんです。

――VRで開発するにあたり,難しかったところはどこですか?

佐々木氏:
 たくさんありますが,強いて挙げるとすれば2つで,まず1つはVRならではのゲームデザインの構築ですね。
 このゲームはできるだけ体を大きく使うものにしようと思っていたのですが,実際に視野の範囲内で遊ぼうとすると,どうしても手が前に出て動きが小さくなってしまうんです。
 そこであえてマーカーの判定を視野外に置き,体を大きく動かすようにしました。音ゲーのプレイヤーは基本的に判定時よりも判定の直前を意識していますから。
 もう1つはインタフェースですね。空間を使ったインタフェースは発展途上で,今までの文法で作ると,どうしても四角い空間になってしまうので,できる限りそう見えないように試行錯誤しました。

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――本編とは別に「ROOM」を入れたのはなぜですか?

佐々木氏:
 できるだけゲームを長く遊んでもらいたいということで,本編を繰り返し遊ぶ間に安らげるもの用意しました。ちょっとしたストーリーを挟み込んで,遊んでいる人がホッと一息つけるような空間ですね。

――楽曲はコンポーザーの皆さんにどのようにオーダーされたのでしょう?

佐々木氏:
 本作は国内のみならず海外展開も見据えていまして,日本のコンポーザーの皆さんが世界に送り出す楽曲として,電子音を主体としたEDM的な楽曲であることと,ゲームシステムに合わせた浮遊感を出すことをコンセプトにオーダーさせていただきました。

――プレイヤーの手の動きを確認できるリプレイ機能を付けた理由をお聞かせください。

佐々木氏:
 音楽ゲームには,パーフェクトプレイをシェアするという文化があるんですが,VRだとどんなにうまくプレイしても体の揺れが気になって,体全体の動きを動画などでシェアするのはあまり格好良くないんです。
 そこでリプレイをシェアできる仕組みを作ったんですが,このゲームの場合,それぞれのマーカーをどちらの手で取ったかが気になると思うので,左右の手の動きを入れる仕様にしました。

――DLCとして,ヒロインのネオンの衣装などは用意されますか?

佐々木氏:
 今のところDLCとして用意しているのは楽曲だけです。もちろん,たくさんの方にゲーム買っていただいて評価されるようでしたら,そこも実現できるかもしれません(笑)。キャラクターとかも追加できたら嬉しいですよね。というか,追加したいです!(笑)

 「Airtone」は,長崎のハウステンボス内「VRの館」で楽しめるほか,そして2017年6月17日に東京の渋谷にプレオープンする「シブヤVRランド」にも設置されるとのこと。興味がある人は足を運んでみてはいかがだろうか。

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